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2018年1月25日 (木)

○○の窓はファンタジー?

   なんかもう一ヶ月経っちゃった。

   昨年の年末、お歳暮出そうかって頃に朝リヴィングのドアしめたら、勢い余ってごろんって! なにッ? って、築20年のお手頃貸屋の我が家でドアノブ取れちゃって。ネジが緩んでたみたい。その時はドアノブじたいは拾ったんだけど、それを止めてた木ネジがころころと転がっていって、なくなっちゃった。
   「つけてくださいよ、旦那様工学部卒でいろんな工具セット持ってたでしょ」
   「それ以前にネジがどこかへ去った。こんな散らかった家ではもう見つからない。
   不動産やを呼んで直して貰うにもこんな散らかった家恥ずかしくて上げられない」
   あーそーですか。ちょっとその辺のものどかして見たんだけど、ほんとに見つからない。やだわあ。

   しばらくないはないなりに心棒をぐるっと摘んで回して対応してたんだけど、やっぱりてこの原理(いや細かくは輪軸)で、回転半径が小さいと力が倍必要なのよね。そのうち反対側も緩んできて、じゃードアノブ自体外しちゃえって、それなのに壁側のラッチ部分は活きているからがっちり壁に爪が食い込んで開かなくなって、冷や汗かいたり。

   「あーもう! ドアノブごと買えばいいじゃない」

   電車に乗って一駅のホームセンターまでドアノブ買いに行ったわよ。
   でも、ドアノブも良いお値段して、クリスマスケーキと同じぐらい。えーっ、新築の自分ちで趣味ガンガン出すならロココなカンジのカッコイイドアノブ買うけどいつまでいるか分かんない賃貸にクリスマスケーキの予算突っ込んでまでドアノブ新しくしてもなあ。ノブ本体は多少さびが浮いてる程度で使えるし。

   ……ネジだけ買って帰りました。

   そしておかあさんの野望。

   「ドアノブを修理しがてら密室ごっこしよう」

   とある古典ミステリの傑作で、あるんだ、糸とねじ回しで作る系密室トリックの。ネタバレしますからごめん遊ばせ。
   主人公が客として訪れた家で主人と相対していると、酒を振る舞われた。ところが酒には眠り薬が入っていてうっかりそのまま眠ってしまったら、目が覚めたとき部屋は密室、主人は矢で射殺されていた。矢には自分の指紋、見に覚えないのに殺人犯一直線、助けて!! ……と言った状況のお話しがあったのよ。
   「犯人は○○の窓から射たのです」というタイトル落ち。この窓はどの扉にも付いている……云々やっぱ台詞がカッコイイね。翻訳ミステリはね。いやわたしこれミステリのトリックを紹介する本で読んだんで、ホントの所は知らないんだけど。
   トリック概説。
   外からそっとネジを外してドアノブを取り去ると、ドアにはその心棒を通す穴が開いている。そこから狙えばいいじゃん、というトリックで、図解を見たときにはよく考えたなあ、と思ったものでしたが、有名なトリックだから突っ込みも激しく、「殺されるほどの恨みを背負った人間が、そんな細かい工作を殺意を抱えながら延々やられて、気がつかないものか!」という解説本の突っ込みには肯かされたりもしましたが。

   学生寮で荷物の閉じこめにあって横溝の「悪魔が来たりて笛を吹く」のトリックを実証し、救急車で夜間外来に運ばれれば車椅子で超信地旋回を実験するお母さん、ドアノブが外れたらそりゃー実験するよ!

   ドライヴァーと木ネジとドアノブを手にわくわくとドアの構造を見たら!

