2008年7月19日 (土)

連続ドラマの鑑賞の仕方について

   大河ドラマをネタに言いたい放題言っておる当ブログのレヴューではございますが。

   こちらも毎年連続して試聴するのはほとんど大河ドラマのみという状況で、NHKから出ておりますドラマストーリー(公式解説本)もしっかり購入、各種サイトも参照して骨までしゃぶるつもりで見ておりますのよ。

   NHKが総力を挙げて制作しておりますドラマという位置づけですので、それなりのものを期待しております。最新の研究成果と時代の雰囲気を解釈に取り込み、スタッフも演じ手も最高の布陣で行われておりますものと信じております。

   「あんなものはどうせ『ドラマ』だから」という冷笑的見方におちいらず、不満を抱えながらもできるだけ良いところを見、しかしながら、苦言を呈するべき所は容赦なく、という立ち位置を心がけておりますが。最近はいかんせん、世間での好評を聞くにつけ、あまのじゃくな気持ちが抑えきれず、細かいところをあげつらっておったかも知れません。

   しかしながら、こちらも大河歴が長いので、最後にうっちゃられるのまで込み込みで楽しみにしておるのです。ちょうど今年の初め、どうにもヒロインのいじけた性格が気に入らないとこちらで早々に「ちりとてちん」が楽しめないと公言しておきながら、物語が進むにつれて目が離せなくなり、最後にはあっぱれ名作であったと申しましたように。
   最初はあまりにも後年の偉大なお姿とのギャップに呆れ、こちらでもヒドイ、ヒドイと申しておりましたが、だからといって見放すことはたえておこなわず、家人にも迷惑がられながらもしつこく試聴を続けておりますのは、ひとえに大河ドラマを愛し、期待しておるからです。最後には、ティッシュペーパーを箱で使いながら「嗚呼、今年もよい大河であった」と言わせて貰うつもりが十分あります。

   家定の寵愛を受けねばならぬと大奥が総出で篤姫の髪型を工夫し、打ち掛けなどを案じながら、結局の所、篤姫が前例を破り、率直に家定に声を掛けて来訪を乞うたのがいちばん効果があった回は、快哉を叫ばずにおられませんでした。これこそ篤姫の真骨頂。ここはたしかに素晴らしかったです。

   あれだけ篤姫を無視しておった家定が、最後には篤姫を頼り、心を開いて差し向かいで碁を打つまでになった姿に、しみじみとした感慨を感じたことはここでも述べたとおりです。

   ただ目に付いたあまりにも現代的な解釈であるところ、軽々しく思えるところをあげつらったからと言って、卑怯なやり方で当ブログを混乱させるような行いを受けるのは大変迷惑です。

   わたくしのはアンチ巨人のようなもの。楽天の野村監督のようにみっともなくぼやきながら、それでも大河を見ずにはおられないのです。ここはどうだ、ここに感動しなかったのかとお尋ねくだされば、包まずにそのすばらしさを申し述べさせていただきましょうに。ご覧になって不愉快に思ったとただそれだけ言い捨ててゆかれては、こちらも困惑するだけでございます。

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2008年7月16日 (水)

「篤姫」 28 選んだ道は

   今週はきつかったな。

   NHK公式に拠れば、「はじめて家定が徳川家を残そうと動いた、つまりは自分のことも生きても良いと認めた」瞬間に、彼は……。

   

余りにも美化した家定像であると最初は違和感がありましたが、これはNHK大河史に残るよい新解釈に入れていいかも。
   わたくしが大河を毎年見始めたのは嫁いで以来ですから、ほんの10数年のキャリア(キャリアなのか?)ですけれどね。   

   予告にもありましたから心づもりはしてましたが、早かったですよ。
   開始5分ぐらいで、
   「牡丹を御台に見せよう」とかいって、手ずからハサミを持って切ろうとする(またココが泣かせる!)ときに倒れるのです。
   ってさー、武家の頭領が。源氏の氏の長者が(いやもうそういう観念はなかったでああろう)。女房にお花を見せてやろうって手前のうちの庭で倒れて死にますか。
   どんな死に方もみっともない死に方なんて言っちゃいけないんだろうけど。
   やっぱりヘタレ感を禁じ得ないですよ。
   この将軍にはふさわしいかもですが。

   じゃあどんな死に方ならいいかって、落馬して死ぬのも武士としてどうよって気もするし、鯛の天ぷらの食べ過ぎってのもアレですな。あれ、足利尊氏の死因ってなんだっけ?(なんかデキモノらしい)

   脚気衝心ってところがもうひ弱なお殿様になってしまった天下泰平の末というのを表わしていてらしいといえばらしいですかね。

   まだ死んでないって。

   その上様の一大事に、きっとママとお志賀ちゃんと篤子ちゃん三つどもえの争いが枕頭で勃発、と思いきや、それはひた隠しにされるのでありました。

   「そういえば最近上様と会ってないわ」
   「どのぐらいですかねえ」
   「ざっと半月」ってあんた! 悠長すぎ!

   なんだか、新婚の頃は毎朝篤子ちゃんのところに泊まらないまでもお仏壇の間とやらで顔ぐらい合わせてたみたいな描き方でしたが、当時は相当あっさりした夫婦仲だったようですね。2,3日顔を合わせないなんて普通なのかぁ。前回申しましたとおり、中奥っていう奥様の立ち入れないプライヴェイト・ルームもお持ちだし。あと、歴代将軍の忌日なんてのがあって、各将軍の月命日は慎むとかいって奥泊まり禁止だったらしいし。まあ、ご清潔だこと。家定は13代なのでその前は12人、一ヶ月のうち約5日に2日は子作りができないのであります。そりゃ将軍候補も少なくなろう。ちなみに、忌日が重なる将軍がいたらしい(3代家光が4月20日、8代吉宗が6月20日)ので厳密に12日ダメだったということはないそうです。ま、あとは本人の意志だな。「ダメです」と言われても「いいだろ」と言える性格か、そうでないか。家定とか家茂とかは、やっぱり押して同衾したいという性格じゃなさそう。

   脱線はおいといて。
   上様が病臥という情報は、さすがにママ本寿院の方には入っていた模様。ところが、篤姫憎しで凝り固まってしまったママは、「篤姫には内緒」とまた陰湿なことを言い出します。
   「滝山! 断れ!」娘も絶叫しました。

   結局滝山くんは自分の心とプライドに従った模様。
   「実は、上様ご病気みたいです」と告げに来てくれました。このへんはやっぱり篤子たんの人徳でしょうか。

   これと前後して、とうとう将軍継嗣が紀州慶福くんに決まり、ヒスを起こしてた幾島くんが2,3日姿を見せなくて、篤子ちゃんはそっちを気にしてました。
   「きくもっちゃんのことがトラウマなんだ。こっそり自害してないか気になるんだな」
   娘はその頃は見てなかったですから、なんで篤子ちゃんが気を揉むか理解してなかった模様。ああ、やっぱり半年見続けてきて良かった。

   久し振りに出てきた幾島くんと、そのトップシークレットを告げに来た滝山くんがバッティングして、まだその内容を知らない篤子ちゃんが滝山を待たせて幾島くんを気遣うことを優先したのがなんだかしみじみ。
   お廊下の方で控えてる、後で来た幾島くんの所へわざわざ主たる篤子ちゃんが寄っていって様子を確かめたところに、幾島くんを大切に思う気持ちを感じました。
   ああ、こんなに大切な「同志」になったのね。

