2008年7月11日 (金)

解ってる!?

   音楽は歌詞にこだわる方で。
   洋楽のヒットも、歌詞を一応理解して、口が回るようになってからノるものだから、いつも周回遅れで。
   「歌詞なんかどうでも、メロディーやリズムがノれればいい、もしくは、歌い手の声が良ければいい」という方には賛成できませんのさ。

   で、光源氏がその場に応じて独りごつかわりに催馬楽なんぞを吟じてみたように、場に応じた歌を口ずさんだりできればいいなあと思っているのですが、なかなかそういうふうには行かないのが現実で。

   大学時代、寮の公衆電話にぶらさがるようにしながら友達に毎日長電話をしておりました。相手は下宿生で気ままな暮らし、どうでもよい話をしながら、
   「ちょっと待って」と席を外してお茶なんか沸かして。その間、当時一人暮らしにも普及しだした多機能電話はお待たせチャイムを流し続けておるわけです。
   そのお待たせチャイムがね、「オリビアを聞きながら」でした。ちょっといい選曲ですね。一世を風靡したようなヒットではなく、小学生が弾くようなクラシックでもなく。
   流行に疎いわたくしでも聞いたことがあったようなサビの部分で、あんまりよく聞かされたから覚えちゃって。
   ついに、みんなで行ったカラオケで、そのまさしく「オリビアを聞きながら」の歌詞をフルコーラス聴くことになったのですが。

   「夜更けの電話 あなたでしょ 話すことなど もうなにもない……」云々という歌詞ではないですか!(2番の歌詞だったかもしれませんが)

   

ガクゼンとしちゃいましたね。

   ちょっとこれは電話のお待たせチャイムにはふさわしい歌詞じゃないんじゃないでしょうか。
   「……ねえちょっと、この前その曲カラオケで聞いたんだけどさ……もしかしてわたしが毎日電話してきて迷惑?」冷や汗を振り絞りながら聞いてみましたけど、気の回しすぎ、と笑い飛ばされました。良かった。

   今となってみれば、これは「あなたでしょ」と問いかけているので、実際にはその電話に出て掛けてきた相手を確認してない状態ですよね。取れなかった電話の相手を、別れた筈の彼と察して未練な彼に苦笑する、といった設定と見ましたが。

   でもやっぱり、どきーんとしましたって。

   若い女性にヒットした曲で、「電話」という歌詞があったから使ったのでしょうか。その時は「無神経」とか「歌全体の意味がわかってない」とか相当当たり散らしてしまいました。

   話は変わって。

   アニメはたくさんのひとが関わって作るものなので、毎週放映されるTVアニメは他の番組よりオープニングとエンディングに時間を取って曲を流しながらスタッフの名前を流しますよね。主題歌はその作品の顔として重要で、好きだった番組の主題歌は誰でも1曲や2曲歌えるんじゃないでしょうか。わたしもかなり歌い込んでいますが、とくに、「戦え!」「飛び立て!」というかんじの勇ましい曲の多い主題歌:オープニングテーマより、スローバラードふうのしっとりした曲の多いエンディングのほうに好きな曲が多いです。「宇宙戦艦ヤマト」だって、「真っ赤なスカーフ」は名曲だったじゃないですか。あの「機動戦士ガンダム」よりは、その後番組の「伝説巨神イデオン」の「コスモスにきみと」こそ透明な感じのいい曲でした。例は出しませんけど、ロボットが出てきてどっかんどっかんといったアニメでなくってもね。

   「スペースコブラ」というのはアメコミふうの独特な大人っぽいSF漫画をアニメ化したものでしたが、そのエンディングも、作品の雰囲気を反映してオシャレな曲でした。大人すぎてそんなに人気が出ずに番組がさっさと終わってしまったのでヒットしませんでしたけど、今でも時々口ずさんでいます。
   若い頃はカラオケで、最近は着メロで探したりしてるのですが、なかなか見つからない……と思ったら、この春入ってみた着メロサイトにありました!
   即、落としました! 
   そうそうこの曲、とご機嫌で聞いて、メイルの着信に設定して。

   ところが、知らなかったのですが、こういうサイトでは配信しているのはほとんどフルコーラスでも、じっさい着信音として流れるのは曲の一部なんですね。

   設定してから忘れていて、数日たってから着信があって、飛び上がりました。

   着信音として使用されていたのは、当然ながらサビの部分でした。

   「だけど今は いのちを掛けたくなるほどに LOVE YOU……

   主人公の女性パートナーの側からの心情を歌った歌詞だったのでした。

   解ってるわぁ、この曲の設定をしたひと。

   いやまて、この曲は前サビの曲でもあるから、単に一番最初のフレーズを出しただけかもしれません。その場合は、単にわたくしがこのサビの歌詞を以てこの曲を認識していただけということになりますでしょうか。

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2008年4月28日 (月)

メイ曲アルバム Caro mio ben

   病臥の徒然にまた先月新しい着メロを落としまして。
   オペラをよけて、民謡とか唱歌のたぐい、と検索していきますと見つかったのがこれ。Caro mio ben 「いとしい女よ」と邦題が付いてました。作曲者はジョルダーノね
   これはルネサンスの頃の歌なんじゃないでしょうか、声楽の入門者が歌わされる歌と認識してます。

   大学の合唱団の、オフシーズンは1~3月です。
   定期演奏会は12月にあって、幹部はそのあとの納会までが任期で、だいたいそこで引退します(幹部学年は当時で3年)。新しい体制になって、まじめな学生は試験期間を睨んで休みがちになる頃、ちょっとウオーミングアップに、演奏会に関係ない曲をやったりしました。2年の時の新しいパートリーダーさんは
   「じゃ、4月に後輩を迎える前に上手くなりましょうね」なんていって、一人で歌う練習を課したのでした。その時に渡されたうちの1曲がこれでした。わたしはなんでこの曲選ばなかったんだろう? ♪ドーシーラソー、ラーソファミー とリズミカルに下りてくる明るい曲でしたが、起伏が激しかったので、当時のわたしにはむつかしかったのかも知れません。わたしが選んだ曲は O’ce sate 、♪ラーララーラ、ラ#ーラ#ラ#ーラ と一本調子でしたからねえ(出だしだけは)。

