2008年7月15日 (火)

「アイシールド21」 日本の生きる道

   最近の我が家の流行はこれ。
   「アイシールド21」原作 稲垣理一郎 村田雄介。週刊少年ジャンプで時々ある、特定のスポーツを流行らせようという企画からの作品に見えますね。原作担当者もしっかりついているようで。取り上げられているのはアメリカンフットボール。まーねー。ルールとか難しそうだし、全然グローバルじゃないし。はまると面白い球技らしいですが。ほとんど予備知識なしで読み始めました。タイトルのアイシールドとは、ヘルメットにつけた目を覆う透明板。主人公の瀬那くんは最初正体を隠した覆面選手で、必ずこの目を隠したヘルメットをつけていたことによります(21は背番号)。大昔ふうにタイトルをつければ「覆面選手21番」。ああ、なんか全然違う雰囲気。

   さて、少年漫画の役割とはなんでしょうか? 将来の日本を背負って立つ青少年少女いけないおねえさんに、健全(?)で安価な娯楽を提供することに違いはないんですけれど、もうひとつ、あるべき人間の姿を学んでいってもらうと言うこともあるのではないでしょうか。日本の今の若年層は、あの「ドラゴンボール」その他ジャンプ方式の漫画で「今は憎い敵だけれど、未来には頼れるチームメイトになって一緒に戦ってくれるものだ」というノーサイド将棋マインドを学んだんだと思うんです。間違っても、恨みを千歳に伝え残し、最後の一人まで敵を殺し尽くせとは決して思ってないと思います。グローバル化した国際社会において、それはそれで尊い心ではないですかね?

   「アイシールド21」の主人公は気が弱く、長いパシリ(気の弱さから使いっ走りをさせられるいじめられっ子)生活を送るうちにひとの間をすり抜けてダッシュしてお使いをさっさと済ませる術を会得してしまった新高校一年生です。その神速のダッシュ力は、しかし生来の気弱から体育の時間などでは発揮されることはなかったので、今まで埋もれていたという設定。それが、部員2名で細々と活動をしていたアメフト部の鬼才、蛭魔に見いだされて覆面選手、アメフトにおいてボールを持って逃げるポジションとして活躍するというお話。

   このヒルマがねー。
   つんつんに立たせた金髪、吊り目に尖った鼻、牙のような歯、尖った耳にはピアスと意図的に悪魔のようなスタイルを貫いております。ニッポン国だというのに重火器を持ち歩いて何かと言えば乱射、口にするのは「ファッキン~」「YA-HA!」、悪魔手帳に管理した学校の内外の人々の弱みにより人を支配し、アメフトにおける甲子園大会のような「クリスマスボウル」出場を夢見てあらゆる手を打ってくる文字通りの悪魔なわけです。
   しかしながら、「一生に一度スポーツに打ち込んでみたい!」と、勉強漬けの生活から2年次にしてアメフト部入部を志した雪光を、東京タワーの展望室まで歩いて氷を運ぶという根性試しの入部テストにおいてその根性に免じて「ひとかけらだけ氷が残っていたから合格」と恩情を掛けたり、アメフトの練習試合で賭をし、負けた相手チームを「奴隷」にしてこき使いながら、大会前には練習もあろうと解放したりと、
   (もしかして、実は結構いい奴なんじゃ?)と思って読んでいるうちに、連載の長い作品でよくある読者による登場人物の人気投票で、一回目2位、2回目1位を取るほどに読者の支持を得てしまっているのです。
   読者の目も節穴じゃありません。

   冷静になってよく見ると、次々現れるライヴァルたちが恐るべき体格・身体能力を持っているのに比べれば、ヒルマは体格・身体能力、ともに凡人レヴェルです。チームメイトたちさえ、セナをはじめ、野球部補欠からの鞍替え組、キャッチングで日本一を目指す雷門や、ひとの良さからいいようにこき使われる陸上部の主将駿足石丸、「カス」からの脱却をめざすもと瀬那をいじめていた不良3人組、体格を補うパワフルさの小結、家の事情で休学していたキッカー武蔵……と、多士済々(まーこーゆー漫画は普通そうだ)なのを見た後では、ふと疑問を感じさえします。

   しかし、この泥門(でいもん。チーム名がデビルバッツなど、このチームはいろいろ「悪魔」的イメージを持たせてある。少年漫画の主人公が「悪魔」ってところがスゴイ)高校チームの快進撃の原動力は司令塔の彼、ヒルマだったのでした。
   いかなる危機的状況でも、現有勢力から有効な作戦を編み出すその頭脳と粘りには敬服します。
   いや、今はその夢のクリスマスボウル挑戦中らしいのですが、その結果より彼が部活を引退した来年のこのチームが心配なぐらいです。別物のように弱くなったりして……。いいのか、この大会に優勝とかすれば大団円でお話自体が終わるから。

   さて、ここでわたくしがはたと思い至りましたのが、実は主人公より身体能力に劣りながら、主人公その他を支配して夢を実現させんとしたそのヒルマの行き方であります。

   

これが日本の生きる道よ。

   狡い、非道といわれながらも、夢に向かって最大限努力し続ける。生まれながらの体格の不足を恨むことなく努力して必要な能力を身につけ、自分の持った能力、優れた頭脳を最大限に駆使して持てる力を最大限利用する作戦を立案し、実行させる。

   狭く貧しい国土しか持たぬ日本が生き延びる道も、ヒルマの取る道に近いのではないでしょうか。

   そして、その努力し続ける孤独な姿を支持する読者がのべ4000人ほどもいたぐらいには、日本のことを評価してくれる外国のひとも現れるのではないかと期待したいわけです。  

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2008年6月27日 (金)

「図書館戦争」 12 

   なんか、初っぱなからオリジナル展開でした。

   前回、茨城の美術館出張警備の終盤、原作では地元の人に取り押さえられる筈の仏像図書館長を取り押さえるのが堂上教官&郁に改変されてた所から。

   炎の中に倒れ込んだ堂上教官、怪我としては軽傷、ただし、ショックで全く外からの刺激に反応しない人になってしまって。
   うつろな目でただベッドの上に坐ってるだけなのです。
   郁の嘆きはいかばかりか。
   玄田隊長も、危機は脱したものの、まだ意識は戻らず。

   良化隊がわには死者も出たそうで、図書隊のやり過ぎ、とマスコミは批判します(もともとそのマスコミは良化隊べったり、というはなしだそうですが)。「国に逆らって」という文言がとうとう出ました。設定では、良化隊は法務省の下の組織、図書隊は地方公共団体の下の組織なので、どっちも合法組織なんですけどね。良化隊が中央を押さえているのでマスコミがわは図書隊の味方をしづらいというところでしょうか。免許のこともあるし、と、放送局のがわの事情は4巻「図書館革命」で詳しくやってたかな。

   

死者、出てたっけ?
   それは、ちょっと引くなあ。
   安保のデモで女子学生が亡くなったって話は、すいませんその頃生まれてなかったか幼稚園児だったので単なる情報としてしか知りません。
   当時の方は、かえって盛り上がったのかな、保身というか、そこまでするものか、と引いたひとはいなかったのかしら。
   機動隊側で死者が出てたら、やっぱりニュースでこういう扱いされたかしら? 当時はそんなにワイドショウが過熱報道してなかったですかね? 「3時のあなた」はもうありましたか? そういうネタを取り扱ってましたか?

