2019年11月 9日 (土)

メイ曲アルバム ノヴェンバー ステップス 

   風邪が抜けねえよ。

   同窓会も自粛で自宅で安静加療中。ブラウザゲームはさらに別のに挑戦中。そんなことより庭をきれいにしろ。隣の奥さんからまたうちの雑草が迷惑かけてると文句言われたわ。そんなこと言われてももう庭へ出る通路つる草で閉鎖されたし。不動産屋さんにお願いしました。素人は下手に手を出さない。いやわたしほんと安静推奨の病人なんだってば。

   休んだり行かなかったりで10月が終わり、11月になりました。うちのチームは相当やばい個人情報を扱っているのでパスワードはゲンミツに設定の上個々人指の静脈を登録して使用端末を他人が勝手にいじれないことになっています。

   そのパスワード更新時期が来たのよ。

   もうパスワードのネタも尽きて、5月の更新の時には、「5月と言えば イム ブンダー シェネン モナート マーイ(麗しき月五月)♪」とシューマンなんて唸りながらそれらしいパスワード設定して、8月には「……じゃあ八月はアウグステ」とドイツ語つながりで設定して。アルファベットだけじゃ安全じゃないからなんてセキュリティ画面がケチをつけてくるのでそれらしき英記号やら数字やらくっつけましたけど。

   「クラオタなら十一月は階段!

   いやあんたクラシック・オタクとも呼べないミーハーじゃん。

   いやCD集めたりコンサートいったりするガチ勢ではないですが中学の音楽の副読本は熟読したし。武満徹が作曲した「ノヴェンバー ステップス」という曲は邦楽と洋楽が融合した名曲だというのはアタマに沁みついています。そういうね、情報から入るのよ昭和の知識人(?)は。

   実際聴いたことなかったわ。

   でも、今はユーチューブあるし。どんなマイナーな曲でも探し出せてうっとり悦に入っているんだから、あるでしょ名曲なら。

   ありました、

   「う~~~~~~~~~ん?」

   ダメでした。

   いやーおかあさんアタマ固いから現代音楽はダメでって、そんなことない、のだめでやってたような曲はけっこういけたもん。ラフマニノフとか。ドビュッシーとか、へえ面白いって聴けたもん! いやラフマニノフは区分けで言うとロマン派だし。現代ってどこからが現代?

   モーツァルトなんて、マリー・アントワネットと同時代人でっせ。ベートーヴェンだってナポレオン時代。日本のクラッシックはそこから永遠に脱却しない、もっと近現代のを聴けよと言われてたもんでしたが、バブルを経てのだめで開眼し(?)結構現代音楽も聴く人増えたんでしょうか。今各オケの今シーズンのプログラムチェックしたらそんなにモーツァルトとベートーヴェンしかやってないことないかも。わたしが現実を認識してないだけ?

   …………現代音楽がだめなんじゃないんだ、タケミツが合わなかったんだ、たぶん。

   昭和の音楽室の音楽史の掲示物や副読本では、ベートーヴェンが境目で、そっからシューベルトやブラームスなどロマン派になって、ロシアが旧ソ連になるころ国民楽派とかが出てその辺から現代音楽ってことになってたと思いますが。20世紀よね。

   合唱はクラッシックじゃないとか言われますけど、おかあさんがやってたようなのは戦後、下手するとまだ生きてる音楽家の音楽だったので、バリバリ現代音楽? いやー無理ってことはなかったな、そういえば。どんどん許容範囲広がったのかしら。

   というわけで、当分PC立ち上げるときに「……階段」と打ち込んで自分がクラッシック・ファンなのか毎日悩むことになりそうです。

   そしてあの曲のどこが「11月の階段」なのかはまだ知りません。どんなうんちくがあるんでしょう!?

   ……調べてきました。発表時期の11月にちなんで11の「段」に分かれていることから。段ってのは邦楽における楽曲の部分の単位です。ほら、「六段」ってのがあったでしょ、義務教育の筝の曲の鑑賞で。ふーん。11段全部聞くには忍耐力が足りませんでした。いや、中学校の英語の教材でガーシュインをやったときに「ラプソディ・イン・ブルー」聴いたけどやっぱりどこがいいのかわからなかったから、もしかして70ぐらいになったら「イイよこれ!」と開眼するのかもしれません。

 

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2019年11月 3日 (日)

つめたい抗議

   肺炎まだ治りません。治ったと思って今週頑張って行ってたらまた咳が出始めて、今度は上気道炎。やっぱ今年は夏の間ウィダーインゼリーとスムージーで生きていたから。栄養バランス気をつけないとね。野菜を食べないと体が酸性になるという主義の早乙女のおじいちゃんが亡くなってタガが外れたのかもしれません。ちくしょうやっぱり正しかったのか!?

   年を取ると昔のことがよく思い出されます。それがいい感じに美化されるならいいけど……。

   昭和61年と言えばバブルがひそかに始まっていたころ。でも、真っ最中の当事者は、円高不況のハズなのになんだか暮らしが楽だわ、不況慣れしたのかしらてなもんで。なんとなくゆるく華やいだ雰囲気を感じ取ってもいて。

   大学のサークルも贅沢になっちゃってさ。早稲田のオーケストラが海外遠征をしたとかで、凱旋コンサートをやるから、にぎやかしにちょっと集まって、と、都内の合唱サークルのいくつかに声がかかって、当然アイーダの「凱旋行進曲」やら有名曲を歌いませんかってことになったんですよ。おかあさんの入っていた合唱団にも当然。まあ規模の大きさとソプラノのルックスのレヴェルの高さでは定評のある団体だったので(おかあさんはアルトです)。

   通常練習とは別に、希望者だけ、合唱団同士の繋がりを引き受ける委員の先輩が情報を持ってきて、その指示で今日は高田馬場の何とか教室、明日はどこそこの区の公会堂、土地鑑のない場所に必死に集まって、練習しました。田舎から出てきたばかりのいもねえちゃんたちを夕方知らないところに集まらせるってことで、引率の先輩方は気苦労多かったと思います。ありがとうございました。今になって思い知ります。