   で、不吉な知らせに悲しむ篤子ちゃんに滝山くんはさらなる調査を約束。

   上様のプライヴェイト・ルームが大奥じゃないというのは善し悪しですね。

   一大事なのに、正室・側室・ご生母はお見舞いに行けないのです。

   どうなんだろ? 史実ではみんな病室は中奥だったのかしら? 過去の大河ではどう描かれていたかしら? 「葵~徳川三代」とかで家康の枕頭にはおねーちゃんたちが侍ってた気がするけど、家康の頃は大奥がまだ成立してないし。

   みんなして一致団結して訴えたら、非常時だし、大奥に病室を移したりとか、お見舞いが許可されたりとかあったかも知れないのに、ママ本寿院はそういう権力の使い方ができない人でした。
   そりゃ困るな。
   水戸ぎらいもそうだけど、なんでも好き嫌いで動きすぎ。
   これぐらいのことで「政治的判断」とかいうのも言い過ぎですが、やっぱ、女性もそれなりの立場に立ったら好き嫌いだけで行動しちゃいけないでしょ。
   ま、篤子ちゃんはこのひとを悪い手本と思って真似ないように心に留めたかも知れません。

   なんて言ってる間に一橋慶喜擁立に失敗した島津のパパは大老井伊直弼からキビシイ処分を受けたりして、大変だったのでした。それでも懲りずに今度は京都に琉球の王子を連れて行く時に西洋式軍隊を備えて見せるとかいっていろいろ立ち働いておるのであります。タフだ。ところがそこで急に倒れて……
   ちょうどその前の週の民放の歴史ミステリー番組で、この時代のエライひとがけっこうばたばた絶妙のタイミングで死んでおるという脈絡で、それは篤子たんが毒殺しておったという方向に持って行ってました。
   いやそれは極端な話で。とりあえず実行犯ではないぞと。
   このドラマの篤子たんは非常に衝撃を受けて悲しんでおりました。

   そこへ滝山くん登場。また緊張してます。

   「本来なら口外無用の所、上様がことのほか御台様を慈しんでおられた由にて格別のご配慮あり……」って言ってましたか?
   内緒だけど、上様があんたのことダイスキだったみたいから教えてあげる。

   上様はもう亡くなっていたのでした。

   それも、今日とか昨日とかじゃなく、ひと月も前に。

   え~ちょっと、今蝉鳴いてなかった? こんな季節にドライアイスなしに一ヶ月も亡くなったひとを放置?

   「わたくしを上様の所へ連れて行け!」

    篤子たん、やめたほうがいいんじゃ?

    おかあさんのつっこみも空しく、襖を開け放って部屋にはいると、

    そこにはもう壺、どころか、箱になった上様がいたのでした。

    心を見せてはもらえず(最後の最後には心は寄り添えたけれども)、同衾もしてもらえず、挙げ句に亡骸さえ見せてはもらえない妻なんて。

    妻じゃないだろう。

    それなのに篤子たんはこれから崩れゆく幕府を支えてゆかねばならないのでした。

    

辛いよなあ。

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2008年7月 8日 (火)

「篤姫」 27 やっぱり唐変木

   娘が学校で自由時間にお友達とじゃれていたと思し召せ。
   「虎美ー髪の毛結んであげるー」   
   「うん」
   「はいおまたがえしー♪」
   小学生女子も喜んでみている大河! 篤姫はやっぱり画期的?

   上様と心が通い合って、前回にはあわや体も! というところだったのですが、あまりにビックリする篤子たんに上様もその気が失せて、子供の前なのでクールに流しながらも心中切歯扼腕のおかあさんでした。

   その間に、表(史実パート)では水戸嫌い派に担ぎ出されたか、れいの井伊直弼がとうとう登場、臨時にしか置かれない大老位を狙っておるのです。今週は、その井伊を大老への嘆願書を大奥からも出そうという所から始まりました。

   へえ。

   大奥ってそういうこともできる圧力団体だったんだ?

   これは当初意図したところなのか春日局どのに聞いてみたい気もしますが。まあ250年経ってるし。変質してるんでしょうね。史実だとしてもちょっと意外でした。

   篤子たんの所にも滝山くんが署名板(違う)持ってきて。「御台様もオネガイ」って。なんだかいやーんな篤子たんでした。どうするのよ?

   「もうヤダこいつ映さなくっていいって! ウザイもん!」娘にまで言われるようになった哀れな小松帯刀(尚五郎ちゃん)。殿になにやら申してましたね。先週にはもう開眼して、自分の地元を固めることからお国に奉公というスタイルを確立したように言ってました。

   いろいろあって、上様と差し向かいで碁なんか打ちながら表(政治)向きの話をするようになってる2人でした。おかあさんしみじみとにんまり。ま、篤子たんが得意なのは囲碁ですが、上様はそんなのしないと仰せなので、じゃ、と2人は連珠(五目並べ)をやっているのです。この辺がまた好ましい。自分の得意分野を押しつけるんじゃなくて、相手に寄り添おうとするところが出てきたんです。ああ、ひとって進化するのね。
   また、エンギョで読んだんじゃないんですが、たしか大奥では囲碁は禁止なんですよ。賭け事にならないまでも、真剣になりすぎるから、だったかな。「徳川の女人たち」吉屋信子で読みました。連珠はOKというのもそれに出てました。
   とにかく、さしむかいで五並べって、カワイイじゃないですか。道具は結構いいものみたいでしたが。

   で、井伊を大老にするか、阿部くんが後任に推していった堀田にしておくか、またも思案の上様は、篤子ちゃんに聞いてみるんですが、答える先に、「両方に逢ってみろ、だろ?」と微笑むのです。
   ヤバイ。
   「きゃー! この上様ホントに劉輝みたい!!」虎美はお気に入りのラノベのバカとの王様になぞらえて受けまくってます。ラノベの王様と同一視されて熱狂される大河のヒーローねえ……。いやいや、ラノベを軽く見てはいけません。

   で、キミとボクとは一心同体の夫婦だから、と、大老の面接試験に御台所を同席させた家定くんでした。おひな様のように2人並んでではなく、正面に上様、向かって右に控えて御台様という位置取りでしたけど。井伊君うろたえてましたね。

   結局井伊君が大老に採用で「タイロー? タイローってなに!? ロージューじゃないの?」という猫科の人たちにおかあさんもうろたえながら解説。非常時にだけ置かれる権限の強い老中、でいいんですよね? いやござん(1853)なれの翌年の日米和親条約の時は阿部くんで、イヤでもコワイよ(1858)シューコーツーショー条約が井伊大老。ああ、歴史の勉強になる大河です。歴史はどんどん明治維新に向けて進んでおるのです。

   ヒステリックに慶喜派エージェントとしての役目を果たせと迫る幾島くん。
   「このひとも顔丸くなったなあ。なにこのあご! 虎美や。このおばさんとおかあさんとではどっちが顔が丸いかな?」
   「おかーさん!」OTL。ま、松坂慶子と張り合おうということ自体が間違いだったんだけど。でも、往年のいろっぽい美人女優の代表も、今やヒステリーおばさんが当たり役。時の流れは哀しいものです。
   井伊くんを推すかどうかで滝山くんと篤子ちゃんの目の前で声を荒げて大げんかして。大奥ってこんな政治的な場所だったんですねえ。
   そこで忽然となにかに気づいた篤子たん、歩き出します。追いすがるお女中衆。この辺が、ドラマチックにやりすぎ。
   「御台様!」
   「御台様!」
   「ゆかれてはなりません!」って、ただ金切り声を上げて追いすがるだけ。

