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2013年10月18日 (金)

おかあさんグレる

   こないだお仕事のみなさんとお昼を食べていたら、なんとその時の現場ではおかあさんが一番古株だったことが判明、びっくりしてしまいました。それでご機嫌になっていろいろ他の現場ではどうだったとかいう話を開陳したりして、楽しく休憩時間を過ごしましたら、お仕事も終わったあと、中でもノリの良かったお嬢さんに声を掛けられて。
   「今日はずっと座り仕事で疲れてないし、時間もまだ早いし、バス代浮かそうかと思って」とこの辺には詳しいというお嬢さんを先頭に、お金を節約したい組でバス30分の道を歩いて帰ったのですが。
   「ねーバス30分の道ってそれなりなんじゃないの?」
   ふと思いついておかあさん尋ねてみます。どうしてそれを歩き始める前に気がつかないかな?
   「あははッ1時間ぐらいですかねー」って、おい!
   「うわーエビーニャに着く頃真っ暗になッてんじゃね、若い人ってコワイわー」
   「ゆっくりいきましょーよー」
   結局1時間掛けてエビーニャにたどり着いて、そこから電車に乗って帰りました。翌日さすがに脚が辛かったです。

   今日はちょっと。なんというか、今日の現場は月曜に初めていったところで、なかなかいろんな作業をさせてもらえて、肉体的にも精神的にも充実した経験だったと感想を待ちまして、機会があったらまたやらせて欲しいと思っていたら、金曜の募集でまたあったので希望を入れてまた行ってきたのです。
   月曜の帰り際も、
   「どーです? また駅まで歩いちゃいません?」って。あれ? やっぱりこのお嬢さんこないだの現場の健脚ちゃん? 朝バスの中でも声かけられたのに、一日一緒にいて気付かないなんて悪いコトしちゃったわー(ほんとに人の顔覚えちゃおらんのだ)
   「いやーもう勘弁。今日は立ったりしゃがんだり大変だったし。こないだは次の日大変だったんだから」
   「そーですね。でも、一本道だったし、朝は5分できたでしょう? 行けると思うけどなあ……」
   「やめてお願い」と、その日はみんなしてバスで帰ったのですが。
   彼女とは今日は会わなかったのですが、今日はまた別な理由で。

   要するに、今日は仕事仲間に恵まれなかったと。
   仕事ができるからと言って、周りの人にも気配りができるとは限らない。そこは、「ジョジョの奇妙な冒険」の5部の名台詞にもあるように、
   「『任務は遂行する』『部下も守る』 『両方』やらなくちゃあならないってのが『幹部』のつらいところだな」といったところです。普通の人間はできないからこれは名台詞たり得ているんですね。
   場面を説明すると、ヒロインのトリッシュは母子家庭で逞しく育ったのですが、父はイタリアを支配する新興マフィアのボスであったと判明、瞼の父の元へと向かうシンデレラ・ツアーが5部なのですが、それを許すまいとする敵の能力者が次々襲ってくるんですね。トリッシュの護衛を任されたのが事実上主役のブチャラティ。物語を一貫して主役を務める黄金の血を持つ一族の隠し子・ジョルノはこれを機にマフィア内でのし上がろうとする不気味な新入りです。
   恐ろしい超能力を持つ刺客が次々襲いかかってくる道中、舞台はこのとき時速250キロのユーロスターの車内です。乗客含め皆が確実に死に至らしめられることが窺われる不気味な超能力に襲われている最中のこと。どうしたら襲撃から逃れられるのか、ここまで進行してしまった状態を元に戻すことができるのかも判らない、敵が誰なのかもわからない、どう倒したららいいのかも解らない、その追い詰められた状況下、ようやく敵を見つけ出したときのセリフなのです。とにかく、敵は見つかった。超能力には設定として「射程」が存在する。とにかく敵をトリッシュや部下達から切り離して遠ざければ能力から逃れることはできる……! 

   「覚悟はいいか? オレはできてる

   ブチャラティの覚悟とは、走行中の超特急から自分もろとも刺客をたたき落とすことでした……!

   いやあ、今日身を以てこの台詞の重さを知りました、なんちゃって。

   てなわけで、ブチャラティならざるリーダーさんのもとで一日働いて、たいそう精神的苦痛を覚えたおかあさんは、要するに、

   仕事が終わってまでてめえらと一緒のバスなんか乗りたかねえんだよ!

