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2020年5月13日 (水)

最後のレストラン ー 横からどや顔 ー 

   自粛づかれなどの言葉もささやかれる中皆さまいかがお過ごしでしょうか。おかあさんは本日はおさぼりです。こないだ雪降るほど寒かったのにもう真夏日かい!? 身体がどうかなるわ!(雪がふったのは3月下旬です)

   さて、書店が閉まってても書籍も発売日は粛々と訪れ、またしても新刊が出ました。電子書籍で買いました。

   「最後のレストラン」藤栄道彦。もうはや15巻に突入です。
    親の残したレストランをなんとかこんとか回しているオーナーシェフの園場凌(そのばしのぐ)クンのお店は、歴史上の人物が今わの際によくタイムスリップしてくるというマジカルなお店。今日も有名無名の偉人が現れておいしいものに癒されたり園場クンにありがたい言葉をかけてくれたりするのでした。

   連載最初はそのころ流行りの偉人召喚バトル漫画「ドリフターズ」と登場人物が被っていたものでしたが、向こうが連載止まってる? 間にもこちらは巻を重ねて、被ってるどころかもう古今東西有名どころはみんな出尽くして、ネタ切れ感を感じてきていたのですが。いやいや。

   ここへきて、どうも新刊15巻は文豪シリーズ。ドイルに漱石やらシェイクスピアやら。前巻14巻では最後の大物(?)ケネディが巻中ぶっとおしでご出演して、さらに召喚された他の偉人、チェ・ゲバラなど同時代人やイシンノゲンクン大久保利通と絡んだりしてくれて二度おいしい作りです。そういえば、大河サーヴィスで西郷さんが召喚されたときも、光秀さんと絡むシリーズがありました(12巻)。作者さんもいろいろ工夫しているようで応援したいです。

   作者さんご自身空きページの解説で語っていますが、一般的な評伝をひっくり返して、実はこういうところもあったのよ、というのを描いてくれているのでまいど得をした気持ちになります。エリーザベト皇后が足ることを知らない無駄づかいエンプレスだったとかね。
   
   そして、偉人との触れ合いを経て(園場クンはかたくなにそっくりさんと言い張ってますけど)、園場クンじしんもいろいろ成長して、レストラン初期メンバーに加え、帰れなかった被召喚者のジャンヌ・ダルクや安徳天皇、出戻ってきた同窓の女性料理人、ソムリエ親娘や2号店3号店の人たちまでしょって立とうとし始めたのには感嘆を禁じられません。一話完結ものとはいえ、少しずつ、人間変わっていかないとね。でも、お見合い相手の好美さんを取るか、自分を慕ってくれているジャンヌをとるか、黙ってつかず離れず召喚者たちのことを教えてサポートしてくれる前田嬢(マルチリンガルの才女で被召喚者のプロフィールを教えてくれる。初期は通訳も)は園場クンのことどう思ってるのか、シェフより威張ってる同窓の御奴さんは園場クンとどうこうなる気はないのか、よく考えたらハーレムじゃんこれ!

   時事ネタも多少さらっと混ぜてあって、フランス料理も毎回お題に合わせてなるほど、というものを用意してくれて、そして歴史について、人生について、やられた! と思わせる名回答を見せてくれて。いやいやこれすっごい密度濃いですよ!

   クールジャパンで、よその国の方に漫画をご覧いただくなら、こういう作品も混ぜといてほしいです。

   日本は、古今東西の偉人についてこれくらいのお遊び(描いて面白がれる)ができる程度には教育水準が高く、個々の人物について、いいことも、悪いことも調べて描ける程度には自由ですと。そして、ただの評伝ではなく、面白おかしく、お料理に絡めて目にも楽しく読めるような作品を生み出せる作家がいるのですよと。

   自分は生み出す側でなく享受する側ですが、とりあえず欠かさずお金を払い、そして折を見てこういうところでアピールする、どや顔でね。それくらいはするつもりです。このあとどうなるか考えるとこわいけど、空前の繁栄をしていた漫画の国ジパングの住人としてね。

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コメント

 14巻、志半ばで暗殺されるなんて無念でしょう、なんて自分のことも絡めてケネディが大久保利通に声をかけると、めくった次のページ、真正面から大ゴマでリアルにちょっと美化した顔で、
「人間が一人で成し遂げられることなどこの世にはない
 思いあがってはいけない」と言い切るところ。
 ケネディはこの言葉で吹っ切れて元の世界へ帰る(成仏する)んですが、すっと胸に墜ちるナットクリョクがありました。
 同じく14巻では、自分は正義のためにやってきたのにどうして自分が暴君扱いなの? と澄んだ目で苦悩するロベスピエールに対し、ギロチンに掛けた人で革命の花を咲かせた、とイメィジした料理を示した園場クンが一世一代のキメ顔で。
 ストーリーテリングもさることながら、絵も魅力です。

投稿: まいね | 2020年5月13日 (水) 14時27分

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