2020年4月 4日 (土)

昔を今になすよしもがな

   歴史に残る春になりそうです。

   この年明けぐらいから、ちょっとした思い付きで、英国紳士のおじ様とアラサーの日本女性との国際謀略がらみのロマンティックなお話なんか考えていて、例によって舞台にするイギリスの地理から貴族社会の成り立ちとか各々の家族構成をそれぞれ生没年からみっしり調べて積み上げている最中にこの事態。

   もう書けないわ。

   現代もの、英国のEU離脱直前の社会背景に絡めていたので、まさかこんなことが起きようとは。この時代だからこその物語だったのに。

   もう、現実はいかにして元の平穏な日常を取り戻すかという事態ではなく、いかにして生き延びるかという段階に来てしまっているので。

   いくら外へ出られず毎日時間を持て余しているからと言ってちゃらちゃら楽しみのためのお話など書いてる状態ではなくなっているのでした。

   それでも、もしかしてなんとか生き延びられたら、「デカメロン」がペストからの疎開中にものされたみたいに、今だから書かれた作品に出逢えるかもしれない。今こそ、読む側だったひとが書いてみた初々しい作品に出逢えるかもしれない。そういうことを心の支えにして、もう一日、もう一日繋いでいこうかと思っています。

   そして、今日は一行だけでも書いてみる、頭の中で積み重ね、崩してまた積んでみたその山を一字でもパソコンの中に写し取っておく、そういうノルマを自分に課してみようかと思います。

 

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2019年8月31日 (土)

時つ風

   大学の寮のルームメイトとはもう年賀状だけの仲になってしまいました。

   結構豪快な喧嘩もしたけど、お互い迷惑をかけて掛けられて3年、寮を出るときには「遊びに来てね」どころでなく新居への地図までしっかり寮の部屋のドアの内側に描いて出たぐらいには心からの付き合いをしたと思っていて。

   卒業祝いには香水を貰いました。

   「ル、るぇあー ドゥ てんぷす? このS読まないのかフランス語は、えーと時間がどうかした?」

   自分もドイツ語選択で、わたしに教科書訳させたくせして、

   「まいこさんがフランス語駄目っての良くわかった。あとブランド弱いのも」と、ため息一つのあとで。

   「それ、レールデュタン。『時の流れ』って意味らしいよ」

   「おお!」

   昭和生まれはなんでも書物から入ります。クラシックも、ブランドも。漫画で有名だった「アラミス」の香水が、いざ知ってみたらなんと大学のサークルのお坊ちゃんコンサートマスターのお気に入りだったとは。

   レールデュタンも、エッセイやらなにやらで、そういう名前の香水があるとは知っていて、意味はこうなんだよというのも知っていましたが。実際スペリングと香りを目にし鼻にしますと……。たしかによい香り。

   ……ぇあーの部分は英語のairに相当するから空気、もっと意訳してふわっとした全体の感覚みたいなものだろう、tempsはイタリア語でもテンポとかあるから時間とかの概念で間違いない。これで「時の流れ」というのはまあわりかし解る。でも、商品名としてはごろが悪い。時代のふわっとした雰囲気、勢いまでいくなら古語っぽく「時津風」でどうよ? いやこれじゃあ時代のムード的にイケイケな感じになってもっとギラギラしちゃうかな、お相撲っぽいし。

   時代はバブルのころでした。

   そのころ語学というか翻訳をちょっとかじっていて、この言葉をこう日本語に直すとこういうニュアンスの欠落がある、それを防ぐためにどういう言葉を選ぶべきか、そういうことをいちいち考えるのが楽しみで。

   まあ、その香水を使い切って、いろいろエッセイで学んだ有名な香水を試してみたり失敗したりしながらも、「レールデュタン」と聞くたびに、あれは「時津風」と心中にやにやする日々でした。

   そういうヨーロッパのうんちく、フランス語の解説込みでやってくれるエッセイが好きで、まあ、阿刀田高先生一択ですけどね、よく読んでました。香水はつけるとすぐ立ち上る香り、肌になじんだ後の香り、あとあとまで続く香りと3つに分かれるとかなんとか。

