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08年07月
- 青池 保子: アルカサル-王城 1 (1) (秋田文庫 20-27)
先日完結したと言うことで、しかしながら今更全巻揃える余力はなく涙をのんでいたところ、晴れて文庫として出たので買いました。手を抜かない時代考証と書き込み、重厚なストーリーの脇ににじみ出るユーモア。やっぱりこの方の作品は外れがない。 14世紀イベリア半島、カスティリア(当時スペインは未成立)王国にペドロという王子が生まれるところから始まります。父王には愛妾とその子がおり、王妃である母は日陰の存在。彼に敬意を払うのは宰相のみという寂しい幼・少年期を送ったペドロが父王の病死を受けて即位し、傀儡の王を脱して絶対王政的中央集権国家をめざすところが、庶兄エンリケらの反逆に悩まされる怒濤の一生を送るという話らしく。 教科書ではあんまり教わらないレコンキスタ初期のイベリア半島史、麗しの黒髪の青年王の詳細情報を求めて当時の乙女達は奔走したのでした(今はウィキペディアなどに詳細が載っている……哀しいけどね)。1巻は一度反乱側に捕らえられながらも脱出して再起、復讐の牙を研ぎはじめるあたりまで。2巻は10月発売とか。 (★★★★★) 高橋 留美子: 犬夜叉 54 (54) (少年サンデーコミックス)
話も大詰め。四魂の玉はとうとう復活するし、因縁絡み合う登場人物達はとうとう奈落打倒に協力しあうし、かごめちゃんは受験した高校に滑り込むし。ここへ来て冴え渡る奈落の心理攻撃。弥勒法師の右手の傷がもう限界で、次には法師じしんが風穴に吸い込まれてしまうと知ってしまった珊瑚がどうするか。りんを人質に取られながら、殺生丸は必殺の剣を振るえるのか。って、まだ終わらんのかい! (★★★★★)梨木 香歩: 西の魔女が死んだ (新潮文庫)
今年の新潮文庫の100冊、2冊読んだらプレゼントは時代を反映してエコバッグ。そんなにヨンダちゃんは好きじゃないのに買いたくなるのは夏休み前だから? 中学校に行けなくなってしまった「まい」が、母方の祖母である外国人女性と暮らした日々のお話。魔女の修行と言っても、往年のマイバースディ誌でやってたような白魔術っぽい話ではなく、多少のハーブは出るにしても、もう少し哲学的な、気の持ちようとかいった精神的修養の話でした。スローライフなおばあちゃんとの生活に引きこもるのではなく、その教えを基にストレスの多かろう都市の生活に戻っていこうとするところが面白いですね。 (★★★★★)獣木 野生: 蜘蛛の紋様 2 (2) (WINGS COMICS パーム 31)
今度の表紙はマイケル・V・ネガット少年。世の真理を見透かすような冷たい目をした少年でありますが。このシリーズ各章にちりばめられていた彼らの悲惨な過去を一応時系列に編集して見せてくれるこの章、こういうことだろうと予想は付いていたり、どうしてこのシーンのようなことが起きたのだろうと想像を巡らせていたこちら読者のがわの日々も懐かしく思い出されるのでした。大河とはこういうもんよ。最初にこのシリーズを知ったときは大学生だったなあ。 (★★★★★)波津 彬子: 姫の恋わずらい (フラワーコミックススペシャル)
メロディ誌に昔描いた短編などをとりまとめた短編集。これは「うるわしの英国シリーズ」ではないので、クレジットカードも出れば、モナコとおぼしき地中海岸の観光国が舞台だったり。でもやっぱりみんなひとが良くって品がよい世界なのでした。ちょっとした不思議もあるし。意外な結末もあるし。 (★★★★★)荒川 弘: 獣神演武 2 (ガンガンコミックス)
キャラクターが揃ったそうで。……はなはだ申し上げにくきことなれどこれはCLAMPの「聖伝」みたい。ものが水滸伝だっけ? 星一つに英雄一人の冒険譚だからご存じものといえば言えるのだけれど、どうやら生き別れの兄弟が敵の中枢におるという設定とか、思い出しちゃうんだよ、ごめんよ。向こうは六星でインドふう、こちらは北斗七星の七星で中華ふう。権威に全然ヘイコラしないヒーローとかゴーカイな女性のお師匠さんとかは荒川さんの世界なんだけれど。 (★★★★)
08年06月
荒川 弘: 獣神演武 1 (1) (ガンガンコミックス)
