2017年7月 2日 (日)

骨までしゃぶり尽くすハーレクィン 「公爵と内気な乙女」 

   もう作家買い。「公爵と内気な乙女」さちみりほ、いえレンタルサイトの広告作品だったし。

   古き良き時代のロンドン、それなりの資産家の娘、ペネロピちゃんはいきなり兄ちゃんに大好きな本を取上げられます。買うのも読むのも全面禁止。いい年して本ばっか読んで社交しない嫁に行かない。パパは資産を遺してくれてるけど、それは結婚するまではボクが管理中。うちに居候するなら家長たるボクに従え! ……実は兄ちゃん投資がヘタで穴埋めにペニーちゃんの資産を狙ってるとかいないとか。
   本が好きっていっても原語でギリシャの古典詩を読んで自分で訳したい! という硬派オタで新聞も政治欄まで毎日熟読なペニーちゃん、ただ泣き崩れたりしません、じいやに荷物をまとめさせてすぐ家出です。

   「理想の夫を捜す旅に出るわ」

   

行動力のあるペニーちゃんです。←ここ大切。
   あんた冒頭、
   「新しく届いた本とお気に入りの椅子
   お気に入りのお茶を淹れて
   ページをめくるひととき

   きっと天国ってこんな所だわ
   いいえ きっと天国より
   すばらしいに違いないわ」って言っといて。社交界デビュウで地味子に対する冷たい洗礼を受けて引きこもったらしいけど、いやいや、充分逞しいではないですか。やっぱね、ハーレクィンヒロインはどの作品も地味に逞しいです。そこんところが、花ゆめヒロインに通じるところがあって好きなんだなあ。

   対するにヒーローはどうかというと、飲んだくれています。それは、自分の身の上を嘆いてはいますが、それなりにしたたかな作戦のためです。モノローグでかれのせっぱ詰まった状況が語られ……今回は「契約結婚」タグらしいです。
   けっこー卑下しながら語ってますが、冷静に検討するとその行動は漢(ナイスガイ)です。2年続きの凶作に小作料を免除してやっていたら資産を失い、起死回生を賭けた貿易船は嵐で沈み、破産寸前。どうせ死ぬなら事故死で保険金を遺そうという覚悟の独宴であったようで。そのみじめ公爵様が飛び込んだのが、都合の良い男を引っかけて駆け落ち村へ直行しようとしていたペニーちゃんの馬車だったというわけ。

   「もし、わたしが見えますか」
   「うん、見えるよ、天使だ」

   地味に繰り返されるのが「天国」「天使」という言い回し。かくて運命により出会った2人はお互いの困った点をカヴァーし合うために結婚するのでした。ペニーちゃんのたくみな誘導に、
   「うん !
   結婚しよハァト
   100万ポンドの笑顔ですよ、このヘタレヒーロー。もうこの笑顔だけでいいわ。

   今回もヘタレヒーローかなーとわくわくしながらページを繰っていたんですが、じゃあマッチョいや英語でマスキュリン♪な JETヒーローだったらこの話どうなるんだろうと考えてみたら……意外といけるかな。ハードボイルドな公爵様が自分のふがいなさに苛立つ飲んだくれシーンになって、そこから、ヒロインに介抱されてふっと心が溶かされて……

   「ああ
   結婚しよう」
   これはこれでアリだな。

   当然少女漫画の特殊効果である点描は飛びまくり……になるはずですが、やっぱ、ハァトは付かないな。やっぱり作品世界に合致した作画のひとを選んでるんですかねえ。   
   閑話休題。
   グレトナ・グリーンという実在の駆け落ち村で結婚する(鍛冶屋さんが立ち会って宣誓するだけ!?)と、手製の結婚承諾書を出してくるペニーちゃんの計画性に読者はやや引き。泥酔状態でもちゃんと結婚承諾書にフルネームでサインして印章も押しちゃう公爵のお育ちのよさっぷりに脱帽。翌朝、自分がとんでもないひとと結婚してしまったと蒼くなるペニーちゃんとじいやに酒が抜けた公爵ももう諦め。
   「扱いやすい夫が見つかったらどうするつもりだったんだ?」
   「夫には毎年2万ポンドほど渡して、自由に過ごして貰えばよいかと」
   ここ注目。ペニーちゃんの資産は年収3万ポンド。旦那の方に多くあげちゃうと言うのです。そりゃ公爵も「素面なら土下座求婚してた」な。
   そこであと出してもやっとけよ。そしたら揉めなかったのに。
   めんどくさい時代考証調べるのイヤだから、公爵様が破産して自害するくらいの借財(作中は15万ポンド)ってどのくらいかなーって、小さい会社の社長さんぐらいなら千五百万? 公爵って貴族のトップだから、もう一桁あげて一億かなー。いやーペニーちゃん大金持ち。着てるものもよく見ればレースぶりぶりじゃないけど地味にお素敵だったからなあ。でも平民。難しいねイギリスって。スルーされてたけど、次の爵位はやっぱ弟の方に行くのかね?