   大奥の女性たちは、お錠口というゴールドの南京錠のはまった境界のドアより表側(江戸城の政治方面の部屋)へは行ってはいけないであります。それが、政治と私事とを分けた春日局の頃以来のルールなんです。それを破って、篤子たんは何事かを告げに日中、上様に会いに行こうというのです。
   「夜にしろよ」
   おかあさんは冷め加減。なによその足首モロ出しの着崩れた歩き方。
   「金切り声上げてねえでおまえらもタックルしてでも止めてみろ、そんなに大奥の掟が大事なら」すいませんおかあさん最近アメフト漫画にはまっていて。
   その言葉に反応してか(なわけない)、
   「その御台が命じておる。その鍵を開けよ」って、篤子たんが命令しちゃったら、お女中達が進み出て、金の鍵は開けられるのでした。

   で、いきなり執務中(?)の上様に面会した篤子たん、今までは嫁いできながら徳川家の嫁として徳川家のことを一番に考えてはいなかったと謝罪。これからは、上様の妻として徳川家のことを一番に考えて行動すると誓いました。

   なんだ、そんなことか。

   夜にしろよ。
   って、思いついたら即行動の篤子たんらしい、と言うべきでしょうか。夜まで待ってたら政治情勢変わっちゃうぐらいのご時世だったかもだし。
   怒らないで、にっこりとその言葉を受けてくれる上様でした。

   ヤバイ。

   ホントに、このひとを家定にキャスティングしたのは正解だったかも!

   ほんとに篤子たんのように上様を慕わしい気持ちが沸き起こって来るじゃないですか。

   夜のシーンでも、二人して寝間着になって、お蒲団の上でじゃれじゃれしていても、まだ彼らは清い仲なのです。これはホントにいい仲だよな~そろそろあってもいいかもよ、と思っていると、
   「さて、今宵は体調が優れぬ故、中で休むことにしよう」と上様はあっさりかわして去るのでした。

   

このトーヘンボク!!

   上様は、中奥といって、お錠口の向こうにも一人になりたい時用のプライヴェイトルームをお持ちなのでした(かわりに男のお小姓が侍っている)。家定じゃなくても、御台所と険悪だったりする上様は結構ソッチでお休みになる場合も多かったりとか。この日も、ここまでその気にさせて、そうするといったのでした。

   そりゃナイぜセニョール!

   「これは、うっかり一緒にいるとその気になってしまいそうだから逃げたんだな。先週、篤子たんはびびっていたから上様的にはまずいと思ったんだろう」と虎美向けにつぶやきますと、
   「でも上様はだめなんだよ?」と申します。
   「子どもができないとはどうしてわかるんだ? 本人が言ってるだけだろう。上様は不能なのか? ピーなひとなのか? じゃあお志賀ちゃんとは何をやっているんだ?」とついつい畳みかけてしまって、純情な娘は半泣き。

   実際大奥ではとりあえず側室が召されるときには隣の部屋で聞き耳を立ててるひとがいたらしいから、お志賀ちゃんと何をしていたかはばれてる筈ですよね? お志賀ちゃんとはしていたけれど、篤子たんとはそこまで行かなかったと言うことかな?

   これから徳川の屋台骨をささえるってのになんもなしというのはあんまりではありますまいか。一心同体というなら正真正銘一心同体にしてあげなさいよ、可哀相に。

   可哀相なんだかそうじゃないんだか。

   バカとのから悲劇のプリンスへと画期的な変身を遂げられるかはあと一回にかかっております。家定! 夫としてびしっとしたところを見せてみろ!

   ええと、ガンダム世代の愛読書「銀河英雄伝説」において、若き皇帝はは秘書官とできちゃった結婚をするんですが、その女にしておくのがもったいない怜悧な秘書官、ただ一度の逢瀬で妊娠して結婚に至るんです。そのあと物語は怒濤の結末を迎え、彼女は摂政母后となるらしく(ネタバレゴメン)。もしかして、彼女はその一回しか美貌の皇帝に抱いてもらってないのでは、もったいないもったいないとしみじみしたことを思い出しました。って、ラノベと大河を一緒にしてるじゃん、自分も。 

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2008年6月25日 (水)

「篤姫」 25 偉大なるプラトン

   

篤子ちゃん良かったね~~~~~~~~!!

   今週はまずここから。

   もう、毎週必ずとか考えずに気が向いたときだけにしよう。

   ハリスが将軍との面会を強く希望して、家定の必殺「それはおいといて」戦法でもごまかしきれなくなり、どうしよう、会わなくちゃならない、でも相手は坐らないんだって、それじゃ見下ろされちゃう、将軍の権威が通じないじゃない、と困ってたところを、篤姫ちゃんが「畳を重ねて、その上から見下ろしちゃえば」という牢名主戦法を編み出して将軍さまを救った、というのが前回。

   やるなあ、篤子。

   でも、こういうコロンブスの卵的対処法を誰も考えつかなかったところが幕閣の人材不足を表わしておりますでしょうか、いや、それ以前にこれって史実?

   土足のハリス君は赤い毛氈の上を歩いてきてました。畳は思いつかなかったにせよ、幕府の人もイロイロ知恵を絞ったんでしょうなあ。

   ところが、この献策との交換条件に、「一橋慶喜も同席させてやって」とお願いし(地味に自分の任務も果たす篤子、なかなか優秀なエージェントであります)、それがとうとう本寿院(家定ママ)側にばれて、篤姫ちゃん一橋側工作員であることが大奥中枢の知るところとなったのでした。

   ま、なんの目的もなしに大奥に3度目の妻としてわざわざ姫を入れるわけがないので。前例も(あんまり)ないってのに。どんな将軍であっても「御台所になれるなんて名誉なこと」なんて思ってるようじゃ、そりゃ視野狭窄だよなあ。そういうアタマだから、和宮が降嫁してきたときも柔軟に対応できなかったんだな。

   どんな任務を密かに帯びているといえどもそこは上様を大切に思う女同士、その任務とやらに抵触しない限りは手を結んで波風立てずに行きましょう、という政治的感覚はなかったみたい。いきなり狂乱の本寿院、「篤姫許すまじ!」と叫んで24回は終わり、だったかな。いやその任務がゲキリンだったわけだが。

   でもやっぱり、大奥が水戸斉昭を嫌うところの理由が弱いって。

   「あの質素倹約を言い立てる水戸の!」って。

   おかあさん質素倹約って結構好きだから、それを強いることがそんなに悪とは思えない。だって、原作でもあったけど、いきなり打ち掛けの袖口の所に布を貼って、汚れないようにしましょうなんてビンボくさいこと(お前が言うな)あんた達やってたんでしょ? そんで、「上様の御前でそんなみっともない節約スタイルするな!」って幾島に一喝されたんじゃん。それが水戸さまの差し金なワケ? なんでそんなこと許すの? 内政干渉。それじゃ、幾島君に対し、「よく言ってくれました!」って好感に繋がったっていいじゃない。それもなし。あ、「解ってるわよそのくらい! 新入りが事情も知らないで聞いたような口利かないで!」か。ナルホド。女心は難しいですね。

   そして、今までの「跡取り希望」の優遇措置から一転、大奥一丸となっての篤姫バッシングが始まるのでした(拒否しろよ滝山。キャリアとしてのプライドはないのか)。
   昨日やってた「瀬戸内寂聴が語る源氏物語」をホーフツとさせましたね。
   「上様奥泊まりと言ってきても御台所に取り次いではなりません」
   桐壺の更衣の受けるイヤガラセとほとんど変わりませんがな。後宮の女性は800年進化しておらんのか。
   朝の仏間での対面の時も……どんな手を使ったやら篤姫ちゃん不在で、家定不審顔。
   「御台はいかがした?」って、一応気になるんだ。嗚呼、やっとココまでこぎ着けたか。

   可哀相なのはこちらも一緒。前回、とんと上様からのお召しが無くなって、暇な夜、上様の健康を祈って千羽鶴を折るお志賀ちゃんが描かれてましたが(着てはもらえぬセーターを~♪ 的で哀れながらやや不気味)、今度は手のひらを返したように「お志賀を召されませ」だもんな。お志賀ちゃんもいい迷惑。でも、ひたすら上様ラヴだからこのひとはいいのかな?