   と、日が傾く頃から心に決めておって、
   「ありがとうございました。失礼しまーすッ!」と明るく事務所を出たら、まっすぐ来た道をひとりでとっとこ歩き出したんですけど。

   ……最近日が落ちるのが早くってさ。なんか曲がるところ間違えたみたいで。なんかここ通ったっけ? と思ってるうちにどんどん変な所に出て、気がついたらバイパスみたいなところのはじっこ歩いてて。もしかしてこれ高速じゃないよね? おかあさんいくらなんでも高速に迷い込んだこまった歩行者までいってないよねとひやひやしながら対向車線の車に見つけてもらえるように楽天ゴールデンエンジェルズのTシャツの光るスパングルのついたところを見せるようにして歩いて、なんとか脇道に入って、もしかしてこれ知らない工場の敷地内じゃあ? とかなりやばいところを通り抜けつつ胃を磨りつぶされそうになりながらもバス通りに出ました。こないだ帰りに健脚ちゃんたちとバスを拾ったバス停に着いたときにはもう胸をなで下ろしました!

   ああそこで素直にバスに乗っておれば良かったのに。

   ここまで迷った元を取るように、そのまま歩道を歩き続けちゃったのです!

   そのまま橋を渡って、橋のたもとのバス停も確認して、あとは、
   ……道なりだったっけ? と、今朝のおぼろげな記憶をたぐりながらもう真っ暗になったアツギ界隈を歩き出したのでした。

   ……ホテル・レンブラントなんて朝通ったっけ?

   おかあさん! 自分がこないだ言ったんじゃん! 帰りはばらばらになることがあるからちゃんと朝に自分の責任で「ヘンゼルとグレーテル」しとかないと帰れなくなるよって! 帰りに歩く気ならランドマークのひとつふたつちゃんと覚えておこうよ!

   ……大丈夫、アツギは都会だから、賑やかな方に行けばいいのさ。

   ちょっと! やめようよ! いい年して! 知らない街を夜歩いてどうすんの!?

   解りました。おかあさんが敢えて迷子になるのは、がっちがちに優等生な自分(本当か)、ギャンブルどころか宝くじも買わないような安全第一な日常から逃れるためなのです。毎日毎日ネットで教えて貰った最適化された乗り換え情報なんて参考にして! バイトの道行き帰りも貰ったナヴィ・メイルのとーり歩いて恥ずかしくないのか!? 外せよ! ぶっ壊して見せろよ! ロックン・ロールなんだよ!(人生においてそんなものに価値を置いている時点で既に感覚が昭和人?)
   迷ったっていいじゃないか! おれにはもうそれを円満解決できる力がある!

   ふはははは! いざ頭を上げよ! BGMはそう! こないだの「さすらい人の嵐の歌」だ! 風よ吹け、雨よ降れ! 天の守護するものはそんなものに心を戦かせたりはしないのだ!

   ……なんちゃって。
   いい気分になって歩いて歩いて、脚はアツギの中心部に至り、やっぱり道あってたじゃん、おれは方向音痴の才能がある、それにしても、金沢の中心部とほぼ変わらぬたたずまいというに、6時15分にしてほぼ全ての店のシャッターが閉まっておるというのは由々しき事態よ、これが空洞化というものかなどと思いを致しておるうちに、とある大きな建物にたどり着いて。よし、今宵はこれぐらいにしておいて、これをネットで検索するなりして駅への道を調べてあとは大人しく帰ることにしようとその建物をよくみたら。

   「アツギ区役所

   めっちゃ固いやん!

   脳内BGMは一挙にバッハのカンタータ「キリストは死の罠に捕らわれたり」になってしまいました。
   「♪クリスト ラーク イン トーテス、イン トーテス バーンデン……」がっくし。
   ええもう迷いようもなくそこから先はがっちり帰ってきましたよ。アツギ駅に着いたときはやっぱ1時間ほど経ってました。

   でもまあおかげでスッキリしたからいいか。
   おかあさんのぐれちゃうは、お仕事中の非友好的態度及び怠業ではなく、ヘンゼルとグレーテル的突発的彷徨に出るってこと……のわけねえよッ。明日の筋肉痛が怖い!

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2013年10月15日 (火)

やっぱりネコ系が好き!?