   さて、公爵様ともなれば結婚が新聞記事になる時代。わりと遊び人な公爵のお友だち連中がたかってきて大変。ペニーちゃんは上流階級のいや~んな人間関係にもみくちゃにされますが、最初のハードル「結婚披露舞踏会」をクリアするに当たって強い味方が!

   やっぱさ、歩かないと犬も棒に当たらない! 叩けよさらば開かれん!
   「プロクストン夫人は外せない」という小さな情報にも耳を留めていたペニーちゃんは、先代公爵夫人行きつけの洋装店で、今の店主がそのプロクストン夫人のメイドさんにコネがあるというネタに飛びつくのでした!

   「あなたがもしわたしの知りたいささやかな情報を教えてくださるなら、
   わたしはこちらで外套からデイドレスまですべて揃えさせていただくわ
   ボンネットから……ペチコートに至るまでね」
   正しいお金の使い方です、奥様! ちゃんと、流行遅れと自称するその店のものも、
   「ここにある若草色やスミレ色のドレスもどれもとても素敵としか思えないわ」って言ってるし。ウィンウィンだよ! 女性は好きで似合うものを身につければいいんだよ!

   ただ、そのメイドさん勤務先の情報流してるよね? 招待客とか皿数とか食品の発注量とか。
   …………古き良き時代だからいいことにしよう。パーティでは本人に「評判なので丸パクさせていただきました」ってゲロって認められてたし♪

   ヒロインはお助け情報をもとに自分のできることを絡めてがんばるし、ヒーローはヘタレながらも要所で侠気を見せるし。横恋慕イヴェントも乗り切って、やっぱり2人はベストカップルになるのでした。

   うぅ~ん、☆5つ!!

   ペネロピって不思議な名前だなーって思って調べたら(当方自分の趣味のために西洋の名前がナニ系でどういう意味かを調べたサイトのリンクを持ってる)、ギリシャ神話のオデュッセウスの奥さんの名前だそうで。そういえば兄ちゃんはへクターだったな。こっちはトロイア戦争の英雄の名前だ。地味に古典好きなパパをイメージできてペニーちゃんの「ホメロス! ホメロス!」なギリシャ趣味のバックグラウンドもうかがい知れて、芸コマ。

   ただ苦言を呈せば、タイトルの「内気な少女」って誰やねん。ペニーちゃんは実年齢出てませんが結婚適齢期過ぎ加減の成人女性ですよ。新聞熟読で投資は兄ちゃんよりうまいぐらい、原稿に手を入れて公爵に議会で名演説させちゃうぐらいの才媛。内気はあるかもしれんけど、舞踏会を成功させなきゃと奔走するところはとてもそうは見えなかったな~バーサーカー状態だったのかな。日本版シリーズタイトルとの調和もあるのかも知れないけど、原題は直訳して「ウィンスロープ嬢の駆け落ち」。どこにも少女って書いてないやないかーい! ……日本版は毎度タイトルがヘンと言うことで。

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2017年6月17日 (土)

「天竺熱風録」 ― あんたが大将 ―

   いや買いに行ったのは「ファイアパンチ」なんだけど。

   新刊の棚の真ん中にどど~んと積んであって。原作に「田中芳樹」とあって、タイトルが「天竺熱風録」とあったら、ああ、ちい昔ノヴェルスででたあの熱い話ね、と即お買い上げ。作画は伊藤勢ってう~ん知らないかも。