   とくに、よその合唱団の人と知り合いになりたいとか、合唱団内のひとと帰りにご飯を食べて仲良くなりたいとか、あんまり考えてなくて、知らない曲を歌いたい、晴れの舞台にちょっと参加したい、そんな気持ちで。あの頃はただ歌えればそれで幸せだったんです。こういうの若さって言うのかな。

   とりあえずおかあさんがアイーダの凱旋を歌えるのはそういうわけです。大学卒業後にも、やっぱりオペラの合唱曲の企画で同曲を歌う機会があったので、昔掘った貝塚とばかりに(おかあさんそれちがいます)勇んで参加したりしてね。

   でも、日ごろあんまり行き来のない大きな団体同士のことだから、行き違いとか結構あって、うちはわりと真面目に時間通り集まってるのに指導者の方が間に合わなかったとか、4時間、5時ギリギリまで講義出て駒場や本郷、大塚から必死で駆け付けたのに1時間なにも説明なく待機とかでね、少し気持ちがあれてたかもしれない。話を持ってきた合唱団同士の連絡係の先輩も、端正な顔を歪ませていました。すっごい嫌な汗かいてたと思う。季節は初ッ夏ー。

   どこからともなく沸き起こる合唱は、最初か細い声でした。伴奏ナシで始まるその曲は、前の年の駒場祭でやった日本の唱歌を合唱にアレンジしたチャーミングな曲。あ、ウォーミングアップに歌うのね、と、まいちゃんそれだけで沸き立って、一緒になって大きな声で歌いました。そのうち皆声を出して、大きな合唱になりました。しばらくしてアンサンブル始まって、それなりにまとまりました。

   「グローリアル エジット アディジーデッ!」

   てなことがあって、練習を何度か重ねた後、晴れて練馬文化センターで行われた早稲田大学管弦楽団の凱旋公演は盛況だったのでした。

   白ブラウスと黒いロングスカート、そしてやる気さえあれば、いろんな仲間に加わってどんどん新しい大きな曲に挑戦できるんだ! ちょうどその年から、NHKの後援するジュネス・ミュジカル・ジャポンという団体にも有志で歌いに行ってたので、なんというかすごい翼を得た気持ちになっていて、そしてそのまま大学卒業後も駆け抜けたんですが。今にして思えば、学生の団体に協賛が付いて、大きな曲を負担なく一杯やらせてもらえたんだから、やっぱりバブルの恩恵を受けてはいたんですね、わたし。

   さてところが、今になって思えば、その待っている間に自然に声の上がった曲は「まちぼうけ」だったんですよ。

   あの故事成語、「株を守る」にちなんでいて。「ころり転げた木の根っこ♪」とユーモラスに歌っていたけど、曲の冒頭は「待ちぼうけ―まちぼうけ~♪」と4番くらいの歌詞まで共通に連呼で。

 

   「何 時 間 待 た す ん じゃ コ ラ!」

 

   先輩方はそう歌で訴えていたんですね。なんも気が付かないでゴキゲンで歌ってたわわたし! あったま悪っ!! 30年後にして穴があったら入りたい!

   嗚呼、頭の良い方は、そして、将来国を背負って立つような立場のある方は、真っ向喧嘩を売ったり文句をつけたりしないのね!

 

   あっぱれイギリス人はイヤミだ、なんてことを昨今ネットで目にしていて思い出したことでした。

 

   加藤先輩ありがとうございました。その節はお疲れさまでした!

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2019年9月12日 (木)

メイ曲アルバム ― ドヴォルジャークのミサ曲 ニ長調よりグローリア ―

   この曲はパートソロから始まって

    タクト待つ君大人びた顔    舞音

   ミュシャ展からスラヴつながりで。プーランクの「グローリア」が60年代の不穏さを反映してゴジラのようだったのに比べ、ドヴォルジャークのミサのグローリアは掛け合いの疾走感がえーっと「きかんしゃトーマス」。複々線をヘンリーもゴードンも一緒になって抜きつ抜かれつの全力疾走という気がします。高音がキンキンしとるな、ヘリのハロルドも飛んで来い。

   グローリアというのは、ミサ曲を構成する曲の一つ。ミサ曲というのはクラッシックの宗教曲、教会のミサの形式にのっとって、ローマ教会公式の歌詞にいろんな作曲家が曲をつけたちょっとした曲の集まりです。5曲全部やるとだいたい1時間ぐらいかかるので、合唱団ではコンサートのメインに持ってくることが多いです。グローリアは起承転結で言うと承の部分、主、イエス・キリストを褒めまくる内容で華やかな曲が多いです。そういうドラマティックで長大な歌詞の内容から、これ一曲をさらに分割して組曲みたいにする作品もあります。それが、プーランクの「グローリア」。

   ドヴォルジャークのグローリアは、ニ長調のミサ、作品番号はえーっと86? すっごくきれいな曲のそのグローリア部分。大学のころやりました。イントロなしでいきなりテノールの吠えるようなパートソロから始まるので超! カッコいい曲です。アゲアゲ(死語)。

   これをもうフィギュア・スケートでやってくれたらすごいだろうなあと妄想紹介。でも、フィギュアはフリーでも6分しか滑りませんから、この曲で20分も滑ったらユズ死んじゃう。うーん、アイス・ショウで4組ぐらいで分担して滑ってもらったらどうかな?(おかあさん妄想激しすぎ)

   冒頭の疾走部分でぐんぐん加速してチャンチャチャン「グローリア!」のところでばばっと4回転でも3回転・3回転コンビネーションでも飛んでもらいましょう。この曲はそれぐらい掴みがスゴイ! 堂々とガッツポーズキメて持ってけ! 歌詞は【栄光あれ!】だから! チェルチェル(チェルシス=空)言ってる助走の間も手を振って元気よく! ここで第一(滑)走者は体力8割使っちゃっていい感じ!