   疲れがたまって上様倒れても、篤姫ちゃんは呼ばれない。
   「上様に逢わせて! わたしは上様の妻にございます!」って、なんからぶらぶな夫婦みたいになってきました。家定の方も、もう切れて、
   「みーだーいーはーどーこーじゃー!?
   このひと、もう頭が切れるということは視聴者には解ってますから。おばかな可哀相なひとが、純な心で心を許せる相手として篤姫を求めている……と見せかけて、国一番の権力者という名目ながら実はなにひとつ自由にならない身の上の、心の底からの叫び、と見ると、しみじみ心を打たれます。

   やっと2人の望みが叶って、久々の対面です。
   「そなたがおらぬと……」
   さあ、なんて言うでしょう。固唾をのんでTVに身を乗り出しちゃった。
   「詰まらぬ。世の中の色が消えたよう

   キター!

   篤子ちゃん良かったね!!!!

   なんて殺し文句を言うんだバカとののくせに!(失礼!) 

   これは相当重いですよ! かなり心に食い込んでますよ!

   あれだけ最初は無視され、ウザイと遠ざけられていても、真心で正面からぶつかっていって、とうとう家定の心を手に入れたのです!

   あとで幾島に「上様のことを殿方としてお慕いになっておられるのでは」なんて言われてました。
   「でも、わたしたちは……」ちょっと目を伏せる篤姫ちゃん。なんにもないそうです。初期の奇行子っぷりを見たら、なんもなけりゃそれで結構、こんな奴とそんなことしなくってよろしいみたいな気にもなりましたが、内面を深く知ってみると、やっぱりそのユニークな哀しいプリンスに、女性として求められないのは切ない。いや、切ないという心が生まれた時点でもう……ああ、あれだ、「可哀相だた惚れたてことよ」。
   「何もなくても」 と微笑む幾島君、解ってます。ああ、こういう大人っていいなあ。 

   プラトンが申しましたとか、男女間の肉欲じゃなくてさ、生まれる前は一つだったみたいに、心が求め合ってりゃいいんじゃね? って、要するに同性愛のエクスキューズだったように最近みなさん仰って。なんでも古代は、女性はあんまり高等教育を受けませんでしたから、名前も書けないぐらい。哲学とか、文学とか、コーショーな学問を語って意気投合するのは自然と男性同士、ってことになって。
   「そーだよなー女なんかとはこんな高揚感感じないよな~」ってのが当時の同性愛のバックボーンだったそうで。
   失敬な。
   女性だって、理性的で教養があって思わず尊敬したくなる方はいますとも! 

   篤子ちゃんは、その、肉欲とは別世界での高揚を感じさせる相手の境地に達したようでございます。

   良かったね。

   尚五郎ちゃんやモヤシ兄ちゃんにイヤな思いをさせてまで頑張ってきた甲斐があったよ。

   お正月から延々このドラマを見てきて初めてしみじみと感動したのでありました。

   さて、時代はどう変わる?

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2008年6月10日 (火)

「篤姫」 23 お江戸は遠くなりにけり

   なんかもうさすがに今回はなんか言わねばと思って。

   脱落している間に篤姫ちゃんは無事お嫁入りし、性格に問題のある将軍家定の奥さんとしての生活が始まりました。

   で、そのバカとの家定がウツケを装っているのではないかと見ぬいた篤姫、ずばりそれを当人に質し、初めてその思うところに触れさせてもらったところまでが先週と。

   

ヨウキョウという言葉がございますな。
   佯狂。気のおかしい振りをすることです。最近は罪を免れるために行うという認識があるようで、ちょっと検索しても、すぐ見つかるのはその辺からの考察をした文でした。
   しかしながら、昔はそうではなく、身分ある(しかし野心のない)人が、政治的に利用されることを拒否するために行っていたような覚えがあります。ま、それも文学作品の中の位置づけて、真実はどうか解りませんけれど。
   清原なつのの歴史漫画では、有間皇子がそうでした。この人は孝徳天皇の皇子で、父親の孝徳天皇ときたら、中大兄皇子にないがしろにされた哀れな天皇で、もともとそりゃー中大兄皇子に恨みがあろうというところへ、蘇我赤兄が反中大兄皇子派の旗印として担ぎ出そうと話を持ちかけたのでその気になって、謀反を企んだという話です。で、土壇場で赤兄が裏切って密告、謀反は露見して皇子は処刑されたというふうに聞いてます。で、作中では有間皇子は正気でないふうに描かれておって。それはそういう悲しみをやりすごし、謀反の旗印とされることを避けるために行っておったということが明らかになるのでした。

   ま、ある程度政治的にものが見えれば、自分の立場がヤバイかどうかというのは解ろうというもので(わかんなかったのが義経)。
   プライドや身分高く産まれた宿命、責務を大切と思ってそのまま修羅の道に生きるという行き方もありますが、命の方が惜しい、人の人生まで道連れにしたくないという向きは、「下りる」という選択もあります。出家とか、より強烈なのがこの佯狂。単純な人にはバカにされたり哀れまれたり、また、疑り深い向きには最後まで狙われたりと結構リスクがありますが、あり得ない選択肢ではなかったようです。

   というわけで、たくさんいた将軍の息子のうち一人だけ生き残った家定君の選んだ手段が必殺「バカ殿の振り」だったのでした。

   一時は、自分の任務、「将軍の跡継ぎを一橋慶喜にする」もしくは「将軍の跡継ぎを産む」ということが二つながら無理なのではと絶望した篤姫ちゃんですが、それを見破るやあっさり立ち直って、家定に真正面から向き合おうとするのでした。

   って、少女漫画の王道「変人だけどホントは頭も良くってナイーヴで。私だけが彼のホントの姿を知っているハァト」という路線で微笑ましいですけど、そりゃちょっと主人公(の相手役)補正が行き過ぎでしょう。最悪のバカとのが悲劇のプリンスにコペルニクス的転換しちゃってるよ。今年以降「好きな将軍」のランキングが変わっちゃう!(あるのか、そんなの)

   で、意外に鋭い家定ダーリンから「逢ったこともない一橋の肩を持つのかお前は」なんて言われてハッとした篤姫ちゃん、公平を期するためにライヴァル紀州慶福の両方と対面してみることにするのでした。

