2018年1月31日 (水)

「元カレが腐男子になっておりまして。」 同人界のスパダリ

   最近はツィッターやら投稿サイトで細々描いていた漫画が話題になると、出版社がどんどん積極的に後押しして単行本化していくみたいです。それが巧く軌道に乗ると「オタ恋」みたいにアニメにもなる。でもネット連載化、単行本化したところで息切れして、あの話、続きを全然見ないわねと思ってる作品も結構あります。アレとかアレとか……カエリちゃん、おかあさんは続きを熱烈希望しています。

   さて、おかあさんがピクシヴで見かけて早速ブクマして何度も何度も繰り返し読んでたのが「元カレが腐男子になっておりまして。」麦芋。同人活動もしている社会人の桃ちゃんがある日アニメイトのBLコーナーで見かけた成人男性はなんと高校時代の元カレだった!? 
   あっちの趣味を隠しつつままごとのお付き合いを始めた頃、うっかり買ったばかりのBL本をその彼、片倉くんのうちに忘れて行ってしまってきまずくなって自然消滅した過去は同人友達の同僚幸音ちゃんにも笑って話せる過去になっていましたが、まさかその本を手にとって見た片倉くんがBLに目覚めてしまおうとはお釈迦様でもッ……!?

   ……ありえねえけど萌えたよ。

   まさかの再会&カミングアウトで2人は熱く語りあってしまって、付き合ってた頃よりよっぽど熱い気持ちを共有できたけど、まさかそれで元鞘なんて、有り得ない! そのままさらっと別れた……らまたできすぎな偶然が彼らを出逢わせたのでした。

   ……ありえねえよ。

   って第1話は笑い飛ばせたんですけどね。
   話はラヴコメとして元鞘方向へいかなかったんだ。いやどうなんだろう、くっついてくれたらそりゃうれしいけどさ。

   今のイケメン商社マン片倉くんのお気に入りの同人作家はなんと桃ちゃんだったことが判明。嬉しい半面絶対カミングアウトできない! と「キャッツ・アイ」か「名探偵コナン」かという自分の前でもう1人の自分についての熱い想いを語られてしまうというくすぐったいというかもう作家冥利に尽きる幸せが描かれ始めるのでした。

   いや、自分がサークル参加するイヴェントに、
   「行ってみたい、作者さんに直接会って本を買ったり感謝の気持ちを語りたい!」とシッポ振って(ありません)語るわんこ系イケメンに頬を染めながらも大汗かいて、
   「来ない方がいい」「買い物なら代わりに行ってあげるから」と必死に止める桃ちゃん&幸音ちゃん!!!
   「アフター? しようぜ」と、イヴェントのあとでお友だち同士集まって戦利品を見せ合ったり感想をあつく語るというファンならではの夢を叶えたいという片倉くんに付き合ってあげて、抑えていたものが堰を切ってあふれ出す様を微笑ましく見守ったり、(覆面)作者側として身の安全を守ろうと必死になったり忙しい桃ちゃん&幸音ちゃんの苦労がお疲れさんというか羨ましいというか。

   やっぱうらやましいぜ。

   そういう「誰も知らない知られちゃいけない」系のラヴコメ的要素もキュンキュンでしたが、わたしとしては、自分が表現したものに対するあつい思いを抱いてくれているファンが目の前にいる、自分が注ぎ込んだものをそれ以上に受けとって評価してくれている、目の前でそれを率直に表現してくれる、……しかもそれは過去に自分が憎からず思っていた異性で、現在のスペックも高いってのはもう、表現者の幸せフルコンボじゃないかなと思いましたですよ。
   ハーレクィンでもめったにないスーパーダーリンですよ。

   単行本書き下ろしも結構あって、これはお値打ちというかわたしにとっては尊い本でありました。

   そんでもって、衝動買いで黄金週間にイヴェントの代わりに行った海外旅行で「運命w」の出会いをした幸音ちゃんの方は。
   運命を物理的に創ったシルヴィオと仲良くしてください。彼もまあおたくとしてはスーパーダーリンだな。幸音ちゃんの小説で日本語読めるようになるとイイね。