   アルトの新2,3年生たちが春休みまでコッソリ練習して、3月末にパート内で披露しあったとき、同期のみんながわたしと違う曲を選んでいたことを初めて知ったのでした。
   「うん、練習したことあったからなんとなく」って、同期の子たちはみんな合唱の盛んな高校で、みっちり基礎ができてたんですよね。だから上手かったんだよなあ。で、みんな美声で「♪カーロ ミオ ベーン」と歌ったのでした。下降調のAメロに比べ、Bメロは♪ドーレミレー、レーミファミーと微妙に上がり下がりがあって、そしてまたAメロに戻って終わるというチャーミングな構造でした。
   起伏の激しい曲も、歌い込めばキレイに響き、「確かに名曲だ、これは」とうなずいたのですが、どさくさで楽譜をもらわないまま新入生達を迎えてしまって。
   メロディは何となく知ってるし、出だしは歌えるけど、途中、歌詞が抜けて、どんな内容の歌かは知らないママなんです。

   というわけで、なんともせつない仲間はずれの青春の名残ような曲だったのですが。

      懐かしき曲にアラームを変へければ
          夢にも同じひとに振られぬ     

   飛び起きちゃったわよ。

      おどろきて一首詠みまた寝(いぬ)るらし
          我が身はいかなる悪夢(ゆめ)に惑(まど)ひぬ

   という事態。いやそんな耽美なもんじゃなく。

   アラームの曲を変えただけで朝から物思いをしてしまったことよ。

      わたくしといふレコードのその辺り
          傷が入って居ります 春愁    舞音

      

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2007年12月15日 (土)

メイ曲アルバムーへんたい飛行だ!

   大きな曲ばっかりやっているわけでもないのが合唱団で。

   たとえばアンコール。そのコンサートの構成の雰囲気から離れない感じでちょっと事前に練習しとくらしいですな。ま、学校愛に溢れてるところだと、校歌とか、より有名な歌があればそういう応援歌とか学生歌とか(ホラ、ラグビーとか野球の強いあの辺の大学を想像して!)。で、フォーレのレクィエムをやったあとの定番の付け合わせは、だいたい「ラシーヌの雅歌」。「ラシーヌ讃歌」とも言いますが、ラシーヌというひとが書いたキリストを称える歌にフォーレが曲を付けたという体裁なので、「ラシーヌ讃歌」だとラシーヌを褒めてるという意味にならないかと前々から引っかかってます。
   これがまた、夢のように美しいことは美しいんだけど、書いた人がラシーヌで、歌詞はおフランス語なんですよ。
   正式にやったのが新二年生の春休みだったんで、さすがのわたしもどういう歌詞だったか全く覚えてません。いや、褒めてるんだろうよ、キリストを。この夕べ、あなたを称える者に恵みをお与えくださいますようにとかそういう文脈。キリスト教の曲なんてみんなこのパターンですよ。
   「キラ コンデュイ タルブリ デュ テ ロワ」というサビの歌詞に
   「吉良上   野     は   いづ  こに」と当てて、赤穂浪士の歌に替えちゃったのは懐かしい思い出。

   で、フォーレの合唱曲というと、この他にも「マドリガル」とか、しゃれた曲があるんですが、いかんせんみんな歌詞がフランス語で。やっぱり発音が難しいので取り上げられることは少ないようです。
   「霊神」なんて、スゴイのに。
   これは不定冠詞のレのついた ジン(悪霊とか、精霊とかふつう訳するアレ)という原題なのを、もとの音にひっかけてわざと「れじん」と読ませておるのです。苦しい。
   歌詞は、タイトル通り悪霊のようなものが飛来して、世間をパニックに陥れ去ってゆく様子を描いたもので、ちょっとトリッキーな構成です。どういうふうにって、最初は
   ミュル ヴィル エ ポール
   アジール デュ モール (スイマセン、もう音しか記憶に残ってなくて綴り字が出ません)と、1行4音節から始まって、1連同じ音節数で続くと、次の連は1音節増えて5音節の詩句がまた同じ行数続くという形になってるんです。その形が、飛来する悪霊を体現しておるというご苦労な形の詩な訳です。書いたのはたしかヴィクトル・ユゴー。

        海辺に
        死の宿
        そよ風は
        波の呻き      ……てなもんよ(歌詞は適当)。

   で、どんどん歌詞が増えて悪霊の編隊飛行は空を覆い、街は大混乱のうちに最高潮を迎え、また、潮が引くように歌詞の音節が減って終盤に向かうんです。そして、また同じようなフレーズが再現されて、
    トゥ パス エ ファス 
    レ パス ル ブリュイ と、4音節に戻って終わります。いや、これフランス語だと4音節なの!

   すっごく苦戦したけど、面白い曲でした。歌詞が増えるごとに声部も増えていくし、ピアノ伴奏は悪霊の騒ぐ様をうまく描いてたし。

   でも、例によって音源がないんだな。「ラシーヌの雅歌」はけっこうCDに入ってるのに。切なく己が脳内でアンサンブルをして記憶の保全をしておるのでありました。入ってるCDがあったら大人買い候補の筆頭にするけれど。

   しかしながら、このトリッキーな歌詞は途中省略されて、全連に曲が付いてません。なんてもったいない。やるんだったら全部やれ。CDの尺に収まらないなんてことを配慮するような年頃じゃないだろう。

   「ティオの夜の旅」も、同タイトルの組曲のトリである曲の終盤、抜けているフレーズがあるんです。*この2節には作曲がされていません なんて注釈が必ず入ってます。

   こういうのは、作曲家の思う曲の形に不必要だったってヤツですかね? どうしてもそこだけメロディーがイメージできなかったのかな? 歌詞を重んずる好みからしてみれば、どうしてもうちょっとがんばって全部曲にしないんだってドつきたくなりますけど。

   というような謎も含んだメイ曲、死ぬ前にもう一度聴いてみたいものです。

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2007年12月14日 (金)

メイ曲アルバム フォーレのレクィエム

   年末年始はクラッシックに浸りたくなる季節です。今日もどこかのホールでは学生オケや合唱団の演奏会が開かれていることでしょう。そして、パートほぼ丸ごと落ちたり、全休符の筈がぼろ~んとヘンなところの弦が鳴ったり、ダカーポで頭に戻って2番の歌詞が始まる筈のところでひとりだけサビを絶叫する人が出たり……という悲喜劇が起きているわけですな(どれも経験済み)。やっぱりナマ演奏は楽しいな(ナチュラルに鬼畜)。

   フランスの近現代ものは、夜にいいお茶なんか入れながらまったり聴くにはいいんじゃないでしょうか。ドビュッシーとか、ラヴェル、プーランク、そしてフォーレ。わたくしは下戸ですんでそっちの方はとんといけませんが、左党の方はどうぞお好きなのをやってください。

   

