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2019年10月14日 (月)

異世界のんびり農家 ― 勇者は激さず語れ ―

   台風お疲れさまでした。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。うちの真上辺りを通ったらしいのですがなんとか持っていかれずに済みました。今回はほんと凄かったですよね。

   さて、しょうがないからネット読書三昧。

   最近のお気に入りは「異世界のんびり農家」内藤騎之介。いわゆるなろう小説です。日本の若いお兄さん(この作品では39)が死んで、神様の計らいで別の世界で新たな人生を送るというもの。ご本人は過労で倒れ30台は病院で過ごしたというご不幸な半生で、入院生活の楽しみだった「アイドルが農業をやるTV番組、あれをやってみたい」と、神様にリクエスト。病苦で苦しんだから健康な体を持ちたい、人間関係で疲れたから人のあんまりいないところで、と、3つのお願いはそれで、神様もビビる無欲な街尾火楽(まちおひらく)氏の新たな人生が始まります! あまりの無欲っぷりに神様も万能農具というプレゼントをつけました。思えば手の中に現れ、手を離しても戻ってくる、農業にかかわるものならおおよそなんにでも変化して彼の体を損なわずほとんどの作業を巧みに行ってくれるというサーヴィス万点な異世界生活の友です。

   どのくらい万能って。

   初期形態の鍬を振るっている間は疲労レス。飢えも渇きも疲労も眠気も寄せ付けません! 長距離を移動したいと思った時には一輪車モード(あの工事用猫車形態ね)で押して歩く分にはまた疲労レス。小刀モードで獲物の解体も自由自在。戦闘時には鍬を振るえばどんな魔獣も一撃必殺、遠くのワイバーンも槍モードで必中必殺。いい畑になれよと思いつつ耕すと翌朝にはイメィジした作物が芽吹きチーズが欲しいなーと思いながら杓子にしてミルクをかき混ぜると最初の菌なしにあっとオドロキ、チーズができているという!

   これをいいなー♪ でスルーできればこの作品は楽しいです。わたしは楽しかったです。ワクワクしちゃったわ。

   叩き込まれた「死の森」もゴキゲンで切り拓き、井戸とトイレと木の幹をうがったおうちから始めたのんきな農業ライフはどんどんにぎやかになっていきます。

   犬の番(つがい)が現れた! ってヒラクさんそれ魔狼(インフェルノウルフ)。あとで火を吐くとか角が生えてるとかイロイロとんでもなさが描かれます。

   デッカイ蜘蛛だ! 蜘蛛は農業には益虫だよねって受け入れちゃう。座布団ぐらいの大きさって、それ普通に逃げていいサイズだと思う。じっさい、この後の登場人物はこれ見て一回は気絶したり漏らしたりの反応を見せます。

   吸血鬼の美女! お嫁さん欲しいって思ってたんだーってすぐ血を吸わせてベッドに引きずり込同居開始してるし。

   羽の生えた女性だ! 奥さん吸血鬼のライヴァルだったけど、奥さんの画策で見事……(自粛)。

   ヒラクさんの人徳でどんどん死の森あらため大樹の村には人間以外の楽しい仲間が集まってくるのでした。

   エルフにドワーフに魔族やらドラゴンやら天使族の配下のリザードマンやら吸血鬼のメイドの鬼人族やらインフェルノウルフたちがダンジョン攻略して配下にしたラミアやら巨人やらもう芋蔓式にファンタジー世界のオールスターが集まっていくのは楽しいです。

   それを、俺の村に来たいならどうぞ、できる仕事はしてもらうよという大きい器量で受け入れるヒラク村長がカッコイイのでした。

   最初のメンバーで、冬越しを助けてくれたインフェルノウルフのクロさんとデーモンスパイダー(作中脱皮してもっとレヴェルが上がる)のザブトンさんについては大切な仲間として脅威を感じておらず、その他、一般的に生理的嫌悪感とか恐怖とか感じてしまうような種族のメンバーが現れても淡々と好意的に接するところが好ましいです。村に危害を加えなければ基本怒らないし。大物だと思う。暴れん坊の竜に大根抜かせるし。

   コミック版ではその辺はクロさんがツッコミ役というか読者に対する説明役というかで、ヒラクさんが

   「クロたちを見てもう一度気絶していた。

    犬が苦手なのだろうか」

   と例によってクールホーリーな鈍感にモノローグっているところへ書き文字で(違うと思いますよ)と書いてあるのはほんとクールな笑いだと思います。コミック版はクロさんのセリフに限らずこの書き文字が味があっていいです。