   いやーほんとにね、オタ話のできる友って、社会人以上になると貴重。片倉くんがはっちゃけた気持ちも解る。でも泣くなよ。社会人が。街のカフェで。
   …………でも、意外とどこにでもいるのよね。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2018年1月 2日 (火)

M書房より幾星霜

   あけましておめでとうございます。

   それでは近況を少し。
   近頃はお買い物に息子付いてきてくれないので、徒歩15分の山越えを虎美と長電話して凌いでいます。
   「こないだ『世界ふしぎ発見』がアブシンベル神殿で、ラムセス2世だったの!」
   「あれは嫁好きが有名だから必ず自分の像には嫁の像ついてるんだよな」
   「うん!」
   「もしかしてFATEにも出てくる?」
   「オジマンディアスって名前! 当然お妃エピソードもあるよ!」
   「FATEはオリエント好きやなあ」
   「その他の時代も出るけど……ネタ切れ?」
   「まあ良かろう。それで歴史好きに門戸を開くのであれば」

   「それでミイラの鼻には形をキープするための詰め物をしたんだけど詰めたものは何でしょうっていう出題が出て! 黒柳徹子も解らなかったんだけどあたしなんかお母さん買った漫画で読んだなーって覚えてて正解した」
   「正解は?」
   「胡椒だった! おばあちゃんも一緒に見てたけどちょっとドヤってしまったわ」

   「それは良かった。しかし母は覚えがないぞ」

   「えーQ.E.D.かC.M.B.か『最後のレストラン』だと思うけど」
   「ううむ母も虎美も読む蘊蓄ものといったらそれだが記憶にない。『最後~』で胡椒が攻略アイテムだったのはカエサル回。ミイラ関係なかった」
   「え~じゃあなんだっけ?」

   だいたいそういうネタを漫画で知るというのはいい加減恥ずかしいんじゃないのか。昔は取材もしないでいい加減に書くことが多かったから漫画のネタを真に受けるなんてバカにされたもんだが。これはあれだ、民明書房からだな、いい年をして嘘蘊蓄を真に受けるやつが出たのは……それに比べたらイマドキは調べ物も楽になったから漫画書く方もいろいろ大変になって……。

   「『最後のレストラン』読み返したらクレオパトラ回だった。あたしの記憶力凄い」
   後日本人から連絡はいりましたけれども。読み返してみたら、コマのうしろの小ネタとして小さい字で描かれていたところで、こんな細かい所まで読んで覚えてるってどうなのと娘の読解力というかなんというか漫画を隅々まで楽しんでいる所に感心しましたですよ。作者も冥利に尽きることでしょう。さすがの黒柳さんの予習にも引っ掛からなかったのね。

   ってことで、作者も精魂傾けて描いてますので読む方もそれだけ真剣に読まなくちゃいけませんね。また、そういう濃い作品、期待してます。今年も!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 9日 (土)

「吸血鬼すぐ死ぬ」 やさしい世界

   はまった。アッチの意味でも。ごめんなさい。

   「吸血鬼すぐ死ぬ」盆ノ木至。
   吸血鬼退治人(ヴァンパイアハンター)のロナルドが男児が行方不明との依頼を受けて向かった古城(埼玉県所在)に住んでいたのはドアに挟まったぐらいで死ぬ虚弱な吸血鬼だった!? というギャグ。単行本の見返しには毎回「この巻でドラルク(主人公吸血鬼 )は何回死ぬでしょうか? 答えは○○ページ」というクイズがあるというガチ設定です。第1話だけで12回死んでます。やんちゃ小学生に脛を蹴りつけられたり、「思ったよりブサイク」とズバリ言われただけでスナアアアアアという擬音付きで塵と化してます。

   このなんだか可哀相な吸血鬼ドラルクは第1回目でお城を吹っ飛ばされて死ぬんですが、みごとに復活して第2回目から退治人ロナルドくんの事務所に押しかけてきて同居が始まります。あれだ、古き良き時代からの日本のまんがの王道、「異世界からの友人と同居」もの。「ドラえもん」も「オバQ」も「うる星やつら」も「ああっ女神様っ」も。いや後者2つを入れたのは意味あるよ!