   「こちらにだって犠牲は出ているのに!」といきり立つ郁、例によって正論で解説する小牧教官。取材攻勢に麻子様もげんなり。

   稲嶺指令は淡々と引責辞任の支度。目覚めた玄田隊長を2階級特進させたりして(俺はまだ死んでない! というところに地味に笑ったり。でも、刑事ドラマとか、軍隊ものに慣れてないと、2階級特進=殉職って分かんなくて笑えないかな? きっと、コミック版は親切だからその辺注釈入りますね)
   「期待してますよ。図書隊最初の女性司令になりたいんだそうですね」と、麻子様をビビらせたり。
   「相手に死者が出たからやめるんじゃありません。水戸分隊の弱体化を見逃していたことの責任を取るんです」という最後の言葉が潔かったです。

   続く図書隊バッシングにも、堂上教官は目覚めない。気の利く小牧教官から、郁に託されるのは「学生時代に感動したっていってた本。読み聞かせしてあげて」って、「坊ちゃん」かい! 坊ちゃんの突撃シーンの、えっと、「無法で結構だ」? 開き直りの言葉に、赤線が引いてあったりして。……イマドキ、本を読んで、感動した部分に赤線引っ張りますか? 古本屋に出せなくなるし、わたしはしません。出さないけど。しぜん、心に刻んで、何度もそのシーン、その言葉を目指して読み返したりはしますけど。
   例えば、「影武者徳川家康」で、あれだけ叡智を凝らし、骨身を削って作り上げた元和厭武が破れようとしているあたりの主人公のニセ家康の徒労感、「俺達が必死に作った平和というものを、若い世代は生まれながらにしてある、おもちゃのように思っている」というくだり、戦後世代に引っかけているのだろうと哀しく思います。
   さて、堂上教官の愛読書、「2冊は検閲対象だから気をつけて」って、あとはなんて本なんだろ? 
   「走れメロス」の方が、辛らつな人なんか「あんな本が推薦図書だなんてどうかしている。メロスは街の噂だけで王の命を狙ったテロリストだ。しかも、私的な理由で友人を身代わりに立てた利己主義者だ」とか言ってます。結構うなずけるものがあったな。「ジャチボウギャクの王を除かん」とナイフを手にする主人公って、やっぱり検閲対象?

   郁がマスコミにマークされ、病院の出口でとうとう捕まります。図書隊の隊員としてコメントを求められるのです。しかも、生放送で。
   もみくちゃになって、本を取り落とす、それを、キャスターが踏みつける。顔色を変えて拾い上げる郁が、怒りを爆発させようとする……。
   ストレスが頂点に達した郁、失言をして隊のみんなを窮地に追い込むかと思いきや、ギリギリのところで「怒りを理性で抑えられるように訓練しろ」と諭す堂上教官の姿が蘇り、郁は冷静さを取り戻すのでした。

   

進歩してるよ!

   図書隊の身分証明書をかざし、図書隊も合法組織であることと、その記章のカミツレの意味するところを語った郁は、なんとか基地に帰り着きます。TVをみていたいつものメンバーは、叱るかと思いきや、「言いたいこと言ってくれてスッとした」そうで。

   TVの力ってスゴイ。その後は、郁への励ましのお便り、支持。そして、カミツレの鉢、鉢。これを堂上の病室に持ち込んだ郁……手伝いの人々は気を利かせてさっさと去ります。約1名を残して。
   「他にすることないか? 俺今日非番だから」……手塚、空気読め! 耳を麻子様に引っ張られて連れて行かれちゃいました。ま、ここはこれでいいかな? 完全に主導権握られてますね。

   お花畑のようになった病室に2人きりになった郁、物語のはじめから回想しつつ、思いを告げます。うわ、少女漫画みたい。この際、「王子様」なんだし、お姫様のキスで魔法が解けるのかと思いましたよ。それはなかったけど。
   それでも、まだ堂上は反応しない。また、郁の目から涙がこぼれます。でも、もうそれをぬぐってくれるひとは……ん?

   

手が動いた!?

   何度も作中繰り返された、郁への頭ぽんぽんが、ぽんぽんが、復活した!

   え? と怪訝になる郁の目の前の堂上の目は、もう光を取り戻していたのでした。

   

ハッピーエンド♪

   良かった、良かった。

   良化隊との関係は今まで通りだけど、一般市民の理解が得られてきたということで、明るい終わり方なのかな。

   かなり刈り込んで、その分足した辺りがちょっとあやしい感じだったけど、ま、いいカンジだったのではないでしょうか。詳しくは原作を読もう! と言うことで。あ、DVDのCMは2人の掛け合いが作中とおんなじノリで、笑っちゃいました。8月6日発売だそうで。おまけで作者書き下ろし短編が付くって……どうしよう!

   

コミックの方が楽しみだわ。アレとか、アレとか、どういう風に描いてくれるのかしら。

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2008年6月20日 (金)

「図書館戦争」 #11

   茨城県展の入賞作品がメディア良化隊を激しく批判した内容、しかも、制服を破るという制服を着る職種にとっては誇りを汚される手法だということで、その作品及び展覧会を守るという任務に出張している郁たち図書館特殊部隊でした。

   激しくお役人気質の現図書館長の、利敵行為に等しい後ろ向き政策のおかげで能力も士気も下がりまくってた茨城の図書隊も、タスクフォースの皆さんの特訓で少しずつ使い物になるレヴェルになってきているようです。
   しかしながら、玄田隊長の脅しが効いたのか、このままでは出世の道が閉ざされてしまうと視野狭窄に陥った感じの図書館長がちょっとヤバイカンジ。原作だとこの辺、県庁の方にライヴァルがいて、彼女の方が決定的に先んじるという情報がはいってさらに追い詰められる、ような記述があった気が。でも、一晩で一気読みした本の内容細かいところまであんまり突っ込まないようにしよう。後述の赤っ恥もかいてるし。

   打ち合わせの最中、電話が入って席を外す手塚。
   作戦行動中の相手にメイルを送る麻子様とか、この作品はこの辺がチョット疑問。わたくし携帯が普及してからはお勤めをしておりませんので、今現在の職場での携帯電話のモラルがどうなっておりますか存じませんが、結構戦う公務員として公の、しかも命に関わる職種なのに携帯電話が野放しになっておるような。そんで、作戦行動中の連絡も携帯でやってるし(甲府の帰り道事件参照)。一人一人に武張った通信機を支給するより盗聴対応などのしてある携帯を支給するという方(たしか原作中には記述があった)が現代としてはスマートなのかも知れませんが(通信機能以外が充実してるからな、最近は。その昔のSF的漫画でロボットを動かす特権階級だけが持つ情報端末、通話、計算機能の他にスケジュール管理もできてなんとゲームもできて……としてさも得意そうに見せていたメカ、いまじゃ子供も持てる普通の携帯の方が高機能になっちゃってました)。そんなに勤務中に自由に電話のやりとりってしていいものなの?
   手塚にかかってくる電話は手塚兄からのことがあるから(実際そうだった)、情報提供者との接点として優遇されてるのかもしれませんけど。

   手塚兄からの電話は、茨城県展について。図書隊の弱体化についても、良化隊がわはやり過ぎと思ってるらしく、今回の展覧会も上層部ではそんなに事を荒立てるつもりはないらしい。しかし、制服を汚された、と思った実働部隊の方の怒りが治まらず、初日、その作品だけへの攻撃ながら、激烈なものになることが予想されるとのこと。
   ふーん。
   制服スキーっていますもんね。大学のサークルの演芸会の出し物でも、すばらしい車掌の制服を嬉々として出してきた鉄ちゃんがいました(それは鉄だから!?)