   インフェルノウルフたちの嫁取り事情とか、ドラゴン族の嫁入り事情とか、淡々とスゴイことが主にヒラクさんのモノローグで語られていて、もうたまんない、何回読み返しても面白い、どこから読んでも面白い。現れる種族の女性がみなヒラク村長のお手付きになっていくあたりのハーレム感も、全然エロスなところがなくて、村で生きていくために私頑張ります! って女性の方から迫ってきて、気が付くと子供ができているって淡泊さが信じられない。ホントに「なろう」かこれ。いやそれでも女性をキープするだけにしておかないでちゃんと手を付けてるところが偉い。エロいシーン全くないけど。ホントにないからその辺のお母様ご安心なさって。お父様も。いやでも結果的に一夫多妻状態を形成しているというのが許せないというならスルーしてください。そんで奇跡的に「妻」同士のどろどろした争いとかないから。大丈夫。それで、ヒラクさんの村では過去にいろいろあった間柄でも矛を収め、ヒラクさんの万能農具のおかげで当世界比ダントツにおいしい農作物や日本の記憶に基づく料理法でのおいしい食べ物や飲み物を楽しみながら嘘みたいに平和な日々を送れているのでした。

   神様の像の前で五体投地する吸血鬼とか、こたつから出られなくなって叱られる天使とか、ほほえましくってにやにやしちゃうでしょ?

   これはほんとスルメ的味わいな佳作でありますよ。

   コミック版はこれから登場人物増えてきて大変だと思うけど絵師の人頑張ってください。WEB版は今一番上の子が学校に行き始めたころでヒラク村長も地味に魔王国のVIPになってきています。お集りの皆さんもぜひどうぞ。

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2019年10月 6日 (日)

Adelantado ― コンキスタドールすぐ死ぬ ―

   おかあさんは最近はゲームをよくする方の大人になりました。ゲームと言っても、ブラウザゲーム、PCからサーヴィス会社にネット経由でつなげて参加するゲームです。課金はできるらしいのですが、きりがないのでとりあえず無課金縛りでやっています。かなり長い間(一日数時間×下手すると何年)やっているというのに無料ってどういうことだろうこわいなーとかいって、時々は3000円位払って買取でやったりもしていまいた。

   好きなジャンルは三つそろえて消す系のパズル。連鎖で画面いっぱいに広がっていたピースがどんどん消えるとぷはあ感、カタルシスってやつですか、あれでストレス解消になります。

   一昔前にはまっていたのは脱出ゲーム。アイテムを拾ったりちょっとした謎を解いたりして鍵をゲットしてドアを開けたり、封鎖されているところを開けたりしてどんどん先に進んで閉じ込められた部屋や建物から脱出するゲームです。怖いことや痛いことがないので安心で、最後はやっぱり解放されるカタルシスがあります。

   もうひとつ、タイムマネジメント系というもの。一般的には農場ゲームで、作物を植えたり家畜を飼ったりして注文内容に応じた品物納品したりしてお金を稼ぎ、農場を広げていく感じ。これがまた性に合っていたのか、毎日ログインしては、娘によると10年ぐらいやっていたそうです。課題をを全部達成して最高レヴェルまで進んだ後は、最初からやり直したりしてましたから。それも3回も。おかあさん読書も同じ本何度も読み返す人なので。好きなものは何度も楽しむ方です。

   タイムマネジメント系でも、探検ジャンルもあります。ゴールが設定されている地図のなかを、食料を調達したり、塞がっている道を切り開いたりしてなんとかゴールまで時間までにたどり着くもの。段取りが試されます。食料はあそこの木から果物を取って、材木は一本あたり食料をこれだけ消費して森の木を切り倒して、石材はそこの岩から切り出して。ベースを拡大したりお金で近隣から労働者を雇ったりして人手を増やして、農場や製材所、石切り場も作ってどんどん資材を集めないと目標地点にたどり着けない……娘は、農場経営ほどは興味を持てないようでした。

   「おっさんの走り回るだけのゲームじゃん」

    いやおかあさんこれ好きだわ。

   「プリンセスに捧げる王国」というゲームは結局買取りでやりこみましたから。パート3まではご機嫌でやってたけど、つい最近までXPだったという機種上の問題でそれ以上はやってません。新しい版がうちの機種に対応していなくなったの。