   ナイスコンビネーションの2人が恋人同士になったら面白いよねという2次創作がね。捗る。

   ほんとスイマセンごめんなさい。

   でも、わたしのいつものパターンで、ロナルドくんがオスカル様みたいな男装の麗人だったらとおもうともうワクドキで! だってプラチナブロンドでブルーアイズの正統派美形なんだよ! 真っ赤なジャケットにカウボーイハット、白パンツにブーツで百発百中のガンマンなんだよ! でもお世辞に弱くてすぐ真っ赤になっちゃうの。これでお姉様だったらもう最高でしょう! (性癖隠さなくなってきた。ほんとすいません) 虚弱なために一族を離れ遠く埼玉の古城でゲーオタ暮らしのドラちゃんと運命の恋に落ちないでどうする!

   ビッグウェイヴ来ました。一週間で5本書いたかな。

   そういうまちがった解釈をしなくても、この漫画は深いです。

   ギャグの疾走感! これでもかという小ネタの詰め込み具合で2度読み3度読みが楽しい! そして、大切なのは、ギャグなのに言葉がきれいなんです。

   2巻で登場する吸血鬼にナンパされたと思って逆に追い回しちゃう女性、希美さん(手塚御大の「ドン・ドラキュラ」にもそういうキャラいましたよね)は、やはり物語の典型としてあんまり容姿に恵まれていないんですが、そういう彼女のことを「……すごい容姿の女性」とか「女傑」とかいっちゃうけど、容姿に恵まれていないことやふくよかすぎることを端的に示す言葉を使ったりは絶対しないんです。まあ、リアクションは普通に強烈にいやがって逃げてますけど。

   そういう優しさがある。

   もうひとりの主人公ロナルドくんにしてからが、「ハンターは人気商売」といって外聞を気にするというのもありますが、荒っぽい仕事の常として「チクショー」とか「クソッ」とか言ったりはしますが、関係者にものを頼むときは必ずそれでも
   「お願いします」とちゃんと言ってるんですよね。
   この物語は第1話、物語の発端のドラルク城迷いこみ少年をはじめ、小学生達が逞しいですが、そういう生意気ボーイズにからかわれたりしても、
   「チクショー忘れてよ」とあくまでお願いしちゃうところが人間としてちゃんとしている。
   そういうところ、作者さんのちゃんとした感覚がうかがわれて好きですね。
   そしてロナルドくんはそういうやんちゃ小学生のことも悪い吸血鬼の謎光線から庇って大変なこと(ほんっと心が砕かれる笑)になったり、ハンターなんてかっこばっかりで一般人を守らない、おれ達がやってやるとムチャしちゃうヤンキーくんのことも庇って怪我しちゃう。
   そういう地道にちゃんとヒーローしているところが大好きです。
   ドラルク始め、吸血鬼達にからかわれたりヒドイ目に遭わされても、敵に出逢うと銃を抜いて一撃で解決してしまうあたりは「ワンパンマン」のサイタマ氏みたいで。

   まあ、場所が新横浜になってますんで、日本の宗教的にゆるゆるな感じもあるんじゃないかな。西洋の、「神に逆らうもの」という性格が根底にある吸血鬼ものとはちがって、食べ物や生態がちがうなんか別種の生き物、河童とか天狗とかみたいなノリで吸血鬼達のことを捉えている感じ。ハンターたちも、よくよく見ると吸血鬼のことはぶっ飛ばしてページの隅にやってるけどあとで神奈川県警の吸血鬼対策課という架空の部署や研究所に引き渡してるようで、殺しちゃってる様子は見えません(そして再登場してお馬鹿キャラになってゆく)。

   この作品では、神に、人間に敵対して脅かそうとしているから絶対殺して排除しなくてはいけないっていう感覚じゃないんですよ。まあ、ギャグだけどさ。ここんところがキリスト教の影響ない日本ならではって感じよ。同じ日本の吸血鬼ハントものでも「ヘルシング」は作者さんキリスト教系の学校でガチで教育うけたらしいんで、アレはああなるらしいですが。