   その情報を淡々と開示する手塚。法務省の方からもそれを裏付けるように同内容の「宣戦布告書類」が正々堂々届いたそうで(この書類、作中で、なんて言うんだっけ? 小田原のときもファクスで送ってきたとか。この辺がルールを守ってドンパチのゆえん)。

   留守の図書基地では、麻子様が書類をまとめて報告しています。
   「やはり茨城の市民団体は良化隊と裏で繋がっていましたか……」稲嶺指令の憂いは深そうです。現場の士気が下がるから、このことは内緒にね、と言われ、麻子様の出番こんだけ。

   情報を基に土嚢を積んで防衛ラインを築きます。
   こんなモダンなきれいな美術館に、ホントに鉄砲持った人がやってくるんでしょうか。
   時間で区切って、それまでに入り込んで展示物を「見られなくしたら」良化隊の勝ち、守りきったら図書隊の勝ち、というわけでしょうか。
   そんな物騒なところに、その問題の作品を見に来るお客さんがいるのでしょうか。
   巧妙な愚民化政策と先日は申しましたが、どっこい、正化年間の市民の皆さんは自由を、芸術を希求する心が強うございますね。
   ドンパチやって壊れた公共の建物を直すお金はどこからでるのかしら。それなりの防衛力を備えた図書館をいくつも建てて、これは実は内需振興策?
   その辺も攻めたらこれはとっても毒の効いたパラレルワールド小説になってたでしょうなあ。

   実はラヴコメですから。

   休憩時間となり、郁は堂上教官を温室に誘います。図書隊の象徴、カモミールの花が咲いているのです。業務部に押さえつけられてても、「苦難の中の力」という花言葉を心の支えにしている図書隊員がいて、世話をしていたのだろうと。だから、茨城の図書隊も絶対、成立の理念を思いだして立ち上がってくれるだろう、と。
   これ、原作では訓練中に先に郁が見つけて、手塚と入ってみてカモミールを見つけ、その後で堂上を誘うんだったとおもいますが。郁(と手塚)にとっては異性でも単なるチームメイトなだけですが、よそ目には男と女なんだから、そんな、二人っきりで入っちゃいけません、業務部にイヤガラセをされてた時期だから、また面白くもないことを言われたりするかも、と原作を読んだときには気を揉みました。気の回しすぎ。でも、図書隊でもよその班はきっと、(いーなー女の子いて……)ぐらいのことを思ってる人はいたかもよ。堂上班はみんな紳士だ。

   お外に差し入れを買いに行った小牧教官、コンヴィニで出会ったのは……良化隊の、あの帰り道事件で出会った小隊長のようで。オリジナル展開です。
   2人とも、肩を並べて、手には栄養ドリンクを一杯に詰めた袋を提げて、歩いてます。
   「プライヴェイトだからって、良化隊と図書隊が口を利いちゃまずい」とか正論マンは言いますが、
   「別に構わないだろ」って。
   「俺は頭のいい人間は好きだ」たしかに小牧教官は頭の切れるひとですが、それをこのオジサンが知る機会は……始発列車の車内に本を隠して安全裏にその場を離脱させたトリックを指してるのでしょうか。
   「今回は下の連中はいきり立ってて凄いぞ。小田原より激しい戦闘になるだろう」って。このオジサンじしんは、良化隊の思想とかに共感をしてるわけではないそうで。
   「うちのやつらはみんなそうだ、出世欲、生活のため、あんたらみたいに理想に燃えてる奴はいない」って。おや、知りたいと思ってた敵の内情、こんなところで明かしてくれますか。
   「じゃあ、こっちにくればいい。うちの上にも前良化隊だったひとがいる」これは、あの方を指してますね(原作本文で未確認なので名を秘す)。ところが、
   「俺はコネ入隊だから無理だ」って。
   オジサンも辛いよ。
   「明日には殺し合う間柄」とかいって、分かれ道で2人は別れます。正論マンであるところの小牧教官は、ほんの数分言葉を交わしたからと言って、「その時は正々堂々」とか、甘いことを言ったりしません。手すら挙げず。ただ別れたのでした。

   時間が来て、良化隊が突撃します。バスを盾にふさいだ入り口に、あのいつものヴァンをぶつけて突破します。あ、転倒した、炎上した。
   たしかにこれはすごい。
   武装した良化隊がわらわら出てきて、発砲しながらとりつきます。
   手塚は進藤一正と狙撃部隊へ。
   ここが赤っ恥シーン。
   進藤一正が狙撃されて、手塚がそれを(郁の指示をもとに)フォローするのはここだったよ。曖昧な記憶で偉そうに語るのはやめよう。失敬、失敬。
   「がんばって。高所恐怖症の狙撃手さん」
   「……もうそれは克服した」苦虫100万匹圧殺。今は切れる情報屋の美女の方が怖いそうです(嘘)。

   時間切れが迫り、良化隊のムキになること。図書館側(こちらには、作品の写真を載せた展覧会パンフレットが収められてる)に展開していた勢力も交えて押してきます。そこに怪我して倒れてる自分の同僚を、踏んづけて、押しのけて。もう、尋常じゃない目のいろで、郁は応戦しつつ考えます。
   (あんたたちの、そうまでして守りたいものって……?
   状況が悪化、「敵」が純粋に「図書隊員をたたきのめすこと」を求めてきているとの判断から、
   「各員、自分の命を守ることを優先すること」との指令が下ります。
   車の上に上がって銃を撃とうとする良化隊員を目にした郁、とっさに……機関銃ですかね? すいません武器に疎くて、を乱射。さすがに「死ね!」とは言いませんでした。
   「あたしの仲間を倒させない!」だったかな? 撃ち尽くして、パニック状態のまま弾倉を替えようとして、手が震えててそれが入らない、なんど合わせても、口が合わない。堂上教官がそれを持ってやる。進藤一正のかわりに狙撃部隊に上がった(視点が上)小牧教官から「笠原士長の撃った良化隊員は引いた模様」と、殺してない旨無線連絡が入る。「弱装弾でフル装備の相手を撃ってもそうそう死にはしない」と、堂上教官も請け合って。……やっぱり気を遣われてるなあ、女子一期生。

   とりあえず取り決めでの終了時間が来て、守りきった図書隊の「勝ち」。安堵の皆さんですが、さらに追い詰められたのが仏像おばさん(ひとの容貌をそういうふうに言うのやめましょう)。あんた何持ってますか!? めざとく見つけた堂上教官と郁は後をつけます。

   「守りきってくれてありがとう」と、にこやかに玄田隊長をねぎらう知事。おや、こちらは大年増ながらおきれい。そこへ、負傷して屈辱にまみれた良化隊員がひとり、手に銃を持ったままふらふらと歩み出ます。
   「お前達が認めない入賞作は俺の後ろだ! それでも撃ってみるか!?」
   玄田隊長の挑発に、壊れ良化隊員は弾かれたように撃ち尽くします。それを、両手を広げてみんな受け止めて、これで終わり、と倒れ伏す隊長。
   弁慶じゃないんだから。よしなさいよ。

   ここんとこで、原作の「話せばわかる!」と最後までブチブチ言って、こんなおおげさな銃撃戦にして、我々は銃の前にも身を投げ出して非暴力を訴える、と図書隊を詰ってた市民団体の皆さんが、銃をみたとたんにすたこらと(女性の知事をつっころばして!)逃げちゃったという痛快シーンは、なんで削ったんでしょうねえ。やっぱりまずいの? 