   ゲランの「夜間飛行」も、あれはサン・テグジュベリにひっかけて日本では「夜間飛行」というのが公式訳名になっているけれど、原語では「夜の飛翔」みたいなイメィジだよなんて書いてあって。嗅いだことはないけれどふーんって。もしかして、「ミネルヴァの梟は暮れそめる黄昏をもって飛び立つ」みたいな、ドルが上がったとかあのへんの国境紛争が、なんて浮世のことに悩むのはお昼まで、陽も落ちたからにはもっと哲学的なことを考えよう、そういう意味だったりして。さあ夜になって、梟が飛び立つ頃だよなんて、クールで瞑想的な香りなのかな。嗅いでみたらわかるかも。

   そういうの、若いんだから本当にどんどん試して、こうでした阿刀田先生! ってやっとくのが女子大生時代だったんじゃないの? もったいない。そしてなんでもネットで調べ、コピー香水なんてものが出てそれでふーんってお安くお試しできる時代が来ました。レールデュタンのコピー香水も買った気がしたなあ。落っことして粉々に割れて、入ってたポーチごと処分しましたけど。

   そして時の流れって。激しい感情を癒してとげとげの事実も風化させて。穏やかにしていくものと思えば。

   こないだツィッターで拾ったまた語学がらみのネタで、「ドイツ語にも女子力Frauenkraftという言葉があるが、用例がが、ユーロ陸上大会でドイツのカタリナ・シュナイダー選手が女子力を発揮して女子槍投げで金メダルに輝いた的記事なので、日本における女子力と同じ意味なのかは分からない」というようなもの。おかあさんこういうの元ネタを正確に持ってこようという気がありません。噂なんて変容してなんぼだと思ってますスイマセン。だからお集りの皆さんは、眉に唾をして、そしてすこしだけ笑って帰る。おーけー?

   女子力で陸上に勝てるもんなら勝ってみろ、それって、なんとかのアロマで集中力アップとか、お気に入りのピンクのリボンだとやる気が出ちゃう! とか? それでメダルとれるもんならとればええやん、ってそういえば、そのころの選手でいましたよね? フローレンス・ジョイナー。長いウエィヴ・ヘアで色鮮やかなウエアで駆け抜けて。その爪にはネイルをしていて、昭和の小学生は両脇をしめて手は軽く握って走るように言い聞かされてたのに、パーにして大股で走っていました。それで世界新!?

   スポーツ選手もきれいにしていいんだ!? 自分が楽しく競技をしていいんだ!

   目の前がぱっと明るくなったんだけど。

   ……亡くなられて、伝わることには、やっぱりやってたみたいですね、ドーピング。

   中国の馬軍団も、漢方で体質改善じゃなくてルールに触れないドーピングのせいって、あーあ。時が流れて明らかになることもあります。旧東側の選手たちの肉体改造とかね。アメリカだって、公文書の保管期限がきたとかで開示されてることはあるし。
  

   時の流れには埋まっていたものを暴く力もあるみたいです。そう思ってみると、あの香水は、つけてから時間がたっても優しく香ったような。じゃあ、ギンギラギンに走り抜ける「時津風」より優しく事実を風化させる「時の流れ」でよかったのかもしれない。

   あなたにとっての「レールデュタン」は、どんな香りでしょうか。そして、「レールデュタン」の訳はなんと?   

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2019年1月 4日 (金)

すみれ色の……

   おめでとうございます。もう一か月ぐらいフルに風邪です。
   激しい時は発語もままならず、欠勤の連絡で電話をかけても、
   「おはげほげほげほ、さおとごごごごごほひぃぃっめでござげっふげっふげふ
   ……今日もだめですごめんなはい」
   「わかった。お大事に」
   ってカンジで。

   3シリーズぐらいなろう小説を更新分までフル読破したかなー。せっかくお借りした本に病原菌つけちゃ悪いと思って。
   とりま「指輪が選んだ婚約者」は服飾描写が圧倒の迫力で好きこそものの上手というのを実感しました。「即死チート」は「殺意を向けた者には即死で報いる」の定義と応用が面白かった。「異世界のんびり農家」は割り切りっぷりがすごい。必要ないところはここまで削れるかってカンジ。転生前パートのシンプルなことったら。作画担当氏も大変だこりゃ。