   そういうやさしい世界観で、いろいろ迷惑をかけてくるムチャクチャな存在と、それを退治する方の個性的なメンバーのドタバタを楽しむ作品であります。面白いよ!
   まあ、絵も綺麗で、ハンターや吸血鬼対策課のお兄さんお姉さん(それから吸血鬼たち)が見て楽しみというのもあります。

   1巻出た時点で波多利郎さんにおすすめされてて読んでたのに、ふーん、面白いけどって流し読みで。7巻まで出たところで落ちた感じ。どうもすいませんでした!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月 4日 (土)

オジサンよ余技を磨け

   波多利郎さんから貸していただいていた「あかぼし俳句帖」がめでたく大団円を迎えたことをやっぱり書いとかないと。

   ほぼ窓際族だった某自動車会社のバツイチおじさん、明星さんが小料理屋で出くわした美女に釣られて俳句にはまっていくお話でしたが、俳句の会の楽しい仲間に加え、中盤から敵役が登場して、読む方も冷や冷やギリギリになってきていたんですが。
   この敵役が、勤め先も自動車会社(こっちが大手らしい)、部署も広報と同じ、しかし才能はこっちがあるみたいで、初っ端から取上げられたりして華々しい結社デビュウを飾っています。それまた、謙遜するでなし、ガツガツ、ツンツンしていてもうほんと後ろから殴ってやりたい! 絵に描いたような敵役で! ガンバレ明星さん、そういう、句会で点を貰う、雑誌に取上げられるという方面じゃない俳句の楽しみ方をいろいろ味わって、豊かな趣味人生を見せてくださいよ、でも句会であいつをギャフンと言わせてもほしい……と手に汗握って(表現が昭和だなあ)ページを繰っていたら。

   敵失(相手のエラー)で願いが叶った……?

   微妙です、合同句会において、たしかに敵、要氏は自信満々、
   「私の自信作に点が入っておらんのです」って手を垂直に上げていうんですよ。

   WAO! SO BRAVE HEARTED!

   心臓マリモだわ。わたしにもできませんこんなこと。
   その自信作がこれ↓

   新緑の脚線美乗せカブリオレ
                            要

   いやーわたしもこれカッコイイって思ったよ?

  カブリオレってアレだよホレ、カッコイイオープンカー。

   その昔、ホンダのシティが出たとき、オープンカー(お屋根を開けて走れる軽快なスポーツカー)もあったんだけど、それを「カブリオレ」って言ってて、その時に覚えたの。金沢は雨の多い土地柄、それでなくても冬はどうすんだって、車道楽の父もとうとうオープンカー系は買わなかったなあ。そういう、オシャレな土地柄、ユーザーでないと購入しないという憧れがあります。
   そんでもって脚線美だよ。すっごいモデル級の美女。美女って言っても和服着たはんなり系じゃなくて、ミニスカとか、今ならレギンスとかのぴっちり系ボトムスできれいな脚を惜しげもなく見せる活動的な美女だ。季節は初ッ夏ー! うきうきする、輝く季節、くぅーッ若いっていいなあ!

   でも、お年を召した文化系の皆さんはしら~っ。
   「私、実はこれ意味がわからなかったのよ~~」と武蔵野支部の支部長熟女はば~んと擬態語付きでおっしゃる。一同同意。若いあなたなら解るでしょと、明星さんの憧れのマドンナ、スイさんに振っても、

   「ごめんなさい
    カブリオレって
    なんですか?