フォーレのレクィエムは、今、あなたが初心者で合唱団に誘われてても、絶対やっといて損はないと思いますよ。短いし、楽だから。いや、メロディもシンプルでキレイです。総じてお得(オイオイ)。これが、ブラームスのドイツ・レクィエムだったらニヤニヤ笑って「健闘を祈る」、ヴェルディだったら「体力付けといた方がいいよ」ですけどね。正直、どちらも体力と記憶力が落ちてからだとおすすめできないなぁ。

   フォーレのレクィエムは(わたくしクラッシックは初心者並みなので、作品番号いくつとか、なに調とかいう呼び方はなじめません、ごめんなさい)、純粋に、物理的に短いんです。他のが1,2時間たっぷりかかるところを正味40分程度。レクィエムってのは、死者のためのミサ曲っていいまして、そういうご法事のお経の定型文(オイオイ)に曲を付けてある物なんですが、フォーレは現代の人なんで、わりとあっさりその歴史的に固まってる文章を自由にカットして、自分のイメージに添ったところだけ選んで曲を付けてあります。他の作曲家だとカットしたようなところでも、付けてあって、単純に軽量化を図ったというわけでもなさそう。それで志向するところは「死後の平安の追求」かな。主を褒め称える箇所「サンクトゥス」と、死後の平安を祈るところ、「楽園にて」のメロディの美しいことといったら。

   で、穏やかな美しさを追求するために、過激な歌詞の箇所、ふだん主旋律を担当する花形楽器、急激なテンポを排して作曲してあるわけだ。
   いちどこの曲をやった後、オーケストラのひとと飲む機会があったんですがそのスピーチで第1ヴァイオリンのトップだったかが
   「一度この曲をやってみたいといわれてやったんですが、こんなに出番のない曲とは知りませんでした。もうしません」とやって受けを取っていたような。第1ヴァイオリンの出番のない曲ってのも前代未聞。他の楽器と違って、彼らもまさか自分のパートの出番がないとは思ってなかったんでしょうね(部分によってはあります)。フォーレ、ある意味大物だな。

   メロディは上がったり下がったりの極端な難しさ、たとえばモーツァルトのレクィエムの、問題の死の直前に書いたと言われるラクリモザのあたり、ソプラノだと「♪ラーアクリモーザー」はいきなり冒頭から5つも音が飛んで上がって、次すぐまた6つ下がるという難曲だったりしますが、そういうところはないです。ベートーヴェンの第九のフーガの辺り、「ガンツェンヴェールト!」と、ほぼソプラノの上限、高いラの音で叫んだまま1ページ声を出し続けるなんていう肉体の限界に挑むようなところもないし。ヴェルディのレクィエムのようにステージで立ってあまりに長いソリスト様の掛け合いを待ってるうちに貧血を起こすなんて辛さもないし。
   ただ、逆に現代物のつらさ、半音進行が多いので、音の甘いわたくしなどはオッフェルトリウムで同じパターンを半音ずつ上がってゆくメロディラインが永遠に同じところを堂々巡りしてしまったりします、そういう難しさはありますけど。

   エンディングの美しさは、ほんとうに極楽的なものがありますから、どうぞ一度お試しになって。やらなくなって、聴くだけでも幸せな気分になりますことよ。

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2007年12月 9日 (日)

「ティオの夜の旅」合唱CD大人買い

   前々からこちらで取り上げてきた「ティオの夜の旅」のCDが出ていたので買っちゃいました。原資は虎美の当てた商品券。ゴメン、おかあさん自分のもの買っちゃってさ。

   これがまた。
   前々から、日本のクラッシックCDが高いのはライナーノートが無駄に豪華なせいだとか言われてたと思ってたんですが。曲の紹介、作曲者の紹介、演奏者の紹介、それも、指揮者、オケ、ソリスト。そりゃ豪華になるな。声楽曲だと歌詞とそれの日本語訳もつくし。

   ところが、このCD、演奏は鈴木成夫、ピアノ伴奏が山内知子、合唱団が東京外国語大学の混声合唱団、コール・ソレイユ、って、カヴァーに書いてあるっきりで、ライナーノート? でいいんですか、中に封入されてる小冊子にはなんも説明がないのです。曲の歌詞だけ。ま、ふつうに合唱団の常任指揮者と常任伴奏者なんでしょうね、ちょっと記憶にないけど(20年も経ってたらわたしがやってたころとは代替わりしてて当たり前でしょう)。コール・ソレイユは(コールってのは「合唱団」の意味。コール・××ってのは大学の合唱団にはよくあるネーミング)、この木下牧子の曲をよくやっていて、定期演奏会で書き下ろし曲を初演(委嘱作品ってやつだ)ってのもあった気がします。個人的につながりがあったんでしょうか。というわけで、ここにとっての18番なんでしょう。また、いくらセミプロでも他の合唱団がやるのはおこがましい? 事情通なら要らない解説も、なんにもないと寂しいかな?
   何度も申しますが、バブル期の大学合唱界を席巻した名曲「ティオの夜の旅」と「方舟」、それに「夢みたものは」を合わせたお得合唱作品集だったのですが。……やっぱり曲目紹介も欲しいかな。木下牧子デビュー作品だとか、歌詞の元ネタとか……ウィキペディアに詳しいですからソレを見よ、なのかな、今は。

   演奏的には申し分ないです。テンポとか、うちの先生とは解釈が違うとこ、あったかな? あんまり昔すぎて、記憶がないです。どちらかというと、脳内にしか残ってない曲をまた実際に聞くことができて、いっしょに歌えて(これ大切!)うれしかったです。

   もう3ヶ月ほどもCDショップに通って指紋を付けるばかりの日々だったんですが、棚には他の合唱曲が増減することがなくって。

   

なんで日本の合唱組曲のCDってないんだろう? いい曲はもっとあったのに。

   ま、ああいう「合唱組曲」をやるのが大学の合唱団主体で、ブラスみたいにコンクールで優勝するような強いところが録音を残すことが一般的でないと、やっぱり実際にモノ自体がないんでしょうね。団員の思い出として作るということはあるとしても。わたしが卒業した後で「今年の演奏会をCDとして残すとしたら買いますか」なんてアンケートがあったぐらいで。合唱団員同士の横のつながりで「何十何年の合唱団どこそこの定期演奏会の演奏」としてその団員用の録音がダビングで出回ったりしてるんでしょうか。曲も中ヒットが散発するばっかりで、メガヒットが(この「ティオ~」以外)ないから、採算取れないのかな。古典たる「水のいのち」高田三郎は出てるみたいです。「ふりしきれ雨よ♪」40代以下なら学校の音楽の教科書にもあったでしょ? そういう、合唱団に入るような人ならいっぺんはやった曲なら、店頭にあるのもあったけど。 