   さて、もはやあとがない図書館長。
   「こんなものがあるのがいけないのよ」と、図書館側に収めたパンフレットにとぷとぷとなにか液体(灯油!?)を掛け……ライターで放火!
   火の中で、アンタのその態度がいかんと詰る堂上教官とつかみ合いになり、駆けつけた郁に堂上は叫ぶ、
   「笠原! 館長を確保!」よい子は上官に従います。そこへ燃え上がるパンフレットの山が崩れ……
   「教官!」

   以下次週! 最終回? 

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「図書館戦争」 #10

    心が通じ合った予感を見せながら、とうとう原作3巻(4冊の原作のタイトルの順番がどうしても覚えられない。内乱は3冊目でいいんだっけ?)最大の事件に到達しました。
    茨城県の美術展に入選した作品は、良化委員会を批判するメッセージ性がアリアリ。これを展示する予定の展覧会に良化委員会の検閲や、賛同団体のイヤガラセが行われることを防ぐため、関東図書隊に助っ人の要請があります。色めき立つ図書隊タスクフォースの皆さん。一人泡を食ってるのは郁。

    茨城は郁の故郷なのです。

    故郷に錦は飾れ……ません!!

    観光バスと見まごう大型ハイデッカーを連ねて移動するタスクフォースの皆さん。……すいません、金網を張った機動隊の灰色のバスを想定して読んでました。郁の無知による間違った処置で手塚がつぶされてしまうエピソードはやっぱりカット、普通にシートに座ってました。横で何事かつぶやいている郁に苦言を呈すると、郁はカバンに入り込んで(ソレ無理だから)、
    「お願いこのまま宅配便で送り返して」と任務を全身で拒否しておるのです。

    ギャグシーンに野暮だとは思うけど、毎度仕事/任務に対する態度があまっちょろすぎるんだよなあ。

    手塚もむっとしておりますが、そこへ携帯に着信。

    

麻子様だ♪

    「茨城はすごいことになってるわよ」と、情報をくれます。その情報収集能力に舌を巻きながら、
    「俺も、兄貴からの情報は全部お前に回すから」とまだまだ仕事仲間の線を逸脱できない手塚。くれぐれも気をつけて、と重ねて言うのに、自分の心構えを試されたようでいらつくようなもの言いで返して切っちゃって。
    「無事に帰ってきなさいってことじゃない」と、携帯をしまいつつ不満げな麻子様、これは脈有りでありましょうか。

   茨城の県立図書館(&附属美術館)にたどり着きますと、プラカードを持った市民の皆さんがお出迎え。そのひとたちは……
   「暴力はなにも生み出さない。図書隊はまず話し合いで解決しろ」って。暴力を先に振るってくるのって、良化隊なんですけど? 良化隊には同じことを言ってるんでしょうね? その辺を玄田隊長も突っ込んだんだけど、はかばかしい返事はなく。
   「茨城県立図書館がヒドイ」というのは、良化隊の影響化にある市民団体が非暴力とかもっともらしいことを掲げて図書隊の活動を掣肘しておるということでした。
   原作だとこの辺、図書館長が県のお役人としての出世をイロイロ考えておって、そこを市民団体(良化隊)につけ込まれて、「在任中に武力衝突を起こさなければそれは業績」と後ろ向きな方策を採ってしまったことによる、などなどお役人事情も描いてくれてたんですが。図書館を単なる出世の途中の通過点としか考えてない人で、使命感とかは全くない「お役人」。今までの「行政側」ともちょっと違うかな。かくして図書隊は骨抜きにされ、県立図書館は良化隊のいいようにされてしまっておったわけです。敵に勝つのって、正面からの武力行使だけじゃないんだなあ。
   そんなこと、我らが玄田隊長が許すわけもなく。
   次回予告にあった怒号はこのシーンのものでした。
   ネットでは「脳内お花畑」とかよく揶揄されてますね。「話せば解る」式の、暴力を嫌う考え方の人たち。わたしも、自分が殺されたくないから自分も人を殺さないという論理は解るし、正しいと思ってきたんですけれど。でも、じっさいそこを踏み越えて、殺す気で詰め寄ってくる人に対するにはどうしたらよいか。自分も身を鎧うことが必要になるという考え方、やっと解ってきたところです。現実には、誰をも殺さず殺されないのがいいに決まってますが。
   茨城の図書隊長の方は、そういう図書館長に押され気味で、ここまでの弱体化を許してしまったことを玄田隊長に責められてましたが、
   「何度も中央に文書を書いたのですが、館長に握りつぶされました」って、今まであれだけ風通しの良い雰囲気だったのにいきなりここだけバリバリにお役所だし。頭越しにSOS出すことってできないの!? あんたはアホですか?  紙に書いて上司がはんこ押したことじゃないと受け入れて貰えないってどこの山羊の世界ですか? 104で稲嶺指令のおうちの電話番号聞けば?(公開してないだろう、さすがに)
   図書館長が仏像パーマで白毫ぼくろもあるおばさんというキャラクター造形はやり過ぎを感じましたが。かえってやり手っぽい年増美人でもよかったぐらい。原作では女性だったとしか覚えてませんが。

   お荷物(武器類)を降ろす手伝いもしてもらえないとかいう細かいネタはカットで(地味に、自分たちで荷下ろしをしているカットと、武器は自分で管理した方がいいですよという弱腰な助言と……こっそり弾薬を水浸しにされたりとかするんだろうか?)。

   実際の隊員達が受ける冷遇はそんなもんじゃなかったのでした。

   女の子で一人だけ寮に仮住まいさせてもらう郁のことを堂上教官は気遣ってくれましたが。
   入るといきなり化粧の濃いきゃぴきゃぴの業務部(麻子様のような制服の、図書館サーヴィスを担当する方の職員)のおねえさんたちがお出迎え。笠原さんは女性初めてのタスクフォース配属の期待の星ですからお荷物お持ちしますって、おや、好待遇じゃないですか……って、
   「きゃー重ぉい!」と、わざとらしく階段の上から荷物を放り出す。
   「ちょっとぉ、ゴミ放置しないでよ」と、それをあからさまに足蹴にする。