   ところが、逢ってみた慶喜は悪い意味で優等生。答弁は突っ込みを回避するためおもしろみがなく、出過ぎず、覇気がない。これは篤姫ならずともむかつきます。
   「徳川総本家の男子たる物の気概が感じられぬ!
   篤姫は女ながら勉強して、国政に参加したい気アリアリの子でしたから、「わたしは一橋の当主。国の政治は公方様におまかせ」なんて言ってる慶喜が理解できないのでしょう。
   慶喜としては、伏魔殿のような幕府内部を間近で見てきたから、余計なことを言って目を付けられたり足を引っ張られたりすることを恐れてたんでしょうね。寛政の改革の松平定信なんてのは、ホントはご三卿の出で、将軍位も望めた明君だったところが、あまりにも明君過ぎてヤバイと、若いうちに白河藩に養子に出されちゃって老中になったらしいですから。ま、お飾りの将軍よりリアルに政治手腕を発揮できたんだから、あとで失脚したとしても意義ある人生だったかも。
   とりあえず、相性は良くなかった模様。

   で、「一方聞いて沙汰するな」の法則で紀州君を呼んでみたら、これがなかなかの美少年、受け答えも確かだし、お茶菓子が傷んでる事件の対応もが感じられてみごと。

   そりゃ、紀州君に肩入れしたくなります。

   悩む篤姫でありました。

   本寿院(家定ママ)が水戸斉昭君を嫌っておるというのはこのドラマの仕様ですが、その理由が気に入らない。
   「あの倹約倹約とうるさい斉昭公」って、それだけですか!?

   それじゃ、逆恨みというか逆ギレっぽい。

   前述の通り、水戸斉昭公が大奥での人気最低なのは、斉昭公が最悪のセクハラ大魔王だからですよね。

   それを、「倹約しろってうるさいから」って、そんなスケールが小さい。それに、倹約を言うこと自体は悪くないでしょう?

   我こそは天下国家のことを考えてるみたいに言っておきながら、女性関係については平気でルール破りをする、人を傷つけて恥じないところがある二面性をこそ嫌われたんでしょう? 嫌う方にも筋がなくっちゃ

   「倹約倹約と言いながら、ご自分は藩邸にいくたり側室を抱えておいでなのか! 八代(吉宗)様のように美女から召し放ってはどうなのじゃ!」ぐらい言わせないと。ただのヒステリーに見えますよ。
   「唐橋殿の一件、我らが忘れたとでも思っておられるのか!」
   「またまたお客あしらいの上﨟を舐め回すように見ておったわ!」
   「手水の介添えをした女中の手をよろめいた振りをして握って離さなんだとか! ああっいやらしいっ!」
   ぐらい言ってやれ! なんだ、会津様のことはおとしめて描いたりもするくせに、水戸家にはどんな借りがあって憂国の志士あつかいしておるのか。
   大奥を理不尽で気味の悪いところと描きたいのでしょうか、大奥だって、硬直化して意味不明な形式に囚われていたところはあるでしょうが、それなりに理で動いていたと思いますよ。

   さて、そういう篤姫の秘密の任務が大奥のメンバーにもバレたっぽいのですが、薩摩パートでは、秘密の任務を受けて最後うどん大張り切り! ……との噂にまた落ち込む尚五郎ちゃん改め小松帯刀
   うぜえ。
   大久保君もよく付き合ってるよなあ。
   お近さんもうんざり。
   あ、とうとうキレました。またお説教です。もう尚五郎ちゃんは小松家の当主、領地のご領主様なのに、領地経営はほったらかしで、殿が話をしてくれない、お国のために働きたいと愚痴ばっか! 国の基礎である領地をおろそかにしては天下国家を説いても意味がない、それを尚五郎ちゃんは解ってない!

   「離縁していただきとう存じます!

   よく言った!

   そこでまたしても目が醒める帯刀、「済まなかった!」と改心。

   なんだかなあ。

   女のことで泣きわめいて、女に愚痴って説教されて開眼するヒーローってどうよ?
   いや、尚五郎ちゃんは後付の男性中心人物であって、「大河の主役」じゃないからいいけど。

   一昔前の時代劇なら、男は失恋なんかで泣きわめいて人に迷惑掛けなかったよね(いや、薩摩隼人ってそう言う人種のことなんですか?)。
   黙って月を見上げるとか、武芸に集中するとか。
   それを見て、視聴者は彼の気持ちをソンタクしてしみじみしたのでありますよ。

   お嫁さんの方も、ダーリン情けないと思ってもそんな、真っ正面から説教しなかったと思う。こう、謎かけ的に、本人に考えさせるように、回りくどいけど奥ゆかしい教え方をしたような。だってそんな、旦那様にお教えするなんて、失礼というか、プライドを傷つけちゃうみたいじゃないですか。

   そういう奥ゆかしさが絶滅しちゃってますね、この大河。

   昔の時代劇の作劇文法みたいのが死滅してるというか。
   もはや受け取り手がいないので、ベタな作りしかできないというか。

   嗚呼、お江戸は遠くなりにけり。

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2008年5月21日 (水)

「篤姫」 18 長い友達

   宿題がたまっております。周回遅れも2周目、もう、どんな話の週だったか覚えてないよ。

   地震でまたしても婚礼が先延ばしになった篤姫ちゃんです。この辺はなかなかむづかしい。やっぱり万全の体勢で臨みたいというのは解りますが、こういうのも勢いですから、タイミングを外すと双方の気持ちが盛り上がりに欠けちゃって、しらけた気分のまま新体制に入り、ふたりの相性にも関わってきますから。だいたい、何があるか解らない世の中、先延ばしにしてる間に病気とかまた政治的一大事とか天変地異とかがあったらまた延びちゃうし、最悪死んじゃったりしたら元も子もないし。

   小休止の間に、薩摩に帰った尚五郎ちゃんの方が先に結婚しました。

   っても、尚五郎ちゃんは、小松先生の死に呆然、自分がそのうちを継ぐことになって重責に呆然。とてもお近ちゃんのこと考えてる余裕ありません。それを、大人の分別のあるお近ちゃん、やっぱりおかつちゃんのこと忘れられないのねと勘ぐって、
   「縁談、断っちゃっていいよ」と言うのです。
   「わたし、7コも年上だし、カラダ弱くてうちのことなんもできないし。香道だけね。お嫁さんってガラじゃないから」
   嗚呼、顔で笑って心で泣いて。
   別にそんなに尚五郎ちゃんのことは好きじゃなかったかも知れません。
   わたしはその方がいいな。密かに7つ下の少年に想いを掛けてたりしたらホントこの事態は可哀相だもん。自分にラッキーすぎて後ろめたい。

   だからって、自分と結婚してうちに入り婿することにそんなに気乗りしない顔されちゃ、女として哀しすぎますよ。
   他の、身分の低い「ご友人」は、小松家に婿入りできてラッキー、みたいに言ってたじゃないの。
   ここは無神経にも「ラッキー」と建前は喜んでいて欲しかったです。
   尚五郎ちゃんはあまりにも自分の感情をそのまま出しすぎで(お前が言うか!)。

   でも、向上心のある尚五郎ちゃんはまたしてもそこで気づいて、謝る。
   小松先生の死に心を奪われていて、当の妹であり、お断絶の瀬戸際に立たされてるおちかさんの心を無視してしまっていたこと。
   篤姫様への想いはもう穏やかなものになっていて、それが婚儀の妨げになっているわけではないこと。
   情けない自分を叱咤して目を覚まさせてくれたことには感謝していること。

   結婚なんて、このぐらいの心理的近さではじめちゃっていいんじゃないですか?
   あんまり、身も心も一心同体のところからはじめると、絶対ないはずはない2人の意見の分かれるところでその一致しないことが許せなくなるから。