   これが俳句の落とし穴だったのだよ。ここで要氏自爆(見苦しく感情を爆発させる様子)。
   自動車会社に勤める明星さんとライヴァル要さんにとっては名前も概念もそれにまつわるイメィジさえも共有できて、この句にはこれしかない! と思って詠んでも、他の人には全く解らない言葉だったのでした。

   うまいよね。いや作劇上の話。
   すっごいザマミロ&こりゃしょうがないや案件なんだけど、「この句はこれしかない、この言葉があるからカッコイイ」というその作者の感覚を主人公だけは理解できるってのが。ここで主人公、明星さんは敵の心に寄り添い、そして俳句の言葉選びの難しさにうちひしがれるのでした。いや、敵はぜんぜんありがたがってないけどね。ほんとイヤなヤツ。

   でも、それなりに「敵」がどんな想いで俳句に打ち込んでいるかも描かれ、ほんとイマドキの痛々しいオジサンである様子が描かれ(自分がインターネット上でどのように噂されているかを自分で調べる、どころじゃなく、ウィキペディアで自分の記事を自分が編集して公開するなんて、よっぽど自己愛強くないとできませんって!)、そこにふっと寄り添って「武士の情け」的行いをしたところから、要氏の心もほぐれ、2人は敵から「ライヴァル」になることができたのでした。

   心配されたヒロインはちゃんと彼氏との仲を深めることができ、途中から現れたお騒がせセカンド・ヒロインは行き詰まりを超えて自由律に新境地を見いだし。
   明星さんは青い鳥がすぐそばに最初からいたことに気付いて、めでたしめでたし…かな?

   そんでもって、自分ではこの言葉しかない、この言葉にこそこの句/歌の主体がある、でも他の人には解ってもらえないと言う地団駄ものの感覚はわたしもわかるので。

   眼を閉じて耳を圧する伴奏に
     我が声乗せて今 ergo sum  舞音

   Cogito ergo sum.って、哲学のアレですよ。「我想う、故に我在り」。合唱にはまっていた頃で。想うとかそういう思索じゃなくて、歌う。たぶんこれオーケストラ伴奏の曲をやっていて、あれほんとうに、音も空気の振動ですから近くで鳴ると圧力を感じます。そういう、ばばーんとおおきな伴奏に負けずに自分も声を出すと、自分というものが確かに世界に存在していることを感じる、何をやっているより生きている実感がある……そんな境地だけど、またそのころ宗教曲とかやっていてラテン語がすごく身近だったので、「我想う故に我有り」をラテン語で言ったりしちゃう痛々しい年頃だったというのも込みで。

   これを意味だけ通じるように「我存在せり」って下の句変えちゃうと少しニュアンスが違うのよというお話。べつに歌会に出す訳じゃない、自分で手帳に書き付けてにやにやするだけだからこのまま来ちゃったけど、やっぱりこのお話の通り、周囲はポカーン! なんだろうなとほんと身に沁みました。ここんとこがこの作品リアルなのよ、ほんと! きついわ。これ以上続いたらもう辛くって読んでられなかったと思う。いい頃合いでした。

   まあ、そこんところは日本の(サブカル)のお家芸、本気とかいて「マジ」とルビを振るがごとき対応もできますけどね、でも、句会も、歌会ならなおさら、朗詠するという側面もあるので、正式な所では有り得ない技巧というか逃げでしょうねえ。そんでもってサブカル命のおかあさんはそういうの大好きなんだよなあ。これは禁じ手として脱却していかないといけないんだろうなあ。

  まあそういうことで、「Shall we ダンス?」で役所広司(役名忘れた)が社交ダンスに目覚めて人生が変わったように、オジサンも仕事ばっかしてないでお稽古ごとをしてみればいいんだわ。きっと人生豊かになりますよ。明星さんみたいにお仕事の方もうまく回るようになったってのはできすぎにしても。あ、レディの皆さんもね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月21日 (土)

「天竺熱風録」 ― ナイスBBA登場 ―

   いや買いに行ったのは加藤ミステリのコンビなんだけれども。
   やっぱり書店巡回しなくなったから新刊に疎くなって。

   「天竺熱風録」田中芳樹&伊藤勢のマサラ・ロマン2巻目です!

   いやもうすごい、前の巻で脱獄した王玄策と蒋師仁(ごめん「しょう」の字拾えなかった)、謎の三面の男に見つかっていきなり大立ち回り。文官とか言っちゃって王正使どのの生き残りスキルの高いこと高いこと!
   場所がインドだけに圧倒的迫力の牛ー! 猿ー! 馬ー! そしてなんか知らん猛獣ーッ! 

