おかあさんぎっくりする
いやーほんと困った困った。
夏になってから北里リネンサプライにもケーニヒスティーゲル社からいろんな新しいひとが派遣されてきて、またこれが有能で困っちゃう。最初はいいひとが来てくれたわーと思ってたんですが、意識の高いひとというのは他人にも要求が厳しい。「早乙女さんはどうして何も考えてないの、もっと周囲をよく見て動いて」なんてことになりまして、おかあさん夏の間中精神的にも絞られる日々だったんですが、まあ、「今まで我慢してたけど早乙女さんは動きがとろい、もっと頑張って」なんてドルシネアちゃんにも言われるようになって、ああ、もう!
そんで、ひと夏越えて疲れた身体にむち打って駆け回ってたら、来ました魔女の一撃。
「すいません、腰が……」
カニのようにしか歩けなくて、みんな、
「そういう状態のひとをフォローしなきゃならないこっちも大変だから」と早退を勧めてくれて丁度お昼が来たので、主任さん工場長さんにも快く許していただき、工場長さんが車を出してくれるというので駅まで送って貰いました。これ10月はじめのおはなし。もっと早く出せよ。
そのまま病院まで担ぎ込まれそうになったのを、アツギでかかってもその後通院するのが大変、と固辞し、ノイエ・リリエンベルクに帰る電車の中で、駅最寄りの整形外科を検索して、無事に「ノイエ・リリエンベルク整形」が見つかったのでした。ブラヴォ、おお、ブラヴォ。いえね、丁度木曜だったから。木曜ってお休みの病院多いじゃない? ほんと焦りましたよ。そこは木曜やってて日祝が休みでした。
午後の部は2時からというので、その間にDoCoMoショップで携帯ちゃんに充電させて貰ってぼーっとして過ごし、2時近くなっていざ受け付けと駅前の「ノイエ・リリエンベルク整形」に向かいました。既に2、3組が受け付け待ちしてて。初診なのでいろいろ問診票に書き込んでいると、なんだかフレンドリーな方が寄ってきて、白衣じゃないので病院の方ともお見受けしないのに、
「手はどう? 大変だったわね」と仰る。いえわたしぎっくり腰で、とおろおろすると、察して別な方へ移動、それは、タッチの差で2番になったエレガントな大奥様、なにやらお昼を食べに来たノイエ・リリエンベルクのレストランの玄関先でスッ転んで担ぎ込まれたらしく。入り口はそれぞれ別ながら中ほどで繋がってるらしい診察室からいろいろ漏れ聞こえる様子ではどうやら手の骨にヒビが入ったとかで、お気の毒。会計を待ってる頃には娘さんが駆けつけてこれからのことなど話し合っていました。すいませんそんな大変な方と間違われて。でも、病院の方が電話口で話を聞いただけだとそういう大奥様と見間違われる風体だったわけねとちょっと傷付いたおかあさんでした。
看護師の皆さんは白衣どころか、青系のプリントのTシャツっぽいラフなお召し物で、全然威圧感とか感じませんでした。新(あ)ったらしいわー! レントゲンを撮ってちょっと問診したり触って確認した限り、そんなやばいモノが出てたり痺れが生じてたりもしてなかったので「椎間板ヘルニアなんてもんじゃない、ただの急性腰痛! 寝てなさい!」と診断が出まして、ちょっと電気を当てて帰るだけとなりました。明るい感じのリハビリルームももう近代的で、溜め息。「とりあえず温めましょう」と座って腰になにか巻いて数分、横になって電極を当てて、なにやら針で刺されるような電気刺激を受けること数分。
「じゃあまた来てね」
とっても良い雰囲気だったのですが。
そのあと町田の営業所に呼ばれて、事情説明、お給料の支払いと労災の説明をしてもらって、その週末はお仕事キャンセルで寝て過ごしました。結構精神的に来てたので、とっても安らかに眠れましたとも!
ところが、世の中そんなに甘くない。夏の疲れが出たのか、
「すいませんまだ痛いです」
「すいません、動くと痛みが」
だらだらとさらに一週間寝て過ごし。自転車操業だから、おかあさんが働かないととたんに困窮する早乙女家! やばい、そろそろ働かないと、虎美の後期の学校納付金が落ちない!
「今週こそ!」と勤務予約を入れるも、「本日早乙女さんにご紹介できるお仕事はありません」とつめたいお返事。問い合わせると、「腰は引きずるから、主治医のOKがもらえなくては紹介できません」って先に言えよ! またノイエ・リリエンベルク整形に行くと、
「無理しなくてもいいんじゃない?」って、先生それじゃうちやばいんです!
なんとかOKをもらってケーニヒスティーゲル社に連絡を入れるも、やはり仕事が送られてこなくて、翌日涙の抗議を入れると、
「あ、故障者リストに載ってました。ほんとに大丈夫なんですね?」と支店長から直々に確認があり、やっともとの派遣先に戻ることができましたとさ。
故障者リストなあ。
たしかに、ギックリで最初に連絡を入れたとき、町田支店のいつものオペレーターのお兄さんが「じゃあ、お仕事入れないようにこちらで手配しておきます」って言ってたし、療養中は「明日フリーな登録メンバーの皆さんへ! お仕事のご紹介です」って毎日うるさいほど送られてくるメイルがさっぱり来なかったです。それなりの管理はしてるんですね。
そういうわけ、無事復帰して1ヶ月経ったおかあさんでした。腰はもう大丈夫。当たりのきつかった皆さんも少しは優しくなったかな……?
まあ、なんとかやっています。
それにしても、整形外科って今はモダンになったもんですねえ。
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