   そしてへろへろで迎えた仕事納め、お電話も少なかったので各班30分ずつお菓子を囲んで茶話会みたいな時間が取れました。

   「今から配るカードに来年の抱負を書いてね♪ オフィスの壁に張り出して来年みんなで見て楽しみます」とリーダーさん。

   「それは真面目な、処理件数を上げますとか不適切発言を減らしますとかそういった?」
   「ううん、お仕事に限らなくていいの。今年は3キロ痩せますとかでいいのよ」
   今のチームのリーダーさんはエレガントで穏やかなマダムです。
   「じゃー芥川賞狙っちゃうぞ! とかでもいいんですか?」
   「まぁー早乙女さんは小説を書いてるの? いいわよそれで」
   これがほんとにエレガントに微笑んでうなずくから、とても洒落ですとは言えない雰囲気に。
   ……いや、薄い本出しますとか言わなくてよかった。
   お菓子をほおばりながら熟女たち乗るのる。
   「えーっ知らなかったどういうの?」
   「あらー解るわベルばらなお話よね?」
   「イケメンがどんどん出てくる話なんでしょ」
   「あ、あははやだなあお姉さまたちジョーダンですってば」
   「そんなことないでしょ持ってきなさいよ読んであげるわ」
   「芥川賞取ったら仕事辞めるの?」
   オイオイオイオイ!
   ナアナアナアナア!

   話はそこで終わらずにその夜行われた忘年会でも。
   「早乙女さん聞きましたよどんなお話書いてるんですか」
   「いやあれはもののたとえでね」
   「ごまかさないでくださいよ、むかし言ってたじゃないですか時代小説書いてたことあるって」
   あちゃー口が滑った?
   「読ませてくださいよ」
   「いや最近は人様に見せられるものがなくてやね」
   「そんな気張らなくていいですからちょっと。読んでいけそうならみんなにも宣伝して上げます」
   「今うちプリンタないし」
   「いーですよメイルで送ってください」
   「あのな、ファンタジーノベル大賞の応募するときは基本的に原稿用紙300枚はあるんやで」
   「いーですよ、私結構本とか読む方ですから」
   「まあなんか見繕っとくわ」
   とりあえずその場はそれで流して。

   いろいろ考えた結果、USBにテキストファイルを放り込んで渡してみてもらえばいいんじゃないかと。

   というわけでおかあさん初売りのノジマ電気で8ギガぐらいの1000円しないUSBを買ってにやにやしながらおうちへ帰って、自分のファイル開けてみたら。

   そういえばこないだPCが死んで、書き溜めてた小説みんな救出できなかったんだった。

   最近はまって書いてた二次小説は、ピクシヴで公開とかもして愛着あったから、ぎりぎり最後にUSBつないで掬っては移動させてたんだけど、もう10年も前に書いてた坊っちゃん文学賞に出して堂々落選した青春小説とか、少女向けにファミリーコメディ書いてみたけど今のコバルトにそういう需要ないので涙を呑んでお蔵入りになったやつとか、もうどこへも出せないので、執着を絶つ意味もあって敢えてPCと運命を共にさせたところがあって。

   もうここ数年はほんとに漫画の二次小説ばっかりで。だって知らない赤の他人の書いた既にある作品のご存知のかれらが活躍するんじゃないまっさらの作品なんて誰が読むんだよって、そういう絶望があって。
   いやなろうとかある意味流行ってるじゃん。単に自分が書けなくなって逃げたんだよね。

   数年前ですが、自分が書いた小説を無理やり読んでもらっていたおともだちから、まいちゃんの作品をおともだちに読んでもらったら面白い、もっとこの人のお話読ませてと言われたんだけど、なんてことを言われて、いざ! と思ったらもうなんにもストックがなくって、ごめんなさいわたしもうご覧に入れられる話はなにもないですって謝って断って、すっごく悲しい思いもしたんだけど。