   唐の時代に、あの三蔵法師のほぼ同時代、天竺と唐を3往復した官吏が居たらしい、しかも、2度目の訪問の時には当のインド側、マガダ国では世界史の教科書にも載ってるハルシャ・ヴァルダナ王が卒し、アルジュナとか言う簒奪者が宮廷を支配していた!? 修好の礼物は取上げられ公の使節は牢屋に叩き込まれ、その正使だった彼、王玄策は辛うじて脱出、ネパール・チベットの兵を引き込み大暴れ……だったかな。田中芳樹もよくまあこういう人掘り出してくるもんだ。ノヴェルス版の挿絵はあの富士鷹じゃない藤田和日郎で、アツい冒険に胸躍ったものよ。ただ、ロマンス分は例によって乏しかった覚えが……。

   期待してページをめくれば、陰影に富んだ画風。居並ぶは威儀を整えた馬上の将。対するは威容を誇る戦象部隊。オープニングのナレーションに熱い国の風俗が巧みに描かれ、まずは適度な露出の冴えた美貌のヒロインが問いかける。
   「王正使殿
   勝算はありましょうか?」
   「きかんでくれや~」答えるは主人公。頼りなさげだけど、精神がタフで神のごとき計略をもって仲間を何度も窮地から救い出す魔法のオタマジャクシ。正しき田中作品のヒーローじゃないですか。「一介の外交官だっての」とかいろいろ事情を打ち明けてくれながらも、ついには、

   「なんとかするしかあるめぇよ」と、冷や汗かいて虚ろな目で、3枚目の線ながら堂々の登場でした。

   大丈夫?

   いやいや。その後のシーンはその第2回訪問時のヒマラヤ越えでの難所に巻戻り、崖崩れに遭って、随行の学僧智岸(理知的な美少年)と濁流に呑まれながらも無事に生還するエピソード。危機に即応する瞬発力、守るべきものを正しく守ろうとする心意気、それでいて役目だからとかいってツンデレしたり恩に着せたりしない、からっと太陽のような笑顔

   「誰1人欠けちゃなんねえぞ!!
   おうちに帰るまでが修好使節です!!」

   そのあとたぶん高山病で一同ひっくり返ってうごけなくなって一行の理性(たぶん族弟の王玄廓)に「世界の屋根ではしゃがないこと」と雷を落とされるまでがナイスな掴み。もう原作忘れちゃったけどこんなイントロだったかしらあ~伊藤氏の創作でもどっちでもいい、最高よ。

   「あ ん た が 大 将 !

                                    いいえ、正使です。

   せっかくたどり着いたマガダ国の都カナウジで、問答無用で護衛の士4人を殺され、いきり立つ副使の蒋師仁(かなり使えるようす)を、憤怒に震えながら、

   「徒死(いぬじに)は許さん」と抑えるところが圧巻。

   彼らを捕えに来た武将(まだ名前は明らかになっていない?)にも、引きだされた簒奪者アルジュナにも堂々言葉で渡り合うところがさすがの外交官。
   獄に繋がれながらも、
   「便所事情が
   悲惨だよ」とすぐさま事態を正しく把握して一行に告知。
   予想もしなかった事態に当たって、少ない情報から状況を正しく推理し、皆がバラバラにならないよう心を配ってできることをすぐに考え実行に移す。真実と、自分の立場上言うべき事を正しく分別してその場の頼れるリーダーを演ずることができる。

   立派なリーダーの姿ではないですか。

   獄中、なんとも頼れる(?)導師を味方に得てなんとか副使とともに脱出に成功、さて、王正使の冒険は始まったばかり……。なにせあのヒロインちゃんとすてきなそのご主人(ネタバレしようにももう記憶にない)に出会わないと!

   お楽しみはこれからだ!! 

   いやほんと、絵がいいのよ、インド~な陰影で、描き込みが濃くて。美人は色っぽい武人は凛々しいし、導師は胡散臭いし。最高。ジャストフィット!