   いい曲なんだから、もったいない。そして、アマチュアだからって、仲間内で流してるばかりじゃなく、対価を払って、味わいましょう。若いころじゃないんだから、雑音はいりまくりのテープをありがたがって聞くのはもう哀しいです。ああ、そうか、これも大人買い? お金を出せるようになって、昔を懐かしんで昔は買えなかったモノを買って往時を偲んで喜ぶのね。なんか内心ジクジたるものがこみ上げてきたりしますけど、そういうことで、往年の合唱名組曲ももっと出してください、カワイさん。「月光とピエロ」とか、「富士」とか。昔はあったけど、出ないから絶版にしたのかしら。惜しい。

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2007年11月 1日 (木)

秋の歌謡ショウ

   一仕事終えてご機嫌のおかあさん、昨日は夕飯の支度をしながら1曲、2曲、3曲……。
   「今日は秋の歌シリーズなんだ?」まだ「ヘキサゴン」が始まってなかったから邪魔になってなかったみたい。虎美もいっしょになって、歌う、歌う「真っ赤な秋」、「小さい秋見つけた」「紅葉」……。
   「おかあさん、ドレミの歌の2番ってどんなんだっけ?」と、虎美。任しとけ。
   「ド! んなーときーにもー レ! つを組んでー」見事に一曲通せます。うーん、みっちり声楽やった割にはこぶしが回って、小林幸子系なんだな、おかあさんの声は。

   「ドーはおんなのこーのしかー、レイは太陽の光ー、ミーはわーたしのことよー
    ファーは長い道ー、ソーはおさいほうー、ラーはソーの次ー、ティーはこうちゃだよー」

   「ナニソレ」調子に乗るおかあさんに、虎美は冷ややかなまなざし。
   「ホントの英語のドレミの歌はこういってるんだよ(アマサイさんのサイトの応接室参照のこと)」
   「ありえない!」
   「日本のドレミの歌とアメリカのドレミの歌は全然違うんだ」何を偉そうに。
   「トリヴィアじゃん」
   「あとで親に感謝しろよ」さて、その日は来るのかなあ?
   そうこうしてるうちにホイコーローができあがって、ご飯になりましたとさ。

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2007年9月24日 (月)

おしりかじり虫~♪

   例の「NHKみんなのうた」発久々のヒット曲「おしりかじり虫」ですが、この曲がどうやってできたかというのをどっかのブログで見て。

   作者はご夫婦のイラストレイターだかミュージシャンだかで、奥さんがキッチンで前屈みになって洗い物をしていたところを旦那さんのほうが見ていて、
   「なんでそんなおしりを突き出してるんだ、おしりかじり虫来ちゃうぞ」なんて軽口言ってて、そのまま
   「おしりかじり虫~♪」とメインのフレーズができたんだとか。
   そんで、
   「やだ~やめてよナニソレ~」とかいってて、
   「じゃ、こんなカンジなんだよその虫」とイラストができて……という発生だったとか(要出典……ごめんどこだったか忘れた)。

   いいなー新婚で(実際新婚であったかは別として)。

   

らぶらぶで。

   簡単にイメージできましたことよ。
   いやしかし、こんなんなんも内容ないじゃんとか言いつつ気がつくと口ずさんでいるのであります。NHKみんなのうたはこういうのを時々出すからいいんだよね。

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2007年6月16日 (土)

ユーフォー!?

   転校先のクラスのお友達とさらに仲良くなりたい虎美、やはりスクールバンドに入部することにしたらしく本日は見学に行きました。親も気づかないうちに起き出して、昨夜コンヴィニにお散歩した(バス停4つ分先にやっとローソン発見!)ときに買っておいた蒸しパンなんかひとりでちゃんと食べて。

   「虎美ちゃんがいないぞ」旦那様に起こされるまでわたくしは寝こけてました。すごすぎる。クラスでいぢわるな男子がいるといって、先週は撫でても叩いても蒲団から出なかったのに(それは少年の屈折したアレではないのか……とりあえずおかあさんは子どもに手を挙げるのはよしましょう)。

   昨日語ったところによると「背が高いからユーフォーがいいって」え? スクールバンドって、おかあさんたちの世代で言うとブラバンでしょ?(違いがいまいちわかってない) ブラバンの花形って、おんにゃのこはフルートやクラリネット、男の子はトランペットじゃないですか。ペットはブラバンでもオケでもそして応援団でも引っ張りだこだったんじゃ(大学時代のサークル勧誘の記憶をたぐるおかあさん)。

   ユーフォがなにか知らないとは申しません。

   「それは小さいチューバだ」

   大丈夫か、後から入ったから花形楽器はいっぱいで、ひとの少ないマイナー楽器にまわされたんじゃないのか。縁の下の力持ちはわたくしの理想とするところではあるけれど、かあいい我が子にはやっぱりスポットライトを浴びて欲しい……って、おかあさんマンマ親カバのママ~♪ これが本音と建前というモノか。だって、合唱ならバスもそれなりにチャーミングなメロディだけど、楽隊の低音部なんてホントに同じ音ボンボン鳴らすだけで時によっては1ページまるまる休みだったりするじゃない(この前運動会でスクバン席に近寄って物見高くも楽譜チェックした!)。

   調べますと、そうとも言い切れない、でも、ま、発生はチューバに近いかな。豹とライオンぐらいには。中低音用に近代に開発された楽器で、国によってイロイロ形や名前が違うみたい。たとえばカイゼルバリトンはその名の通りドイツ式で、ホルン(カタツムリ型のアレ)をぐにゃんと引き延ばしたようななんとも流線型なところがたまらない。日本や英米で主流のユーフォニウムは、それに比べればくるんときれいに箱形に巻いたお行儀の良さがそれらしいと申せましょうか。

   トロンボーンぐらいの音域だそうで、音色が柔らかく、いちどブラバンとかでこの楽器を知ると、はまる人は多数、でも、オケなどに出番はないからどこのアマチュアブラスバンドでもユーフォは余ってるんだって……。意外や、主旋律を取ることも多いそうで。名前はラテン語の「よい響き」なる言葉であるそうな……。

   いや、そんなおステキな楽器、虎美に吹きこなす事なんてできないって!

   ちょっと調べたら、石橋楽器の特価で新品同様ユーフォニウムは79900円!(希望小売価格は15万!)

