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2017年10月21日 (土)

「天竺熱風録」 ― ナイスBBA登場 ―

   いや買いに行ったのは加藤ミステリのコンビなんだけれども。
   やっぱり書店巡回しなくなったから新刊に疎くなって。

   「天竺熱風録」田中芳樹&伊藤勢のマサラ・ロマン2巻目です!

   いやもうすごい、前の巻で脱獄した王玄策と蒋師仁(ごめん「しょう」の字拾えなかった)、謎の三面の男に見つかっていきなり大立ち回り。文官とか言っちゃって王正使どのの生き残りスキルの高いこと高いこと!
   場所がインドだけに圧倒的迫力の牛ー! 猿ー! 馬ー! そしてなんか知らん猛獣ーッ! 

   そして出ましたかわいいヒロインちゃんとナイスBBA
   そのまま読んではいけません。
    
    RIGHT
    BRILLIANT
    ARISTOCRAT

    な大お姉様です(ブライトもブリリアントもほぼ同じ意味だけども)。殿下です。高貴な女性の全盛期すぎながらも内面から麗しいたたずまいが非常に良かったです。作画の伊藤氏への尊敬度がまた上がりました。同じような顔のぴっちぴちの美少女しか描けない絵師なんかお呼びじゃないですよ、ほんと。

    高貴で聡明な方は別に自ら軍を率いて戦場に赴かなくても良いのです。時制を見極め、人を見極め、必要なときに必要な指示と支援を行えば。そういうなんでも腕力で解決するやんちゃ少年漫画ノリより上をいった感覚がグッと来ます。いやそこで鼻息荒くなるところがまだ坊やちゃんなんだけどね。読んだ当時は(すでに三十路越えだったと思うけど)いたく感じ入った次第。今も胸アツでしたわ。

   「子曰く」の中華に対して「如是我聞」の天竺。
   
   教典の語り起こしスタイルから初めて彼我の違いを説明する王正使殿がカッコイイ!
   まず自分という王があって、そして世界があるという感覚。ナットクリョクがありました。
   そういうね、代表作の「銀英伝」以来、文化ってのは日本と西洋だけじゃあないという感覚を、青少年の読み物というジャンルで教えてくれた作者田中氏をわたしは尊敬しています。

   そういう、陽は中天にあり、明々と輝いていた、あの頃の名作を、こんなに読みやすく、陰影濃く描いてくれたこの作品を、もっといろんなひとに知って貰いたいです。

   ……いや今が落日だっていってんじゃないのよ、ええと、風呂敷をたたみ始めたのよね? いろいろ時の流れを感じてね。アルスラーン最終刊待ってますからね!

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2017年10月15日 (日)

こんなところから亡国

   おかあさんったら学歴コンプレックスの塊なので、「東大生&京大生が選んだスゴイ本ベスト30から出題!」なんて言われたらみてしまいましたよ。10/9放送のQさま。

   イマドキの東大生、京大生はどんな本を読んでるのかな、「共産党宣言」とか、「マインカンプフ」とか出るのかな、そういうのはさすがに読んでても言わないのかなとかワクワクしてたんですが。

   ランクインした作品に絡めて、その作中に出てきた熟語の読みやら作者の小ネタやらいろいろ面白い出題もありましたが、肝心のその「スゴイ本」ってのがね。
   カタカナで「スゴイ本」なんだから推して知るべしなんだけどね。

   

教科書に載ってるような作品ばっかりだったよ。

   「本」なんだから、必ずしも文芸作品である必要なかったんだけども。

   「舞姫」に「坊っちゃん」に「羅生門」に「徒然草」ですよ、まあ!
   ランキングの下位から開けていくうちに、あーこの顔ぶれじゃあ一位は「こころ」だわ、と思ってると、案の定「こころ」で。

   きみたち本当にそれ以外読んでないの?
   まあ、読んでるけど、往年の高木彬光&由良三郎両氏が、帝大生が探偵小説なんて読んでるなんて口が裂けても言えなかったように、なろう小説にはまってますとは言えなかったんだろうとは思うけど。

   10年、20年前ならそれこそ「象の時間ネズミの時間」とかさ、文学以外にもベストセラーあったでしょうけど、最近はなあ、そういう新書でも、ベストセラーって、ないか。

   「銀英伝」はさすがに出ないか、「ゲート」ならどうだろう、「涼宮ハルヒ」出たら国辱もの……と思ってワクワクして見てたおかあさんはもう、呆れるやら国を憂うやら。

   おかあさんは学生時代、そのころ角川がアニメに進出するてんで「幻魔大戦」を一日2冊とか読みあさったけど? まあ、わたし東大受験生じゃないし。あ、スゴイっていうか、
   「わたしの幻魔大戦のためにこんなに豪華なプロモーション映画を作ってくれてありがとう」と原作者の平井和正がいみじくも言ったという(皮肉だと思ったけど)、本を売るためにここまでやるかっていうスゴさは感じましたね、昔マガジンだかで連載してた打ち切り漫画の単行本2冊分の内容の映画作ってその後の本編から番外編パラレル篇その他もろもろうん十冊売りまくってたよ。そういうメディアミックスってこうやるのねーというスゴさはあったな。

   そういう意味の「スゴイ」込みで自由に本を挙げて欲しかったと思うけど。TV局の人も。まあ、こういう場で「ハルヒ」出すとやばいという感覚だけはあったということを察しておくべきか。

   うちの高校(受験勉強に特化した学校)の友達だったと思うけど、共通一次の過去問の原作を、「あれ読んだ」とさらっと言ってました。そういう読書もしないのかな。うちの学校は論説文対策で当時流行の随筆家の本を全員買わされて読まされたような。小林秀雄。まあ、「スゴイ」と思わなければ出ないか。そういう「忖度」? が得意になりましたって、そういうこと?

   まあ、この2017年の現役大学生が「断捨離」とか「バカの壁」とか読んでるかっていうと、読まないだろうし。「もしドラ」も、ちょっと世代違うな。「ダヴィンチ・コード」や「チーム・バチスタの栄光」もちょっと前になっちゃった。去年は直木賞誰取ったんだっけ、そういうの、挙げた人もいたんでしょうけど、上位には来てなかった。……でも、村上春樹は来ると思ったのに!

   それとも、イマドキの東大、京大は、話題の本をちょっと読んでみる間もなく勉強しかしない生活しないと受からないのかしら? まあ、可哀相ね! 書店が潰れるわけだ!

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