   すぐ落ち着いて、「エート イーン テーラ パークス オーミーニブス」で地を這ってください。【地にては善意の人々に平安あれ】と言ってる。息を整える時間帯だけど、油断せず力士イーグル:マルシー「ブリザード・アクセル」でも、腰つきのいやらしいステップでも見せて。

   次は【我ら主を褒め主を祝福し主を拝み主を崇め奉る】の過剰尊敬4兄弟パート。早口言葉か。またしても元気よく飛んだり回ったりしてください。ラッパも鳴ってすっごいカタルシス。

  開始3分ぐらいして決着ついたらいったん長い休符入ってオルガン伴奏の女声合唱パートに入りますから、そこでたおやかな女子入ってもらってアイスダンスなんか披露してもらったらどうかな。男声合唱と掛け合いになるから、そのへん途切れないいちゃいちゃシークエンス披露してもらって。スピンなんか芸術的にやってもらって。それくらいここんとこのハーモニーは天国的。

  「ドーミネ フィリ ウニジェニテ」主よ一人子よって。各パートソロでの主イエス・キリストに対する呼びかけがいやらしい。

  ここから選手交代また元気のあり余った男子に入ってもらって、「クィ トーリス」からの関係代名詞乱れうちの歌詞部分が盛り上がる盛り上がる。【世の罪を取り除いてくださる方=イエス・キリストよ】という畳みかけ歌詞部分を音で裏打ちする曲にさらに静かな中に緊張感をもったステップ・シークエンスやスピンで期待感を盛り上げてほしいっ!

  【我々を憐れんでください】の主題への盛り上がり! どうせキリスト教音楽はこれが本題だから。それを、マイナー音形から魂を揺さぶり不安にさせながらも盛り上がり部分へ持っていくアントニンちゃんのいやらしさっ! 死にそうなかすれ声で「ミゼリーレ ノービス」=【我々を憐れんでください】って反則!

  そこからは堰を切ったように【主のみ聖にして主のみ主にして主のみいと高ければなり】の解決篇へGO。北国の春のような圧倒的開放感。音の暴力のような爽快感。回って、飛んで、もうご随意に。

  そこから「イェズクリステ」=【イエス・キリスト】の連呼、大合唱、【聖なる霊とともに、父なる神の栄光のうちに、アーメン】の最後の盛り上がり! アーメン・コーラスの絢爛さ。 ここは頑張って滑れ、ぐんぐん勢いをつけて助走。コンビネーション炸裂、決めろ! 決めたらあとはウイニングラン! そしてひざまずいてそのまま滑ってって両手上げてフィニッシュ!

  こめんここまで10分少々だった。4組リレーするまでもないかな。

  エキシビションとかでヘンリー8世みたいなもっこりファッションでムキムキ飛んでほしいな。

  これ大学でやって。駒場900番でピアノ伴奏でやったときの爆発するようなテノールの出だしの5小節はもう魂に突き刺さっています。

 

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2019年7月 7日 (日)

 メイ曲アルバム GIRA ×2 ★ SEVEN

   前項に続いて。

   「いやーギラギラセブンって曲凄かったな、もう脳内ループすごい! ユーチューブで拾って永遠に聞いてしまった

   おかあさんは気に入った曲は永遠に聞く方です。往年の中島みゆきのアルバムなんて、若さのままにイントロからAB両面完全に鼻歌熱唱再生できてたし。時が下っても、カルミナ・ブラーナが音取りなしで楽譜貰ったら即アンサンブル参加できたのもそのせい。

   でも、ユーチューブって最近情け容赦なくCMはいるじゃない? 全然お呼びじゃない化粧品とか健康食品とか。プレミアムにしろってことか。

   「……虎美、音源ないか?」

   「あたしLINEミュージックで聞き放題できるから」

    しょんもりしたのを察して娘叫びました。

   「ああっもうわかった明日アニメイトでCD買ってきてあげるからっ!」

   というわけでゲットしました。「うたのプリンスさまっ」敵役のライヴァル事務所のユニットHE★VENSの映画版挿入歌「愛を捧げよ ~The secret Shanguri-la ~」のカップリング曲が「GIRA × 2 ★ SEVEN」なわけです。

   このHE★VENSが(星入れていちいち打つのめんどいんでカタカナでいいですか?)、スターリッシュが正統派王子様アイドルでみんなオスカル様的詰襟金モール付き肩章に裾の長いお衣装なのと対照的に、え~と厨2なスタイルでね、具体的に言うと指ぬきグローヴとかクロムシルヴァーのアクセサリとかでそれぞれその辺を歩いてそうなちょっと気合の入ったおしゃれな服をてんでに着ている感じで、お召し物からちょっとああ、お母さんの対象範囲外な感じでしたが。

   しゃべりを聞くと、なんていうか、世界を作ってるっていうか、イマドキそんな教祖様とかカリスマっぽさ出さなくても、とドン引き。もともと俺様系苦手だったし(「最遊記」も三蔵は全力でスルーした)。スターリッシュが「僕たちのこと応援してね♪ きみのこと大好きだよ」って感じなのに、それこそ「汝愛を捧げよ」なわけで。うっわあ。

   虎美はそういうところも流してみて、「ホントはいい子たちだよ。ヘヴンズは突込み不在なだけだから」とのたまうけれど、ああ、かれらの言ってることが非現実的だってことは理解してるのね。

   「リーダーの眼鏡の瑛一とこっちの瑛二くんが兄弟で、事務所の社長の息子で」

   「この大和はスタリの事務所の先輩の弟で兄をライヴァル視していて」云々。もう結構。

   「七人のイニシャルを並べるとHEAVENSになるの」だからヴァンって子がいるのか。二つのEを兄弟で担っとるわけやね。

    その名前もキラキラしてる。瑛ブラザーズの王へんのついた瑛もだし、鳳とかスメラギとかミカドとか何とかインとか、漫画の登場人物のカッコつけた名前、一作品に一人二人ならいいけどみんなそんな感じでほんとすべてが演出過剰な感じが!!!