   ほんとにほんとに、今のわたしは人様に、胸を張ってお見せできる作品ってなくなっていて。

   あーあってお正月うちに顔を出した豹太にぐちったら、
   「ソレ社交辞令だから。真に受けないの」ってあっさり言われて。

   まあそりゃそうだ。

   でも、寂しかったから。
   誰からも、あなたのお話を読ませてと言われてなくて。
   久しぶりに読んでみたいって言われて、困っちゃうなとか言いながら嬉しかったから。
   ちょっと浮かれてしまいました。

   せめて今年はオリジナルのお話を一つ書こうと。

   そういう決意をして、そして~一粒~すみれ色の涙♪
   

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2017年12月17日 (日)

愛はフェニックスw

   ちょっと早いけど本年の総括。

   昨年は創作の方も行き詰まって、エンドマークを打てた作品が全然なくて、創作ファイルは年ごとに作ってるんだけど開けても一目で作品名を一覧できる程度(具体的に一行14作品が画面内3行まで表示のところ2行に満たず)で。齢50にして枯れてゆくのね~なんて思っていたらどっこい。

   ビッグウェイヴ来ました(前述)。

   その他いろいろあって、今年はがんばっちゃったみたい。まだまだ現役で萌えていきます。

   涸れ果つる泉と一時思ひきや
     またも吹き出る煩悩の美酒         舞音

   ついでに本年おかあさんをきゃう~と言わせた漫画は

   「吸血鬼すぐ死ぬ」 盆ノ木至

   同、小説は

   「ケーキ王子の名推理」 七月隆文かな~っと。

   なろう系では
   「デスマーチからはじまる~」と
   「生前SEやってた~」と
   「宝くじで40億~」がお気に入りです。

   そういう、ネットですぐ読める小説にはまった1年でした。

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2017年10月 5日 (木)

この季節毎年感じること。

   月を待つ頃なりけるをはやばやと
    カボチャ飾るを憂しとこそ見め    舞音

   仮装の準備より先に月見の準備をしろよ!!

   見逃して今日はとぞ思ふ十六夜の
     月ぞつれなく照り渡りける     舞音(再掲)

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2017年8月10日 (木)

もう暦の上では秋です

   いやほんと暑くて参っちゃうわ。

   氷片を撒けよ散らせよ水も逃ぐる
    帝都は今やるつぼなり 夏
                           舞音

   この前とうとう雹が降ったって言うから。
   あんまり暑いから空気が曲がって、蜃気楼的な幻の水が道路上に現れるってやつ、昔みたことあります。夏の高速道路。金沢も夏は暑いから。
   「おとうさん、そこになんか鏡みたいなキラキラ、なに? 近づくと消えるの」
   ……おまえは「魔王byシューベルト」の息子か。
   「暑いからそう見えるだけ。実際水たまりがあるわけやない」
   「本で読んだ。『逃げ水』ってこういうこと!?」 
   「だからまいこは頭でっかちで云々……」

   こないだほんとにどこかで観測されたってきいたから。

   玻璃を割り熱波の帝都を吹き冷ませ
    肘を抱かしむ白色の風      舞音

   これは「温室効果」的に上空を覆うガラスってのがあって、それが覆ってるから暑いのかなっていう想像から。「うっ寒ッ!」って思わず脇をしめて肘を反対の手で持っちゃう姿勢ってのはオリジナル表現にしても、秋の風は白いってのは王朝的修辞ですだよ奥様。 

   そんで玻璃とか帝都とか無駄にキラキラした単語を出してくるのがまいねぶりです。厨2ってことよ、へっ。  

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禁忌をぶっちぎってしまった母

   ただ今絶賛虎美さん帰省中。
   命に関わる猛暑の中夜中にこのうちで唯一冷房の効くわたくしの寝室に乱入されて添い寝されたり、枕元に堆積したコミックの山を掘り返してさまざまな未読を消化されたりという毎日です。

