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2014年7月 8日 (火)

三年目の事実 芸術に強い甘木高校篇

   その昔、虎美が甘木高校に滑り込んで各種入学手続きをしていたときのこと。芸術の選択科目を美術と音楽とどちらにするかという申込書がありまして。

   「1 強い音楽
    2 弱い音楽
    3 強い美術
    4 弱い美術

   この選択肢はどうよ?

   この強い弱いについての説明はなにもなく、期限までに希望を記して提出とのことでした。

   「強い美術ってのは、甘高は陶芸が盛んだから、当然焼きものをバリバリやって、粘土まみれになっても構いませんってやつだな。弱い美術はそこまでしないけど、音痴なんで音楽は勘弁してくださいってやつか?
    じゃあ強い音楽はもうピアノはソナタまでバリバリ、他になんか楽器やってるとかでアンサンブルもこなせますとかいう感じかなー当然おまえは弱い音楽で」
   母は常識で判断しますが虎美聞きません。

   「あたし強い音楽

   「 待 て !」

   いっても聞かない虎美のことですから、黒々と強い音楽にマルつけて出しちゃった。なんとか希望も通って、虎美強い音楽選択者になりましたよ。

   「音楽選択と芸術選択で基本クラス別れるんだけど、音楽選択者の方からしか入学式、校歌聞こえなかった」
   「ううむ、それは不届きな。校歌ぐらいちゃんと覚えろよ」

   「それで強い音楽と弱い音楽ではやることは違うのか?」
   「ううん、みんな一緒に音楽は音楽、美術は美術みたい」
   「じゃあなんのための強弱なんだ?」
   「わかんないけど結構きついよ。次からキーボードで『夢の中へ』の弾き語り」
   虎美バイエルじゃないメトードローズとかいう教則本をつかうピアノ教室で、さぼりながらやっと右手と左手が別々に動くようになったレヴェルだったんですけど。当時よりよっぽど熱心に練習してなんとかおまけで合格したらしいです。
   「次は阿漕」
   「アコースティック・ギターな。電気に繋がない奴」
   「わかってるって!」
   嗚呼、21世紀ともなるとリコーダーなんてガラパゴスな楽器はやらないみたいです。
   手の小さいうちの子のことですから、阿漕のネックに手が回らなくて泣き泣きおにいちゃんとこっそり親を恨む発言なんか交わしたりしてこれもなんとか合格して。
   期末試験がわりの発表会ではそれぞれ好きなもの同士組んでアンサンブルを披露するんだそうで、いきなりフルート・コンチェルトをやったコがいたとか。さすが芸術に定評のある(?)甘木高。ガチの声楽志望者もいるとかで、堪能しつつも虎美とっても小さくなってました。

   「それで強い音楽とは一体何だったのだ? 音大を目指すレヴェルの授業だったら足手まといだっただろうが」
   「別に。単に、どうしても音楽がいい! っていう強い意志ってことだったらしいよ」
   「ハァ!?」
   「別に美術でも良いよっていうコは弱い音楽にマル。ミナちゃんはそれで人数の関係で美術にいってもらえますかって春休み中に電話掛ってきたって」 

   「そーゆーのは『強い音楽』って言わない!
    公式の提出書類にそんな意味不明な日本語書いていいと思ってるのか!?」
   「ほんとそーだよね」

   とりあえず、長年の疑問が解けた早乙女家でした。

   「3年の音楽は音大行く連中しかやらないから高度。あたしはとらないから清々した。
   おなじみのメンバーだから和気藹々やってるってさ」

   出席が足りず推薦が無理で一般受験の虎美さんは受験勉強に邁進してください。お願いします。  

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