   ベタな展開になって参りました。

   この辺は気持ち悪くて、細かく書き記すのもイヤです。

   あわてて飛び出てきた野々宮ちゃん(原作でも郁のお世話に付いたメガネっこちゃん。麻子様の出番が少ない分のコラボメガネの担当も兼ねる?)たちが、非常に済まなそうに自分たち図書隊の人間は寮では冷遇されてるのだと語るのでした。食堂に並ぶのも後、お風呂も洗濯も後って。
   これが逆ならまだ解るけど。体張ってるのはあたしたちよって感覚。じっさいそういうことされたら怒りますけど。でも、肉体労働して汗もいっぱいかくのは図書隊の方だよね。先に入りたいでしょう。そこを、だからあたし達が先に入っちゃお風呂が汚れるでしょう、という乙女らしい遠慮ならゆかしいと思えたのに。
   上の人間が図書隊を冷遇して、もしかしてふつうの市民の感覚さえ、ドンパチの好きなおかしな人たち、無駄飯食いとか、そういうふうに思うようになってるからこういう扱いになるのでしょうか。
   そこまで行かなくて、単に、この人達は弱い立場の人、だからこういうこともしちゃいましょうというじつに志の低い感覚の表れと見ました。郁に対する程度の低いイヤガラセを、かろやかに笑いながら行う姿は心の底から恐ろしく、また気持ち悪かったです。

   この辺は、この回の脚本家さんは女性だろうなと思うと確かにそうで。
   情けないけどうまかった。

   郁の洗濯物が濡らされるという事件は、「何かあったら俺の携帯を鳴らせ」という堂上教官に頼るところ、そして、その郁を連れて二人っきりで車でコインランドリーへ行くところ(そりゃ異性と2人きりはやばかろうとは思いましたが)、改変されてました。

   怒り、屈辱、悲しさに押しつぶされそうなときに、この人を頼ろうと電話を掛ける原作のシーンもよかったのですが、1人で洗濯物を抱えて歩く郁に教官が気づいてくれるアニメの演出もこれはこれで良かったかと。

   さらに、郁の弱点、図書隊勤務を秘密にしている両親のことを聞き出され、密告されてしまうのでした。

   嗚呼、陰湿。

   いきなり乗り込んできた郁ママ、「帰りましょう。こんな仕事やめなさい」って。仕事をなんだと思ってるんですか。ああ、うちの母もです。わたしの帰りが遅いと言って会社に文句を付けた過去を思いだして胃が痛くなりました。
   ママ、郁をひっぱたくし。
   それが驚いたことに、郁もママをひっぱたき返すし。
   「あんた」なんて親のことを呼ぶし!

   ……ちょっとさすがにどうかと思いましたが。
   堂上教官はこの対処も素早かったです。別室にママを引っ張っていって、郁にはパパへ連絡させます。
   「お父さんなら解っていらっしゃる」この前の両親訪問のとき、お願いされてましたもんね、男同士は通じ合っていたみたい。

   駆けつけたパパを前に、衝撃の事実が告げられます。
   「あなたはそうやってまた郁を死なせるつもり!?」

   小さいころ、パパのうっかりで崖から落ちた郁は……
   「ハゲを作ってしまって! 女の子なのに! 3針も縫って!」いや、今は表面何ともなく見えますが。
   そのために、それからママは郁に女の子らしく、女の子らしくとうるさく言うようになったのでした。……兄貴3人というネタは封印された模様。ま、今は描いてられないか。

   やっと両親と和解する糸口をつかめた郁でした。

   寮の業務部のイヤガラセにも
   「あたしが中央に帰る人間だってこと忘れないようにね」といやな笑顔で圧力を掛けます。「茨城の業務部の非協力的行為については報告させてもらうから!」って。この辺、野々宮ちゃんの開眼と、針が逆に振れない健全な関係正常化宣言は胸がすっとしました。

   さて、実際の戦闘は来週。
   あと2回? 3回? これで着地点はどのへんになるのでしょうか?

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2008年6月 8日 (日)

「絶対可憐チルドレン」 エスパーはガキンチョにジェントル

   「絶対可憐チルドレン」椎名高志。この春からアニメ化で。虎美が早起きしてTVの前に正座して見ていると思ったら。とむ影さんに原作をお借りして読んでみました。

   面白かったぁ。

   超能力者が人口の一定数現れるようになった近未来(でも少数)、能力に応じてランク分けされた超能力者達は、低レヴェルの者は能力を抑える器具を身につけることで日常生活を送り、高度な能力者は政府機関に登録されてその能力を生かす仕事についていた……と。

   で、最高レヴェル7(これが地震の震度とリンクしてるのが地味におかしい)の能力を持つのが「ザ・チルドレン」と呼ばれる10才の少女達。念動力の薫に瞬間移動の葵、サイコメトリの紫穂。これがまた生意気ながきんちょたちで。だって、子供のくせに(くせにって敢えて言っちゃうよ)そんな高い特殊能力を持ってるといえば当然思い上がったりしがちなのに、ただでさえ生意気な小学校高学年の女の子! それが3人も!

   主人公皆本君の苦労いかばかりか

   これは、名探偵コナンにも通じる「大人達はおれ達のことを子供だって言うけど、子供だって結構ものは解ってるし、大人なんかよりずっと能力があったりするんだぜ」というキモチを根幹に持ってるお話作りですよね。いやそのキモチじたいがお子ちゃまの専売特許なんだけど、自分にも身に覚えがあるからイタくもほほえましいわ。

   超能力者は一般社会に受け入れられておるわけではなく、能力を悪用して犯罪を犯そうとする超能力者だけでなく、差別を恨んで超能力者による「悪の」超能力者組織を主宰し、「ザ・チルドレン」を勧誘しようという魔の手は迫るし、一般人側からも、超能力者を排斥しようとする急進的組織も存在してテロ行為を行ったりもするようで。なかなか作中の世の中は騒がしいようです。

   というわけで、3人のカワイイ超能力者ちゃんたちにもみくちゃにされるグウェンダル型苦労人(「今日からマ王」の登場人物。美女の尻に敷かれて心身共に苦労させられる)皆本君のエスパーアクションコメディなのですが、ややビターな味付けが。

   超能力というと予知能力も有名ですが、彼らについては予知があり、そのイメージを皆本君じしん、能力者から見せられています。それは、未来において、能力のない一般人との共存を拒否する「悪の」超能力者組織の「女王」として3人のうちのひとり、薫が皆本君と対決する運命にあると言うこと。そして、決定的な事態は避けられず、悲劇が待っていることになっているのでした。

   予知を回避しようと「ザ・チルドレン」を「まっすぐ」育てようとする皆本くんですが、周囲は「じゃ、恋愛関係に持っていけば離反しないかも」と能天気に焚きつけるし、本人は、身近な年上の異性の理解者ということで一応の好意は持っているらしく、おませだったり、でもやっぱりまだおこちゃまだったりとそっち方面でも毎回健全に(?)ドキドキさせられます。