   だからパイプオルガンの分散和音からジャジャジャンッとはじまった「愛を捧げよ」の方はうへぇ~っと思ったんですが、次の「ギラギラセブン」の方は、キレのよいブラスのジャズっぽい曲と、一糸乱れぬダンス(まあ絵だし)にほほうと思わされたんでした。

   サビの部分の掛け声、「ギッラッギッラッギーラギーラッ!」の繰り返しとHをイメージした人差し指と小指を立てたハンドサインが、オイオイオイオイと思いながら頭にしみついてしまって! いやそれ「おお振り」ならツーアウトのサインだよ。

   まあ、歌詞の世界はやっぱり「天国へと行かないか共に」なわけですが。

   いや、古き良きキャバレーとかでやってそうなタップとかあのへんのダンスの雰囲気の振付だったのも、珍しくみんなそろいの濃紺の燕尾服っぽいテイストの服だったせいもあり。

   しみじみほれ込んでしまったわけです。ああ、ステッキ持ってソフト帽胸に当ててやってほしい。

   虎美喜んでアニメの登場エピソード見せてくれましたが、やっぱりムッチャ気持ち悪かったです。曲だけ。曲だけ好きになったの!

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2018年12月14日 (金)

47人のラシーヌ

   最近はやらなくなってきてるみたいだけど、12月14日は赤穂浪士討ち入りの日
   亡くなった早乙女お義父さんのお誕生日でね。ご本人も結構意識してたみたいだから。
 
   四十七人のラシーヌ

   お家断絶 決まりし今は 虚しや
   藩士散り散り 浪々の身にて
   再興の望みこれなく
   この身をいかになすべきや
   
   <間奏>

   そもそも公儀の仕置き片手落ち
   遺恨は我らが晴らすべし
   瑶泉院様いざ御覧あれ
   
   吉良、吉良、吉良
   吉良上野(こうづけ)は何処(いづこ)
   吉良、吉良、吉良、
   吉良上野(こうづけ)討つべし
   
   <間奏>
   
   敵討ち果たし
   遺恨晴れて
   朝(あした)に
   面(おもて)輝き
   泉岳寺まで凱旋す
   赤穂浪士に栄えあれや
   町衆こぞりてたたえしが
   
   <間奏>
   あはれ腹を
   
   <間奏>
   
   切りたるとぞ

   これ、↓ の曲「ラシーヌの雅歌」で歌えるように歌詞付けてます。
https://www.youtube.com/watch?v=H5FFEBg60po

   だから「ラシーヌ」w。フランスの劇作家のあのラシーヌwwww
   この人の書いたキリストをたたえるなんかいい歌詞にフォーレが曲をつけた合唱界隈じゃあちょっとした名曲。フォーレのレクィエムやったらだいたいアンコールはこれってくらい。
   サビの「キ ラ コンデュイ タ ルブリ ドゥ テ ロワ」(フランス語のスペリング諦めた)は
   疑問詞で始まって、「誰があなたの法を忘れるだろうか、いや忘れない」という反語表現。
   
   ちょうど主君のことを忘れない赤穂浪士の熱い想いにリンクしましたね。いや偶然。

   これを練習してた大学2年の時、男声から湧き上がるように
   「キラー」「キラー」「キラー」と掛け合うのを聞きながら、

   「吉良吉良吉良ってお前は赤穂浪士か

   とひとり笑いをこらえていて、大学卒業するころに結局歌詞付けたんだけど、いろいろあって紛失して、だいたい公開の場もなくて。でもイマドキはネットの海に流しておくと誰がどう使ってくれるかわからないからちょっと上げとこうと思ってw だってこの訳詞もいまちょっと検索したら上がってたから。30年前には仏語に堪能な先輩を拝み倒して訳してもらっていたのに、ちょちょいのちょいで手に入るんだもんな。ほんとインターネット様様。

   ということで、「あなたを忘れていませんよ」とお義父様供養に……なるか!

   <追記>
   時間があったので歌詞を複数のサイトで確認したら、「Qui」を関係代名詞とみて、あなたの法を忘れさせるところの眠りを」と前の節に戻って「どうか追い払ってください」とする訳も複数見られました。
   こっちの方が穏やかで一般的なお祈りの文句らしくなるのですが、最初参考にしたロビンソン商会さんの訳&レイアウトが曲の構成と相まってハートに響いたのでわたしもこの訳「誰があなたの法を忘れるだろう! いや、忘れない!」を取りたいです。
   でもまあ、セカンド・オピニオンって大切よね。ロビンソン商会さんもお気になさらず。わたしも誤訳・珍訳で何度も恥ずかしい思いをしています。
   そして大多数のクラオタ合唱人は……そんなの別にどうだっていいと思っているのだ! (号泣)

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2018年8月30日 (木)

甲子園には魔物が住むとふ

   音楽タグで合ってますよ!

   今年の夏の甲子園といえば、金足農業の大進撃。忙しくってほとんど見てませんでしたが、終わった後のネットのまとめ記事で、金足農業だけのものではないらしい、秋田県勢のチャンステーマ(野球の応援でよく鳴らされる曲のこと? コンバットマーチって死語なんだ?)としての「タイガー・ラグ」という曲について知りました。

   まあ原曲はアメリカン・ポップスかなんかなんだろうなと検索をかけたら、すっげえご機嫌なディキシーランド・ジャズが引っかかってびっくり。百年前にはもう録音があったスタンダードなんだって。あのすちゃらかしたノリがどうしてわっしょいわっしょいて応援歌になるのか、やっぱアルプススタンドには魔物がおるんやなあと嘆息したというお話。アレンジャーすげえ。

   でもまあ一周遅れでおかあさん各種ユーチューブ画像見まくって、メガホン持って踊れそうなぐらい気に入りました。

 
   「インドのおじさんくーれーたーよ おおきな 敷物
   六畳いっぱい ひーろーがーる 虎のけがーわさ~」
   例によって勝手に歌詞作りました。ごめん♪
   農業つながりで兵庫の高校に応援を請うたとか、秋田出身のアーティストがいてもたってもいられず飛び入り応援したとか、演奏家以外でも、秋田出身か、行ってこい! と有休を認められたとかいろいろアツい話をネットで引っ掛けました。
   甲子園はこういうところが平成も末になっても変わらないのね。
   スポーツとしてはこの暑いのに若人を連投させんなよとかいろいろ改革案出てるけれど、きっと変わらないで受け継がれていくんでしょうね。