   ま:「この前仕事帰りにドラッグストアが割引デーだったからなにか買うものはとLINEの家族共有グループで流したら父が
   『リンス買ってください』と応じて」
   虎:「うんそれ見た」と不在時の情報共有。
   ま:「あの髪リンスしてるのかと」
   虎:「してるでしょ」
   旦那様は多忙MAXでとうとう髪が背中に届いて、今はポニテを通過してそれを器用に根の所に巻き巻きしてまとめてシニヨン男子です。誰も突っ込まないのか。フリーダムだなIT系ヴェンチャー。
   ま:「リンスしてるんですかって聞いたら
   『絡みにくくなるから』って」
   虎:「……」
   ま:「母もうリンスなんかしてないけどな」
   なんかめんどくさくなったの。今人生で一番髪の毛短い時期になったので。この長さなら手入れなんか要らないだろと。長かったとき手間が掛かった反動。
   虎:「お父さんこの週末帰省してるんだっけ? あーあ、あの高いリンス使われてお父さんの髪が艶ッつやになるかと思うとw」

   そこでおかあさんここへきて今までしなかったような腐った連想。

   ま:「なあ、知ってる創作上のカップルで男の方が高いリンス使ってそうなカップルって誰?」

   虎美さんしばし固まってましたね。

   おかあさんさらに禁忌を越えて。
   ま:「BLもありとして」
   注)おかあさんは漫画作品を楽しむに当たってベルばら的ノリを持ち込んで、カッコイイヒーローが実は男装の麗人であって親友と道ならぬ(いや大丈夫ほもじゃない)恋をしているという解釈でパラレルな妄想を楽しんでいます。いわゆる王道のBLとは違うのよ。少数派でね。ほんと迷惑な趣味だ。

   ま:「母思うにアバッキオ」
   虎:「確かに……ジョルノもアリと思う」
   ま:「うむ」

   おかあさんとうとうこういう腐ったことうちでオオヤケに言うようになっちゃって、嗚呼。

   てなネタを遠慮無くできるので、おばあちゃんには悪いけど度々帰省してくれてます。ほんとごめんね。

   まあ、BL抜きにして問題を単純化すると、「より男性の方が女子力高そうなカップル」ってことかな。じゃー古典で言うと「スケバン刑事」だってそんなカンジじゃない? 神さん。

   

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2017年5月12日 (金)

同じ心で

   携帯のカメラで拙き写真撮る
     同じ心で歌詠みにけり       舞音

   いやほんと。そんなすごいゲイジュツをモノしようというんじゃなくってさ。

   写真機は持てどもよその庭なれば
     盛りのふぢは詠むにとどめぬ  舞音

   すっごい白藤、食事用テーブルより少し高いぐらいの高さから全方向ナイアガラ。でもよそのお宅のお庭のだから。勝手に携帯とかで写真撮っちゃまずいかと思って。でも、写真が撮れないというシチュエーションを入れる方に重心がいってしまって、藤のみごとさが欠片も入ってない。まあ、この時の私のキモチは「写真に撮れないのは悔しい」だったから、これはこれで良いのかなあ。

   俳句には負けるけどこれも短い詩形だから、いろいろ記憶に残ってて、それなりに過去を振り返れますね。

   目にゲリラ 山放射能 黄金週間  舞音

   あらこれ俳句(もどき)だったわ。
   これは2年の時の英語のノートの欄外にメモったのおぼえてるから、1986年。東京サミットの警戒で街は機動隊がうようよしてて、ゲリラが出たとかでないとか。そして、チェルノブイリ原発の事故もあって、こっちにも放射性物質が流れてくるとか流言飛語。そういうなんだかいや~な季節を古典に引っかけて詠んだのよ。お蔭で出来は悪くてもあの年の事件だと思い出せます。