   でもさーやっぱり、まともな大人がいねぇよ。

   皆本君はIQ180の天才という設定で、20才なんですよ。ま、サンデーだし。あんまりお兄さんでも読者の共感が得られないと。「ザ・チルドレン」の3人に対しては大人として振る舞いますが、組織の中ではまだ下っ端なわけです。時折、その「天才的頭脳」を活かして作戦を練ったりもしますが、どちらかというと青臭い、自分も天才児として疎まれた過去から彼らの心に寄り添おうとする優柔不断な若造主人公のスタンスです。
   彼らの上司が、3人娘を猫かわいがりするあまり数々の暴走をしでかす困った大人代表で。この人がいるから3人娘はエスパーものにありがちな非人間的扱いは受けないんですけどね(一般職員などが、無意識に恐れる行為を取って傷つけたりということはある)。
   さらに、同じ組織の女子高生エスパーの上司と来たら、彼女を自分の理想の女性として育て上げ、ゆくゆくは妻にという野望を持っているスケベ中年で。なにかっていうとその女子高生エスパーに対する執着を全開にしちゃうし、全然尊敬できねえ(彼の名が「谷崎一郎」で、女の子の方が「ナオミ」ちゃんなんだから国文科ごころがうずくったら!)。
   皆本君の友人の、サイコメトリ(接触することにより相手の心などを読む)能力を活かして医者をやっている賢木も、不遇な子供時代を送った分、同じサイコメトリの紫穂に気を遣ったり漠然とうらやんだり、でも医師としての倫理感はちゃんと持ち合わせていたり、なかなか複雑なところを見せますが、基本、女好きだし。

   旧日本軍の超能力部隊として活躍しつつも、終戦と、「将来、一般人に仇なす組織を作る」という予知のため殺されかけた過去を持つ兵部も、まともな大人とは言えないでしょう。超能力でテロメアをどうこうしているとかで、容貌は美少年のまま、悪い意味の子供っぽさを残したまま暗躍しています。薫を超能力者の指導者として期待し、惚れ込んで、何度も勧誘に来ますが、皆本の命を救ったりと、決定的に薫(や読者)に嫌われるようなことはしない、憎めない悪役の線を保っています。彼もまた戦争の中で少年期を過ごしたためか、超能力者の疎外感を掬い上げるのが上手く、いつもは入場を断られる彼女らのために遊園地を貸しきりにしたりとなかなかジェントルです。

   その兵部のもと同僚、こちらは体制側の超能力者の元締め、蕾見管理官は……。こちらは他人の若さを吸い取って自分のものにできるため今も20代の若さと美貌を保っております。予知の内容も知っており、彼らの将来を心配しながら……でも面白半分でやってるようにしか見えないし。かなり強引にマイウェイ派です。能力や経歴は尊敬できても……。

   かろうじて尊敬できそうな大人は紫穂のパパかな。警察庁のエライさんで、実の娘といえど10才の女の子を血なまぐさい捜査に利用するところは皆本君に苦言を呈されてましたが、配慮すべき所はきちんと配慮していたように見えます。

   能力があり未来がある女の子達を、周囲の大人がやや良識を逸脱しつつも温かく見守っていこうとしているのが解るのでじつに読んでいてうれしくなる作品です。彼らならきっと、予知を破って幸せな未来を見つけてくれると信じられます。

   余談。

   読んでいてすぐ気がつくのが、主要登場人物の名前が源氏物語から持ってきているということ! 主人公の皆本君は字こそ変えてありますが「源(みなもと)」ですよね。薫ちゃんは「明石薫」明石の上と薫、チルドレンの残りは「野上葵」で葵の上と「三宮紫穂」で女三宮と紫の上。ちゃんと源氏の正妻&子供を産んだ女性が入ってます。
   甘い上司の名前が「桐壺帝三」って、マンマだし。
   スゴイのが、「末摘花枝」ちゃん。「末摘花」っていや~ブスの代名詞なのに、なんでこんなカワイコちゃん……? と思っているとスゴイ裏があったり。
   「悪」の超能力者兵部京介は、「兵部卿の宮」でしょうねえ。ケッサクなのが、彼にひろわれて忠実な従者をやってるのが「コレミツ」。
   ふつうのおこちゃまたちでも、紫穂ちゃんに交際を申し込んできた少年が「火下」くん、葵ちゃんに来た方がが「黒木」くんで、これは合わせ技で髭黒大将? 
   大物で出てないのは藤壺(いや、蕾見不二子が解りにくいけどコレか?)、花散里、六条御息所、夕顔ぐらいですかね。
   あとは、章段のタイトルで賢木、ほたるに澪(澪標)。宿木や初音ってのもありませんでした? と、国文ごころがそそられるのでありました。

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2008年6月 6日 (金)

「図書館戦争」 9

   

ラブコメだったよう。

   王子様の正体が判って大混乱の郁、ところが、悩んでる暇はないのでした。昇任試験がやって参りました! 原作もこの順だったんでしょうか、もう忘れた。ネタバレになってしまって未読の方失礼しました。

   

手塚兄からの手紙を取り合って大技炸裂のシーン、冒頭でなかったからまごつきました。次回予告では手紙を取り合う絵じたいはあったと思ったので。それは、試験勉強を始めてからに移動してました……。いやそれは背負い投げじゃなくて大外刈りだったんじゃないかなあ、おかあさん旦那様に実演してもらってまでしつこく食い下がって調べたから(聞くなよ)。ホントに山猿ちゃんなんだから。よく堂上も愛想を尽かさないもんだ。
   でも、この作品はここがミソなんだからなくしちゃ困ります。

   いったい、高校生の時から6年越しの憧れのひとに、王子様の正体という最大の秘密(を郁が知ってしまったこと)がばれちゃこまるからって大外刈り(でも背負い投げでもいいから、ここは)かますかァ~!? どんな乙女だ!? そんな乙女がおるか!? って、いますここに~~~!!
   という爆笑モノのでもきゅんきゅんする恋バナなわけで。

   日本国の中で二つの合法組織がドンパチやるっていったいそれはどういう状況!? とか、そんなにその場所を取りたいならミサイルでも武装ヘリでも持ってこいとかあの堂上の行動は戦術的にはアホすぎるとかそういうことを論争する作品ではないのですと と う と う 制 作 側 も 出 し て き ま し た。

   前回ぐっと接近した方の2人も、手塚は手塚で「なんで今年に限って実技が『お子様に読み聞かせ』なんだ~!?」と麻子様に泣きついておりますし。あれだけ初登場時つっぱらかっておった手塚も、郁や麻子様の前では弱点をさらけ出してわめいたりできるようになったのが成長というものなのでしょうか。なんだかしみじみ。

   今回はらぶこめだ~。

   で、面倒見の良い堂上教官、郁の困惑も気づかずに昇任試験の勉強をみてくれるんですね。

   意識しまくった郁が角砂糖を無数にぶち込んだコーヒー(正化三十一年でも職場に角砂糖があるようです、あっちの世界は。さすがパラレル)を飲まされた堂上教官の、
   「お前の前世はクワガタか!?」は良かったな。
   頬を染めた郁(そして堂上教官)が何度もでてきておりますが、本当に今回は絵がきれいで、見ていて楽しくはあったです。ああいうほんのりとした色は、昔のセルアニメではなかったと思いますから、これはCGならではの表現なんでしょうね。セルにこだわるクリエイターの話しか聞いたことがなかったから、この先日本のアニメはどうなるのかと思ってましたが、今日のこれを見てCG化も意味があるのか、としみじみ。

   あ、そこで、ポケットから落ちた封筒を見て、「見せてみろ」となって、前述の背負い投げ炸裂シーンになるわけ。
   で、無用に完璧美形(この回このひと恋バナに無関係なのに力を入れて美形)な小牧教官が相談に乗ってくれるのですが。

   

天を仰いで(王子様の正体を)無言で認めるシーンがカットだったよ。
   なんだっけ、「(手塚兄って)子供っぽい嫌がらせが好きな人だね」だっけ?