   そして出ましたかわいいヒロインちゃんとナイスBBA
   そのまま読んではいけません。
    
    RIGHT
    BRILLIANT
    ARISTOCRAT

    な大お姉様です(ブライトもブリリアントもほぼ同じ意味だけども)。殿下です。高貴な女性の全盛期すぎながらも内面から麗しいたたずまいが非常に良かったです。作画の伊藤氏への尊敬度がまた上がりました。同じような顔のぴっちぴちの美少女しか描けない絵師なんかお呼びじゃないですよ、ほんと。

    高貴で聡明な方は別に自ら軍を率いて戦場に赴かなくても良いのです。時制を見極め、人を見極め、必要なときに必要な指示と支援を行えば。そういうなんでも腕力で解決するやんちゃ少年漫画ノリより上をいった感覚がグッと来ます。いやそこで鼻息荒くなるところがまだ坊やちゃんなんだけどね。読んだ当時は(すでに三十路越えだったと思うけど)いたく感じ入った次第。今も胸アツでしたわ。

   「子曰く」の中華に対して「如是我聞」の天竺。
   
   教典の語り起こしスタイルから初めて彼我の違いを説明する王正使殿がカッコイイ!
   まず自分という王があって、そして世界があるという感覚。ナットクリョクがありました。
   そういうね、代表作の「銀英伝」以来、文化ってのは日本と西洋だけじゃあないという感覚を、青少年の読み物というジャンルで教えてくれた作者田中氏をわたしは尊敬しています。

   そういう、陽は中天にあり、明々と輝いていた、あの頃の名作を、こんなに読みやすく、陰影濃く描いてくれたこの作品を、もっといろんなひとに知って貰いたいです。

   ……いや今が落日だっていってんじゃないのよ、ええと、風呂敷をたたみ始めたのよね? いろいろ時の流れを感じてね。アルスラーン最終刊待ってますからね!

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年10月 1日 (日)

「あずみさんは倒せないっ」 これはこれでアリ。

   「野崎くん」がらみでガンガンのオンラインコミックを一通りチェックしているおかあさんです。日常系がレヴェル高いです。アニメにもなった「田中くんはいつもけだるげ」とか。無事に完結を迎えた(ってことは打ち切りかい?)「ケーキ王子の名推理」とか。「高嶺の花なら落ちてこい!!」は「野崎くん」の鹿島くんみたいなキャラから発展させてできた話だと思うな。結構好き。

   今回きゃう~んとなって単行本大人買いしたのは「あずみさんは倒せないっ」鳴海けい。

    某地方のデパートのイマドキ珍しい屋上のヒーローショー(当然閑古鳥が啼く状態)の救世主は巨乳天然の美人女子大生バイトのあずみさん。敵方、悪の女帝ヴィラニア様役として熱演して、固定ファンの大きいお兄さんを呼んでくれてますが、なによりそのほんわかとろりんとした美貌と気だてがぎすぎすしたバイトのヒーロー達の心を和ませてくれるのでした。それぞれいろいろあって疲れているフォーチュンレッド&ブルー&ピンクの心もほぐれ、田舎から出てきていろいろ危なっかしいあずみさんを守るべくいろいろ奮闘してくれます。その日常を読ませてもらっていると毎度ほわほわにやにやさせてくれるのでした。

   大学のお友達もそういうあずみさんを得難いと思って尊重しているようで、ほんといいわあ~。和む。でもまあ、個々人はいろいろヘンな人だったりするのがイマドキよね。こういうみんな違ってみんないい、ちょっとヘンな所を持ってる人が、ごくふつーに日常生活を送って、それでも日々はそれなりに波瀾万丈、これが日常。無理に異世界行ったり命に関わるようなケンカしたり世界を救わなくっていいです。高度に人との交わりが複雑になっているこの世においては、ちょっとしたすれ違いをどう克服するかが当人にとってはえらい過酷なミッションになってる。だから、ほんのささいな出来事も目を留めて描くに値する。読む方も感じ入るポイントがある。今はそういうジャンルがアリになって、ガンガンはそれがある種売りで、いいんじゃないの。

   今日の所はそういう結論。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 9日 (土)

「彼方のアストラ」 行ってこい

   

刺客の正体キター!!!