   ちょうど100回記念だとかで、開幕前のにぎやかし番組で、往年の簑島VS星稜のシーソーゲームが取り上げられていて、覚えているのは石川県人だけかと思ったら覚えていてもらえてなんだか胸を熱くしていたところ。また星稜が済美と延長戦やって、今度はさすがにタイブレイクという延長を地獄にしない新制度になっていたんだけれどやっぱり負けちゃったの。ちょうど早乙女おとうさんのお葬式の日で、みんなセレモニーホールのロビーのTVにかじりついちゃって退場がはかどらなくてちょっと困ったことはわたしの記憶には残りそうです。

   音に聞く玉のはだえも惜しむまじ
     アルプス焼けせよあきたこまち等(ら)   舞音

   冗談じゃないわ焼けちゃうじゃないなんて応援をさぼっちゃう美白娘より、えーやだーあっつーほんと許さないでも日焼けなんて忘れてガチ応援しちゃったよ見てみて真っ黒ーって娘のほうがおかあさんは好きだわ。

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2018年6月19日 (火)

メイ曲アルバム ドイツ レクィエム 第2曲

   大阪の方では大変なことが起きて。お見舞い申し上げます。そーいやー春頃からシンカイギョ上がってたわよね。あと知恵あと知恵。全日本で非常持ち出し袋と危機管理確認しようオーケー? 

   それで、久し振りにネットのまとめサイトを巡回したら見付けたのが、
   「ドイツと言えば?」というスレ。
   ……前から思ってたけど2ちゃんのこれって「枕草子」のものはづくしの章段とノリは同じだよね。つくづくネットは古典文学に相通じるものがある。いろんなまとめサイトは説話集みたいだし。
   サッカー選手やらナチスやら戦車やらおよそ想像のつくものが挙がっていたけど、おかあさんはひとこと、

   「ドイツといえばレクィエムだろう」

   そーいえばドイツといえばクラシックって答えはなかったなあ。昭和は遠くなりにけり。おかあさんの若い頃はドイツに留学すると言ったら音楽か医学だったよ。漫画の世界じゃあサッカー留学もあったかなあ。ブ、ブンデスリーグ?

   ドイツ・レクィエムというのは和製外来語のタイトルで、英語で言うならジャーマン・レクィエム、全音版の楽譜のタイトルはアイン ドイチェス レクィエム(とドイツ語のスペリングで)書いてありました。我が心の恋人よっちゃんことヨハネス・ブラームス作曲の演奏会用の宗教曲であります。一般的な宗教曲とは違って、カソリックとは無関係、ルター訳聖書から適宜歌詞を取った全7曲からなる曲です。全部やると1時間半くらい掛かるかなあ。オーケストラはフルでつくしたしかハープも要るしソロはソプラノとバリトンが付くというちょっとした大曲です。まあ演奏会用レクィエムなんてパイプオルガンとか隠しトランペットとか合唱が2編成とか東西南北にバンド編成とかそういうのが必要な曲もあるんでそれに比べたら常識的な方でしょう(オイ)。おかあさんレクィエムは有名どころはみんなやったけどやっぱりこの曲が一番好き。ドイツ・レクィエム7曲の中では第2曲がいちばん。

   おかあさんは大学で合唱サークル入った最初の年にやったのがこれだったので強烈に刷り込まれたんですよ。いろんな要素からドイツ語ってのに憧れがあったところに、ちょっと本格的にクラシックの合唱やってみるかいと入ったところでいきなり「Selig sind」って。読めないし、あるとは真ん中のドから下がって下のラから始まるし、これは無理って、最初の頃は逃げ帰ろうかと思ってたんですが。

   2曲目がよかったのよ。

   まあ、この曲の欠点と言えばイントロが長いくらいかなー。
   その葬送行進曲のような長いイントロの果てに、
   「全ての人は草のごとく、人の栄華は草の花が如し」って。「平家物語」か。
   そんでもって「草は枯れ、花は萎れる」。
   オルフの「カルミナ・ブラーナ」も栄枯盛衰を描いてましたが、この曲は一応宗教曲なので、違います。無伴奏できれいに「雨が降るまで堪え忍べ」とか言っちゃった後でもう一回だめ押しで「平家物語」やっといて、一転、鏡割りで蓋を開くようにパカーンと言うのです。

   「しかし、主の言葉は残る 永遠に」
   待ってましたと鳴る金管のファンファーレ! ヘイらっしゃい! ってキリスト教の世界へかよ。

    そっから始まる大フーガ。

   「主に救われた者は再び帰る、シオンの丘に、歓声を上げて!」って、さすがキリスト教だ。効果的に抑圧をを解放して思いっきり主を賛美して終わるのでした。
   なんつうか、契約社会ですから、キリスト教に帰依するとこういうメリットあるんですよと明示しといて勧誘するのよ。フェアですね(?)。
   「イーヴィゲ フロイデ、イーヴィゲ フロイデ(永遠の喜び)」と噴水が吹き上げるように叫ぶテノール! 上がったり下がったり起伏の激しいメロディ、躍動感ってのはこういうところで出すのよ、ともうわかってらっしゃるよっちゃん節。

   この曲の魅力にどっぷりはまって、そこから合唱漬けの大学生活を送りましたとさ。

   こういうね、平易なドイツ語で
   「コメン ミット ヤオウッツェン!(歓声と共に来たる)」なんて言われたら、第2外国語でドイツ語学びはじめのまいちゃんもう幼心に焼き付きましたよ! 
   だって、厨2ごころにジャストフィット。オトナの世界を知り始めてちょっとものの判った振りをしたい中学二年生みたいな年頃の気持ちに親和性の高いドイツ語ですから!
   英語やフランス語のように、教わっても口がどうしても発音できないという音がそんなになく、日本語を母語とする初心者がぱっと見とっつきやすい言語なんですよ、ドイツ語って。スペリングとかも結構法則がしっかりしてて学びやすいし。
   そして、基本の言葉をただ並べればどんな複雑な言葉も作ってしまえる性質とか、濁音とか子音が目立って聞いた感じカッコイイ語感とか、そういう大人ぶりたい人にとっても向いてる言語なところへ。
   文明開化のころからの知識人はドイツ語(かフランス語)をやっているべきだ、そうでなくてはならないという共通意識もあってね。