   金管楽器は金貼りだから高い(嘘!)んだよなあ……。おかあさん、体が楽器で安上がりだから合唱やってたのよねえ。

   「旦那様は小学校の頃鼓笛隊でフルートを吹いておられたそうですが、それを発掘してメンテをしてはいかがでしょうか?」

   「そんなものもう腐りおちている!」腐るんですか? カナモノなのに。

   ああっ、虎美ちゃんのパートはどこになるのでしょう……。 

   「打楽器の女王をめざしたらどうだ、真澄ちゃんみたいに」

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2007年3月 8日 (木)

のだめオーケストラSTORY 初心者向け!?

   娘に買わされた「のだめ」関連CDです。春らしい若草色のジャケットに、原作絵の千秋(燕尾服着用で指揮)のだめ(ピアノ……私服)が大きく入り、下の方に思い思いの私服と格好で演奏する左から黒木くん、チェロのスケコマシ(名前要る?)、キヨラに真澄ちゃんに竜太ちゃん。菊池(チェロ)も友達のうちに入れてもらってるのか……ドラマではコンバスの貧乏娘桜ちゃんが最後まで結構活躍してましたが。

   2枚組のCDの中には、ドラマ・アニメの中で取り上げられた作中の曲がぎゅうぎゅうに押し込められ、非常にお買い得状態。あの真澄ちゃんの卒業演奏曲、アンドレ・ジョリヴェの打楽器の協奏曲なんて田舎のCDショップじゃ見つけられないでしょ。もう、これが入ってただけで御の字。
   映像化に際して詳しい人は「あれ?」と思ったでしょうか、多少の曲は入れ替わっていて真澄ちゃんが千秋にアピールした第九の楽章(原作では2楽章だがTVでは1楽章)や、ニナ・ルッツでのだめが弾いた曲なんかが違ってるんですが、その辺はちゃんとことわりが入っており、自分の記憶力に疑いを抱いてしまった人には安心の心配り。
   これだけの曲を2枚にかっつめたために、曲はみなほんの触り、作中で使われた辺りだけで、あの作品を追体験、実際に聴いててみるためには実によい構成、クラッシックってけっこー長いし。お値段もまあ手頃だし。
   ただ、全曲どんな物か知ってみたいという向きには「ここで終わりかよ~~~!」という欲求不満が必ずついてきます。そういうひとは、別に出ている登場人物別CDか、のだめに関係ない普通の有名アーティストの大手から出てるやつとか(有名タイトルならレンタルにもあるし) 、値段を言うなら輸入盤とか(日本語解説ないけどね)聴いてみた方がいいかも。
   いやしかし、わたしが大学に入った頃は、クラッシックと言えばドイツとロシア~旧ソ連のものと思ってました。有名どころって、バッハから始まってモーツァルトに(当時はドイツとオーストリアの区別もついてない仔猫ちゃんだったし)ベートーヴェンにチャイコフスキーね。義務教育の音楽鑑賞なんて、「ウィリアム・テル序曲」に「くるみ割り人形」に「アルルの女」でしょ。あ、ビゼーはフランス人か。(ロッシーニはイタリア人!)
   友達のオケなんか聞きにいっても「未完成」で「運命」で。フランス人はオペラとシャンソンしか聴かないかと思ってましたわ。
   ところが、「のだめ」ではラヴェルとかプーランクとかドビュッシーとか、新しめのフランスものがよく取り上げられてて、時代の流れなのか本場というかコンクールとか音大生はいつまでも古典ばっかやっとりゃせんのか、その変なところに感動したんでございますよ。音楽の資料集、年表みたいのに音楽家がどんどん並んでるんですが、だいたいロシアの国民楽派やら、ガーシュィンやフォスターあたりで終わってて。それ以降は作曲する人いないの? もうクラッシックじゃないのって密かに思ってて。実は、團イクマ(ゴメン、字が拾えない!)やら黛なんとかやら、現代作曲家はまだまだおるのであります。外国にもね。アンドリュー・ロイド・ウエッバーはミュージカルばっかじゃないですよ。実にお洒落で祈りに満ちたレクィエムも作ってます。作中、架空の作曲家海老原大作も課題曲を出してたり。きっと今のコンクールはこんなのもやるんですね。
   そういう現代ものをどんと紹介したのも、「のだめ」はすごいんじゃないかと思います。

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2007年2月27日 (火)

大砲をぶっ放せ

   クラッシック界でイロモノ系名曲としてある方面に有名なのがチャイコフスキーの序曲「1812」だそうで。そうね、オーディオマニア方面?
   その昔、お付き合い中の旦那様に伺ったところに拠ると、ナポレオンのロシア遠征を題材にしていて、その当時破竹の勢いのナポレオンを撃退したことを記念した愛国的内容で、
   「クライマックスでは 本 当 の 大 砲 を撃つんだよ
   ぱ~どん?
   「その重低音を再現するのがこの道のツウの夢でね。でも、それをやるといっぺんで壊れるからやらない」???
   レコードはお持ちだそうですが、聴かせてくれないままそれは金沢の実家の奥深くにしまわれてしまいました。

   話をいろんなところで聞くと、その昔、自衛隊の軍楽隊(正式な名称は存じません)が、基地祭りかなんかでがその曲をやることになって(もうあの国は仮想敵国じゃないからいいのかな? イスラエルじゃあるまいし、芸術に恨みは持ち込まないの?)、丁度自前の大砲があるしって、気合い入れて大砲セットして、ぶちかましたって。
   あまりの轟音に、音を拾う機械ありますね、それの感度が飛んで、以降の曲が録音できなくなったとか、それ以前に曲としてのバランスがぶっ壊れちゃってたとかいろいろあったらしいですが、もう隊長(?)ご機嫌だったって。……自衛隊の中のひともなかなかカワイイですね。自衛隊とか消防隊とかの楽隊は、元々音楽好きなひとが安定を求めて入るんでしょうか、軍人さん、隊員さんからムリヤリ人数あわせで放り込んで鍛えるんでしょうか。……前者だな、やっぱり。「名曲」をやれて楽しかったでしょうね。

   というわけで、憧れは募る一方、ってところにこの前帰省中、クラッシックファンの早乙女おかあさんがつけていたTVでその曲をやっていたらしく、池辺晋一郎(?)が、ラ・マルセイエーズ(フランス国歌)がフランス軍の象徴として登場し、それがさんざんに煽られ、吹き散らされて行く様子が分かりやすいでしょ云々と解説してました。
   面白かったです。
   それで、是非CD買って全曲聞いてやろうと思っていたので、昨日買っちゃったんですよ。キャニオンの、チャイコフスキーの交響曲1番とカップリングになってるやつ。指揮はエフゲニ・スヴェトラーノフだって、知らんがな。

   CDについてた小冊子には「チャイコフスキー本人もロシア人だけ聞いて楽しめばいいと思ってた」「通俗的」云々書いてありましたが。

   

いいじゃないですか

   ロシアのテーマ、かちゃかちゃした軽やか(いいのか? ロシアなのに)なのが何度も現れて、非常に小気味いいです。
   鐘は鳴るし(戦勝のミサの教会の鐘であろう)、シンバル鳴るし、大太鼓も。これは打楽器ががんばる曲ですね。是非真澄ちゃんとポッター隊競演でお願いしたい……って。

   大砲鳴らないじゃないですか。   

   ゴルァ!