   平成の安普請のリヴィングのドアは、クロスボウの矢が通るほどの穴など開いてませんでした。20×15ミリぐらいで。嗚呼、古典ミステリは所詮ファンタジー。ぶっとい心棒の通ってる大英帝国仕様のお宅でお試し下さい。……まあ、護身用の銃の弾丸ぐらいは通るかもね。殺傷能力あるかどうかわからんけどね。

   そしてまーしょーがねーかとドアノブを修理しようとたら。

   ほんの一週間の間に壊れたほうのドアノブどっかにいっちゃってました
   「おっかしーなーこのへんにおいた筈なんだけど」
   おかあさんは安普請をどうこういうより密林と化したゴミ屋敷を何とかしましょう。

   そして早乙女家のリヴィングは……まだドアノブが壊れたままです。
   ドアノブごと買うべきだった。どうせ住んでない虎美の部屋のドアから共食い修理をすべきか。

   そしてこれを書くために念のためにとネタバレレヴュウサイトをいろいろ見たら。
   「○○の窓」は密室トリックというより、そこまで追い詰められた主人公の裁判を怒濤の論破でひっくり返す法廷ものとしての魅力が売りだそうです。う~ん目から鱗賞。

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2018年1月21日 (日)

2<3? な話

   おかあさん職場の若いお嬢さんに付き合って「うたプリ」にはまってしまった話はしたと思いますが。
   どうなったかって、まだやってますよ。
   それがまた、この秋から配属になったお目々の可愛いお姉様も、
   「早乙女さんって携帯のゲームはなにをなさるの? わたし『うたプリ』の『シャイニングライブ』にはまってて、早乙女さんもなさるってあちらのお嬢さんから聞いたんだけど……」

   

仲間が増えたよ!

   「失礼ですが、早乙女さんは誰推し? 私は○○様♪」
   ……あー伯爵様と時々ドライヴをするという某財閥の御曹司ですね。
   カトリーヌちゃんの好きな日本男児とは実家がライヴァルという複雑な間柄ですね。

   てなことで、時々(主観的に)小さな声で情報交換などしております。

   「早乙女さん! このクリスマスから日本全国の駅に王子様達のポスターが掲示だって!」とカトリーヌちゃんが叫べば、
   「うむ、この辺に掲示されれば良いな」って言ったらズバリ! 会社の最寄りハマーツェントルムにその日本男児が……! 残念ながら小田急ではなかったですが。

   「わたし朝見ました。京王のホームよ」とそのリーナさん(仮名)が情報を。
   「ぎゃああ嬉しすぎる」とカトリーヌまた挙動不審。
   「……うちの娘も彼推しらしいから撮影するなら付き合うぞ」とばかりに、おかあさん物見高くも通勤の路線じゃない路線に入場。
   「うふ♪ ほんとはホームのこっちの端だけど、自分で見つけた方が嬉しいでしょ」と、先に事務所を出られたリーナさんがホームで待っててくれました。反対側までずんずん進んで掲示板を全チェックして、戻ってきたのを、捕まえて、反対側の掲示板へ……、

   「でかいな」

   新聞全紙2~3枚分の大きなポスターでした。カトリーヌちゃん押しの泣き黒子王子がマイク握ってさわやか~に見栄切って微笑んでました。すげえな。
   おかあさんもスマフォで写真撮って、すぐ虎美に送りましたよ。

   「ツィッター情報では○○様はシモーツだそうです!」
   カトリーヌの利用駅じゃないか。わたしは別に○○様のポスター画像はいいかなーと思っていると、
   「早乙女さんの推しの伯爵様はウンターノルドだそうです!」
   ……いや別にいいから。
   カトリーヌとリーナさんはシモーツまで写真撮りに行っちゃいました。わたしはホームで見送って、一駅だけ京王線乗って次の駅で乗り換えておうちに帰りましたが。

   そして年が明け、また「うたプリ」の新しいドラマのCDがでるからと言って賑やかしのためにツィッター上で「今回の相手役の伯爵様とお茶をしました」というような内容でドラマの主役のキャラクターくんが語ったときに、なにやら輸入物の珍しい氷砂糖? を取上げていたのですが。翌朝。
   「早乙女さんッ! 昨日のツィッター見ましたか!?」と、リーナさんが朝からハイテンション。
   「ああ、カトリーヌが騒いでた。凄いねいちいち」
   「あれキャンディスっていう海外ブランドの氷砂糖で、カルディっていう輸入食品の店ならお取り扱いがあるそうですよ!」
   あ、はい、すげえな、ネットするひとの調査力って。
   「それでうちの娘が昨日買いに行ったら、もうお店の人がさんざん聞かれた後みたいですぐ対応してくれて。千円ちょっとですけど美味しかった! 早乙女さんも伯爵ファンなら是非いってらして!」
   いや、おかあさん最近紅茶は飲まなくなっちゃって。まあ話のネタに見に行くぐらいはしようかとも思うけど、ひとつ千円もするのかよ。
   「カルディはシーモのアリオに入ってます!」
   ……シーモかよ。カトリーヌにお使いさせるのも悪いしな。