   歴史的には、ルター訳ってのはキリスト教国教化以来ラテン語で書かれるものってことになってまして、ラテン語を読み書きできる知識人階級に聖書の解釈は委ねられてきたのですが、それを、ルター訳聖書とグーテンベルクは大衆化したんですよね?
   今までは、歌うにしても、ただ音の連なりとしか認識していなかった宗教曲も、
   「ズィーリヒ ズィント:悲しんでいる者は幸いである」と自分たちが使っている言葉で歌われると、内容がいっそう心に迫ったんでしょうよ。

   よっちゃん渾身のカッコイイ作曲で、
   「苦しみも嘆きも必ずや消え去らん!」なんて断言されたら、もう、ヘンデルの「ハレルヤ」で直立不動しちゃったどっかの王様みたいに、わたしも、だっ! と起立しちゃいますよ!
 ああ、タイムマシンでどこに行きたいかって、考えたことなかったけど、わたしこの曲の初演のときに行きたい! そんでブラヴォー叫びたい! 宗教曲でブラヴォー掛けていいか知らないけど! 万歳って歓声ってどういうの? ヤッホー? ハレルヤはカトリックだからヤバイ? ホザンナも以下同文? ヴィヴラはフランスだ、(おかあさん歌ったことある曲を必死で脳内検索)ハイルか、今ハイルって言っちゃっていいの? とりあえず右手は上げちゃダメだ! 落ち着け! 

   ……落ち着きました。

   

応援上映ってのがあるんですって。日本の映画ファンはお上品で、どんなコメディも愁嘆場も、しわぶきひとつしないで見て、拍手とかもしないで見終わって黙って出て来るそうですが、そんなん無理! 今時は鳴り物持参で、ラヴシーンではそれを打ち鳴らし応援してツッコミを入れ主演の俳優に声援を掛け拍手して一緒に歌って泣いて笑って転げ回って楽しむ鑑賞会があるんですって。そこでならおかあさんも思うがままにガッツポーズして手を叩いてマエストロに声援を送って曲を楽しめそう!
   ……でも生の演奏会だと演奏者の皆さんのお邪魔になりそうだから、ヘルベルトのおっちゃん(カラヤン先生)の映像どっかから調達して、ノイエ・リリエンベルクのアートホールぐらいでだれか掛けてくれませんか? 求む同志。みんなでよっちゃんの世界に浸ろう。

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2017年10月 5日 (木)

胸に手を当てる話

   どんな話の流れだったか、例の「春暁オフ」の皆さんで今度はアニソン限定カラオケにでも行きましょうかという話になって、休憩時間にそのラインの画面を見ておかあさんにたにたしていたら。

   「どーしたの早乙女さん、すっごい嬉しそうなかおして」と、管理者のゴローマル様(仮名)。アラサーだと思ってたら意外やかなーり大きいお嬢さんいらっしゃるそうです……。
   「今度カラオケ行くことになって。『人目を気にしないでアニソン熱唱』カラオケオフ!」
   「ナニソレ、早乙女さんアニソンなんて歌うんだー?」
   おお、ゴローマル様そんなでかい声で! やめて!
   「実はアニソンしか歌えません」
   ダメじゃんおかあさん。そこは
   「ブラームスは心の愛唱歌ですが、モーツァルトもいけます」ぐらい言おうよ!
   「えーっ、早乙女さんって、……変な人なのは知ってたけど、そんな人だったんだ」
   「……必死に隠していたんです」
   「もっと出そうよ!」

   いやほんと勘弁してください。

   って逃げ出したら、帰りに別の熟女に捕まりまして。
   「やーだ、早乙女さん、さっきの聞いたわよ、アニソンなんか好きなんだーじゃあ昨日の番組見た? アニメの歌手の人、水なんとかさんが出てたわ、60幾つですって!」
   「……みてないです」
   「マジンガーZ歌ってたわ」
   「……水木一郎ですか」
   「そう! やっぱり早乙女さんもああいう曲好きなの? ロボットの出てくる元気な歌」
   「いえそうとは……」
   「じゃあ、どういうの? サザエさん? サリーちゃん? キューティーハニー?」
   それって昭和の曲じゃん! そんなの歌わねーよ!!
   「ガンダムとか? ……エヴァンゲリオン?」
   「知らないわーそういう曲。子供が大きくなったらアニメなんかうちでは見ないし」
   ガンダムやエヴァも知らないのか、リア充は。困ったな。なんだったら知ってるんだよ。
   「ええと……」
   「うふふ、早乙女さんってそういう人だったのね……アニメの歌なんか歌っちゃうの?」

   もう電車の中で大きな声で、思いっきり正直に思ったことを言われてるだけなんだろうけどほんと煽られたというか全力で削られた感じ。

   「もうやめて! おかあさんのライフはZEROよ!

   じゃーどういう曲を歌うつもりなんだよ。
   おかあさん熟女と別れてから泣きの涙で次のオフで歌う曲を選曲し始めました。

   ……おかあさんが人様とのカラオケで歌うようなアニソンって……うーん。「幽遊白書」の曲か? 「最遊記」? 「イナイレ」? どれもみんな古いじゃん。
   ネタとしてよく入れるのは「キン肉マン」と「キテレツ大百科」いやコロッケじゃなくて「スイミン不足」の方。あとは「いなかっぺ大将」あれ天童よしみだから。

   ……ネタに走りすぎじゃあないかな?
                              おかあさん胸に手を当てて考え込んだ。

   とりあえず人様にお聴かせできるように曲を練習して行きましょう。
  それじゃあ、とむ影さん、波多利郎さんよろしく! 

