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2018年7月19日 (木)

ひとでなしの夏

   今日はシフトの関係でお休み。
   岡山以西はもう大変。どうぞお疲れの出ませんよう。この夏から助っ人で別チームに行ったらそこがこの水害で影響が莫大で大変で……どうもすいません雨女で。

   金沢の方からも、「……どうか日程をやり繰りして会いに来て」とお願いがあったので行って来ました。

   はじめてお目にかかったときは2代目水戸黄門の西村晃を思い出しました。そのくらい、御髪(おぐし)はまっしろふさふさのダンディで理知的なおじさまでした。体も鍛えていて、少しもじっとしていなくて、パワフルで、そこは田舎の先生だから自分の正しさを信じていて曲げなくて。こんちくしょうと思ったこともありましたが。

   教科書に載ってる写真のガンジーみたいになっていて。

   言葉ももつれがちなのを、側にいるお姑さんや虎美が百人一首のように、最初の一音から察して、
   「……お」
   「お勤めはどこと尋ねている」
   「……か」
   「からだを大切にって」
   「……きょ」
   「今日は来てくれてありがとうって」

   もうこちらは泣きそうに笑うしかない。

   こういうのは逆に「お元気そうで安心した」とか励ましというか重く受け止めていないようにいうものなのかなと言葉を選びましたが。

   ずっと毎日側にいて世話をするのはちょっと勘弁してと思っていて。
   でも時々がおーっと吠えたくなるような言葉を掛けられたりしながら永久にお付き合いしていく人と思っていたので。
   どうなんだろう、そろそろお住まいを蓮の上に移される頃合いなんでしょうか。このまま管につながれて上下人に世話されて生きていくのもお互い大変とか思って。

   水無瀬のおばさまは「今時は舅の介護を嫁がするなんて時代じゃありませんから、まいこさんは全然気にしなくってもいいのよ」と仰ってくださってますので、腹芸とか行間を読んだりとか出来ないわたしはそのまま受けとってどうもすいませんと言ってそのまま逃げてきましたが。
   「そうよそうよ、わたしの母も迷信深かったけれど、占いによるとわたしの面倒をみるのはまいこさんじゃなくて虎美ちゃんと言ってましたから」って、どこからそんな都合の良い占いを持ってくるのですかお姑さん。それで虎美を縛らないでくれよ頼むから。

   そしてわたしはやっとできた自分の居場所を手放すことができずにまた戻ってきて仕事をしています。

   そして完全に虎美の巣になってしまった仏間を掃除する余裕もなく、
   「おかーさんこの御伽草子のレポート助けて!」と言われて「宝石商リチャード氏」を読みたいのを我慢して(しないで?)、
   「だからこれはァ! ありがちにこのナントカ長者が子供が出来んがで神様だか仏様だかにおすがりして産まれた娘が超美人で竹取物語的展開になったところが都から来た若君が教養と度胸で美事に姫のハートをゲットして、ナントカ長者は都に出世の足がかりが出来て双方WIN-WINなハッピーエンドな話しなわけや!」
   「金沢弁で無理に語らなくていいからこのキーワードは誰のどういう様子を表してるか教えて」
   「知るか」
   「お願い、大塚でて国語の教職免許取ってるんでしょ!? 伊勢物語の文学的特色2つって何!?」
   「……歌物語として、とある歌を中心にその前後のやり取りをエンタテイメントとして成立させたところ。もうひとつは匿名性。在原業平は主人公ということになっているが、そういうキャラ立ちしただれかそのへんの男性で大丈夫。特定の有名人のエピソードとしてではなく読者の知らない架空の人物が主役でも物語が成立することになって、大和を経てフィクションというものが成り立っていった」
   「じゃあこの『やさし』というのはなに?」
   「そこは姫君」
   「ここは?」
   「姫君に振られた若人Bの語る姫のうわさ」
   「ここは?」
   「姫君の周囲のオサレ侍女軍団。中宮彰子における紫式部とか和泉式部」
   「ここは?」  
   「サブヒーローの若君のラヴレター……じゃなくてそれもらった姫の返事。知ってるかラヴレターの返事はすぐOK出すとビ○チだから。内心うれしくてOKでも最初はえ~ウソ~? って返さないと」
   「ここは?」
   「若君の琵琶コンサート」
   「わかったありがとう!」
   ……違うよ、親としては大学も4年の娘のケツをひっぱたいて自分でレポート書かせなきゃそこは! 素でお伽草子解釈できて鼻高くしてるところじゃねーよ! OTL

   おかあさん人としてまちがっとる夏でした。

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