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2016年4月11日 (月)

「さんかく窓の外側は夜」 見えない幸せ

   金沢で下宿してる虎美のことは全部おじいちゃんにお任せしているおかあさんです。人としてどうよとそれは思うけど、こっちも極限まで追い詰められているので(精神がマトモなのが信じられないくらい!)そこはすがれるところにすがろうと。

   ごくごくたまにこっちに余裕があると虎美の口座にお小遣いを振り込んだりもしますが、最近はちょっとしたメッセージも一緒に送れるので楽しいですね。元々は振込み人の電話番号とかを併記するような機能だったんだと思いますが、英字も入るらしいんで、ちょっとしたお遊びでアルファベット入力欄を使ってます。
   この前バスが事故を起こしたときは、丁度春休みにこちらへ戻ってくると言ってたから、お金がなくても新幹線を使え、バスはあぶないからダメという意味で
   「USE TRAIN NO BUS」
   と入れようとしたところが、
   「待てよ、新幹線はTRAINじゃないな、あれはBULLET TRAIN? RだっけLだっけ、いやそのものずばりSHINKANSEN? NOじゃなく RATHER? それより文字数大丈夫?」とぐるぐる悩んで、結果「USE BUS」と入れてしまって、手元のお振り込み明細を見ながら
   「逆じゃん!」と頭を抱えてしまったことも。

   虎美はそれを見てなんの暗号だろうかとむしろ楽しんでいるそうです。
   「こないだのアレは何?」
   「SAY HELLO TO YOKO」
   「そりゃあアレだ、三角窓を貸してくださいヨロシク」

   レンタルコミックのお試し版だけ読んで気になっていたやつ。
   「さんかく窓の外は夜」ヤマシタトモコ。

   アルバイト書店員の三角(みかど)くんは、いわゆる「見える」人。幼い頃からかなりそれで恐ろしい思いをしてきたんだけど、それを普通の人は解ってくれないということも身に沁みて知っているので孤独に不遇に生きてきました。だって24才で頭も悪くなさそうなのにバイト店員。最初は学生さんかなとさらっと流してたんだけど、2巻で年が出て。「夏目友人帳」のたかしくんが奇行で孤立したような事情で就職出来なかったんじゃないかと。落ち着いて考えてみるとかれの苦悩の深さというか霊現象があまりにも身近すぎる不幸がさらっと描かれすぎていて怖いと言えば怖い。でも、その霊現象から逃げようと足を鍛えてみたり、戦おうとボクシングはじめてみたり、でも全然効果なかったとちょっとピンぼけで結果「地味にスタイルのいいひと」になってしまっている加減が可愛いというかうん、好ましい。
   そういう三角くんがある日出会った「運命の人」は、除霊をやっている冷川さん。かれが見える人であることを瞬時に見抜き、かれの魂を介して霊を掴んでぶん投げるという荒っぽい方法で除霊を行うという乱暴な出会いでした。イヤホント。それがまた、

   「気絶するほど気持ちいい」らしいんで。

   「ゴーストハント」でも、自分が見えているものが他人には見えない孤独と恐怖がちょっと描かれてましたが、三角くんと冷川さんにはそれを理解し合えるというのがとても大きかったようで。肉体的にも精神的にも霊的にも(?)ムチャクチャされてるのに文句を言えない、従わずにいられない三角くんの気持ちがせつなく、こっちもページをめくる手が止まらない、この先2人はどうなるの~!?

   ということを娘に訴えましたら、
   「あれおかあさんの嫌いなホモだよ? ヨーコんちで読んだ」と即答されまして。それで、
   「母がお土産代を持つからヨーコさんに是非貸して貰ってくれ」となったのでした。

   貸して貰いましたよ。
   「綺麗に読んでね」とアニメイトのヴィニルカヴァーつきの既刊3冊。どんどん見える人、見えない人いろいろ出会って三角くんの世界は広がる、そして三角くんの潜在能力が大きいこと、そして心がうぶでオープンなことが明らかになってくる。そうすると、冷川さんが嫉妬して暴走する、怖い、怖い……。でも、そこまでされても三角くんは冷川さんから離れられない、かえって、彼のことが知りたい……! 

   そのものなシーンはないのにセクシャル。BLとジャンル別けするならしてもいいけど、高度だわ。いっさいそのケ抜きで読んで読めるし。

   「続きはこの冬発売と書いてある。出てるんじゃないのか、買って回して貰え」
   「おかーさん奥付読んで。それが最新刊。この冬って年末」
   「くうーッ! ヨーコさんにくれぐれもヨロシク!」
   というようなことがありました。

   わたし全然霊的なことに縁がなくて。見えなくて幸い。ホント。悪意も。いろんなモノが見えすぎる三角くんも、それゆえインチキ占い師でも霊感はちゃんとある迎くんや、もっと凄い力を持ったがために悪用されてそれをけろっとこなす呪殺者エリカちゃんにも懐かれて、とっても大変だけどこれから賑やかでほっとする日々が待ってるといいな。その妙にポジティヴでオープンなところはおかあさんが育んだんでしょうか。幸せになって欲しい主人公でした。

   そして、
   「『落語心中』はどうした!? あれアニメすげーことになってる!」
   「ごめーん忘れた」
   ヨーコさん直接蔵書借りに行ってもいいですか……。

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コメント

 おかあさんのお好みは全然そっちが鈍いからとエリカちゃんのお目付役をさせられている逆木さん。
「ぶん殴りたくなるんで口閉じてもらえますか」とお嬢さんのエリカちゃんにも遠慮しない、でも、なにかあるとちゃんと守ってくれようとする。ヤクザさんなりに筋が通ってるお兄さんです。まあ、当然見た目も渋いしね。
 やっぱり霊的なことは全く認めないけど事件解決のために必要として頼ってくる刑事さんの半澤さんとか、脇が渋いわ。迎くんもイケメンだしね。その辺がジャンル:BLなんでしょうか。いや別に普通だろ。

投稿: まいね | 2016年4月11日 (月) 10時58分

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