   長い年月それぞれの道を生きてきた人間同士なんだから、知らないこと、合わないことがあって当たり前。そういう相手と、すりあわせをして、一緒に生きていくのが結婚生活でしょ? 相手のこと、少しは知ってるけど、多くは知らない。でも、知りたいと思うし、ちょっと尊敬もしている。そのぐらいから初めてみたらどうでしょう? なに、なんとかなるさ。

   最近の大河は、余りにも、主人公たちを結婚前かららぶらぶカップルとして描きすぎなカンジで。「利家とまつ」とか、「功名が辻」とか。時代的に、結構おおざっぱな見合い/紹介婚だったはずですよ。結婚してから、よい関係を作るために努力したと思うんだな。そして、長~い人生を戦い抜く戦友になった。自分がお見合い結婚だからそんなところにこだわるのかしら、やーね。

   というわけで、薩摩の方は何とかなったみたいです(例によって空気読めないモヤシ兄ちゃんがなにかやっていたような気もするが)。

   江戸の篤姫ちゃんも、そういう感じでお嫁入りできるといいのですが。

   とうとう日取りも正式に決まって、前回くどくど申しましたところの「次期将軍は一橋にしてね」工作についてはじめて明かされた篤姫ちゃん、頑張る決意をして薩摩藩邸を出たところ、までかな?

   しかし、相手がアレじゃあなあ。前途多難。

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2008年5月 9日 (金)

「篤姫」 17 親の因果が

   えーと。どんな話だったっけ。

   篤姫ちゃんを大奥に入れるのは水戸派工作員としての役割がありました。ソレは何でかというと、れいのバカとの家定くんには子どもがおらんのです。病弱だし。バカだし。これは次のことを考えておかないと、というのが幕閣の皆さんのお悩み。で、将軍候補最右翼は江守斉昭くんの子で、一橋家に養子に行ってる慶喜くんなわけよ。
   太平の世も250年続くと、どこもひ弱になっちゃって、この時代の大名は養子のやりとりで家系図が入り組んじゃってます。また、あの家斉くんが何十人と子供を作っちゃったんで。その昔の嵯峨天皇も、多すぎる皇子皇女を源氏に下すことで乗り切ったんですが(この時はやっぱり荘園とかつけてやったんですかね? 当時はまだ朝廷にも財産があった)、徳川家も10代になるともう新しく家を興したりする余裕がなくって。もうそこら中の大名家に押しつけまくったと。ちゃんと嫡男のいるような所にまで。そんでそのうちを乗っ取ったようなところもあって。……そういう恨みも実は倒幕運動には影響してるなきっと。
   ええと、そういうわけで、「水戸家から将軍が出たら徳川家は終わる」とか不吉な予言をされてるという噂もある水戸家ですが、幕末(当人達はまだそう思ってない)には将軍を出す気満々なわけです。ひょっとして悲願? 幸か不幸か慶喜は相当頭も切れる若殿だそうで。

   とーこーろーがー。

   不吉な噂より慶喜くんのお世継ぎレースへの大きな障害がありました。それは

      

大   奥   。

   慶喜くんじたいが悪いというのではないのです。パパが悪い。あの江守斉昭くんが大奥から総スカンを食っておるのであります。

   それはなぜかというと、端的に言うと、エモリンが悪いです(江守ちゃう)。

   

徳川斉昭はセクハラ大王だったのです。
   ただ大奥のお女中達にえっちなことを言いかけるだけでなく、斉昭の兄嫁はその家斉の姫なんですが、そのお姫様についてきた上臈を

   

犯 し て 身 ご も ら せ た
                                 ……んだそうな。三田村鳶魚が言ってました。エンギョしか言ってませんが。って、江戸学の権威の著作の史料としての信憑性疑ったらなんもできませんか、そうですか。一応名前も残ってますけどね。唐橋さんだそうです。

   これは、ふつうにお殿様がそこら辺の町娘をピックアップしてヤリ捨てしたのとは違うみたいですね、大奥的に。

   何度も申しますが、大奥ではキャリア組とお色気組はきっちり分かれてます。お色気組は、ちょっとした簡易オーディションがあり(庭を順番に歩かされてそれを陰から見てるとか)、お目に留まるとお呼び出しがあって、その後の気に入られ方とか具体的戦果とかで出世していくわけですね。キャリア組は、はじめからその気で入ってきたひともいるみたい、女の園で、事務方、人事、渉外方面で働くある意味女性官吏として出世を目指すのであります。それが「お年寄」とか、「お客あしらい」とかいう職名だったと思いますよ。そして、キャリア組を夜にご指名するのは将軍さまといえども御法度だった筈。その権勢は、老中なんかが「もうちょっと支出控えてよ」と言ってきてもなんだかんだと上手いこと言って突っぱね、それが武勇伝として残ってるぐらい(色の方面を我慢してるんだから食欲その他ぐらい好きなコトさせろとか、女房の他に妾囲ってるやつに指図されたくないとか言ったらしゅうございますよ)。ちょっとした旗本ぐらいの収入があったそうな。それで、ついてる親分の名代として、お寺参りとかもやってたみたいですね(=江戸城から外出も可能)。御休息用のお屋敷も持ってたとか。お色気組にはチョットムリかな?

   そういう変な制度も、女の園を平和に保つための知恵だったのですね。天下第一の人に寵愛されるという特権を持つのだから、表に通じる権威は持つな、女性としての喜びの一切を放棄する代わりに男並みの出世を。誰だっけ、春日局の発案ですか? それをまあ200年もよく頑張ったこと。

   それはまた、大奥から他家へ嫁入りする姫君に従うお女中達にも言えたことだったのでしょう。天下一の権威を持って嫁入りする姫君は、迎える側には大いなる脅威で。それに、天下一の女性集団から選び抜かれた美貌と教養を備えた侍女達が従ってくるのですから。
   迎える大名家の奥向きも圧倒されます。大奥に乗っ取られるような気もするでしょう。将軍家という紐のついた女性が藩主の子を身ごもったりしたら、なんかむつかしいことになりそうだし。それに対し、「この人達はオンナじゃないですから。わたしの召使いで、そういう役目じゃないですよ」という建前でついてってるんでしょ? 上臈とか、年寄とかって。

   それに手を付けちゃだめじゃん。

   女性達の200年かけた融和工作を土足で踏みにじってるわけです。
   そりゃ怒るよ。
   なんでも、大奥側の抗議に、唐橋君は堕胎させられ、故郷に帰ったことになってたそうですが、真っ赤な嘘、水戸の方にコッソリ囲ってたって。
   そりゃ怒るよ。

   さらに、慶喜君の兄、水戸藩の跡取りくんには奥方(御簾中と呼ぶ)がおったのですが、なぜか自害を遂げております。このお嫁さんも、斉昭の毒牙にかかってのことと言われてます(相当な言われようだな)。

   とりあえず言えることは、慶喜くん、ママが37のときの子で。当時の大奥では30才を過ぎると、高齢出産を避けるために女性は夜は現役引退なんですよ。他の大名家もだいたいそうしてるはずですが、それなのに、慶喜くんは高齢出産の子なわけで。同じママから産まれたお兄ちゃんもいるし、別に斉昭パパはママ一筋だったわけでもないのに。
   要するに斉昭は30過ぎの奥方と、ルール違反をしてまで子作りをしておったと。

   

俺のうちで好きにして何が悪いというカンジが透けて見えませんか?