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2015年11月 7日 (土)

メイ曲アルバムプーランクの「スターバト・マーテル」 軽さってのはこういうものよ

   この怒りをドコへ持っていったらいいのか。

   ええと、怒濤のご申請ラッシュも終わり、チェリースタッフサービス(仮名)のオペレーション・ルームも閑古鳥が啼いております。どのご申請者様もみんな審査に通ってぶじ補助金が下りるといいですね。暇になるとみんな悪いことを思いつくものです。修羅場を経験して仲間意識の芽生えたオペレータさんたちはみんなろうにゃくにゃんにょ(おかあさん噛んでます)、無駄話に花を咲かせて入電(お電話の着信)のない時間を過ごしております。向こうでは就職が決まって暇なマーチのイケメン4年生が友人共々水道を止められてさらに友人宅に揃って出かけてもらいシャワーした話をしてうならせたかと思えば、こちらでは地味にお嬢様な熟女がお稽古ごとを幾つさせられてたか語って廻りをどん引きさせたり。マネジャさんからは、
   「野暮は言いたくないんで、弁えた音量と内容なら多少は」と黙認されてます、そこはね。

   「あーおれこの件でマスコミからの入電取ったことあるよ」ヒソッ。
   ヴェテランのマーレさんはシニカルで面白い男性です。
   「まーどんなでした?」
   「西日本タイムスとかいったかなー(仮名)全然自分で調べる気ないっぽいの。なんか制度についてかるーく教えてくれって、それで投げてこられても」とニヤニヤ。
   ヴェテランだけあって核心に迫る発言はないマーレさん。おかあさんも相手するのが面倒になって、切り上げることにしましたよ。

   「解った、西日本タイムス(仮名)はクソ!

   折悪しく入電が止んでオペレーションルームはつかの間の静寂が支配していました……。

   「さっおっとっめっさんッ!」

   マネジャすっ飛んできておかあさん怒られましたよ。    
   過去の入電についてバラしたのはマーレさんじゃないかよ。さすがにヴェテランは怒られない加減を解ってる。

   しよーがないからパソ上の個人メモを開いて、昔採った貝塚、レクィエム固有文とかミサ通常文とか覚えてる限り黙々と書いてみましたよ。クレドが全文そらで言え(書け)なくなってて、そりゃ20年くらい歌ってないもんなあと悲しい気持ちになったり。 どうしても思い出せなくなって唸ってる最中に入電して慌ててメモ閉じちゃったり、
   「何やってるんですか?」と隣から声を掛けられてごまかしたり。
   ミサもレクィエムも穴あきながらなんとかこなしてスターバト・マーテルなんかやってみたりして。もうボロボロで、脳内で何度も再生を繰り返してやっと最終連まで書き出しましたけど、いやー長いねこの曲。AAB CCB……と美しい韻を踏んで進行するところもすっかり思い出しましたけど。懐かしくって、週末はこれ聴いて過ごそうと思いましたのよ。

   「立ってる母は嘆いてる」なんて、語呂はいいけど格調高くない。もっと格調高くええと、「立ちたる母は嘆きたり」? キリストが十字架に掛けられたその場に居合わせた聖母マリアの様を描き、共感しつつも救いを求める歌なんですが。けっこーいろんな人が作ってるみたい、ユーチューブで「stabat mater」で検索したら目指す曲以外ばっかり引っかかって困りました。

   わたしが過去にやったのはヴェルディのスターバト・マーテルと、プーランクのもの。今回はプーランクが先に引っかかったので、そっちから攻めるか、なんて開けて聴き始めたら、違和感バリバリ。最初の暗いイントロからしていろが違うカンジで。え? なんでなんでってなりましたよ。そんなに聞き慣れた演奏者のがよければCD聴けよって、例によって引越のどさくさでCDどっかにいって聴けません。ユーチューブで幾らでも探せると思って、真剣に探す気がなくってね。

   でも聞き進めていくうちにもうなんじゃこりゃ状態で、ふつうに予想している演奏ならそんまま誰が指揮してようがどこが歌ってようが聞き流して調べもしないのに、いったいドコがやっとるんじゃ、発音からヤベえよこれドイツ人か子音の目立つことってキャプション見たら「Monteverdichor Würzburg Matthias Beckert (cond.)」って。うわーおれもとうとう指揮者がどうとかなんとかフィルはどうとか理屈をこねるクラッシック・オタクになったかよ。指揮者のベッケルトさんはこのモンテヴェルディ合唱団の専属なんだか、けっこーグーグルではヒットがありました。近現代ものが好きみたいね。それでかよ(プーランクもフランスの
現代作曲家、この曲が1950年の作品というぐらいには)。

   なんかさー暗いのよ。

   この曲は、若かりし頃のまいねさんが
   「こんなえっちな曲を若人がやっていいのかーッ!?」NHKのスタジオの廊下で休み時間に絶叫したぐらいおフランスのエスプリ過剰な曲で、後半に行くにしたがってもう濃厚なエロスがぐわ~っとあふれ出て、湿っぽい不道徳さは、
   「なんか仏領インドシナなんですよ! 孔雀の羽根の扇でふわ~んってオリエンタルな匂いが漂ってくる感じで!」とわかんないなりに力説させるナニモノカがあったんです!

   その、ハープ乱れ撃ちないやらしい雰囲気が……固い。ハープの聴かせどころもプラスチック棒をパキパキ折ったような鳴りっぷりで。いやそうじゃなくて。確かにこの曲不協和音が凄くて音取りにくいけど、そういうんじゃなくて、多少怪しくてもいいから雰囲気だしてよう。強弱も、もっと、寄せては返す海の感覚が欲しい! ああ、わたしのいつも聴いてたやつは巧かったんだ!

   昔の「花とゆめ」でやってたフラメンコ漫画で、家庭に恵まれなかったヒロインが「楽しい」という感覚がわからなくて明るい曲をどうしても明るく踊れなくて、
   「そうじゃない、激しく踊ればいいってものじゃないんだ」といわれて、だってわたしの人生には楽しいと思える経験がなかったと行き詰まるエピソードがあったんですが、この曲にもそういうところがありました。軽やかに、「ここは尼さんが駆け回るイメィジで」と指示された辺り。軽いっていうのはスピーディってことじゃないんです、心が弾んでいる、延ばしていても、その音の中にビートを感じている、そういうところ。歌詞は「いざや、御母、愛の泉よ、我にもその哀しみを感じさせ共に悼ましめよ」と言ってるので、そうそう明るくする必要もないのですけれど、こんな歌詞でも軽やかにリズミックなのがまたフランスのエスプリなのね~と、解らないなりに解ったつもりで、暗さまっしぐらの曲の中で変化を付ける意味もあって、かろやかに歌っていたところを、一本調子に固く歌われてしまって、あーだめだこいつら野暮天だ、とわたくしそう思いましたね。ハーモニーの広がりはあった感じだけどね、心浮き立つスイングがなかったよ。
   そのあとの無伴奏の部分「我が心を神なるキリストへの愛へ燃やしその御旨にかなうものとせられたし」はもう手を触れるのももったいない感じの荘厳さはあったけどなあ。最後の「勝利の栄誉」とか、「天国の栄光」とかいう勇ましくも華々しい言葉についた妖しくも麗しい響きがぜんぜん消化不良で表現し切れてなかったカンジでしたよ。

