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2016年3月 6日 (日)

「山猫天使」 夢は夢のままで

   その昔、バブルの頃はデパートの美術展も豪華で、けっこういいものを世界中から持ってきて千円ちょっとの入場料で見せてくれてました。絵を見るのが好きなまいちゃん@女子大生は大学の庶務に行っては割引入場券をゲットしてそういうの行きたおしたかなー学芸員の資格を取るコースのせいで博物館&美術館10コ行ってレポート提出なんて宿題もあったしね。

   たぶん新宿伊勢丹でやってたフランスのどっかの美術館の展覧会でその絵を見ました。ブルネットの女性の大きな肖像画。割と混んでたのと、あとはあんまり好みじゃなかったんであとは思いっきりすっ飛ばして出ちゃって、一緒に行った姫ちゃんとはぐれてパニックになったことと結びつけて覚えてます。

   「マリー・レグザンスカ」ルイ15世の王妃だって。「ベルばら」ではほとんど出てこなかったし、名前の響きが西ヨーロッパとは違うカンジでちょっと違和感で記憶に残ってました。ポーランド王女だって。ポーランドって分割されて消えてなくなってたと思ってたら、その国を追われた王の娘だったのでした。そういうご縁もありなのね。

   100年前に無実の罪で処刑され、財産と美貌の妻を奪われそうになったと伝説(実際は財産は隠され、身重の妻はなんとか落ち延びて遺児を出産)のモレ伯爵家の末裔が、「山猫」を名乗り、財産のありかを示す失われた指輪を探して貴族専門の盗賊をやっていた……というのが「山猫天使」名香智子、の物語のはじまり。

   押しつけられた縁談を嫌って領地に引っ込むつもりでやって来たのがモレ「侯爵」(新しい領主が戦争で武勲を立てて陞爵―ランクアップ―したらしい)、美男で遊び人の彼が拾った美少年美少女の双子、ガブリエルとラファエルがその山猫ちゃんだったというわけ。あぶないところを救って貰った姉のガブリエルは侯爵に一目惚れ、そのガブリエルとうり二つなのになかなか肝の据わったところのある弟ラファエルの妖しい魅力に侯爵はくらくら。ちょっとあやしい三角関係は、出生の秘密も指輪の秘密もみーんな解決してハッピーエンド♪ というシリーズ1作から、ルイ15世朝の宮廷が豪華絢爛でもほのぼのかろやかーに描かれていくのでありました。

   第2作「黒百合の騎士」は、ルイ14世の最愛の息子(れいのモンテスパン侯爵夫人に生ませたという実在の人物!)の隠し子、しかも美人の双子姉妹! ということからラファエロに白羽の矢が立ち、ルイ15世(まだ8才!)の宮廷に女官として出仕することになって陰謀と立ち向う……的なお話。そこで、上記のマリー王女と出会って恋に落ちるんだこれが! 退廃的な大人達に比べ、ルイ王も摂政オルレアン公の息子もマリー王女もみんな心が綺麗でまとも、「山猫天使」から3年経って27になっちまったモレ侯爵はちょうど汚い大人と純粋な少年少女との中間、ジジイは汚いけどぼうやたちは危なっかしいと両方を取り持つ立場で物語を回していきます。心正しいひとがどれだけがんばっても流れていくのが歴史、ちょっと歴史が解ってると悲恋の行く末が見えてくるのがこの巻。

   第3作「ヴェルサイユのシンデレラ」になると、ルイ15世はもう15才のお年頃。年下のスペイン王女が婚約者では後継者問題が微妙。ほら、ルイ14世って息子も孫もその下も自分より先になくしてて! 乳母が当時はやってた瀉血療法(血を抜くの!)を拒否したお蔭で生き残ったとか言うひ孫しかも3男坊のルイ15世がギリギリ残った王位継承者だったとかで。年上妻でもすぐ子供を産める王妃の方がいいでしょとばかりにまだまだちびっちゃいスペイン王女とは破約、後ろ盾のない貧乏な王妃の方が恩を売ってそのあと宮廷を支配できるじゃんとばかりに擁立されたのがマリー王女だったのでした。ホントに王族の結婚は好き嫌いじゃあ出来ない。
   でもそこは少女漫画なので、マリー王女に一目惚れしたオルレアン公の息子が父親に引き合わせて結婚の承諾を得るためにマリー王女を王宮に連れてきていたという伏線が効いてくる! マリー王女とルイ15世は面識があったのです!

   「マリー王女がフランス王妃になれば幸せになる人物がいる」

   マリー王女と駆け落ちを企むラファエルを阻止しにきたモレ侯爵がこう告げて、哀れ、ラファエルは身をひく決意をするのでした。初恋が実って幸せ120%の実姉ガブリエルもいるってのに。オルレアン公の息子もけっきょく親の決めた相手と結婚したらしいからなあ。貴族王族って大変よねえ。

   そしてほろ苦い結末になって、このあとマリーは幸せになれたんだろうかと(そんなことねーよ、「ベルばら」でデュバリー夫人っていたじゃん)おそるおそるウィキペディアを開けてみたら。

   ……夢は夢のままにしておきましょう。きれいな夢でした。


   

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