« 老婆は虎よりも猛き話 | トップページ | 恥ずかしい一族 »

2015年7月 4日 (土)

ドコにでもいる話

   お仕事も無事一ヶ月が過ぎ、休憩の入りはバラバラとはいえ、ときどきご飯をご一緒したり朝点呼まで立ち話をする相手ができてきたおかあさんです。

   この日も金沢では山開きの日に必ず食べる氷室饅頭が送られてきたはいいけど虎美がいないので持てあましちゃって、だれか食べてくれないかしらと思いつつ仕事場に持っていったら、巧い具合に休憩室で見つけられましたよ。
   「うちの田舎から送ってきたんですけど、どうか助けると思って食べて」
   おずおず出したら受けとってくれました。
   「大学でこっちに出てきたときも送ってきて、これがこの季節だから足が早くって。そのころはクール宅急便がないから心配だってのに、うっかり道草して帰ったら寮母さんのいる時間に間に合わなくて荷物が取れなくて、それがもう3日続いて!」
   おかあさんの過去の武勇伝になりました。

   「もう今日出さないと傷んじゃう! ってとうとう3日目にわたし宅急便置き場のドアをこじ開けました。あのね、ドアの上に換気用の窓があって、上から傘で突いてノブのところのベロを縦にしたら開いたの!」
   おかあさん得々と犯罪(を疑われる行為)について語らない! ちゃんと同室の子を目撃証人に立てました。他の荷物には手を付けてないって!
   「それでちゃっとお饅頭を救出して、ドアノブのベロのところに(トリックについては省略)
   もう気分は名探偵コナンの犯人!
   意外となんとかなるの!」
   「まあホントに!?」
   結構楽しんで聞いてくれました。
   「でもそういう欄間から手を入れてってトリック成立するんですね」
   「なんか昔のミステリにあったかしらねえ」
   欄間じゃないですけど。欄間からって、ああ、金田一耕助のTVシリーズが脳裏を過ぎるぅ~。
   「『悪魔が来たりて笛を吹く』の」 
   「わたしも今それ言おうと思ってた!」
   「あれ最近コンヴィニコミックになってて」
   「ええー作画は誰? 知らないひとかもだけど」
   「解るかな、ええと、JETさん」
   「ええ~っ! わかるわかる! あのひと横溝のシリーズ他にもやってたよね!」
   「他にわたしが持ってるのは『八ツ墓村』で」
   「最近はハーレクィンのコミカライズもやってるけど、ロンドンっぽい絵柄がよくって」
   「そう、シャーロック・ホームズはほんと雰囲気が合ってて」
   「解るわ~! じつはわたしあの方が某雑誌の読者コーナー担当してた頃から知ってて」
   「……某雑誌」
   おねえさんの目が遠くを見ます……。
   「マイナーだから知らないでしょう」
   おかあさんヒット・アンド・アウェイの仕度を調えます。こないだから結構漫画を読まれるかたとは解ってきてたけど、ま、知らないならいいやー。
   「わたし、それ知ってるかも」ポソリ。
   「まさか……とっても濃い分野の?」
   「……やぎざわ梨穂さんとか?」
   「それ~~~~~~~~!」

   「わたしケンコジでした
   でも聞いてすぐなんのことか思い出せないくらいには昔の話よ~~~~。記憶が蘇った今はもう肩を抱くべきだったと切歯扼腕。やっぱ年喰ったわ。

 

   ああ、なぜ同好の士は饅頭1個からも引きずり出せるのでありましょうか。

   すっかりいけないおねえさん歴についてお互い告白しあって楽しい休憩時間を過ごしたのでした。

   こないだ波多利郎さんの車に乗せていただいてたとき、
   「これはどうです? 今期のアニメのアレのOP」と次々聞かせてくれるのに、
   「ごめんなさいそれ見てない」としか答えられなくて、お兄ちゃんは後部座席で聞いていて申し訳なさにハラハラしたといってましたが(母だって申し訳ないとは思ってたって!)この年になると同じものにはまって熱く語れる相手というのはプラチナの草鞋をはいて捜さなくてはならないぐらいというのは骨身に沁みてたんですが。

   意外とドコにでもいるのかも知れません。

   という話を虎美に振ったら。
   「うん。こないだ歴史学の入り口の入り口って講義で、なんでもいいから興味のあるモノについて調べてきて発表ってやつでとある男子が『シャー・ナーメ』についてやたらアツク語ったから、あんた日曜5時のアレ見てるでしょって聞いたら一発で『アルスラーン』読者って吐いた。うちのおかあさん原作読破してるって言ってもうガチ友になった」
   ……虎美さ~ん、フェイクはこのぐらいでいいですか~?
   おや、クィーンズカレッジは女子大じゃなかったのか。アレ昔女子短大やったやん。親もよく受けさしたな。しかしながら、下宿してまでイマドキその地方唯一の史学科に通おうというのだからみんなガチの歴史オタクなんだそうです。ナルホドね~。

   まあ、そういうわけで、アニメ・漫画オタクはいまどきドコにでもいるらしいです。よろしくね。

|

« 老婆は虎よりも猛き話 | トップページ | 恥ずかしい一族 »

コメント

 伸ばしかけのサイドの髪を編み込んで
  今日のわたしはジョルノ・ジョバァーナ 舞音
  セルフ・パロ。本歌は
 伸ばしかけのサイドの髪を編み込んで
  33度の予報に備う
 平成2年ぐらいの大塚女子大学の同窓会報に初出。あの頃は33度でも猛暑だったの!

  「ジョジョの奇妙な冒険」5部のヒーロー、ジョルノくんはなんと三つ編みをビシッと一本にまとめて後ろに垂らした美少年です。ジャンプのヒーローといえばギザギザ・カットの黒髪という伝統に金髪三つ編み男子を持ってくるんだからもうスゴイよ。
  虎美がいないからジョジョネタも誰にも判ってもらえないわ~とか思ってたけど、今度振ってみようっと(*^_^*)

投稿: まいね | 2015年7月 4日 (土) 21時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/61837079

この記事へのトラックバック一覧です: ドコにでもいる話:

« 老婆は虎よりも猛き話 | トップページ | 恥ずかしい一族 »