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2017年5月 6日 (土)

骨までしゃぶり尽くすハーレクィン久々 「熱いヴァレンタイン」

   ハーレクィンといえばセレブで美マッチョなわからず屋俺様ヒーローと判で押したようで、最近おかあさん飽きて来ちゃったんだけどさ。

   「熱いヴァレンタイン」さちみりほ 作はヴィッキー・L・トンプソンでは違ってたんだよォォ! 会社のカフェテリアで知り合いの青年を叱咤する世話焼ヒロインのクリスタはゆるふわのかわいこちゃんだけど、そのカレはほんと眼鏡にぼさぼさ長髪のさえないおたくくんで。すぐ次のページでヒロインをデイトに誘おうとする部長の方がエリートイケメンのハーレクィン・ヒーローだと思ったら、どうも今回はこっちは当て馬だったらしく……。

   おたくくんの夜更かしの理由はゲームじゃなくって、鬱勃たるパトスを結晶させるロマンス小説執筆だったんだよ! それが、甘い乙女向け小説を男名前で投稿したらいくらなんでも門前払いと思って「キャンディ・ヴァレンタイン」なんてあまーい名前で応募した新人賞獲っちゃって大変! ここでむっさいおたくくんが名乗り出たら入賞取り消しになっちゃう! たすけてクリスタえもん! ヒロインの設定そのままのゆるふわ乙女に見えるクリスタが作者の代役で授賞式に出席、それに飛びついた出版社がアイドル作家として売り出しを掛けることに! 授賞式出席のドキドキ! ニューヨーク・ツアーで2人の仲は急進展……!?

   シンデレラでなりすましで磨けば光る系クロスオーヴァーのあま~いお話のできあがり! いやーおかあさん試し読みのうん十ページでもうテンション上がってカード切って即決ご購入! おたくくんが眼鏡取ったら細マッチョ(肉体労働してたから)美形って、どんぶり三杯いけます! ひったくりを捕まえたせいで眼鏡壊して髪の毛切られて服ドロドロから大変身へと話の持って生き方がもう芸術品! いよッ 大統領! もうね、ハーレクィンで希少種であるヘタレヒーローを描かせたらさちみりほ以外ありえない! 最高!

   いいものを見せてもらいました。ごちそうさま。

   いやね、ハーレクィンには日本人ヒーローが皆無であることを長年残念に思っていたのです。イタリアとかスペイン、ギリシャは情熱的っぽいというイメージに舞台の風光明媚なところも相まって、結構ジャンル化しており、中東の石油王とかも、ゴージャスさが魅力、西洋の論理が通じないところを障害にするためによく登場してるのです。
   しかしながら前述のハーレクィン・ヒーローの条件に合致する日本人青年って現実ではいないわーと思ってあきらめの境地に達していました。
   でも、ヘタレでもおたくでも料理のしかたではアリかなーっとちょっと希望を持ち直しました。
   いやーしかし眼鏡はコンタクトでなんとかしても、ヒーローはマッチョであるべしという条件はアメリカでは外せないみたいね。

 

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2017年4月15日 (土)

「彼方のアストラ」 無重力下のジェットコースター

   高校からの楽しい惑星キャンプ一転サヴァイヴァル・ツアーという「彼方のアストラ」ですが、今回らぶこめ回でした。
   いや別の意味で手に汗握ったけど。
   日常回に伏線ぶち込んでくるから、今回のザック(天才君)が父親に感じた愛情のなさが、かれらのクローン疑惑に絡んでくるんだろうけどね、謎解き回でね。

   学校に絡んだ若者だけの宇宙サヴァイヴァル・サスペンスということで、初期から名作「11人いる!?」へのオマージュがネットでは噂されてますが。
   そういう、「ゲームマスターがいる」という観点でみると、あやしいのは実はヒロイン:アリエスなのかもって、今日思ったから書いとく。
   根拠1) アリエスが船内日誌をつけている体裁。
         自分は絶対最後まで死なないという認識あってのこととみる。
         あとは、古典ミステリの踏襲で、この登場人物が犯人ではという読者の推測の枠外に出すため。

   根拠2) 「11人いる!?」では、「ゲームマスター」が、「あなたは最初集合したとき居なかった、すなわち、あとで潜入した危険人物では?」と主人公を犯人と疑わせるミスディレクションをしている。同様に、単行本3巻のエピソードでアリエスが某キャラクターに疑惑を集める発言をしていることから。

   根拠3) アリエスは最初のトラブルでまず生命の危機に瀕していて、作中メンバーからも、読者からも、犯人ではという推測から最初に外されている

   根拠4) 「皆さんとお友達になりたい」と公言して積極的に全ての登場人物に絡んでいっている

   出そうと思えば幾らでも出てくるな。
   そして、作中彼女自身が言ったように、想定を越える生命の危機に際して、一緒に生き延びようという方向に作戦変更している最中なのではないかと。

   それにしても、毎度すごいよな、作者は。ギャグとシリアスの練り上げ加減がパネエ

       

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2017年3月25日 (土)

イソノ家は相続問題を救う!?