   やっぱドイツ人にフランスものは無理だったのか(決めつけ禁止!)。

   なんて偉そうに思って、いろいろ聞き比べるのは大事なことなのねーってそう思いましたです。それを考えたら、やっぱりあのジャケット(?)の美しいステンドグラスに魅せられたわたくしの愛聴盤はいい演奏だったんですねえ(今ざっと見たところによるとグラモフォンによる小澤征爾のCDらしい)。

   ここまでけなしておいてリンクを張るのは可哀相かしら。最後の理性でリンクを張るのはやめときます。そして、50を前にやっと演奏者によって曲の雰囲気が変わるということにきづいたおかあさんでした。おせーよ。

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2014年12月10日 (水)

あの日々はなんだったのかと

ま   引越が決まっててんてこ舞いの早乙女家であります。ねーイーヴィヒベルクの町内の資源ゴミ回収って昨日じゃなかったの? みんなしてうちじゅうの雑誌類まとめて玄関先出しといたのに誰も出してなくて、そんでもって取ってって無かったよ。虎美帰ってきて徒労感に絶望して今日起きれなくてさぼったの。出席がマジあぶない虎美ちゃんは高校卒業できるのでしょうかおかあさんちょっと心配。

   さて、作業用BGMにパヴァロッティのコンサートの動画をユーチューブで拾って聞き始め、結局洗濯物畳んだだけの午前中だったのでしたが、最後数分でわたくし目がカッ!
<・> <・> これね。

   曲はオペレッタ「マルタ」の「夢のよう」、イタリア語訳版の歌詞から、「マッパリ」とも呼ばれる名曲だそうです。暇な宮廷生活に飽きて下々の生活を試してみたいと「マルタ」を名乗って求人市場に紛れ込んだヒロインとヒーローが恋に落ちるラヴコメ・オペレッタらしいです。「マッパアリー ドォルテアモー」となんか牧歌的な出だしがほんとシンプルで可愛い曲でした。ま、テノールだし。ぼくの心はあなたが持ってってしまったよ、あなたが消えたらぼくは焦がれ死にだよと歌詞が全然哲学的じゃないのはラヴコメだからね。
   それから、「マルタ」と、関連画像で同じ曲を歌ってたジーリという20世紀初頭のオペラ歌手を検索し(肖像がハンサムだった!)、そこからまたマリオ・ランツァという歌手に行き、そんでもって関連から「ジョコンダ」というオペラの「時の踊り」という曲へ飛び、そんでもってそれがリメイクされてヒットしたという「レモンのキッス」とか小柳ユキまでいって、もう、ママン、能率低いよ、なにやってんの! という時間の使い方をしました。ああ、せっかくのお休みを……。

   そんで、最後に拾ったなんとかいうオペラ歌手の「誰も寝てはならぬ」を聴いたら、なんとやつは最後の「♪vincero~ vincero~(わたしは勝つ!)」をヴィン「ケ」ロと歌いやがったのでありました。オイオイ。イタリア語で「ce」は「チェ」だろ。「家畜智恵子」と覚えたよ。ca,ci,cu,ce,co は、それぞれ カ、チ、ク、チェ、コ と読むんです(イタリア語はほぼローマ字読みでいけるんだけど、カ行というかcだけイレギュラーなので敢えて)。智恵子さんごめん。東京に空がないようにまいねには遠慮がないとでも思ってください。

   大学の頃、マトモに外国語を耳にする機会がほとんどない身として、さまざまな書物に当たってこれこれこうの時この文字列はこう読む、だからこの歌のこの歌詞はこう読むのが正しいなんて調べて、得意になって発表して、それを団員に強いていたという恥ずかしい過去を持つわたしですが、こうどーどーと、ネイティヴではないといえプロの歌手が「間違った」発音で歌を歌ってたのを聴きますと、ほんと、あのこだわりはなんだったんだろうと思いますね。ヨーロッパは結構人の行き来が自由だったので、あーこの歌手イタリア訛りで歌うんじゃねーよでもチクショウいい声だ、なんてのはクラッシックではごくふつうな感覚なのかもしれないです。じゃーあのころのわたし達も、ちょっとあやしい発音でも、曲さえちゃんとしてたらちゃんと評価されてたのかなと今となっては思ってしまいます。キリスト教徒じゃなくて、うちにはクラッシックのレコードなどなく、西洋音楽は学校へ行って習うものとして極東からおそるおそるクラシックに触ってみている身としては、せめて調べられるところは全部調べて、というアプローチをしていたのでした。
   今の人はいろんな曲を情報からではなく演奏されたものとして接することができるから羨ましいです、ホント。そんでもって、伝説の名歌手の歌にも手軽に触れられるしね。お昼からいろいろ聞き比べましたが、マリオ・ランツァの伸び伸びした歌い方が好きかなあ。それから、ミスター・ヴィンケロはBjoirling ユッシ・ビョルリングというスェーデンの歌手でした。メットの看板テノールとして活躍し、1960年没。スェーデンじゃあなあ。1回目はちゃんとヴィンチェロと言ったのですが、声を張り上げる2回目でうっかりケロって言ってました。なお悪いわ。いや、ここはしょうがないか。それが死んでも残って、永遠に「こいつw」ってされると思うと、ネット動画時代もいろいろ大変ですね。

   まあそういう優雅なことをしておる早乙女の師走は大変ということで。またもご無沙汰してしまいますが元気にやってます。年が明けたらまたよろしく。

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