    さて、その探検もののゲームでも、「Adelantado」というのはちょっとすごいです。意味は先遣提督? 今辞書引きました。コンキスタドールになって新世界を探検して、黄金をかき集めて、先に新世界で行方不明になっている同胞を救い出して帰国することを目指すようで……。新世界で壺を割りまくり黄金をかき集め、原生林を切り倒しまくって畑を作りキャンプを作り先住民から遺跡の場所を聞きだしては容赦なくそれを暴いて進んでいくというある意味罪深いゲームです。

   ……アメリカ人これ作って遊んでて何とも思わないんだろうか。

   サーヴィスもとはアメリカなのでゲーム内の説明は英語です。日本語ヴァージョンもあったりしますが。痛々しい語学力でアクティヴ・ラディウスってなんだろーとか思いながらやっています。有効半径って直訳なんだー文明開化の頃の人って偉いわ。もしかして、もっと有利なクリア方法あるのかもしれません。ちゃんと辞書引いて説明読みながら今度やってみよう。

   というわけで、ただその辺にあるものを採取して道を進むだけじゃなく、ウッドカッターとソーミルは近くに置いた方が有効とかいうルールに従って建物を配置しなくてはなりません。森の側にウッドカッターだけ建てても丸太が溜まるだけで、ソーミルも建てないと有効な木材を手に入れられないのです。この辺が面白い。そんでもって、ネアンデルタール人のようなケイヴマンや何とかサウルスが出てきて建物を襲うのです! そのたびに作業は中断するので(危険が去るまで新しいコマンドを受け付けない)、襲撃者を一生懸命クリックして倒す必要があります。忙しい。おかあさんこれでマウス一個つぶしたのよね。それにしても、新大陸大変。いやそれ現実に即してないだろう。

  先住民もさるもの、搾取されるばかりでなく、隣の村までちょっとお使いしてとか、この前の嵐でうちの小屋が壊れたから直してとかいって、コンキスタドールたちをうまく使い、作業が済むと、わが友よ、なんていってエメラルドをくれます。このエメラルドが弁論ポイントとかで、これが溜まらないと開かない祭壇とかがあるので、いろいろお使いも大変なのです。新大陸を駆けずり回っている間に日が暮れて時間切れになったときには白髪が増える思いをします。

  また、平地は限られているので考えて配置しないと、必要な建物が建てられないという事態に直面します。先行きを読んで建てていく必要があります。特に1は一度建てた建物は壊せないのでほんと大変。森がはげ山になっても廃屋として残るところがもう! 2になると、近くの木を切り倒し終わったウッドカッターは解体して材木に戻せますけどね。

   そう! コンキスタドール気持ち悪いとかいいながら、1も2もクリア済みなのです。どんだけはまっとるんや。

   次はいくつだかわからなくなって、適当に最新版の4をダウンロードしたら、これが、ただのオッサンの走り回る作業ゲームになっていて! 建物を自分で考えて配置するこのゲームならではのだいご味がなくなっていたのでした。

   なにかんがえてんのよう!

   それでも一応クリアはして、制限時間内に終えることのできなかったレヴェルを今ちまちまやり直している状態ですが。

   そこでこの肺炎さわぎで、おかあさん暇を持て余して、

   「それでは3ではどのようになっているのだろう?」

   ダウンロードしました。3ではまだ配置の自由は残っていました! そうだよ! このゲームの魅力はここだよ!

   ところが、3では新しい機能が付きました。ドン・ディエゴ(主人公)頑張りすぎて倒れるのです。

   
   「衛生兵(メディーック)!」

   ヒーラーズ・ハットを建てて、衛生兵(いや、世界観的にヒーラー)を呼んで癒してもらわないと動けないのです。まあ、建物を建てることはできるのですが、指導者であるドン・ディエゴでないと入れないところ、できない作業がありますから。

   これがまた、ヒーラーズ・ハットはそれなりに資材を食うので、材木の残りが少ない、新しい製材所を建てなくてはとうろうろしてる最中に倒れたりすると、もう、どうにもならない。各建物は一応その間も変わらず成果物を出しますから、おとなしく待ってればいいんだけど、これが気がもめるったら! 一応、手遅れで死んだりはしない模様。優しい設定です。

   次からは、そのステージが始まったら早いうちにヒーラーズ・ハットを建てておくように用心するようになりましたけどね。

   てなわけで、おかあさんは毎日新大陸を駆けずり回って黄金をかき集めています。肺炎は、抗生物質のおかげで入院せずに治癒に向かっています。ああよかった。

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