   2ちゃんの当該スレでは
   「カナタの性格から本当にアレが刺客だったとしたら危険な囮役はカナタが自分で引き受けただろう」とあって、大納得!
   「それって自分が消されるだけでは?」と囮役も突っ込んでたけど。

   話を戻すと、前々回、これまでのことを回想しつつ、推理を進めるキャプテン・カナタ、とうとう仮説を立てるに至って、映像記憶能力を持つヒロイン・アリエスに確認に行くところが、夜這いにまちがわれてちょっと大変になって。
   前回では、謎の諸悪の根源(携帯型?)ワームホールに追い回されて、アリエスを巻き込みそうになったとたんにそれが消えたところから、彼は確信を抱いたわけですが……。

   刺客を引っかける2重の罠にもうドキドキ。

   カナタ、あんたウルちゃんを信頼して、アリスペードの襲撃のあとも銃を預け直したじゃん! ウルちゃんも、馴れ合わないそぶりを通してたのに、
   「アイ・イェー」って、仲間内の合い言葉を使って見せたじゃん!!

   いやー、やられた。

   多くは語るまい。行ってこい、そして見てこい。2度でも、3度でも、全話通してでも。

   ユリウス・カエサルの言葉に従えば、「私は来た、私は見た」その後には

   「私は勝った」が続くのは必然でしょう。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年9月 3日 (日)

「魔王の秘書 1」 すでに地獄を見ていた。

   イマドキはネットで広告を流し、あまつさえ数ページ試し読みさせてくれるから、書店で手にとってなんじゃこの出版社聞いたことない(失敬) ってところがコミックス出してますよね。そんでもって、大手とは違うからちょっといい値段して、お会計の時にビビリます。この本も600円でした。税別。
   バブル崩壊からこっち、ものの値段が下がってるといいますが、本だけは順調に上がってますよね。困るわ。
   まあそのぶんこっちはマイナーな面白い作品を手に取れて楽しい思いをさせて貰ってるんだけど。

   と言うわけで、いろんな所でちょっとだけ目にして、なんじゃこれ面白そうってことでとうとう買っちゃいました。「魔王の秘書」鴨鍋かもつ。いえね、ほんとは別の本探しに言ったんだけどね、そっちはなくて、こっちがあったからもうご縁だと思って。立ち読み用リーフレットも出てました。書店の方でも地味に力が入ってるのかも知れません(2017年上半期ウェブ漫画第一位 ニコニコ漫画調べ)。

   勇者がいて魔王がいるRPGの世界で、何千回めかの封印から復活した魔王が、今度こそ野望達成のために、作戦を考えた!

   「まずは人間を捕え
    魔王軍にその知能を
    捧げさせるのだ!!」

   「敵を知れば
   世界征服はたやすい!!」

   魔王頭使ってますね。ところが、さらってくる人間に婚活なみの条件をつけたモノだから、某先進国の国王秘書に立つ白羽の矢!
   
   「頑張って世界から

   人間を根絶やしに
   しましょう!!」
って秘書嬢割り切りすぎ!

   ちょっとふっくらめの(だが決してでぶではない)グリーンアイズブルネット眼鏡ちゃんは、その驚くべき割り切りぶりと有能ぶりでぐだぐだな魔王陣営を刷新してゆくのでした……。

   

えろーすな展開になりそうでならないのがイイッ!

   「我々魔物は
   人間とのあいだに
   子を成すことが
   できるのだ」と振られても、
   「お仕えしてすぐ
   産休に入るわけには
   いかないので無理です」とスパーンッと拒否。

   その後で抑圧された本能を解放する魔法などかけられても、
   「世界を征服するには
   今のままでは手ぬるいです
   人間たちをもっと
   恐怖と絶望に
   染めねばなりません」って、魔族の方がどん引き。
   「秘書の方から求めてきたら意思を尊重して……」とか言いながら汗かいてる魔王が可愛い。
   それでいてときどーき絶妙なアングルのサーヴィス・シーンがあったりもして。