   確かに、スタジオ録音でわざわざ大砲入れるのも大変だし。
   大砲は演出効果が主目的で(初演はお外の広場だったらしい)。
   実際やったら音が飛んでたいへんだったみたいだし(上記参照)。 
   ゲージュツ的なことを考えたらグラン・カッサ(大太鼓)で十分なんだけど。

   大砲撃たないなら「これは大砲なしヴァージョンですよ」って表面に書いといて!!

   叩き方が足りません! その昔、黒岩ナントカだったかな、偉い先生の率いる合唱団でヴェルディの「レクィエム」やりましたが、それにも最後の審判のシーンで大太鼓をだかだか叩くところがあるんですよ。
   「親の敵だと思ってやりなさい。破れてもいい」って、大太鼓のひとに指示出してましたよ。
   親(先祖)の敵じゃんか(ロシア国立管弦楽団。打楽器だけフランス人ってことないよね?)。
   もっと気合い入れて叩けよ。って、ああ、それでバランス崩すのか。

   新星堂! 金返せ!!(小鬼のトリオ@おじゃる丸風に)

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2007年1月15日 (月)

盲点

   年末年始の大ネタを忘れてました。
   冬休みに入って、ピアノのレッスンもお休み、とりあえず練習しろ、と虎美をキーボードに向かわせます。弾きはじめたのは「きよしこの夜」、年内最後のレッスンが25日だったので、先生も気を利かせたんでしょうが、ボロボロで、追加練習になったみたい。
   「おかあさん、この『きよしこの夜』ってなに?
   ナニって……。
   「クリスマスソングだろうが!」ハッ! 虎美はお寺の幼稚園に入れたので、小さい頃から学校でクリスマスソングというのを教わった経験がないのです! そんな、金沢市立みんま小学校はクリスマスの時期にはスペシャル朝会があって、みんなでクリスマスソングを歌ったり、もしかして、クリスマスプレゼントもみんな輪になってぐるぐる回して曲が止まったときに手元にあったものを貰う、という交換方法でやってたかも。絶対、「ジングルベル」と「きよしこの夜」はやった! ああそれなのに、虎美は「知らない、聞いたことない」と申すのです。あ~ああ。最近は、スーパーの有線も「諸人こぞりて」とかもっと賑やかで新しいクリスマスソングをやってたかも。そしておかあさんも、クリスマスソング歌うぐらいなら第九だし。全く知らないというのもあながちウソではない、あり得なくもないかも。
   絶句する母をよそになんかしらん年末年始ソングであろうと虎美は適当に練習し、本日今年初の練習に出かけてゆきました。お年始と月謝を持って今日だけはわたしもついて行きます。
   「先生、この子、『きよしこの夜』がなんの歌か知らなかったんです」と申しますと、先生、ミッション系音大だったようでキリストとクリスマスの関係、「きよしこの夜」成立のジジョー(オルガンが壊れててギター伴奏用の曲を作ったとか)を語ってくれちゃって、おかあさん隣で虎美を待っててくれてるリューちゃん(一緒に通ってるマンションの子)に
   「今日はトリヴィアがいっぱいでお得だね」と。
   「仏教の熱心なおうちだからって、これから大きくなるのにクリスマスのこと何にも知らないんじゃちょっとお友達にええ~って言われちゃうよ」と言われてしまいましたです。ああ、それは親の責任ですぅ。先生ごめんなさい。
   だって、毎年ケーキはちゃんと食べてるのに「きよしこの夜」は知らないなんて(おかあさん、歌って上げなさいよ)。まさか。小学校で季節の行事としてやってるかと……。
   で、ふと今「じゃ、♪あわてん坊のサンタクロース~は知ってる?」と尋ねますと
   「知ってる~」って。
   ……要するに、クリスマスソングとして「きよしこの夜」が廃れはじめてるって事?

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2006年11月 7日 (火)

18禁クラッシック

   

多き人生を送っております。
   その昔、大学に入り立ての頃は一般教養で語学漬けの毎日を送り、あまりの負担の重さに
   「俺は辞書を引くために大学に入ったんじゃねー! はやく専門をやらせろ!」と吼えた事もございます。しかしながら合唱にはまってからは、外国語の曲をよく理解して歌うことに興味を抱き、幹部学年には発音指導職について偉そうに訳文を作ったり歌詞の意味など解釈したりして。
   その年の曲は、ブラームスの「リーベスリーダー」、未だに固定した訳題がない曲ですね、「愛のワルツ集」とか、「リーベスリーダー ワルツァー(原題そのまんま読み下し)」とか適当に呼ばれてます。楽譜で言うとペラ1枚、2フレーズぐらいの小曲が18曲続いた一連の歌曲集で、曲はブラームス、詞はゲオルク・フリードリヒ・ダウマーという当時流行の詩人だそうで。役目だから調べましたが、ペルシャとか、トルコとか東欧の彼らにとってえきぞちっくな詩をドイツ語訳するのがうまかったらしいですな。どうも、その曲の詞も、その辺の翻訳詩だったらしく。
   イロイロあった中、今イチ意味不明な詩がありました。
   「女性たちよ、どうしてそんなに喜びにtauenするの?
   ああ、お坊さんでいてくれたらよかったのに」という男声合唱。
   辞書を引きましたが、氷が溶けるとか言う意味で。例文は「雪だるまが春の陽にtauenする」といったもので、もう、気分は杉田玄白。
   (ああ、これは昂奮きわまって腰が抜けちゃうカンジね)と一人合点して「喜びにとろける」と訳しましたが。
   いやもう。幹部と言えば3年生、18禁どころか立派に成人してますけど、やっぱ清純な乙女デブスとしては話にはきいたことあっても全然経験ないしぃ。
   「キスってお鼻が邪魔にならないの?」レヴェルだもん。
   しかし年をとっていろんな情報で耳が肥えて参りますと(耳だけかい)、もしかしてそれはいわゆる性的興奮に従い女性器の潤滑をよくするためにバルトリン氏腺液が分泌される状態なのではないかと思い立った次第。
   要するに
                                  濡 れ ち ゃ う 
                                               のだと。

   そりゃ、女性がそうくりゃ男は挑むでしょう。どっかーん!! と世の中のやっかい事はこうやって起きるのだな。それで、「坊さんでいてくれりゃいいのに」という反実仮想の構文の後半になるわけだ。今にして知る20年目の真実。

   ああ、先輩方(同期、後輩も)は解っておられたのでありましょうや。
   (まいちゃんソレは違うよ……)訂正するに訂正できず黙って得意満面のわたくしを見ていたかと思うと……
                                       穴があったら入りたい

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2006年10月 2日 (月)

クラッシックタイトルは略語で?

