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2014年9月24日 (水)

回帰熱 遅ればせながらの目次

   ようやくコンプリートの目が見えてきたので。
   ブラームスのリーベスリーダーの歌詞を王朝風に翻案しよう「回帰熱」のシリーズですが、順番にやらないで時期も取上げる曲もバラバラではこっちもご覧になる方もめんどくさくてしょうがない、目次が必要だ、ということに今更思い当たりました。

   小田急の車中でスマフォちゃんをぽちぽちといじってまとめてなんとか進捗状況だけ以下にお示しします。

   

曲順 大まかな歌意           進捗

   1:  相聞 君に胸キュン       未着手
           オッケー ウエルカム  未着手
   2:  ドナウ川波浪警報        済
   3:  そんなにとろけないで      未着手
   4:  わたし輝きたいの!       未着手
   5:  遠恋はつらいよ          済
   6:  小鳥ちゃんの冒険        未着手
   7:  嗚呼倦怠期            済
   8:  きみは頭痛薬           暫定
   9:  ドナウのバラ乙女         済
  10:  恋って素敵             暫定
  11:  外野ウゼー            済
  12:  黙れ!               済
  13:  心休まる人を           済
  14:  いまひとたびの          済
  15:  もう一度キスして         未着手
  16:  恋は坑               済
  17:  散歩禁止             済
  18:  回想と悶絶            済    

  

 やばい、6つも残ってた。
   いえ、1はもうかたちになってきて準備中ですから。この秋じゅうには絶対。

   8と10の暫定ってのは微妙で。
   8は、別件でいちど、これってこの第8曲のシチュエーションだよね! とそれにヒントを得て一首詠んでここでご披露してるんですよね。でも、あまりにもその……「まいねぶり」で、王朝和歌じゃあない。曲中の言葉なりシチュエーションを使ってもいないので、他の歌とのバランスが取れてないかなーとちょっと保留です。

   心からの 無垢の笑顔を賜(た)びければ
     気鬱の征夷大将軍汝(なれ)       舞音 再掲

   どーです、やっぱヘンでしょ? 「征夷大将軍」なんてターム和歌に出すなよ。でも、わたしとしては、聴いても聴いても、並べ替えても崩しても、この曲でこれ以上のものが浮かんでこない。泥沼の状態でであったひと、そんな、タイプじゃなかったんだけど、その眼差しで、笑顔で、目の前がぱっと開けた、そういう開放感、きみは心のケロリン、そういう感覚をこの歌に見ました。それが第9曲のドナウ乙女だったら、そりゃ10コの錠前壊しに行っちゃうでしょ。ドナウ幕府開いちゃって、もう。

   それでも、

   眼差しを気鬱を払う幣束と
    思いなしてぞきみを尊ぶ   舞音

   がんばって和風にゆかしくとアイテムを探しましたが、この程度。幣束(へーそく)って、神主さんの持ってるハタキみたいなアレね。これもヒドイか。浪漫はいづこ。これじゃあ恋心までいかないじゃん。 後半「こんな思いをあなたは無碍にしないで、わたし以上にあなたを愛するものはいない」って言ってるのに。やっぱわたしとしては前者を推したいです。    
   10曲めも、もしかしてこのシリーズの最初に取上げていたかもしれません。
   和歌の伝統の序詞というやつは、ヘタをすると上の句全部を使って前振りをして、「その~のように主語は述語だよ」、と下の句で締める、そういう技巧であるという論文(?)を見て、あ、それ、ブラームスのリーベスリーダーの歌詞もそういう構造だよね、と例に出したんじゃないかしら。
   そして、泉水が野を流れるのは柔らかい 恋が姿を現したときは素晴らしい という落差大きすぎてわけ解かんない謎歌詞を、伊勢物語とか大和物語の和歌っぽく変えてみるとこうなったと。

   あしびきの山路に汲める石清水
    見ずともひとをおもいそめてき 舞音 再掲

   いやこれもと歌詞跡形もないやん。
   枕詞と序詞使って王朝風にはなっとるけど。というわけで暫定になったわけです。
   もと歌詞の言いたいことは解るんだ。ああ、これって恋なのねってときめきはもう岩崎宏美も歌ってます。♪あなたお願~いよ。でも、前段がほんと意味不明でこっちの心に迫ってこないから翻案の手のつけようがないんだ。とりあえず泉の水出しときゃいいのかと思って、王朝和歌のお約束で山のわき水にしたけど。違うよなーシチュエーション変わっちゃったよな。

   柔らかく草原を流れるってのがイメィジ沸かなくってね。じゃあ逆に固く流れるってのから類推すればいいの? ……ごめんやっぱ無理。その辺が生まれ育ち、自然環境の違いかしらね。翻案ってやっぱ不自然で無理なことなの?