   沖縄の修学旅行のしいさあ絵付け体験で、虎美はしいさあを思いっきり虎柄にペイントしてきたそうです。周囲のおともだちはもう「早乙女=虎美」だと認識しているので(クラスで揃いで作ったTシャツ、運動会や球技大会などクラス別で盛り上がるときに着用するやつで、背番号が出席番号、その上の本人のニックネームが迷わず「とら」だったぐらい!)、なんにも言われなかったらしいんですが、お店のひとはそんなこと知るわけないので、
   「まあー阪神ファンなのー?」と聞いてきて、
   「いいえぜんっぜん違いますッ」と答えたらしいです本人談。
   嗚呼なぜそこで
   「ええ~違いますよあははははッ♪」と答えられないのであろう(詠嘆)自分も若い頃は突っ張っていてコワイひとと思われていたような気もする事はするんですけどね。なんでそう無駄に攻撃的なのかと、ハァ。親は冷や冷やしますですハイ。今時の子であるリアルの友達はそこんとこ媚びて無くてクールでカッコイイとかそこシビとか思ってるのであろうか。やっぱり冷や冷やしてたりして。

   そして、虚しく楽天のグッズ通販のページなど見ていたら、タオルマフラーの一覧がありました。これがまた品数が多い。お値段的に手を出しやすいからでしょうか。やっぱりクリムゾンのお品が多いわーと下へスクロールしていくと、なんとピンクのヒョウ柄のマフラーがあって、商品説明を見たら、「女性に人気のヒョウ柄をプリント」云々と書いてあって。ああ、それでピンクなのね。
   「柄ではやばいんだろうな」と呟いたら、
   「……そりゃやばいでしょう!」と虎美がややあって大笑いしてくれました。それこそ阪神ファンと思われちゃうじゃん!
   それにしてもピンクはないだろうピンクは。

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2013年10月14日 (月)

芸術とは反実仮想と見つけたり

   例によってゲージュツの秋でございます。

   かの女(ひと)に質量あるをうたがへり
    舞台の上にオデット姫舞ふ        舞音

   姫ちゃんのバレエ団のおさらい会を見に行ってきました。今年は「白鳥の湖」! ダイジェストだけど、いやちゃんとつぎはぎ感なく舞台になってました!

   例によって第1部はちいちゃいお子ちゃまたちが可愛らしく踊る違う雰囲気のステージでしたが(この部のトリを取ったお嬢さんも片足立ちくるくるがお上手で今年こそ「ブラヴァ!」と声を掛けようかと思った。……来年への宿題だ)。

   二十分休憩を取って、第2部が待ってましたの「白鳥の湖」。オデットもオディールも先生で、王子様やロットバルトは客演をお願いした男性のようですが、あとは、「貴族の姫君」も、「他国の王女達」も、「4羽の白鳥」もみんなバレエ団のおねえさん達です。スゴイ! 姫ちゃんも大活躍でした。

   わたしこれが初「白鳥の湖」なんですが、すごいですね、オデット姫。あの手の振りが、
なんとたおやか。同じ人間とも思えない。王子が思わず出て行くと、怯えて逃げる、それを、「あやしいものじゃございません!」と追いすがる、尻込みする、それがほんと、リアルでいながら夢幻のごときエレガンス。やっと心うち解けて、2人、手をさしのべ合って踊る、パ・ドゥ・トゥってやつですか、これが、体重無いでしょ! といいたいぐらい軽い。ふんわりひらりと舞い上がって、カツッ、カカカカッという足音しかしない。そりゃ王子も持ち上げてますよ? 支えてますよ? 現実に存在する人間だもの。だけど、とても、そんな生々しいものを持っているような仕草ではない、感じさせない。まるで、茶人が水のたっぷり入った茶釜やら水差しやらをほいほいとか~るく持ち上げるように。こんなものは、大切なあなたと一座を建立するためのほんの小道具で、額に皺を入れて大切に大切にするほどのものではありません、なんて心意気みたいな。いやほんと、利休言ってるって、重いものは軽いように持て、軽い物は重いように持てと。
   いやじっさいソレすっげえ謂われのあるお宝で、物理的にも重いんだけどさ。
   芸術なんて、この世にないものを描いてみせるものじゃないですか。
   そこら辺にあった瀬戸物を、謂われがあるといって尊重してみせる。相手と深い心のつながり、価値観の共有がここにおいてできたと思うなんて、それは幻想。そんなものはないのに。形にして見えるはずはないのに。
   それがあるように尊んでみせる
   人ならぬものと心を通わせて、愛を誓うなんて、試練に勝つ愛なんて、そんなもの有り得ない。魔法使いなんてこの世にいない。おいたわしい身の上の奥ゆかしい姫君なんて、存在しない、そんなことは、言わないで。
   舞台の上には、夢がある。美しい姫君が華麗に舞う、有り得ない高さを跳ぶ王子がただ愛に生きてくれる。正義は勝ち、愛は正しく燃え上がる。
   それが芸術というものの醍醐味であるなあ、哀しいけど。
   そんな境地に達しましたのよ。
   ほんと、それくらい先生のオデットお綺麗でした。