   大学2年生の春、わたくしはサークルの同期の子に勧誘されました。
   「日曜日にNHKでやるレッスンに参加しない?」東京の主立った合唱サークルはみな参加していて、そういうよその団のひとと交流もできるし、オーケストラ伴奏の曲をさせてくれて(その年の曲は聴いたこともない曲でした)、ヴォイス・トレーナーはプロだし、なんだかとてもタメになるらしく。そんなことよりわたくしは憧れのJくん(サークル同期)に逢える日が増えるのは良い、とばかりに勇んで参加しました。とってもタメになりました。Jくんは来てなかったですが。
   実家に、草柳大蔵とか言う人の書いたOLさんへの指南書みたいな本がありまして、「職人さんみたいに自分だけのツールを持って、その仕事のプロフェッショナルになろう!」とか、「課長さんに叱られてもその場で泣いちゃダメだよ」なんて事がジェントルに書き連ねてありました。活字に飢えていたまいちゃん@高校生は時々読んでたのですがそれには日曜に自堕落になることを戒めて
   「金平糖の中の、色つきの粒だけを寄り集めてみなさい。ほとんど真っ白の中に、ほんのわずかしかないように見える色つき金平糖も、集めればかなりな数になる。そんな風に、日曜を生かして別なことに使ってみれば自分をもっと磨くことができる」と、陶芸をはじめたいと飛び込みで作家さんの所に弟子入りをお願いして断られちゃったお嬢さんが、日曜ごとに焼き物の窯元巡りをしてとうとう3年めかには日本中回り終わって、お弟子さんのすることはみんな判るようになって、2度目にその先生の所に行ったときにはすぐさまからだが動いて入門を許された話をしてました。

   前置き長っ。

   おかげで東京で4年も女子大生をやっておきながら、日曜はほとんどそのレッスンに費やし、渋谷と言ったらNHKまでの道しか知らない合唱オタクになってしまいましたが。当時の若手音楽家とは結構一緒に演奏してたりして。
   「マツオヨーコは舞台衣装がタカラヅカふうなんだよね」
   「タタラミチオ? あのひと見るたびに顔変わるよね」
   「今回ソリストはサトウシノブでなくてよかった。彼女だとあの陰にコーラスが3人は隠れちゃう」なん偉そうなこと言ってましたよ。錦織の健ちゃんは残念ながらわたくしが現役を引退してから有名になった人です。おしい。

   で、サークルではあり得ない都内の大学のオケ連中との共演もありまして、総練習は彼らと一緒でした。大きなリハーサル室はNHKにもそうそうないので時間を決めて交代で使ってて、スケジュール表を見ながら確認してたんですが。
   クラッシックの曲名って、シンプルで長いじゃないですか。ダレソレの交響曲第何番ナニ調。ぐっと簡略化してふつうは誰の何番といいますね。ベートーヴェンの第九、モーツァルトの40番。キャッチフレーズは普通省略で。それをね。当時はマーラーでした。
   「オケ : マラ4 アンサンブル」と書いてあって。
   「……マーラーをつづめて書くのはやめて欲しい。まらって、古語? みんな平気? 知らないのかな」
   「わたしは方言だと思ってた」と沖縄出身のコとボソボソ。
   「やっぱ、解る?」
   「……うん」
   「女子がそういうこと言うもんじゃないっ!!」
   後ろに座ってた男の先輩に顔を真っ赤にして怒鳴られました。先輩も解ってたんじゃないかぁ。
   これは婉曲なセクハラだったんでしょうか?

   「「オーケストラは素敵だ」でも、茂木さんが「ダフニスとクロエ」を学生に「だふくろ」と呼ばれて気持ち悪がる話が出てました。やっぱ。こういう略語は学生の本分? なんでもひっくり返す隠語だと(作中ではマッサージをサジマツとされて妄想の世界に羽ばたく茂木さんでした)オトナの世界っぽいですが。

   合唱では、4大レクィエムが見事にその餌食にされてます。「モツレク」はモーツァルト、「フォーレク」はフォーレのそれぞれレクィエムです。「ドツレク」はブラームスのドイツレクィエム、「ヴェルレク」がヴェルディのレクィエムですが、これを「ベルレク」にしてしまうとベルリオーズのレクィエムに……ま、そう取る人はほとんどいないでしょうが(知名度が違いすぎる)、紛らわしいことは事実。べッリーニがレクィエム書いてたらどうなるのかなぁ? そーか、ベリレクか。

   作中、メンコン、チャイコン(メンデルスゾーン、チャイコフスキーのそれぞれコンチェルト:協奏曲)は耳にしたことあります。ショスタコーヴィチの8番が「タコ8」ってのは巧まざるユーモア。あとは答えが文中にないのはニクイ! 
    はちゃこん   ハチャトゥリアン の協奏曲
    ばるこん    バルトークの     〃
    もつほるこん  モーツアルトのホルンの 〃

   ってトコですかね? 恥かかないように、その他分かんなかったのは挙げてないです。買ってね

    最後、略語のワーストワンとして、「美しく青きドナウ」の「青ダニ」を挙げてありました。確かにコレはちょっと。クラシックファンの早乙女おかあさんは「ブルー・ダニューヴ」とエレガントに仰っておられましたよ。

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2006年7月19日 (水)

