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2016年11月12日 (土)

昔話をしよう

   えーとね、いちおーおかあさん進学校でしたんで、英語はちょっと軽い物を読むサイド・リーダーってのがありました。英語の小咄集。

   「とある村で、お祭りの日のために村人が少しずつ葡萄酒を持ち寄って樽に集めておいて、お祭りの日にそれを開けて皆で飲むことになった。ところが、あるひとりの村人が、悪巧みをした。自分は葡萄酒ではなく水を入れておこうと。何十人もがひとり一杯ずつ持ち寄っているのだから、一杯ぐらい水でも構うまい、そう考えて、彼は樽に分量の水を注ぎ入れた。さて、お祭りの日、お祝いの言葉を述べたあと蓋を開けて村長がそこから一杯くみ出した。……かれが口にしたのは純粋な水だった」

   えーっこれ笑い話なの? 道徳の副読本でやるべき内容じゃないかしら。現代の理想的な共同体は自制心を弁えた理性ある市民に拠ってしか運営され得ないとかそういう話じゃないの?

   ……てなことをアメリカの大統領選ニュースを見ていた思いだしたおかあさんです。おれ一人ぐらい水を入れてもいいよねってみんな思っちゃったのね。

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漫画原作者のサヴァイヴァル

   ドラマにもなった「信長のシェフ」は戦国の世にタイムスリップしたケンが、どうやらフランス料理の料理人であったらしい前歴を活かして偉人に取り立てられて生き残り、激動の時代の歴史を見届けるていのお話であるようです。途中まで原作と料理の監修をしていたのが西村ミツルさん。
   この方元公邸料理人の経歴を生かして、料理と外交の絡んだお話を作るのが巧い。デビュウ作は「大使閣下の料理人」作画はかわすみひろし。初期は主人公大沢が調理助手の現地スタッフとプラトニックな恋をしてたりしてドキドキしたし、結構時事ネタも絡めたりして毎週読み応えのあるお話を楽しませて貰いました。いやほんとあれは名作だったと思うよ。文化庁メディア芸術祭漫画部門の優秀賞受賞作品だそうだし。

   とりあえずネタも出尽くして円満終了したあとは、その主人公大沢公の弟子という設定の可愛い女の子のシェフが今度は首相官邸の料理長として頑張る話を出してきました。それが、「グ・ラ・メ! -大宰相の料理人-」作画は大崎充。これは、最近ラインで無料配信されたので読んでみたけど、うーん。イマドキの綺麗な絵になって、可愛い女の子シェフで、おっぱいとかお尻とか出してみたり料理にかかる前になんだか造語? のキメ台詞なんか言っちゃって、我が儘美女のライヴァルキャラも出てきてすっごく若い男性アピールを考えてる感じだけど、こちらには響いてきません。ごめんオバサンで。
   「大使閣下」の方も、終盤は弟子の青柳愛ちゃん(T大卒ながらバックパッカーしちゃう元気娘)に主人公が変わって、若い読者を獲得しようとしている感もありましたが。違うよ、あなたの作品に求めてるのはそんなんじゃないんだよと読んでる方は血涙。そんでもって「大宰相」の方のそのライヴァルキャラも、言ってることには一理ある系の敵ならいいけどほんと勘違いしたワガママ娘でイライラしか感じない。お客様のこと考えてなくて、自分が、自分が、と出ていってただ敵とみなした相手を打ち負かすことしか考えてない。ああ、これサーヴィス勝負系の漫画でありがちなやられキャラか。正しいというかありがちなのかも知れないけど、読者がスッキリしないんじゃそれは巧いストーリーテリングとはいえないんじゃないかなあ。

   ラインコミックはすぐ感想をコメントでその一話一話に付けられるから、読んで感想をすぐ共有できます。「リコ引っ込め!」「このお嬢様不愉快!」というのを目の辺りにして、自分の感覚は間違ってない気になって思いが増幅されますね。って、他人と同じ感想じゃないとものも言えないのか、おかあさんってヘタレだわ。

   というわけで、どうしちゃったのかしら、西村氏、がんばってちょうだい、生き残りって大変ねと思ってたら。

   「ヘルズキッチン」作画天道グミ もクレジットに西村ミツルって書いてあって!
   オイオイオイ。
   こちらは若い人向けのファ、ファンタジー? 地獄の悪食伯爵(イケメン)とかが出てきて、最高の料理人の魂を食べたいから自分で育成する、と主人公を見込んで料理の専門学校(ちょっとヘン)に叩き込んで修行させる。「ムリ!」しか言わない無気力主人公は身の不運を嘆きつつ料理の面白さに目覚めて……と言うようなお話。王道の「異世界からの同居人」ネタを「チキタGUGU」風味で謎の学校でもまれる系にしたカンジかな。イヤどっち買って言うと初期の「リボーン」の料理人系? 謎の来訪者に振りまわされてるうちに無気力系男子がやればできるスゴイやつになっていくオハナシ。毎度、悪食伯爵の助けを受けて作る料理が意外やちゃんと理論的にまともで、もしかしてと思ったら料理監修が西村ミツル!?
   最初、ここまで若人に話を寄せてきたかァーッて思って編集ページ開けたんだけど、調べたらストーリーまでは作ってなかったです。ああ、早まらなくてよかった。

   いろいろ商業的にお話を創るのも思ったとおりではなかったかも知れませんが、一つの道を拓いたということは紛れもない事実なので、くじけずにまたお料理に絡んだ面白いお話を読ませてください。お願いします。

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