   よんどころない事情で相続の勉強をしているおかあさんです。

   「遺産相続には先順位者というのがいて、優先されるべき人が決まっています。①は亡くなられた方の配偶者、②は子供、③は親、④が今度はお孫さん、⑤は逆に祖父母で⑥がご兄弟。それから、法律の改正があって、たとえば旦那さんのご両親の介護を長年やってこられた奥さんが、そのお姑さんが亡くなられたときに権利がないというのは可哀相ということで、⑦として甥ごさん姪ごさん、子の配偶者にひ孫などが加えられました」
   「人情として正しいわ~」
   「この順番は大切なのですが、人様のご家族で誰がナニに当たるかを考えるのは大変ですよね~」と講師のおにいさん、この方は講師をやるために生まれてきたようなよく気がついて穏やかなお兄さんであります。

   「だからーサザエさんで言うと、一家ほぼ全滅したとき、ナミヘイさんの遺産はナミヘイの兄のウミヘイか、サザエさんのダーリンのマスオさんが相続するかってことよ! そこはマスオさんに遺産が行かなかったら日本全国のお茶の間が納得しないわ!」
   おかあさん力説。
   「ナルホド!」
   一緒に話を聞いていたマダム達は笑い転げて納得してくれましたが、
   「そうなんですか? ぼくはサザエさんファミリーの血縁をイマイチちゃんと理解していないので」と、講師のおにいさんはきょとん。
   「なんで~!?」
   ……今思ったけどイソノ家が全滅してたらマスオさんもたぶん一緒だわ、その際はナミヘイの妹の子であるノリスケが相続する方がナットクリョクがある!?

   というわけで作りました。ちょっと前流行った、サザエファミリーは「太陽にほえろ」のテーマで歌えるというやつのアレンジで。

   遺産相続順位暗記のための歌。(前奏約18秒)

   ♪フ~ネ①、サザエ②、ジジイ③、タラオ④、モクズ⑤、
    ウミヘ~イ⑥、ノリスッケ~マスオ⑦~ちゃららちゃちゃら~                   
                                      となります。
   ナミヘイの父と祖父が名前わかんなかったので適当に埋めました(失礼)。 
   イソノモクズってのは江戸時代に大福だかぼた餅だかを30いくつ食べてお殿様にお褒めを頂いたご先祖だったと思います。

   「お亡くなりになった方の手続きをするときには戸籍謄本を提出していただきますが、その際は続柄を証明するために請求者様の分も取っていただきます。
   請求するのが奥様、ご主人様の時はすぐに解りますが、離れたご関係ですと、関係が繋がるまで取っていただきます
   「どゆこと?」
   「だからーナミヘイさんが亡くなってタラちゃんが手続きするときはーナミヘイさんの戸籍にはタラちゃんは載ってないの! サザエさんは結婚するんでイソノ家からは出てるのよ! バッテンして除籍になってる。長女サザエ何年何月フグタマスオと婚姻のため除籍って!
   だから今度はタラちゃんは自分の戸籍を全部入ってるやつ(謄本)で取って、父がフグタマスオ、母がフグタサザエで子がフグタタラオってなってることを繋ぐと、ナミヘイの娘の子なのねーって証明ができるんだって!」とおかあさん暴走。
   「ナルホド~」
   「……ぼくには解らないけどそういうことみたいです」と講師のおにいさんも苦笑い。 

   「大人になったらだいたいご兄弟で一緒に住んでることもないでしょうから、ご兄弟が手続きするには『生計を同一にする』証明というのをしていただくんです」
   「そんなことないって、イマドキはかえって年金を貰うような年だからこそひっそりと一緒に暮らしてるのよ! 
   だいたい『赤毛のアン』はアラフィフぐらいの兄妹が、もう結婚する見込みもないしっていって養子を貰ったのがアンなんじゃないの! あれ? じゃああれ最後にマシュウ(兄の方)死ぬけど養子の配偶者だから遺産は妹に行かないでギルバートに行くわけ???」
   「早乙女さん、アンは養子になってませんから。だいたいあの土地はダイアナのお父さんから借りてますから遺産と言えるかどうか」

   おにいさん「サザエさん」はさっぱりなのに「赤毛のアン」についてはアツク語るぅ~!?

