2007年11月 4日 (日)

「大徳川展」行ってきました

   もう二度とこの規模の展覧会はないだろうという「大徳川展」@東京国立博物館、行ってきました。人気の数寄もの漫画「へうげもの」の読者はもう大騒ぎで。だって、作中、主人公古田織部正重然(左介ちゃん)が全身全霊で憧れた天下の3肩衡(濃茶においてお茶の粉を入れてお点前に使う道具)のうち2つ、「初花」と「新田」が並ぶんですもん。

   旦那子どもも家事も放擲してはせ参じました。ちょっと出遅れたけどね。13:41取手行きの途中から地に潜って千代田線に化ける急行に乗って遙か上野へ。座れたので爆睡して、気がつくとちょうど表参道(危険すぎ。ちょうど乗換駅で良かった)。
   上野公園は芸術の秋を迎えごった返しておりました。着いた時点でもう3時だし。嗚呼、全部見られるかしら……って。

   

3 0 分 待 ち だ し 。

   あわてていて文庫本どころか携帯も忘れてきたおかあさんは手持ちぶさた。後ろに立つカップルの会話に聞き耳を立てたりして。
  「このチケットで他のところも見られるんだって。えーと……」ヒョウケイ館もホウモツ館も読めない若者にすこぉし不安を感じましたが。そーゆーお若い方って、なにが目当てで来るんだろう。お千代ちゃん(尾張家に嫁いだ家光の娘)のお嫁入り道具か? ほら、時代的にまだ幕府がお金を持ってた頃だし、当時は将軍家のお姫様もまだ少なかったから嫁ぎ先も御三家だし、史上最高のお支度という話ですよ。確かにすごかった。

   さて、3~5分ごとに20人ほどずつ入場を許されて入ります。
   「大変混み合っておりますので、ご自由に。第2展示室を先にご覧になっても構いません」そうで。
   「2を先にしても戻ってきて見られる?」そういえば、2ちゃんねるで実際行ってきた人のレポートでは、入ったところの大きな金の扇子でもう人が釘付けになって全然動かないんだって! 
   「それはもう」
   「『初花』の茶入れはどこ」これは声を潜めて。
   「第2です」
   「ありがとう!」と、まっすぐ第2展示室へ。
   「2大茶入れは360度全方位から見られるよう真ん中の独立したケースに入れてある」との情報に、部屋の中央へ近づくと、ありました!

   「 初  花 」 で す 。

   小梅でも入れて食卓においときたいと言った人がいましたが、たしかに、ただの茶色い小さい壺でした。

   うーむ。

   「へうげもの」作中でも「痰壺じゃん」って言われてましたけど。
   正面に当たる辺り、ちょい左、釉薬が濃く垂れていて、その辺がお花のようにみえないでもないというかこじつけというか。

   いや、肩衡にしちゃでかいでしょ(おかあさん表千家は「唐物」までやってます。こないだまでやってた裏の方も、ま、同じくらいまで。このクラスの茶入れをつかうお点前は習ってます)。唐物点前ではたしか、茶入れを拭くときに袱紗の方じゃなくって、左に持った茶入れの方を動かして一周させるんですが……普通の茶入れは卵よりせいぜい一回り大きいぐらいで、それでも左手だけでじりじり回す(指先を使って水平方向に一周させる)のには結構神経を使うのに、こんな大きな茶入れを片手で回すなんて……できないっ!! 戦国武将は握力があったのね、たぶん。身長はこっちの方が少し大きいぐらいのはずだから(伊達政宗はわたくしとほぼ同じ身長。骨が発掘調査で出てきたそうで、墓所の資料館に出てました)。手が大きかったというのは考えられないです。いえ、400年たったらお点前も変ったのかも知れませんけど。

   そして、「現代的で一見の価値有り!」と言われていた「新田」の方は、なんとシルバーグレーに輝いていたのでした。
   コリャ珍しい。
   だいたい、お稽古に使うような茶入れだと、ふつーに瀬戸とかで、茶色が多かったですから。どういう釉薬を掛けたら、こんな色になるのかしら。つやつやで。たしかにこれは引き込まれる。心を奪われるとしたらこっちね。やっぱり大きいけど。

   そして、ウソのような偶然、長い間失われていたのにこのタイミングで紀伊家(?)の方から出てきた秋野の文琳(林檎型の茶入れ)が、今は失われた「楢柴」の代わりに飾られてました。こちらは、たしかに飴色より赤味が強い釉薬が目を引きます。文琳は林檎型というだけあって球形に近い形の筈なんですが、やや縦長。そして、やっぱり大きいです。

   もうひとつ、油滴天目、油の垂れたようなぽちぽちした模様の浮かび上がった天目茶碗が360度OKケースに入ってました。なんか薄手で、実際使ったら熱くて持てないんじゃないかなとわたしは思いました。あんまりこういうのは好みじゃないです(好き嫌いで言うな)。

   やっぱり、どうも、その茶器じしんの存在としてはぴんと来ない感じ。あれだ、ナポレオンの「5000年の歴史が諸君を見つめている」だっけ? これを足利の誰が、左介ちゃんが、家康が触ったと思うから価値があるんで、ただそこに名もなく転がっていて心を打つかというと……「新田」なら拾って帰りたいかな?