   後半、嫁選びの舞踏会は、だーれも来なくてオディール一択だったんじゃなく、それなりに「他国の王女」がいて、それぞれアピールする踊りを踊るんですな。これが、デザイン同じで色が赤黄青、緑にオレンジピンクでもうちょっと前のアッキーナのコマーシャルじゃないけど「どの色選ぶの?」状態。黒のオディールを入れたら七色だ。王子目移りしそう。
   それぞれみたけど、どどーんと、あの有名な「情景」、チャーン! チャラララチャ~ラチャ~ラ♪ のあのテーマを暗くアレンジした曲がかかると、もう心を引きつけられずにおられない。オディールは他の王女達とは格が違うのです(いやそりゃ生徒さんと先生じゃあねえ)。王子をいなすコケットリとか、もう、これはかなわんわー、騙されるわーと見ていて納得しました。

   昭和のバレエ漫画の知識だと、「白鳥の湖」のオディールは、クライマックスで「グラン・フェッテ・アン・トールナン」という大技を持っていて、あたかもウルトラマンがスペシウム光線を放つかのように、ムッチャ難易度の高いこの技を繰り出すところがプリマ・ドンナの証明であるかのような常識が刷り込まれておったのですが、これ、いつ出るかと思ったら、王子を魅了するとこじゃなかったですね。この人に決めます、とかいって母后に紹介して、もう変更なしね、と花を手渡したあと、他の王女たちが祝福して(エライ!)、ウィニング・ランじゃない、ウィニング・ダンスを踊るところで出るみたいでした。ただ、これ、片足立ちで、もう一本を周りながら振り出すことによる遠心力で32回回るという技らしいんですが、つい数えちゃいましたが20回ぐらいでした。やっぱダイジェストだしね。

   罠にはまってよく似た他人に愛を誓ってしまって呆然の王子、目の前で希望が露と消えて惑乱のオデット姫。ほんと、劇としてもちゃんと成立しているこの構成のたしかさ。たしかこれ構成も振り付けもこの先生だったんじゃないかしら。そんで自分で主役踊るし。なんてマルチな才能なんだろう。

   というわけで、伝家の宝刀も教会のなんかすごい宗教的アイテムもなしにロットバルトに挑む王子、簡単に吹っ飛ばされますが、何度も挑む、とどめの一撃の瞬間、オデット姫が身を挺して王子を庇う! その愛の力に打たれたらしく、ババーンと逆に逃げ去っていくロットバルト。九死に一生の王子、ところがオデット姫は倒れたまま。死ぬの? 愛の力ってこれ!? と、音楽がハープの分散和音になり、弦は短くザッザッザッザッと音を切って盛り上げます。ここんところはさすがチャイコフスキーと思いましたです。起き上がるオデット姫、喜ぶ王子、あとはらぶらぶの2人で組んで踊る踊り、キャー♪

   非常に楽しめました。いやー来年が楽しみだわ。単純にバレエを見ることができるのがこの機会だけだから、という意味だけでなく、このバレエ団がどんどん若い人が育ってる感じで、先生の演目への取り組みも刺激的だし、先行きが楽しみでもあります。

   姫ちゃんお疲れ様、来年もよろしくね!

   そしておかあさんはお昼軽くしか食べないで行ったらお腹すいて目が回って、もう食べることしか頭になく、駅の横のフレッシュネス・バーガーに入って帰りの電車賃も構わずハンバーガーをがっついて、ホットの紅茶が冷めるのを待ちながら財布をひっくり返して冷や汗をかいたのでした。ハンバーガー買ったときには見えなかったけどもう千円ちゃんと持ってきたのでした。ホッ。フレッシュネス・バーガーおいしかったです。今度はちゃんとお小遣い持って出かけます。

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