   輝ける五月の恋はブラインド
    アヤメアイリスあやまたず折れ  舞音

   そして大塚いって国文やった人間の本歌取りはこれぐらいやりますよと。
   本歌はこれ↓ね。

   時鳥鳴くや五月のあやめ草
    あやめも知らぬ恋もするかな  

   「あやめも知らぬ恋」を「恋は盲目」にした上でルー語で言っちゃうところがまいねぶりw。語呂がよかったのよ。放送禁止用語除けという側面もあります。いやブラインドも今はやばいんだっけ? そんでもってあやめや花菖蒲そしてアイリスが非常に似ているリアル園芸ネタから「過つ」という「あ」の音を引きだすところ、「(花を)折る」という女性を手に入れるの婉曲表現へ持っていくむっちゃ修辞技巧頑張った自信作です。それこそ百人一首詠むならこれ採ってほしいレヴェル。

   あの有名な細川家に、お宅のお宝を見せてくださいというと、延々とこれが伝来の兜で刀で槍でと武具の自慢をされて、もう正座も限界って頃になって、やっと茶碗とか掛け軸とか見せてくれるっていう噂。それくらい、本業を修めてからじゃないとゲージュツってのはやっちゃいけない……いやそれはムチャだと思うけど。そういう心構えはキライじゃないです。本筋はちゃんと弁えてるつもりだけど……でもこころは自由で、感性に手綱はつけられないから、こういうところで爆発させてます。

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乙女達のベッドの下事情

   ドラちゃんからの通報。

   親にBL本が見つかったときのうまい言い訳大賞が、

   

「オスプレイについての資料」を友達に借りたんだけど誤解があったみたいで。

   なんだそうで。
   まああのひこうきの名前はなんだかなあとは思ってた、うん。 

   おかあさんの返しは、
   「ははなんにもいわないよ?」でした。

   なんたって、ドラちゃんの腐女子あるある持ちネタが、
   「うちに帰ってきたらひごろホモの漫画なんてって言ってるハハオヤがあたしの部屋勝手に入ってきてて、ベッドの上に出しといたBL漫画勝手に読んだ挙げ句に『これの続きはないの?』っていいやがった」というもの(実話)。

   チョーうけるwらしいです。

   いや、そこは放り出しておかないでちゃんと本棚入れとけよ。ベッドの下とか、そういう本の定位置でも可。

   ちなみにおにいちゃんは中学の時、ベッドの下から本が出てきて、
   「まあッこれが噂に聞く青少年の友をベッドの下に隠すってやつね! 豹太くんも大人になって!」と勇んで開けてみたら修学旅行の自由行動の検討用のるるぶ京都だったという。ゴルドベルク中学図書館のステッカー付き! (修学旅行から半年経過してました) 返しとけよそこは。おまえ「図書館戦争」読む資格なし。卒業式までまだ持ってて、あとでドラちゃんがこっそり返してきたらしい。すいませんゴル中の皆さん。

   「大丈夫、こないだ兄の部屋行ってその辺の箱開けようとしたらすごい勢いで
   『それに触れるな! 呪われるぞ!』と威嚇してきたからたぶんそういう本持ってはいる」ってドラちゃん言ってたから。ふーん。まあリアルも充実させてね。

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2017年5月 4日 (木)

唖然呆然

   娘と歴史語りしてたら、
   「オスマン・トルコはヨーロッパでしょ、わたしはそう認識してる」って、お前!

   いやなんか今日別件で歴史系のサイトを見てたら、ビザンツ帝国の継承者だからそれほどオリエントなカンジではないとか。一応史学科の虎ちゃんが高校生以下という話ではないみたいで。
   そうか、そうだな、昭和な歴史感覚だとトルコ系で信仰がイスラムだからヨーロッパの範疇には絶対入らないと思うんだけど。テストでそんな解答したら思いっきりバッテンつけられると思ったけどなあ。今はそう言う理解のしかたをするんだ?

   ……わたしは合唱、それも宗教曲をみっちりやったから、イエス・キリストを中心とする神の栄光てゆーかローマ教皇庁を讃えない人間は「ヨーロッパ人」にとって人間じゃない感覚があって。おかあさんしばし黙考。

   「却下。オスマン・トルコがヨーロッパのうちだったらあれだけのことをやって国境を守ろうとしたヴラド・ツェペシュが浮かばれん

   まあ、21世紀になってこういうことをいう人間が出てきたのなら、ケマル・アタチュルクも報われることでしょう。祝・トルコ近代化。

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