   茶道具が多かったので、茶会からの流れでしょうか、和服をお召しの大きいお姉さん、昔のお姉さんがいろいろ来てたみたいです。これは、お師匠さんも行ってこいって言うでしょうねえ、そりゃ。こちらも、目の保養になりました。

   その他、お千代ちゃんの黄金のお茶セット(お釜も火箸もぴっかぴか~)とか、利休作虫喰いの茶杓とか、イロイロ目の保養をさせてもらったところで、お千代ちゃんその他の嫁入り道具とか、お着物とか、戻って家康の兜やらなんやら見せてもらいました。日本刀はもう時間ないし、そんなに興味ないしスルー。

   ミュージアムショップで、ここだけ! の葵のご紋入り手ぬぐいと唐獅子牡丹もようの筆ペンを買いました。最近のミュージアムショップの人気グッズは、クリアファイルのようで。小さいサイズのものまでいろいろ収蔵品の絵柄で出てました。図録はお金が足りなくなって買えなかったの(あんまり図録を見返すことはないのであらかじめお財布にお金を入れていかなかった)。最近引き締めています(気持ちだけ)。

   帰りは公園口からJRにして、東京駅から16:46の中央線特快に乗って新宿へ。17:11の急行に乗れました。やっぱり優先席で爆睡(するな)。目覚めたらお年を召した方が目の前にいて、慌てて立ちました。2つ前の駅。冷や汗でした。

   帰ってきたら、15000歩も歩いてました!(ま、上野公園は広いし)
   やっぱり博物館はいいです。いろいろと。

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2007年9月16日 (日)

「インカ展」行ってきました

   カテゴリは「学問」でいいのかしら……。

   とむ影さんがご用で名古屋に出られるというのでトランジット(?)の上野で落ち合ってインカマヤアステカ展に行ってきました。NHKでもスペシャル番組を組んで盛り上げてましたよね。ながら視聴してました。行けたらいこうか、でもだいたい平日はごろごろして終わるのよね、と思ってたので渡りにボート! ありがとうございました。

   「ただいまのお待ち時間0分」なんて立て看板であおります。こういう門外不出系を夏休みにやったら全年齢対象ってことで人出を見込んでたんでしょうか。パンフレットもお子様向けを用意してあるし、イヤホンガイドの準備もちゃんとあって、気合いが入ってます。混んで身動き取れなくなったときのために大きな液晶プロジェクターで所々NHKスペシャルの内容(?)を流してたりして、こういう誘導は近年非常に上手くなってきてます

   ま、お子様をも観覧対象にしている建前の割りにはキャプション(説明文)はふつーの一般大人向けなカンジで、字も小さいし、愛想もないしでイマイチ展示方法に文句のつけようがないとは申せませんでしたことよ(おかあさんは博物館学芸員資格持ち)。その分、係員の誘導は有機的で、「見づらかったら適当に詰めて見えるところ先に回ってみてください」とは日本人らしからぬ柔軟さと見ました。

   えーと、展示物の方は。

   ああいう中南米文明の遺物の代表、翡翠のマスクは複数。かなり大きい色の濃い美しい石を使ったやつから、色薄いじゃん、安物? 系とか、がんばって小さい石でも色のきれいなところかき集めたんだねというモザイク努力系などいろいろあって、それでも美しいものを故人に着せてあげたい執念を感じないでもなかったです。
   多かったのは石のレリーフ系。原材料は花崗岩、玄武岩なと火山岩で、あの辺火山あったんだ、と、やっぱ、こういうのを見るのも総合科学。
   「鉄器ないとこういうのは根気仕事になりますですね。偉いなあ。うちの子なんてしんけんゼミについてきた曲玉作りキット、カーブができてきたところで飽きて放り出しましたけど」
   「うちはどうだったかしら」
   おかあさん同士話は子供の教育問題まで発展して(周りの方うるさかったでしょうね、ごめんなさい)。
   「この辺は暑かったんでしょうか、布が貴重なの? どうして頭重い系の飾りになるんでしょう? お洋服で威厳を示すという風に文化が行かないの?」
   ホントに。お辞儀したらそのままのめってしまいそうに頭に飾りが集中してます(いや、浮世絵の花魁のことを考えたら「日本人に言われたくない」って反論されるかもだけど)。
   いろいろ思いつくまま言い散らして、楽しい観覧でした。

   ミュージアムグッズ豊富だし。

   筆記具、磁石やストラップという身の回りのものからプチタオル、マグカップなどお土産定番品、フィギュアに写真が外箱に印刷されてるだけという佐久間のドロップス、チョコクッキー。ああそうか、小さいお友達対応か。小学生以下限定でポンチョなど着てマチュピチュの写真をバックに撮影サーヴィスもあったり。やっぱり夏休みを念頭に入れた企画だったのね。