   やだなあ、そういうオヤジ。いくら頭が切れて教養があっても。エモリン酒乱の気があるそうで、またそういう役が似合わないとも言いきれないのが情けない。

   ええと、そういうわけで、水戸斉昭公は大奥で蛇蝎の如くに嫌われておって、その子である一橋慶喜公を将軍世子に据えるには若干の裏工作が必要と思われていたわけです。

   そのエージェントたる篤姫です、もう、金に糸目は付けない嫁入り支度をと言われ、田舎ものの無骨者の西郷どん、目を白黒。いろんないいものを見て鑑定眼を養ってました。
   そこでマスクド貴婦人が自分の嫁入り道具を持ってきてくれて、これを使えと言った?  それに、「お下がりなんて最低!」とうちの虎美と幾島が一緒になって憤慨してましたね。でも、当の篤姫は「お礼をいっといて」とスルー。最後うどんが「これは素晴らしい!」とかいってひとりで感動して見てて。
  「お礼を言われましたけど」と、マスクド貴婦人づきの滝山くんの報告を受けて「あの姫らしい」とうなずく貴婦人も意図が知れません。とりあえずこのレヴェルは押さえておけ、という親切心だったのでしょうか。
  結局GOサインが出たからには金に糸目は付けないということになり、もっと凄いお支度を作れということになったのですが。安政の大地震に被災、最後うどんが頑張ってそろえた嫁入り道具は灰燼に帰してしまったのでありました。

   あーあ。

   ま、そういうこともあるさ。

   あ、お国元の方で小松先生が亡くなって、尚五郎ちゃんが婿養子になる話がでてたんだっけ。せっかく上京して篤姫に再会して喜んでたのに、急転直下。でも、尚五郎ちゃんも腹を決めてまた薩摩に戻ることにしたのでした。

   斉彬パパは優しいですね。篤姫の成長を待ち、その気がないことを理解してちゃんと「友人の」尚五郎ちゃんに対面させてやり、聞き分けのない尚五郎ちゃんを優しく叱って現実に向き合わせて。ホント、史実の斉昭くんとドラマの斉彬くんとを一緒くたにして比べちゃイカンのだけど、パパになって欲しいのは即決で斉彬くんだな。

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2008年5月 1日 (木)

大河の顔になるために

   アマサイちゃんがいいネタを振ってくれたから今日は昔から暖めていた話題に挑戦してみよう。

   NHK大河ドラマと言えば、もう、TVドラマの王様のようなもので、これの主役を張ったらば、もう知名度は全国区、ギャラは鰻登り。ま、あまりにもはまり役過ぎてその後ご苦労なさる方もいらっしゃるようですけれど。

   じゃ、その主役にはどうやってなるのという話。事務所の力がどうとか言う方向は抜きで。

   事務所の力とどう違うのというレヴェルですが、やっぱりNHK朝ドラの主人公の相手役をやっておくのが一番の登竜門でしょうか。ほら、渡辺謙さんも、たしか「はね駒」でしたっけ、斉藤由貴の相手役だったはず。プロデューサーにんも視聴者にも覚えてもらえるし。今年のヒロインの相手役(?)の堺雅人さんも、「オードリー」に出ていたという話だし。失礼ながら、長嶋一茂の城島さんしか記憶にないですが。ま、そうして記憶の新しいうちの大河でいい脇役をやるんですな。そういえば、「天うらら」で相手役をやった「佐藤さん」こと鈴木一真さんも、2年後の「葵ー徳川三代」で小早川秀秋をやってましたね。その後も、金曜時代劇にちょくちょく出ているみたいだし、絶賛育成中?

   そーすると、「ロマンス」で相手役でなくほんまものの男性主役(朝ドラ史上初!) でデビューを飾った榎木孝明さんは大河の主役候補最右翼なんだなあ。演技力でも知名度でもコアなファンの数でも(オイ)資格十分だと思うんだけど、いかんせん、顔が彫りが深すぎて、日本の偉人というとチョット……(あの面立ちで秀吉や家康はムリだ)。今回も、鹿児島県人枠(失礼!)で尚五郎パパとして出演してますけど、別に榎木さんでなきゃならんという役回りではないですな、残念ながら。そのうちあっと驚く隠れた知将の役なんかで華麗なる主役を張ってくれることを期待。いやもう、「国姓爺合戦」の翻案とかさ、喜んで50回TVの前に正座試聴しますわよ。

   やや反則技ながら、「朝ドラのヒロインのパパ役」をやった香川輝之なんかどうでしょ? この人も堂々NHKの秘蔵っ子でありましょう。TVデビューが「春日局」の小早川秀秋だったそうで。まだ若手と思ってたから(当時30代後半)、「天花」で天花パパをやってテンション高い演技をみたときには可哀相とか思っちゃった。「利家とまつ」では秀吉役、「功名が辻」では六平太役をやって、大河歴はじゅうぶん。イヤな話ですが血筋もいいし(浜木綿子の息子で父はあの市川猿之助)。いきなり宙返りを入れた「功名が辻」での殺陣は記憶に焼き付いてます。戦国時代物でじゅうぶん立ち回りを披露してくれそうなんだけど……「功名~」のときに言われてたんですが、「利まつ」の視聴率があんまり(最近にしては)よくって、その中で強烈な秀吉像を演じてくれたから、どうしても「三栄傑(信長・秀吉・家康)」ものに出てくると彼が秀吉だと思っちゃうんだな。こう言うのはケン・ワタナベ効果というのだ。彼、当分時代物には出られないかも。
   (逆に、「利まつ」のせいで前田利家といったら唐沢寿明になっちゃって、「功名が辻」でも出演の問い合わせが殺到、しょうがないから特別出演したらしい)

   ということは、この前「純情きらり」で視聴者の心を鷲づかんだ「達彦さん」こと福士誠治さんが期待株? あのあと「のだめカンタービレ」で武士の雰囲気をもつ黒木くん役をばっちりこなしてたし。木曜時代劇や土曜時代劇でも出てますか。こちらも絶賛育成中。先が楽しみですね。

   だからといって「風のハルカ」の正巳(黄川田将也)や「どんパレ」の柾樹(内田朝陽)ではひよわな感じがするのでパス。「ファイト」の岡部(メガネ君からイメチェンして大人気のあのヒロインのストーカーファンの元同級生)の三浦春馬くんは……あ、子役で何回か大河出てますね。こちらも育成中かな? 
   「ちりとてちん」からは、そーこーぬーけーなこそーじゃくちゃんこと茂山宗彦くんが出て欲しいところです。彼は後述伝統芸能枠とも被るし。

   NHKの方で、低視聴率のため日和ると民放の人気者に白羽の矢が立ちます。
   近年では、SMAPの香取慎吾の「新選組!」、タッキー(滝沢秀明)の「義経」。「武蔵」の松岡昌宏もそうですか。おお、モックン(本木雅弘)の「徳川慶喜」を忘れてた。そうでなくても、ジャニーズ事務所は重要な子役供給源ですな。ま、潤いと見ておきましょう。ジャニーズのタレントはダンスの心得があるから、殺陣の飲み込みが早いんじゃないかという期待もありますが、いかんせん、腰が高くて細いから、和服が似合わないんだなあ。もう、平成の世に和風の美男子を期待してはいけないのかな? 
   ジャニーズでなくても、トレンディドラマの王様、王子様達が大挙して。これは結構成功してるのかな? 「利まつ」はよかったですよね。毎年アレじゃ困るけど。そうでなくても、民放で人気の出た俳優を脇で使うことはありますが、上手く言った例は……。「冬彦さん」ブームの翌年の佐野史郎の足利義材(花の乱)、「古畑任三郎」で人気が出たときの西村雅彦(秀吉) 。辰巳琢郎が人気の時の徳川綱教役(八代将軍吉宗)がいちばん上手く行った例でしょうかね。
   去年のGacktは、禁じ手でしょう。10年に一度ぐらいああいう冒険してくれてもいいな。ま、郷ひろみとか、ドラマ出演もする歌手を脇役で出したことくらいあるし。

