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2016年12月 3日 (土)

「桜の国から・霧の国へ」 ちょっと待ったーッ!

   月も改まったのでゆっくり電子コミックでもひもといて。
   「桜の国から・霧の国へ」名香智子。プチフラワーでシリーズ連載してたときに途中で見失って、アレはいったいどうなったんだろうと思っていたので。

   文明開化のころ、若く美しき桜小路伯爵、千晴様はご不快。由緒正しき伯爵家なれどもお家は困窮どんづまり、丁度先の園遊会で千晴様の美貌に惚れ込んだ金持ち(男性) が援助を申し込んできて、母親にそれを受けろと命じられたから。
   「女ならば
    金持ちの男と
    結婚しても
    賞賛されるんだ」
   「なのに
    貧乏な男が
    金持ちの女と結婚すれば
    甲斐性無しと笑われる」
    …………千晴さまソレ違うから(笑)。
   「女だったらよかったのに…」
   「いっそ
   絶世の美女になって
   いいよる男達の中から
   一番の金持ちを選んでやる

   お怒りはごもっともながらなんかムチャクチャなことを考えながら愛馬で暴走してるとうっかり人力車と遭遇してよけそこなって落馬、どうもその人力車に乗っていたのは援助を申し出てくれた風早という資産家? 
   「死んでもこの男のいいなりになんかならないぞ…」と意識を失って。

   同時期のイギリス、女であるために伯爵家を継げず、遠縁のアメリカ人に爵位とそれにまつわる全てを奪われてしまうことになって、なんとか彼女なりの提案を出しても容れられず、
   「わたしが男だったら……」と怒りの暴走をしていた伯爵令嬢カロライン・グレーも落馬事故を起こしており、彼女と千晴は魂が入れ替わってしまったようでした、という入れ替わりもの。

   いきなり異国の生活に投げ込まれて混乱し心を乱す千晴はバ可愛い。もともとのカロラインは頭もよく芯の強いそしてきつい性格だったらしく、絶世の美女の肢体におっとりぼんやりの千晴が入ったらもうほんと可愛らしくて、伯爵位を奪った当のオスカーはじめ、イギリス勢はみんな虜になってしまう、でも心は男だから男と結婚はどうも考えられない……。からだは女だからちゃんと女として機能していて目の辺りにしてショックを受ける、受けると泣く、それがなんとも愛らしい……。お坊ちゃまの女々しさが美少女の身体に入ってジャストフィットなカンジ。

   翻ってカロラインの方はと言うと、やっぱり援助を申し出た風早に拾われていて。こちらは多少のホモッ気はあったとしても、どちらかというと家格がめあて、社交界に出入りするための手づる的意味合いで充分、と、あんたよく話を聞いてからにしなさいよ、千晴様に説教したい雰囲気。拉致監禁どころかちゃんと千晴のうちに連れてってあげて、英国貴族の伯爵令嬢だと言い張るカロラインの言うことを聞いて(英国留学経験もあり英語がわかるという都合よさ)、古美術を海外に売りさばく商売に出資までしてくれるというありがたさ。カロラインは鏡に映った千晴の姿に一目惚れ、男に頼るだけで自分の人生を生きる自由がない、そんな一生には未練がない、そういいきって、風早の援助を引きだし、すぐ翌日から商いを始めてしまうたくましさ。女性って変化に強いのかしら。千晴の母親も、「おキツネさんが取り憑いた」と認識してすぐ慣れてたし。 

   そんなある日、
   「私はこんなに
   親切にされて
   なに不自由なく
   暮らしているのに
   千晴は食べ物もなく
   路頭に迷っている……」と、千晴の境遇に思いを巡らし、
   「私がチハルをを助けに行きます!!」と、風早の援助の元、彼らはお互いに出会う旅に出るのでした。

   「これは運命!

   カロラインの元々の性格もあるけど、やっぱ、恋する乙女は強いよね。千晴はカロラインの姿を見ても異国風美女だなあぐらいにしか思ってなくて、自分の境遇におたおたするだけでカロラインの身の上の心配なんかしてないけどね。

   そして霧の国で出会った2人は早速恋に落ち……なかった。

   色々あった結果、2組のカップルが婚約したし、風早と「桜小路千晴」もよいパートナーになると思うけどこの結末はなんじゃこりゃー!? ちょっと待ておまえら!? でした。続きはないのかと何度もめくってみたもの。電子書籍でめくってどうする。これって三文オペラ的なアレ? 見た目ハッピーエンドだけど作者の引っかけで、あんたたちこれが幸せと思ってるようじゃダメよ~んという嫌がらせ? 
   元々オスカーは「カロライン」と結婚するのが八方納まるすじだからこれでいいの? 脇役の一番の良識家が密かな恋を実らせてたからいいの? 風早もだけど。彼は結構かれらのために散財もしてるしね。いやいやいや。

   それにしても、女性も才覚を活かして自分の人生を生きてね! という作者のメッセージは伝わりました、そういうことにしておこう。そして、自分で額に汗すること、自分で前に進むことを考えない人は……それなりの人生を生きてください。顔が綺麗でもダメよ。

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コメント

 風早氏が可哀相でしょう。でも、かれ的には千晴の美貌を見ているだけで幸せ、カロラインの商才で稼がせて貰って、社交界に出入りもできて、たまにキスして貰ってそれで充分な尊いプラトニック・ラヴなのかなあ。ジョジョにおけるスピードワゴンみたいな。

投稿: まいね | 2016年12月 3日 (土) 13時05分

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