   帰り道、右手には「トルコトプカプ宮殿展」なんかの立て看板があり、
   「もう、世界中の博物館が日本公開を狙ってるんじゃないですか。日本人はお金持ちでお勉強好きだから、喜んで見に来てお金落としちゃう」なんてうがったことを考えたりして。
   だって、折しも昨日のニュースで兵馬俑が今更はじめてイギリスで公開されるとか言ってるし。向こうのひとはアジアに興味ないのかしら。そんなことないよね、大英博物館とかあるのに。遠いからか、そうか。

   いろいろ考えることの多い観覧でした。やっぱりたまにはお出かけしよう。
   で、「展覧会は結構歩数稼げますよ」というご意見通り、昨日は13000歩だったのでした。
   「時代屋」の小川町本店も冷やかしに行ったことだしね。

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2007年4月24日 (火)

元二の安西へ使いするを送る?

   渭城(いじょう)の朝雨軽塵(けいじん)をうるおし
   客舎(かくしゃ)青青として柳色新たなり

   王維ですな。高校の時に漢文のとっかかりに習って、刷り込みで覚えてる人も多いでしょう。朝方の雨で、洗ったようにこざっぱりした西域への入り口の街でございます。で、こんな詩をおもいだしたおかあさんのここ2日は送別会なのかというと。

   草むしり好適日♪

   ちょっと地面が湿ってるから根っこも抜きやすくって。振り回しても土埃が立たないからいいわ。軽く曇ってるからまぶしくも暑くもないし。

   思いっきり調子よく抜きまくってると、ためらいがちに金網越しにお隣の奥さんが声を掛けてきて、しばらく話し込んじゃいました。

   「ドクダミもうまく引っ張るとおもしろいぐらいに長く根っこが抜けて。結構楽しいかも」
   「そんなことが楽しいなんて。うちの草むしりも頼んじゃおうかしら」
   お茶とお菓子付きなら喜んで、とまでは言わなかったけど。

   抜いた草が一山もできたところでおしまいにして、本を買いに山を下りたんですけど。今日も、ちょっと時間が空いたところでまた庭に出てぶちぶちぶちぶち……。

   手が臭くなっちゃったじゃないの

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2007年2月28日 (水)

野生の王国 異種婚篇

   ご飯が終わって虎美が話を振りました。
   「今日学校で、先生が『ラマはなにとなにを引き合わせてできた生き物でしょう?』って聞かれたの」
   「それをいうなら『かけあわせ』!」
   「そう? それで何と何だと思う?」
   「馬とロバだろう? ん? そりゃラバか?? 母親が馬で? ラはどっからきたんだろう?」
   「馬と駱駝だって」
   「そうか。~はらくだの~♪」
   「あたしはライオンって答えたの」
   「オマエ、そりゃ無理だって。似たような動物じゃないとできないだろう」
   「先生も笑ってた」
   「実物を見たことないから馬系というのが解かんないんだな……それ、それはやっぱり、『あ~らこちらすらっとしててステキなのね。あたしをおよめさんにして~ん』とか言ってできたんだろうか」と、お子様を憚って言ってみると
   「人間がさせたに決まってるでしょ」とクールなお答えでした。
   ……人間がどうにかしてどうにかなるものなんだろうか。
   「旦那! コレ違いますよ、わしらのメスと違います!」といいながらそれでもその気になれば一緒なのか、それとも、なんかいつもと違ってイイカンジ~といってしまうのか?
   そんで、やっぱり妊娠期間とか妊娠の経過とかはジュンナマの子どもの時と一緒なんでしょうかね? それでなんか違うぞと感づいて不安になったりしないのかな?
   野生の世界も生む生き物と生ませる生き物の皆さんは大変ですね。

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2007年2月25日 (日)

教養の使い道

   本日、「平成教育学院」を子どもたちと見ていて、またしても大正解して非常に面目を施したところで虎美が一言。
   「おかあさん、タレントになればいいのに!
   オイオイ、タレントの仕事はクイズで回答する事じゃないだろう。いや、今時はそうなのか???
   その昔、象印提供のクイズ「ヒントでピント」を家族で毎週楽しみに見ていた頃は、女性チームのキャプテン、作家の中島梓さんがほんとうに博識でカンも良くって、ああ、作家ってこういう人がなるんだ、こういう人になりたい、とか思ってましたね。でも、何書いてるひとなんだろう、作品は全然聞いたことないよって思ってたりして……。学生になって、友達に聞いて「グイン・サーガ」を手に取りましたが、あんまりあの手のファンタジー世界に強く引かれるものを感じず、1巻だけでご縁はなくなりましたが(なくなって良かった?)。
   高校の時の敬愛する個性派世界史の先生は「どうせ暇な主婦になってクイズ番組に出たときにしか役に立たないだろう」云々と皮肉を飛ばしながらいろいろ世界史を深く教えてくださいましたが、本当に、勉強したことがクイズ番組を見るときにしか役に立たないなんて。嗚呼、専業主婦になって、女性の学問を活かす道から降りてしまったのはわたくしですが、なにかわたくしが蓄積した学問を活かすお仕事はないものでしょうか。

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