鋼の錬金術師のひと、今度は原作付でチャイナファンタジー。世が乱れると、北斗七星の7つの星の宿命をもった戦士が現れて……という伝説に従って主人公(当然なんかの星の戦士)が冒険するパターンの話。拳法アクションは期待通り。無鉄砲ヒーローも、気の強いヒロインも作者のジカローチューのキャラクター。ただ、真面目なあまり世渡りヘタな戦士が「作者があんまり描いたことないタイプ」なのかな? 古本市で買いましたが、この本ばっか5冊も出てたのは、結局ハガレンとの違いを出せてなかったってこと? これもまたロードムービーって言うか、謎を追って旅を続ける話ではあるな (★★★★★)田中 ほさな: 乱飛乱外 5 (5) (シリウスコミックス)
頃は戦国時代、亡国の領主の落としだね雷蔵くんの逆玉狙いツアー今度は伊勢の国。海賊は九鬼のお姫様登場です。って、ハリウッド映画の流行りを思いっきり反映したビキニ姿の洋風の海賊姿で。もともと女体露出の高い作品なのでもう野暮は言いません。気の強い気っぷのいい姫様で、今回も面白かったぁ。首尾は珍しく次巻に持ち越しで。珍しく、姫様に他に想う男がいてゴメンナサイエンドになるかも。 (★★★★★)安井 俊夫: 犯行現場の作り方
昔インターネット上で見たんですが、出版化。ネタバレしないように、いろんなミステリの「館」を建築士の目から考察してます。十角館ってそんなにお金のかかってる建物だったんだ……。今度はこれを実際建てた大工さんたち側の気持ちを考察した本が見たいな。実家の近所、施主のワガママでとんでもねえ家を建ててて、出入りする施工業者さんが荒れてて大変だったらしいです。日本推理作家協会賞「評論その他の部門」ノミネートだそうで。なんでも誠実に熱心にやると認められるということですね。 (★★★★★)- 加藤 元浩: C.M.B.森羅博物館の事件目録 8 (8) (月刊マガジンコミックス)
今回は映画版「相棒」のような復讐ネタ、隕石ビジネス、タイムスリップして過去の因縁を解く噺、そして、博物館の陳列替えネタ。またまたヴァラエティに富んでいて読み甲斐がありました。Q.E.D.でもタイムスリップネタはあったけど、作者さんは「過去の過ちを正して違う未来を迎えたい」というモチーフにこだわりがあるのかな? (★★★★★) - 加藤 元浩: Q.E.D.-証明終了- 30 (30) (月刊マガジンコミックス)
とうとう30巻。25巻パラレルで登場の内閣調査室の梨田氏が再登場。意外やケーキに詳しい甘党の方でした。人形を人に見立ててみせる事件から、人型ロボットに対する考察が興味深かったです。今回の「B面」は「猫の茶碗」をアレンジしたコンゲーム。伏線が絶妙。しかし、エイプリル・フールで大きなほらを吹くのが目的というクラブに入ってたりするとはいえ、GF(あえてそういってみる)に命令されてあっさりこんな詐欺を仕組む燈馬くんは大物だ。 (★★★★★) 藤田 和日郎: 月光条例 1 (1) (少年サンデーコミックス)
なんかこの装幀見覚えが、と思うと往年の児童文学全集(金の箱入りの大判の豪華シリーズ。シンデレラの靴を「現実的ではないから」という理由で金に翻案してくれたトラウマものの! そういえば小学館だった!)の装幀を真似ているのでした。やってくれるぜ! 今度の主役岩崎月光はひねくれものの武闘派高校生。顔が悪人顔(でもいい奴!)でしばらく怖かったです。ヒロイン幼なじみの「エンゲキブ」はご時世かキョニュー! でもしたたかで月光を理解して尻に敷いてます。青い月の光でおかしくなってしまったお伽噺の登場人物達をもとにもどす使命を与えられた彼と、その彼に助けを求めた、光の影響を受けなかった「鉢かづき姫」の冒険。エンゲキブと言い、鉢かづきといい女体がきれい。そして、「読者の世界」に逃れてきた3匹の子豚がかあいい! そして、子豚ちゃん達を見送る月光の目がここぞとばかりに優しい……これは楽しみ!! ……だけど、フヂタさん、黒博物館の次の展示物はまだですか……待ってるんだよぅ。 (★★★★★)喬林 知: 故郷へマのつく舵をとれ! (角川ビーンズ文庫 4-19)
聖砂国篇なんとか終結。カロリア篇までで終わっておけば神だったのに……と偉そうなことを言うガラではないのだけど。風呂敷を新たに継ぎ足してくれた意気込みは買おう。お庭番の身柄は確保したけれど精神は未だ帰還せず。頼むよ本当に。地味に、留守番組でも進展があったというかなかったというか。色恋の気配の全くないこのシリーズで唯一(?)描かれているカップルがうまく行っているのはやはり喜ばしいですな。 (★★★★)










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