突然音楽案内。もっとも燃える宗教曲

   ええと、神の栄光ってのを手っ取り早く実感できる曲って言うと有名どころで「ハレルヤ・コーラス」ですかね? ヘンデルのアレ。あと、ベートーヴェンの第九もあれは限りなく宗教臭薄く感じますが、「宇宙の果てに全能の父はきっと住んでるよ」って、絶叫してますし。じゃもう少し合唱初心者向けにご紹介しますと、「テ・デウム」。ブルックナーがよいですわ。ブルックナーは名前もいいし。アントン。へーシンクや猪木とおそろい♪(おかあさんは格闘技ファンじゃないです)
   イントロからスゴイです。幼稚園児にも解るハ長調でド(高いド)ソソド(低いド)、ド(高い)ソソド(低い)、これをフルオーケストラが全部斉唱、じゃないか、ユニゾンでフォルテシモ。ナニ始まるんだろう、って、びっくりさせられます。そこへ万全の体勢でコーラスがやっぱりユニゾンで「ソドードドドー(ずっと高いド)ソ、ソドドドドードードーレード(ずっと高いドレド)」のテーマを歌い出します。音をずっと保って。アルトにはちょっと高いんで、初っ端から汗かいちゃいます。金管はぶわんぶわん鳴るし、大太鼓はばっしんばっしん。もう、掴みはスッポン並でしょう。歌詞は「テ デウム ラウダームス……」(主よ、あなたを褒め称えまつります)と例のキリスト教名物のヨイショしまくり文。(あなたを主と告白します)とか(永遠の父)とかこれでもかこれでもかとヨイショのラッシュ! これが、堂々とした単純なメロディ、ほぼユニゾンで続きます。単純なものは強いのです。三角とか、円とか、ドミソの長三度の和音とか。
   うわ、どーすんのよコレ、こんなに正々堂々と始まって、と引き加減になる頃、待ってましたのソロ登場。「ティビィ オムニス アンジェリ……」(あなたに全ての天使たちが)、と、ソプラノやテノールのソロが掛け合いをはじめると、歌詞も天使がイロイロ出てきて歌い讃えると。アントン、構成がウマイですな。
   無伴奏になってソロがきれいにまとめたところでまた曲は雰囲気変えて再スタート。「サンクトゥス」(聖なる哉)って、ミサ曲とかでも決まり文句ですね。ま、言葉のありったけを使って褒めてます。褒め倒しです。静かに始まって、盛り上がっていきます。(万軍の主)って、なんですかそりゃ、陸海空の総帥権ですか、わたくし大学に入るまでこんな観念知りませんでしたことよ。とりあえず、キリスト教は神様も軍事力を握っているそうです。とりあえず、これがキーワードなのでここで一爆発します。いつの間にか、伴奏がまた例のドソソドに戻ってます。また賑やかになっていっそう叫びます。またユニゾンね。盛り上がって叫び倒すと、また我に返ったように不協和音とか、寂しげな下降音形、未練げに最後にチョット上がる「レミファーミレ」とか。気がつくと伴奏も、てととてという形は同じなのに響きが哀しげ。おいおい、どうしちゃったの、と不安にさせて、最後にやっぱり「トゥ レクス グローリエ」(あなたは栄光の王!)とまた威勢のいい歌詞に来ると盛り上がって、キリストって言葉が出るともう暫定最高潮、(あなたは人類の救済のために……)と語り出すとあの最期を思い出してどんどん勢いなくなっちゃって、(処女マリアから生まれて死んでまた昇天したんだったよね……)と遠くを見る目になってみて、(ああ天国への道を開かれたんじゃん)、と我に返り、また歓喜を以て(そんで神様の横まで行って座ったんだよ、裁きの日までそこにいるんだよ)なんて調子に乗って歌ってて(もうすごくハデです、ヴェルディとかのいっぱい音がある派手じゃなくて、みんな同じメロディを大勢で歌っているという単純なハデ)、(あ、裁きの日って来るんだっけ)とまた我に返ってしゅんと終わると。……キリスト教徒って、躁鬱ですか?
   で、第2曲に入ります。がらりと雰囲気変わってテノールソロが静かに、哀しげに歌います。すると、のこり3パートのソロが掛け合いで入ります。(助けに来てね、お願いね)と、静かに、祈るように終わると、待たしても裏切られます。
   第3曲目は不協和音のうるさいイントロ、またしても単純なメロディーとリズム。単純だけど、今度はニ短調の哀しいというか胸を揺さぶるようなカンジです。「エテルナム ファックム サンクティス トゥイス」(永遠に、祝福される聖人たちの数のうちに入れてください)という切ない祈りの叫びです。誰を? 前節で血で贖ったというキリストの子羊たちつまりは歌ってる「わたし」たちです。セコイな、3人称のフリをして自分もしっかり入ってる。心の乱れのない冒頭の褒め言葉と違って、最後の審判への恐れを思い出した今は、体裁を繕わない心からの願いなんですね、だから、短調で、不協和音。歌ってて一番苦労したところなのに、一番心に残ってるところです。アクセントを置いて、どうか、神よ、と叫び倒しました。そして「イン グローリア」永遠に……と下降音形、音量も落ちて、(数のうちに入れてよね)、と図々しいおねだりは小声で。でも、「イン グローリア、イン グローリア」としつこく繰り返すと。キリスト教徒はしつこいです。どんどん盛り上げていって、最後にはお~ごえで念押し。しっかりしてます。
   ちょっとまた理性を取り戻し、第4曲目は再びテノールソロから。第2曲と同じか? と思わせて、途中から今度は第1曲を再現。不安なハーモニーからあなたに望みを託します、とシャボン玉の昇るようなあやうい上昇音型。最後は「イン テ」(あなたに。)と魅力たっぷりの引き。
   そして最後の曲。「イン テ ドミネ スペラヴィ」(主よあなたに望みを託します)のソリストによるフーガ。上がって下がって天使の飛び交うような豪華なフーガがゆっくり落ち着くと、コーラス。「ノン コンフンダル イン エテルヌム」(わたしたちは永遠に心を乱されることはない)。あれですよ、もてる彼氏に不安になってケンカしちゃった少女漫画のヒロインが、なんだかんだいって元の鞘に収まって、結末で独白するやつ。「もうわたし迷ったりしないハァト」ハァ、宗教曲ってほんとらぶこめなんだから。コーラスもまだフーガであっちこっち悩みますが、最後悟りを開いたみたいにアルトがしみじみはじめます。これがまた「ドーレーミードレ、ミーファーミーレードーレ」チャルメラかっていうような単純なメロディ。なのに何故か泣ける。オケは蝉のようにドソソドを繰り返してます。裏切らない、不変の信仰心を表しているのでしょうか。わたくしオケに友達ができましたらこの曲の伴奏やって筋肉痛にならないか聞いてみたいです。思いっきり引き下ろしてるボウにはどの筋肉が働いてるんだろう? ミーレードー、ラソファー、シラソーと下がりながら上がってゆく屈折した上昇音型、歌詞は(永遠)、(永遠)と歌ってます。不安、だけど信じたい。最後には喉も嗄れよと(もう迷わない!