   わたしゃ原作のそういう細かい小牧教官の脇役っぷりが好きでしたが。
   こういう細かいところが好きでねちねち覚えてるタイプはやっぱり原作を手元に置いて、引っ張り出しては読んでる方がいいんでしょうね。

   「話を聞いてもいいかな?」から場面が切り替わって肩を並べて外を歩いてる間に、全部郁が話しちゃったことになってました。

   で、「堂上教官に嫌われてるんですあたし!」という短絡にはフォローを入れて。

   なんだか今回から堂上教官もカワイイです。郁のために要点ノートを作ってくれていて。それを小牧教官に指摘されると赤くなってて。しかも、変質者のような格好をしてまで女子寮に忍び込んで郁に届けようとするし。
   集中できずに勉強が進まず、夜逃げを決意した郁に誰何され、お約束の展開になってましたが。

   なんかもう開き直ってらぶこめしてるカンジ。

   「この作品はらぶこめです! ラブコメなんだよ! 固いこと言うなよらぶこめなんだから!!!」と拡声器使って叫んでる印象を受けます。いいよそこまでしなくっても。

   で、手塚パートでは、手塚は麻子様の配慮でお話し会の手助けというかたちでおこちゃまに慣れさせてもらって。それですぐ何かを掴むところが手塚の優秀な所よね。

   あっさり三十分のうちに試験の日はやってきます。今回ドンパチはありません。ラブコメだから(しつこい)。前日にイヤガラセで良化隊の殴り込みがあっても面白かったのに(オニ)。いやかえってそのぐらいあった方が、もう双方本来の意味を見失ってるってことを印象づけるために良かったか? さすがにそれは原作者が許さない? 
   勉強の合間に見回りやってるふつうの図書隊の顔見知りなんかと挨拶したり、ハイポートやってる遠景ぐらい入れたらどうよ。ホント堂上隊の4人(+1)しか描いてないよな、原作と言い。寮生活で昇任試験の前なら、食堂で仲のいいもの同士ノート広げてたり、ロビーでも立ち話しながら問題出し合ってたりとか、なんとかサンもう3回落ちてるから必死だって噂してたりとか、「試験前!」な雰囲気が欲しいぜ。きれいすぎる、あの世界。

   

実技はあっけなかったです。3人分は一応何をやったか、どういう評価か、ぐらいは押さえてあったけど、その他の、「かえって上手すぎてもダメ」「キャラクターものの絵本に頼ってもダメ」とか、「札付きのこどもコーナー利用者におしおき」ネタ、そして「ここしかないというタイミングで電源を落とす」工作にすでに手塚が使われているネタがカットされたのがおかあさん的には一番惜しい!
   郁の「実技はトップクラス」も、試験勉強をしながら図書館の外をネタを探してウロウロする前振りがあるべきだったと思います(原作ではあったと思う)。突然葉っぱ出してこられてもなあ。番組前半で「読み聞かせ」と言ってしまってるのに、狭い意味で読み聞かせてないじゃん。「必ずしも読み聞かせでなくても、制限時間内子供を集中させること」という原作ではあった定義を出してないし。と、突っ込みどころイロイロ。いや、人の作品を要約するのは難しい、と。

   ま、いいか。3人とも受かったし。
   で、郁と堂上のお勉強シーンで出てきた「カミツレ」のアロマオイルをお礼に渡し、
王子様からは卒業します」ときれいに締めます。それに対する堂上教官は、「今度カミツレのお茶を飲めるところに連れてってくれ」とデートへのお誘いとも取れる発言で返します。赤面する郁。

   ああ、どんどんラブロマンスになるよう。

   いや、これでいいんだ。

   って、次回予告、これは茨城出張へのイントロですな?
   ドズル兄さん玄田隊長が吠えてるってことはどの辺までやるんだろう?
   今回から3巻内容に入ってるってことは、あと1ヶ月でゆっくり茨城事件をやると言うことかな?

   とりあえずは出発前日、郁が手塚をつぶしちゃうエピソードを期待(でもあれ真似る人が出ると危険だからカットの可能性高いな)。

   この先麻子様の出番が減りますね。オリジナルで頑張ってくれるんでしょうか?

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2008年5月30日 (金)

「図書館戦争」 8

   「未来企画」というカルト(?)に引っかかって図書館員にあるまじき行いをやっちゃった同期の砂川、奴はあろうことか共犯に郁の名前を挙げちゃったのでした。郁に査問の魔の手が襲いかかります……!

   ここへ来てやっと「原則派」と「行政派」との対立について言及がありました。って、あれだけで判ったかな~? 具体的に稲嶺司令の名前は出たけど、前の図書館長が行政派だったとか、それが具体的にどう原則派の敵なのかとかいうところがまたすっぽり抜けてました。

   で、査問のねちねち感は……あんまり感じなかったな。ここは、かえっていやらしい生徒指導の先生のいる中学生、高校生とかの方がリアルを知ってるかも知れません。何を言っても悪く取られるとか、権威でおっかぶせられるとかいう無力感、屈辱感……すいません、わたし楽して人生渡ってきて。そう言う目にあったことないです。
   「今優しくしちゃイヤです」が無かったなと思ったら、気を抜いたところでありました。そう来るか。でも、原作を読んだときの「きゃ~いやっ!!」というラヴコメ感は感じなかったかなあ、そう言えば。コミック版ならイヤと言うほど感じる(まだ1巻だけど)ドキドキ感がないですねえ。

   麻子様はいやにたくましく動いて情報収集したり、郁のフォローをしたり。手塚は本当に兄ちゃんが出てきてからは可愛くなりましたね。感情をむき出しにして、
   「お前が二度言わすか!」と堂上教官に叱られたり。イヤホント、図書隊は上下関係が緩いよ。

   さて、「これからきつくなる」という日常の孤立感がやっぱり出てなかったなあ。みんなの集まってるところに入るとさぁっと静かになる所。そうでなければ不自然に人が散ったり。食堂のシーンはそういう積もりでしょうがそういうふうに読み取れませんでした。ああ、ここの寮は洗面所は部屋にあるんだ。お風呂や洗濯機は共同らしいですね、洗濯場は麻子様の情報操作シーンがありました。どだい、原作からして麻子様とでなきゃ堂上班のひとたちとべったりで、他の隊員と(タスクフォ-スにしても、館員がわの女性にしても)交流あるように描いてなかった気がするし。砂川じゃなくってもね。やっぱりもうひとりぐらい名前のある脇役出しといて欲しかった気もします。この辺がもともと食い足りないところだったので、アリバイのようにあげつらっておきますか。わたくしも悪じゃのう。

   そして、煮詰まってきたところへ手塚兄からのお誘い。麻子様の男子寮への突入、
   「笠原をどうしてくれるんですか!?」の啖呵。
   原作では朝比奈事件で郁をとても大切に思ってることを出していてくれたから、ここの(やや)暴走が生きるんでしょう。やっぱり、あちらを削ればこちらが立たず。人様の作った作品を削るのは責任重大。この前のオリジナルエピソードでのメイル20件事件なんて、アリバイにもなりゃしませんて。ホラー見て怖いときの心の支え? 女の友情ってそんなお軽いもの?