   

和風の美男子というと、一時期多かった伝統芸能枠。これが微妙で。台本もちゃんと読めるし(漢字の多い大河の台本が読めない主役がいたという!)、発声はできてるし、立ち居もしっかりしてる。だからといってTVドラマである大河にふさわしいかというと……「武蔵」の市川海老蔵はもう記憶から消したいところです。「毛利元就」の中村橋之助はよかったけど、「北条時宗」の和泉元彌はかえってどんなに激怒しても声が裏がえらなくってちょっと困ったなんて話も聞きましたな。「風林火山」の市川亀治郎は……ちゃんとあれで武田信玄に育ったから凄い。あ! 亀治郎は主役じゃないじゃん! 内野聖陽は舞台俳優枠だ!

   えーと、舞台俳優枠では去年の山本勘助役内野聖陽。「俺じゃ格好良すぎないですか?」とオファーに反論したという伝説がありますが、いやいや、大河の主役を張るにふさわしい、けれど余りにも美化しすぎない精悍さが出てました。今ざっと見ましたが主役はあんまり舞台俳優からは出てませんか。松本幸四郎(「山河燃ゆ」古い!)は伝統芸能と分かちがたいですね。台詞回しと殺陣は不安がないと思いますが。TV慣れしてないというところが不安材料? そういえば、「新選組!」のときは、脚本家の意向で舞台俳優度が高かったそうな。ナルホド、皆さん上手かった。

   さすがにいきなり主役に抜擢はないですがモデル出身というのもあります。今のイケメン俳優じたいが、モデル出身なんですね。阿部寛、照英、谷原章介、もううっとり。ずいぶん脇を彩ってくれてます。阿部寛は、NHK時代劇の主役も張ってますから、そろそろ大河主役が来てもいいカモですね。

   こうやって見てきますと、大丈夫、将来の大河を担う若手はちゃんと育ってきてるんですね。あとは、原作だ。

   史実やら菊のカーテンやら視聴者の皆様のお好みやらいろいろ制約の多い中、魅力的な脚本を供給することが大河ドラマの次代への宿題ということで。

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2008年4月30日 (水)

「篤姫」 16 一点突破

    お江戸でもやっぱりマイペースでどんどん邪魔者を撃破していく篤姫であります。

    今回の敵は、再婚をしぶる将軍、ではなくて、島津家から嫁取りをすることによって外様である島津家が影響力を持つことを恐れる将軍近辺、とりあえず水戸の斉昭さんですね。
    いや、今時「異国船など打ち払え!」と強硬論を唱える江守斉昭さんなんかが声の大きい「有識者」だったりする方が危ういと思うんだけど、と、思ってるのはおかあさんだけじゃなく、悩める宰相、老中の草刈阿部くんも。いや、ちゃんと幕閣で老中首座なんて職に就いてるひとを宰相呼ばわりはまずかったか。実際の阿部正弘君は従四位下侍従だそうで。意外に官位は低いのね(この辺も外様と譜代の違い。斉彬パパとやかましい江守斉昭は従三位権中納言)。実際の日本の朝廷での「宰相」とは参議のことです。たしか相当位はなく、参議(または三位)以上から公卿。
   また脱線しちゃった。幕末のWナリアキラ(実は2人とも本名はナリアキラらしい。訳分かんなくなるから水戸の方はナリアキと読むことになってるそうな)に片や人間味あふれんばかりな高橋英樹、方や俺がこんなに教養高くてなにが悪い江守徹を持ってきたのはもうベストの選択。そして、この2人に挟まれて苦労してるんだろうナァという老中阿部正弘に草刈正雄を持ってくるし。

   

神キャスティングでしょうここは。

   眉間の皺は日本海溝級。見ていて、早死にをナットクしたよ。

   で、秘めたる目的のためには斉昭取り込みが不可欠、と、ぐっと下手に出る高橋パパなのでした。

   「病気快癒を祝って花見の宴を張る」

   パーティに斉昭君をご招待、「うちの子ほんとにいい子だから逢ってみて」作戦に出るのです。そんな、大丈夫? でも、前回、あの斉興じいじに突撃して見事好感を得た戦績をもって、「大丈夫、篤姫ならやってくれる」とGOサインを出すのでした。

   イヤ確かに、原作でも対面してたと思うよ。
   そんで、「歴史書スキッ! お宅の『大日本史』も読みました! こっちの方が日本書紀より読みやすかったワ」とかいってイチコロにしちゃったんだ(やっぱり心臓)。

   え~と、原作通りの運びとなりました。さらに、時事問題も絡めて痛いところを突いてるし。篤姫の得意技は懐に飛び込んでのクリティカルな一撃なのね。

   で、バカ殿の方は、このひと芋を焼いて食べたり、パティシエごっこをやっては失敗作をムリヤリひとに食わせる変な趣味があったらしいですが、この日はせんべい焼いてましたね。失敗してかんしゃく起こして踏みつぶしてたのは前の週? 
   「せんべいが上手く焼けたら再婚の件、OKね」なんてお軽い。で、焦がしちゃうんだ。
   オイ! そこに侍って居るご生母! お前も製造物責任を感じて諫言したらどうだ!
   と思ってたら、
   「上手く焼けたではありませぬか。どうぞわたしにそれを。この焦げが香ばしくてよいのです」なんていいながら、箸で摘んだままバリバリ囓ってたりして。

   よし。それが大人のすることです。

   いや、これが大の大人で征夷大将軍なんだから情けない。

   阿部くんの憂いいや増さんばかり、いや、でもとりあえず嫁入りはGOだから。

   ってところで、先週分はいいかな? 宿題が溜まっちゃってしょうがないわ。

   今回は、その斉昭君との面談のための予習の「大日本史」、提供はマスクド貴婦人英姫様だったのです。
   「アンタの為じゃないんだからネッ! アンタがしくじると島津家の恥になるからなんだからネッ!」これは、今流行りのツンデレというものですか!?

   正しくその心を解した篤姫は、高橋パパにそのことをご注進、マスクに隠した奥の心は激ラヴであると明らかにするのです。

   まさか。今更。

   といいつつも、そなたと2人で夜桜を見ようと思う、なんて誘う高橋パパはやっぱり器が大きい。そして、少しずつかたくなな心もほぐれ、マスクド貴婦人は、マスクの紐をほどいてはじめて素顔を見せるのです。

   でも、視聴者にはそれは見えないよ。やっぱり、疱瘡のあとは女性としては見せたくないレヴェルでたしかにあったのでしょう。

   しっとりといいシーンでした。って、うまうまと騙されております。

   そして御国元では、せっかく側小姓に抜擢されても殿がいないんじゃ意味ないじゃん! とまたしても愚痴り倒す尚五郎ちゃんでした。

   お近さんにとうとう一喝されて。

   わーい、ザマミロ

   でも、目が覚めました! とお礼に行っちゃう辺り、やっぱり嫌い