« 2016年5月1日 - 2016年5月7日 | トップページ | 2016年5月22日 - 2016年5月28日 »

2016年5月18日 (水)

「マダム・ジョーカー」 空豆も成長する

   週末を控え自重しているおかあさんです。
   「マダム・ジョーカー」の新刊が出ていたのでお買い上げ。もう18巻です。シリーズ開始当初中学生だった蘭奈ももう大学生、高校生だった兄の十蘭は大学を出て恋人の百合子ちゃんとフランスへ。この巻では兄妹それぞれに喜び事があって、ヒロイン無敵のマダム蘭子さんももう人生の主役を降りる時期と達観の巻でありました。

   いろんな人と出会って恋をして、大金持ちだけど顔は空豆、覇気もない目立った取り柄もない大金保、夜の街で身体を売って生きてきた美少年で天才の東条嵐士、しがない町工場を自分の発明で世界に通用する企業にのし上げた武源豪、財閥の後継者で日頃穏やかだけど酒乱の額田通久、並べていくとすごく豪華ですが結局蘭奈の運命の相手は……。結構やきもきさせられましたね。亡父に似ているという信じられない切り札を持ちながらあまりにもいわゆる理系で早々に脱落する豪が意外。そして、こりゃないだろと思わせておいて最終局面まで絡んでくる、しかも、年を経るごとに男としての魅力を増してくる空豆・保がもう意外で意外で。

   DVの末に虐め倒した妻に逆襲されて事故死する父を見て育ち、こういう父の子である自分もDVをするかも知れないといって穏やかに微笑みながら結婚を拒絶し、ゲイのように韜晦していた少年期。成金趣味の祖父の好みで趣味の悪い自宅を笑って受け流す絵に書いたような3代目気質。個性の強い子世代のメンバーとつかず離れずですぐに場を整えて皆の社交をとりまとめるみごとなパトロンぶり。
   そしてこの巻で結局2人の仲を取り持ったらしい白いのか黒いのか得体の知れない天然策士っぷり。

   初期よりは幾分顔立ちも見やすくなってきて、ホント、彼こそは物語を通じて一番いい男なのかも知れません、ホント、顔だけのヘタレが多い作品なだけに。

   顔だけのヘタレランキング
   藤原さんの元旦那: 逆玉先の家を破産させて一族の男に殺される。死体が見つからないために失踪宣告されるまで藤原さんを縛ったことに。
   蘭子さんの現夫斎:兄が若死にしたせいで大学卒業後すぐ財閥若社長、現総帥。下積みを知らないお坊ちゃま。好意の示し方が金持ちの独りよがりになりがち。
   武源豪:理系バカで妹のお膳立てでやっとつきあうことのできた蘭奈を放置。その上すぐ別の女性に心変わり……とネタバレ。
   東条嵐士:家庭に恵まれなかったせいで結婚に憧れるものの、具体的なイメージがないせいで行うアプローチが的外れ。

   ……どれもこれもヒドイナア。でもそれを補って余りある魅力があるから読んでいるのです。

   ヘタレとは対極だけど困った美形はまだいた。

   桜庭雪男: 蘭子さんの舅により名門の家が破産、没落後自分の才覚で家を再興した実業家。人間嫌いで特に月光寺を敵視していた。下戸。

   いわゆる人格者的なイイじいちゃんではないですがお金と権力の使い方の判ってるしたたかな老人ですね。奥さんを大切にしてるし。若い頃はワンマンで息子に家出されて嵐士が生まれるきっかけも作っているし。こういうじいちゃんだからたまに人間味あることをすると活きる。

   今回スポットの当たった美形はもう1人。
   桜庭朝人: 小学生の時に嫁にロックオンされてそのまま巧く強奪された優男。しかも嫁は彼が好きなのではなくかれの財産の一部であるホテルが欲しかっただけという(短絡した挙げ句周りが見えなかった、見えないまま目的を完遂した嫁も残念ハイスペック) 。それでもその現実を受け入れて現状を楽しんでいるらしいところが意外とタフ。この巻では斎といい友人になっているらしいところが微笑ましい。

   てゆーか、いつもきちんとオールバックにしている紳士がなりゆきでよそんちに泊まって翌朝整髪料ないしオフだしで前髪下ろしてるのが若く見て萌え。非常に良かったです。斎がヘタレなのは毎度描かれているから、優等生な朝人がダメダメだったのは目新しくてよかったです。  

   次巻にはもっと大きく動いていくであろう物語が楽しみ。物語の初めは蘭子さんが再び結婚するまでが描かれていましたが、最近は蘭子さんが家族を送り出す側。そうして、読者もゆっくり人生のステージを上げていくのでしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年5月1日 - 2016年5月7日 | トップページ | 2016年5月22日 - 2016年5月28日 »