   マダムたちどん引きw
   ……というように本日も楽しく生きております。 

   そしておかあさんが考えていたのは……
   「ひーふーみ、上がって下がって……4親等、水無瀬家のお姉様たちが死に絶えてもうちには遺産はこないのね……」
   旦那様の親戚にちょっとしたブルジョワがいましてね……なんてずうずうしいとらたぬ算。恥を知れ。

     

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2017年2月24日 (金)

娘を絶叫させるネタ

   おかあさん噂の「腐男子社長」を買いに行ったんだけどさ。

   「翔んでる警視」以来ラテン語が操れる男性は憧れですが、この社長も凄い。
   「すご~い、こういう社長が実在したらぜひ愛人にして欲しい!」と絶叫しようとしたところが。
   「……もしかして、こういう社長さんはタメ(同学年)どころか自分の方がおねえさんなんじゃないだろうかと気付いてああ~という気持ちになった」と虎美に話して。

   「高校球児がすでに年下になったとか、ジャニーズの新しいユニットがもう年下とか、いろいろ女のどうしようもない節目があるんだろうな。
    ついには自民党の幹事長が年下になったりして、
   『あのこけっこうマジメで可愛いわよね』とか、それだけはイヤだ~~~!!」

   虎美はジャニーズが年下のところで頭を抱えて絶叫してました。最近そっち方向へ目覚めたのよ。こないだ新橋演舞場できゃーきゃー行って帰ってきました。

   ……それで今の幹事長は誰子ちゃんよ? 小泉ジュニアだったりしたらもうアウトだな。ト目の前の箱を操作。だいじょぶ、今の二階さんは史上最高齢だって。伸晃だった時代がやばかった。

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2017年2月19日 (日)

「紅霞後宮物語」  ― レスで百合でハッピーな後宮生活? ―

   虎美の方から「彩雲国のひとの新作」として紹介されていて、既刊3巻ぐらいまで読んでて、この度プリンセスからコミック化。いいカンジなチャイナ・ファンタジーですよ。この2月に2巻がめでたく出ました。よくよく質したらあっちは「雪乃紗衣」こちらは「雪村花菜」でまったくの別人でした、うん、けっこー作風変わったなと思ったから。お集まりの皆さんに嘘をお知らせしなくて済んでよかった。「紅霞後宮物語」原作雪村花菜、作画栗美あい、いいです。

   隋唐時代をモデルにしたという大宸国が先頃頂いた皇帝は傍系で若いのにやり手。軍に入っていて、女性将軍である関小玉の副官を長年やっていたのですが、その上官であった関氏を余人を以て換えがたい、とばかりに後宮に入れ、異例の8階級特進で序列4位の賢妃、それでも妃達にいびられると見るや、それからさらに4つとばして皇后冊立

   その前代未聞の愛されヒロインの小玉さまってどんだけ女子力高いのって、さばさば体育会系なお姉様でした。なんで皇后って、高位のお妃なら皇帝の代理で軍を指揮することができるからだって。たたき上げの関ちゃんが今以上出世するにはチャイナ版ガラスの天井があったとかで、じゃーお妃になりなよ、という非常に色気レスなご事情だそうです、なんだ。つまらん。
   冒頭エピソードからして、ありがちな悪役先任お妃から血まみれの豚のお頭を朝っぱらから寝室にプレゼントされても煮て喰っちゃうという大胆ステキっぷり。さすが、伊達にたたき上げで女性ながら将軍になってません。だーりんである皇帝陛下も絶句してました。

   じゃあ非常に有能な文林(皇帝)は関ちゃんに愛だの恋だのという甘い感情を持ってないかというと……そうでもないらしい。時々切ない目で見たりするんですが、関ちゃんはもうアラサーで、文林のことはお家の事情で大変な転職をしちゃった相棒程度にしか思ってないので、皇后冊立以来ほぼ夜を専らにしておる状態なのに、2人の間にはお目出度いことが起きる可能性は絶無なのでありました。

   いいのか、おい。

   「彩雲国~」とはちがうなーというのは2人の周囲にBLくさい美形ハーレムが形成されないところです。関ちゃんの従卒? だった清喜はなんと関ちゃんの後宮入りを知ると、「(恋人と死別して)もう使う予定ないし」とあっさり自発的に去勢して(自宮という)宦官になって付いてきてくれるし! 同様に関ちゃんの初恋の人であるらしい沈大監という美中年宦官が背後を固めてくれますが、もててもてて困る的要素はない。いいよ!