   手塚兄の勧誘は、なんだか簡単でしたね。いや、簡潔に内容を述べていて、原作どおりだったんだか刈り込んであったんだか。郁の「でも10年も待てません、読みたいのは今だから」っていうのは、「感情で動くから頭のいい人間の論理を吹き飛ばす力がある」という、この場に限らずもしかして物語全体のコンセプトなのかも知れないけどなんか浅い感じがしてイヤ~な気持ちになりました。手塚兄が「負けたよ」と言ったのは皮肉だったのでしょうけど。
   感情で「未来企画」を否定し、参加を拒んだ郁、さらに、「あなたはエサにすぎない。本当に欲しいのは光」という本音をも切り捨てます。
   「実の兄に可哀相なことをされてる手塚をこれ以上傷つけるなんてできない

   初対面以来あれだけいやな思いをさせられた手塚に対してよく言えるよ。

   今はいい友達で大切な班の仲間なのかもしれないけど。

   

山猿恐るべし。

   いや、わたしだったら根に持っちゃうよ。ここでそこまで心の傷に寄り添ったりしないよ。

   ここで初めて(初めてかい!)郁を見直しました。

   二重に恥をかかされた(さらに高そうなレストランに乱入されてもう一重ね恥かいてるかな)手塚兄の方はすごい最後っ屁をかましたんですけど(いやだこういう人間)。

   「高校生以来の憧れの王子様が上官の子に野暮なコトしちゃった」云々。
   鈍い郁、すぐには意味を取れません。この間がよかったな。そして、お約束の、
   「え~~~~~~っ!?」で、引き。

   こういうことまで調べられてるんですか? イヤだなあ。

   郁が無罪放免になって、朝比奈氏に引導を渡す麻子様、
   「あんたたちはあたしの逆鱗に触れたのよ」は良かったんだけど、ああそうか、同僚の策略がカットになったから、「嫌いになるならそういう俺の関知しないことで嫌いにならないで」が抜けて、そこで麻子様がそれもそうだ、と一瞬見るべきモノとまで思わないまでも判断留保するエピソードが無くなったわけですよね(だからアニメだけ見ていては麻子様の恋にハラハラしない。論理の方の交流をなくしたぶんアニメでは富士山をきれいと見るかどうかという情動に持ってきたのが不発だった模様……わたしだけ?)。
   朝比奈氏は麻子様を情報部員候補生と見なして近づいてきてたわけですが、この辺が扱いが浅くなってました(どうも麻子様に参っちゃった朝比奈氏は、麻子様が情報部員である可能性は低いと虚偽の報告をしちゃうのですが、カット)。
   でも、麻子様が「情報部員候補」であることはしっかり言及され、「任務で寝るのも抵抗ない」とまで……ワァオ!。そう、用心棒手塚もちゃんといて話を聞いてました。そして、二人して秘密を交換して。にーちゃんのプレゼントの捨てられない高い腕時計を質入れして飲みに行くことになったのでした。うん。複雑な2人、仲良くなれ!

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2008年5月25日 (日)

永遠の18才

   昨日猫科のひとたちとアニメを見ておりました。

   やや年増のおねえさんが、ヒロイン(?)を連れて逃避行をしてました。冷静で、戦闘力も高く、香水なんか持ち歩いててお、と、な、なカンジ。でも、原作はジャンプの漫画だからあれで実は19才ぐらいだったりするかも知れません(主な対象は小学生という建前なので、あの雑誌の登場人物は相当「おにいさん」や「おねえさん」でもいいとこ25才までなんだよね)。

   「がんばれ~おねえさんまけるな~」と思わず応援してしまって。

   ハッと気がついたらわたくしは彼女より倍ほども年上だったりして。
   ま、いい、心は永遠の18才なのよ

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2008年5月23日 (金)

「図書館戦争」 7 びみょ~にネタバレ

   

体調激悪。それでも見るモノは見ます。早寝早起きするんじゃなかったの、と自分に突っ込み。いや~、明日からします。

   オリジナル展開になるかと思われたアニメ版「図書館戦争」、今回はイロイロ盛り込んでます。
   オープニングで柴崎のことも「美しい少女」とかいってて、さすがにそれは郁に「23にもなって少女?」って突っ込まれてました。まだ夏服着てたと思うけどな、もう誕生日来たのか。原作では2巻に入ってたからもう年を取ってておかしくないんだけど。
   この原作って、もしかして、1冊で1年分ですか? ハリーポッターみたいに。一気読みしたからその辺は細かく見てなかったなあ(もっとじっくり読む癖付けましょう)。ま、ザル読みしてるから何度も読み返してその度に発見することもあって楽しいんだけど。

   さて、前評判通り、レファレンスを口実にエリート公務員にナンパされる柴崎の話。

   けっこー割愛されちゃってましたね。

   美人の柴崎を、自分の片想いの相手が好きなのを知って、露骨に(いや、柴崎以外の人は気づいてないらしいんだけど)嫌がらせをしてくる同性の同僚とか。
   この辺のドロドロは、わたし自身あんまり経験がない女性の微妙なところだけに原作を読んでてイヤ~な気持ちになったところです。意外と作者はこういう女性の陰湿さを出してきたりしますね。3巻、茨城での図書隊内部の嫌がらせとか、「塩の街」でも、ご近所の主婦が真奈の留守宅を荒らすところとか。わたしはそういうことは「あってはならないこと」以上の認識を拒否してしまうので、じっさい周りにあったとしても知らないで通って来ちゃいました。だから友達いないのかな? 林真理子とか、刺激が強すぎて読んでられないのかな? 人間として問題かも知れません。だから、文中に出てきても逃げたりしないで読むようにはしてますが。実際はこんなもんじゃないのかな? どうですか、女性としてちゃんと高ストレスなお友達づきあいをやってこられた方?

   それに絡めて、なにやら犯人の人権的にヤバイ情報が週刊誌に掲載されてしまって、それを収蔵した図書館が、今度は利用者にそれを閲覧させるかどうかを図書館員の方で判断させられる話。これも、最近は時々あることなので、こういう事態で図書館が困ってるって思いもしなかったから目新しかったのに。この辺丸々カットでしたね。郁ちゃんのドンパチ生活に絞っちゃったのかな、そりゃそうだ、全13話だもんな。不満。

   レファレンスについての小ネタ、百科事典はインデックスまず使いましょうよという話。
   図書館に関わるドンパチばっかり取り上げられますが、この作品は、細かい図書館の使い方、問題点を拾ってネタにしてるので、読んでてほほうと思ったんですが。読み聞かせのとき陥りやすい問題点とか、子供コーナーを託児所代わりにする困った若い母親とか。こういうところをカットされるとまたアニメだけ見てあら探しする人に良さを解ってもらえないと思うんだけどなあ。残念です。柴崎がデキル図書館員であることを朝比奈氏(&読者)に印象づけるいいエピソードであったとも思うので。

   残ってたのは、同期の砂川が辛口過ぎる書評サイトを図書館の公式HPからリンクしたところで図書館員の肩書きでやってた話。自由をはき違えるな、権威を振りかざすなというところがこの先どう発展していくのかな。

   その砂川が、巡回中の郁と手塚を呼び止めて荷物運びをさせる伏線。あー。朝比奈氏もそうですが、もっと美形だと思ってました。朝比奈氏はそれこそ小牧教官をもっとキラキラ~としたカンジ。柴崎と並んで釣り合う容姿ですもん。「いいスーツが似合う