   山路なる汲めども尽きぬ水のごと
    湧き来るおもひを恋とこそ知れ 舞音

   今なんとかかたちにしましたけど。う~ん、やっぱなんか違うと思う。

   そういうわけで。8と10は暫定。あとは少しずつ出します。
   全部揃ったら本にしてユキコ先生(そのおおもとの論文が退官記念文集にあった)にお渡しするんだー(なんて迷惑な)。

   ここでお約束しちゃったから途中で投げ出せなくなりました。さあ、頑張ろう。

   こんなことして、何の役にたつのかって、合唱団で今度リーベスリーダーやるんだってひとに少しでも歌詞を理解していただくとか、ブラームスの凄さを解ってもらうとか、イヤ無理? まいちゃん落ちぶれて同窓会にも出てこないなにやってるんだろというひとにまだこういうことしてまーすという近況報告とか? とりあえず自己満足。

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2014年9月22日 (月)

回帰熱 落ち穂拾い 

   ブラームスのリーベスリーダーの歌詞を王朝和歌風にアレンジしてみようという「回帰熱」シリーズ、なかなか18曲コンプリートはむつかしいようです。

   今回は第7曲、アルト独唱です。

   結婚する前は、とても素晴らしかった
   あのひとのまなざしは壁を、もう10枚の壁さえ通過して
   わたしのことを捉えていたというのに

   哀しいこと この冷酷なひとは今や
   すぐ目の前にわたしがいても 心を動かそうとしない

   これはきっついでしょう。倦怠期だ。女声2重唱じゃなくアルト独唱ってのもきつい。どうもわたしが勝手に思ってることですが、オペラ/声楽界ではソプラノはお姫様、娘さん、アルト、メゾソプラノは奥様、おばさんと役を割り振られてるような気がします。とくに、男性経験豊富なイメィジ。余計なお世話や。

   「リーベスリーダー」全曲でひとつの恋を描いている説では、いきなり「結婚する前は」と(原詩では vor (die) Ehe)……って、嗚呼、おかあさん痛恨の大誤訳!
   わたしの学生時代はこれをvor (die) Ehe :婚姻の前 と見たのですが、今CDについてる歌詞見たら vorehe となってるじゃないですか! これひとつで「前に」って単語になりますか、エキサイトくんの怪しげな翻訳だと。横についてる英訳の方も単純に once って言ってるし。

   話を元に戻すと、ひとつの恋愛の進行を描いている説でいくと、いきなり「結婚」って言葉が出て驚くのですが、ここは平安の頃の古き良き習慣で、お泊まりがあった状態と解釈して、気持ちはもうただ1人の相手と思い定めているのに、的に解釈する、と持っていきたかったのですが。

   

誤訳かよ。恥ずかしい。

   まあ、ここで18年ぶりに再び訳してみようと思わなかったら世紀の大誤訳(オオゲサ)に気付かなかったので、ま、このシリーズもやっててよかったなと思うことにしよう。

   そういうわけで、いっそうシリーズ内の位置がはっきりしてきた第7曲であります。

   要は、飽きたと。

   シーズン的にバッチリ。王朝和歌でも秋は飽きにかかって別れのシーズンであります。

   壁をだに障りとなさず目守るひと
    つれなかる朝 あき風の吹く    舞音

   足りねえ。
   三十一文字じゃあ足りねえよ。歌詠みとしてそれはあってはならぬことなのに。「壁10枚」が入らない! 目の前にいるんだよ、でも心はこっち向いてねえんだよという哀しみが出ねえ!

   大好きな曲だっただけに痛恨の二乗。悔しい。

   さて、壁10枚というのは、ひょっとしてあとに伏線として続いているかもしれず。

   第9曲は、そうなるともしかして別の娘のところへいったかも知れませんが。

   ドナウ川のほとりに 家が建っている
   そこではバラのような娘が表を見ている
   その娘は よく守られている
   その扉には10の鉄製の錠が掛かっているくらい

   10の鉄の錠だって! お笑いだ!
   今からおれはそれをガラスのように打ち砕く!

   壁は10枚、錠前も10コ。まあその辺は詩的お約束の数字でしょうか。ということで、こう詠んでみました。

   十重二十重 籠められにける乙女をはや
    恋そめにけり 盗人よわれ   舞音

   伊勢物語とか万葉以前な感じになってしまいましたよ。
   10の錠前ぶっ壊してその後どうするって、力自慢して終わりじゃないでしょ。恋の一夜があるに違いない。伊勢なら盗む。だから「盗人よ」と言っちゃいました。イマドキは相手が未成年だと、合意の駆け落ちでも未成年者略取になるんだって、怖いね。

   ちょ、まて、じゃあ、第6曲で「小鳥は捕まっちゃったけど、悪い気はしなかったカモよ」(物語風な長編の曲というのはこれ。繰り返し含め数ページの作品中最長の曲)っていってる彼女とはここで破局して、新しくドナウ河畔の彼女を奪いに行っていろいろあって(10でシヤワセだーとやって、11,12で噂になってうるせー! って切れて破局して14曲で月を見る)15でもう一度キスしてって言ってる彼女は別人!? リーベスリーダー恋物語説破綻したじゃないですか!?

   やばい。大前提が崩れてしまった。今後どうしよう?
   ……そこは、一つの恋と見ないで、このゲーテ君(ゲーテちゃう)が若い頃いろいろあったんだー的セイシュンの痛い日記と見ればいいのかな、それこそ伊勢物語ノリで。そういうことにしてください。

   やっぱ限界が近づいてきたでしょうか、うぅ~んこれはキマったな! と自分でも満足いく出来のものができません。それでもある程度は頑張ってみよう。お付き合いお願いします。

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