   だがしかし、あっさりしたたかな皇后さまのアラサーな魅力に後宮のみんながめろめろになって、百合っぽい雰囲気がどんどん溢れてくるのでした。
   さすがだ秋田書店。おかあさん百合(女の子同士のあぶない恋……までいかないきゃー! な感情)もいけるかも知れない。

   そういうチャイナ~な世界観に戦う皇后、ダーリンは戦友、二人三脚で宮中謀略を華麗にクリア……というけっこー骨太な物語が変わっていて面白いのでした。あと、ヘンな仙人とか妖術とかも出てこなさそうなところも気に入ってます。ムリにファンタジーにしなくていいです。ほんとこの線でお願いします。

   絵もキレイよ。合戦シーンのモブまで綺麗で、もっと手を抜いていいから、と作画のかたに肩ポンしてあげたいくらい。

   妍を競う各後宮の美女にイメージ・フラワーがあるという裏話が面白い。あの時代の風俗をアレンジしつつ華やかに描いてあって楽しいかな。
   ただ、チャイナ文化圏で成人男子の前髪は許し難い。ぴっちり結って額出せよ男なら。

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2017年1月22日 (日)

「海月姫」 ガンバレ魔法使い

   なんだか今週スイッチ入ったみたいに本を買いまくっちゃったわ。

   ネットで試し読み無料公開を見て気になっていた「春の呪い」小西明日翔 はあっさり終わっちゃったなーという感じ。すごく深刻なお話。どんな鬼畜なことをしでかしても、相手が生きていれば謝って、憎まれて、それでもいつかは分かり合えることがあるかも知れないけど、亡くなったひとが相手では永遠にそれはできない、負い目は一生続く、……主人公の母親の忠告が胸に響きました。それでも、主人公は前を向いて旅立つところが若いっていいなあというところでしょうか。この方ピクシヴでショートネタをいくつか拝見してますが、みんなそういう心の奥底が繋がってるのっぴきならない系なのよね。そういうのが好きなのかしら。

   「海月姫」東村アキコ の方が気に入ったかな。無料で2巻まで読めたので読んでみたらはまって、とりあえず結末だけ知って納得しようとうっかり課金して公開されてる最後を読んでみたら完結してなかったーッどうしてくれんのよッ!
   自分のディープな趣味に浸りきり、お洒落とか男女交際とかから逃げてる女の子達、そういう女子を広義の「腐女子」、この作品内では「尼~ず」と定義して、ヒロインが女装男子と出会うことからどんどん新しい世界に飛び出していくお話。
   ……まあこっちの方が自分に近いしな。
   でも、あんまり容姿に恵まれてないと自分で思ってる引っ込み思案な女の子がヒーローと出会って才能を開花させていくってのは少女漫画の王道だと思うな。その才能の方向がデザイナーってのが、一周回って今風なのねえ。70年代かと思いましたけど。アイドルをめざすってのは80年代も90年代もそれなりにあったと思うけど、デザイナーものって最近あったかしら?
   でも、個性的な登場人物がイマドキで、ほんと笑っちゃう。お姫様になる魔法を掛けてあげたのに、女の子は王子様と恋に落ちちゃって、魔法の掛け損? 自分は魔法使いに過ぎないの? と愕然とするヒーロー!wwww王子様の方もリアル「魔法使い」で、おまえそれはないだろうという女の子の扱い方でハッピーエンドまで電車道じゃない! どっちとくっつくんだよう!?
   畳みかけるようなギャグがアキコ節(この方の「ひまわりっ」にはモーニング講読中お世話になりました)。笑って泣いてドキドキして。ほんとムッチャ課金したッ! 最後の理性で4巻までで我慢ッ。

   ……ということでドラちゃんは試験前でスイマセンが2巻まで無料(1/25?)の間に読んどいてッ。母3巻からしか買ってないから。

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2016年12月29日 (木)

主旨は藤田和日郎上げということでいいですか?