   ところがその日カトリーヌは奥歯の詰め物が取れたとかいって最悪な顔色をしてた上になんかたちの悪いご相談者様に当たったらしくすっごく落ち込んでいたのでした。

   ……これこのまま帰したらやばいわ。

   「……シーモのアリオというのはおばちゃんにも判るぐらい駅のそば? ちょっと案内してくれぬか?」
   「いいっすよー♪ 電話だけ一本入れますね」
   真っ青な顔しておいてカトリーヌすぐさまママに電話して、今日は遅くなるからって断ってシーモに連れてってくれました。すごいな、帰宅時間が変わるとちゃんと親に連絡入れるのか。まあ、カトリーヌも虎美と大して変わらない年らしいから、そりゃ親も安心。

   そして上機嫌でシーモに下りたって、今のイヴェントは主人公格の赤がイメージカラーの子のブロマイドだから別に参加しなくてもイイかなーと思ってたら、相手役として元気なピンクの子がキツネ耳の扮装でブロマイドになってて、これは可愛いからやっぱりほしいわーなどと話しながらアリオに連れてってもらって。

   カルディのスペースに足を踏み入れたんだけど。

   カトリーヌはさささっとそのツィッターの当該商品の画像を呼び出して見せつつ店員さんに棚の場所を聞いて、
   「早乙女さーんこれですよ!」とばかりにちょっと縦長のジャムの瓶みたいなのを見付けだしていました。
   つくづく見ると、伯爵様お召し上がりのは売り切れだったみたいですが、今回の主役くんが食べていた方はあったみたいで、カトリーヌは1個お買い上げ。わたしは、伯爵様のじゃないならいいかなーっと、それより、店を一周してたときに見かけたものをもう一度チェックに戻りました! 

   「ぷるぷる とろりん なめらか あんにん」とふりがなが振ってある杏仁豆腐の紙パック! 縦長の、1回分の野菜ジュースとかのサイズの! パンダのかわいいパッケージで! 

   「うちの旦那前世はパンダかっていうほど杏仁豆腐好きなの! これ買って帰るわ!」

   うたプリの関連商品買いにきたんやないかい。ここへきて二次元の憧れのキャラクターより旦那を優先するなんてオタクの風上にも置けない。いやほんと可愛いパッケージだったから!

   カトリーヌちゃんはなにも言ってませんでしたが、具合悪いのに連れ回したせいでしょうか、翌日歯が壊滅的に痛いと言って仕事休んじゃいました。

   ……ごめんよ、カトリーヌ。

   そして、通勤の時によくお喋りする憧れの熟女亜弓様にその話をしたら、
   「まいちゃん、カルディならノイエ・リリエンベルクにもあるじゃない!」
   「へ?」
   わたくしそのようなオシャレな雑貨の店にはとんと縁がないもので知りませんでした。
   「改札の上の新しいスペースに入ってるわよ!」
   ……最近目が壊滅的に悪くなって、ものを見て選ぶと言うことが大変苦痛なのでそういう細かい楽しいお店にはほんと寄りつかなくなっていて。

   「じゃー今日の帰りに寄ってみます」
   伯爵様の氷砂糖は売ってなかったけど、時節柄輸入物のユーモアチョコがいっぱいあったから、旦那へのヴァレンタインのプレゼントも前倒しで調達させて貰いました。

   えーと、そういうわけで、「うたプリ」とネットのお蔭で新しい経験をイロイロさせて貰っております。そしてこの期に及んでまだ旦那に何かしてあげようという気持ちがあったことを再確認してわたしも狼狽えております。ほんと、意外だったわ。

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