   いいぞもっとやれ。

   そして魔王との間によくわかんない絆ができてしまうのか、みごとに割り切ってみせておいて、最後の最後に裏切って人間側に勝利をもたらすのか………。こりゃ楽しみだわ。この秘書嬢(名前はまだない)なら、勇者に敗れ城を追われても小言をいいながらついてきてくれそうv

    

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月26日 (土)

「カルバニア物語」 誰が彼女を止めるというのか

   虎ちゃん最近はネタバレを避けるために母のブログは全力でスルーしているそうですが。
  ごめんね
。母堪えられない。

   可愛い絵のフェミニズムの教科書
、おろかな母との相克から、女の子らしさって何? 女の子がガキ大将になると周囲全てを傷つけるの? どうして? 女性が社会進出して何が悪い、自己主張する女性になれていないおっさんとの付き合い方から自立する女性の足枷としての良識派の善意をどうけっ飛ばすか、などなどがてんこもりのおひめさまコミック、「カルバニア物語」、17巻にしてとうとう若き女王タニアが恋を自覚しました! でも立場を考えて自重するタニアに親友エキューから強力サポート! 

   「ざけんなよ
    コンラッド!!
    アポなし
    突撃は
    てめえの
    おはこ
だろうが!」

   「うちのタニアに
    このあしらい
    このままで終わると
    思うなよクソッたれ!!」

   近隣国で最強の優等生王子に向かってこれですよ。大使館の門前で。現役の女性公爵閣下が。さすが野人。そんで女王タニアに
   「このおせっかいのでしゃばり!」とかいってひっぱたかれてますが。すげーなこのロイヤル乳姉妹。

   まあたしかに先にタニアに恋して暴走中だったのはコンラッド王子の方だが。さすがに優等生だけあってところどころで踏みとどまって自重したり深謀遠慮で真心を尽くしていたわけで。

   これまで苦労に苦労を重ね、読者の紅涙を注がれてきた真面目女王タニアの恋ですから! 誰が止めるというの。ここはちょっとコンラッド引きますが、絶対立て直して戻ってきてくれるでしょう。そうでないともう許さない。

   ここは「からくりサーカス」から、最高のトリック・スターの言葉を引いて祝福するしかないでしょう。

   「幸せに おなり

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年8月12日 (土)

「月刊少女野崎くん」 違うそうじゃない

   武骨無神経男子高校生にして少女漫画家の野崎くんの高校生活を描いた「月刊少女野崎くん」ですが。前回で自分の理想の男じゃなくて女も鹿島くん(ボーイッシュ美人) であることに思い至った堀先輩、ここからどうなるか固唾を呑んで見守っていたら!


   違 う そ う じゃ な い。

   そりゃわたしは作中のカップルでは堀カシ(堀先輩と鹿島くんの関係をより注視して見守りたい)派ですが。

   堀先輩が可哀相すぎる。

   当たり前にらぶらぶカップルにしてあげてよう(号泣)。まあこれギャグというかコメディだし。堀先輩可哀相担当だし。

   鹿島くんがいろいろハイスペックなのに頭だけ残念(いや学校の成績は良いらしい)なのがいけないのか、堀先輩がプロデューサー気質過ぎるのか。あ、鹿島くんが残念なのはお胸回りもです。本人(と堀先輩)あんまり気にしてないみたいだけど。

   今月末には9巻も出るし。まだまだ予断を許さない展開です。

   そして、連載5周年を記念していろいろ作品の展開についてアンケートを採ったらしいですが、御子柴くんにだけ相手がいないのをどうするべきか(1人でいいという意見が多数派だったようだ、2次元の彼女がいるからとか、野崎くんの弟とくっつけばいいじゃないとか←オイ! いろいろ理由はあるにせよ)、作中の時間をちゃんと進めて堀先輩を卒業させるべきか、サザエさん時空で永遠に高校生活を描くべきかとか(サザエさん時空でいいらしい。まあ、5年かけてまだ物語開始時の学年の夏休みだけどな)。いや~わたしはカタツムリの歩みでも進展がほしいんだけど。堀先輩卒業イヴェントやろうよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