   おかあさん今日は家庭ゴミ最終日だというのにお寝坊してしまいました。
   お隣の奥さんが例の如くドアをばたんって開けて、ポリバケツをごとごとやってるからああ、6時5分ね、と時計を見たら、もう8時19分。ああ、収集車はいってしまったのか、やってしまったなあと諦めて二度寝に入ったら(入るな)、その後有名な川崎市民の歌(「♪すきーでっすかっわっさっきっ愛のまちッ」ってやつ)を鳴らしながら収集車がやってきて、タッチの差で(ちがいます)ご町内の皆さんが出されたゴミを収集して去ってしまいました。

   嗚呼! あの時点でさっと身繕いして手元にある分をかき集めて出していれば間に合ったのに!

   そのときわたくしの脳裏を過ぎったのは「からくりサーカス」の主人公勝くんの名台詞……のわりに全文そのままでなく要旨。

   「カッコつけて笑ってあきらめるなんてよそうよ、最後までみっともなくあがくんだ……」

   わたしって本来こういう価値観の人間だったと思うけどなあ。とにかく藤田和日郎は至高。食休みが済んだら干し物をして大掃除の真似事でもします。ってもう昼じゃん!

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2016年12月17日 (土)

発表! 2016年のコミック!

   さてもう12月も残り半分。お給料が出たら張り詰めてたものが切れてしまってうっかりやすんでしまったおかあさんを2016年もっともきゃう~ん! と言わせたコミックは!?

   

「彼方のアストラ」篠原健太 でした!

   昨年に引き続きネットコミックからの選出です。もしかして「野崎くん」もだから3年連続?
   時代に取り残されてる感を感じてましたがまだまだ乗ってます、乗ってます!?

   ジャンプの公式ネット公開サイトで、完全新作の毎週公開です。クオリティを維持するために、書きため分が無くなってからはストーリー部分と4コマ箸休め部分が交互になってしまいましたが、それでも毎週更新だからイマドキとしては充分でしょう。

   一度ご紹介しましたが、宇宙に展開している近未来の地球の高校生達が学校のキャンプで訪れた惑星でなぞの現象に巻き込まれ、5千光年の彼方へ移動、なんとか宇宙船は見つけたものの、物資が足りない、通信できない。ほぼ初対面の9人のサヴァイヴァル、という、「15少年漂流記」と「11人いる!?」をまぜこぜにしたような設定。
   ただのサヴァイヴァルでもきついのに、学校側からのチャレンジとして帯同したメンバーの義妹が聞いた謎の言葉から、この班は「一斉殺処分」にされる予定だったのではという疑惑を彼らは共有することに。ドロドロでギリギリの大冒険になってしまった9人の行く末は!?

   親の側からの事情も描かれ、同じ高校の生徒以外にもこのメンバーの共通点:一斉殺処分されるべきなにか、があるのではと思わせます。もう、その辺がウマイウマイ。あとになってみれば、これも伏線、アレも伏線。

   それでも、高校生の男女が一緒に生死を共にすれば、憎み合ったり疑い合ったりばかりではない。お互いのこころの傷を見せていたわり合ったり、乗り越えて輝いて見せたり、もう、青春っていいわねぇ~としみじみ。

   青少年向けっていうのはね、こういうの、こういうのを言うのよ! おっぱいの大きい女の子だしとけばいいってんじゃないの! 出てますけど。すごいリアルなグラマァーさんだけど。でも恥ずかしい、わたしなんかってむっちり系内気な女の子のたたずまいがほんとリアルぅ~。そんでもって頭がよくてきびきびしていて、トロトロウジウジしている人間が許せない系、もちろんルックスもAクラス! の女の子もまたリアル。この年頃だといるよね、無駄に尖ってる。おかあさん無駄ってそんな。でもこの年になると思うもの。あなたそんなにツンケンしててどうするのって。自分もそうだったなあと思うともう埋まりたいけど、それはやっぱりあの年頃の女の子としてはあるんでしょう。

   そういうああ~セイシュン! な感じがもう必読と思いましたのよ。うん。買わねばなるまい! 

   

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