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2013年11月15日 (金)

売文家族

   虎ちゃんも神奈川県高校文芸界では実力派になってきまして、既におかあさん高校時代での獲得賞金額で抜かれてしまいました。しくしく。次には何とか大会の発表がある、楽しみだなーなんて皮算用するようになって、おまえはペンネームを狸と改めたらどうだ(おかあさんジェラシージェラシー!)ごほんごほん、いえ、親孝行な娘でございます。こないだは、詩のボクシングの書評版、ビブリオバトルなんてのがありまして、本の紹介をマイクパフォーマンスでやりあって、聴衆に読んでみたいと思わせた方が勝ちというやつで図書券をみごとゲット、ネットで見かけて興味があった「月刊少女野崎くん」を買ってきてくれました。面白かったです、レヴュウはこの次にでも。
   ただし、どうせ聴衆は文学少女であろうと手もちの固い本から「マドンナ・ヴェルデ」で勝ちに行った虎ちゃんでしたが、あに図らんや聴衆は男子中学生だったので苦戦、なんかスポーツ系の熱い本を紹介した別の子の方に票を奪われたそうです。策士策に溺れる。まあ最近胸を張って紹介できるような本を読んでなかった虎ちゃんがいけません。シグリンや根津君みたいに文豪もよんどけと言っただろうが。ほんとにもう。「舞姫」ぐらい教科書にもあるだろうといってやったら、「無いよ、おかあさんなにいってんの」と反論されました。いや、「山月記」と「こころ」はあったと申しておりますが。いや去年の教科書でおかあさん久し振りに熟読してやっぱ鬼畜やこの男って嘆息したと思ったけどなあ。
   とりあえずその辺は昭和の頃と変わりないようです。評論なんかは、茂木研一郎とか新しいところが入ってておおって思いましたけどね。

   さて、おかあさんもなにか書いてみようかとこないだからこねくり回していた架空歴史小説、なんとか形になってきまして、虎美もちょっと読んでくれるというので、
   「政略結婚でフランスみたいな大国から嫁いできた王妃様はじつは見合い用の肖像画を見たときから王様に片想いしておって、でも王様は大国から押しつけられたお妃なんか無視で、王妃様淋しい毎日を送ってた所が王様不治の病に罹って寝たきりになって、その頃、仮面舞踏会に、王様のいとこでうり二つのプレイボーイが王様の仮装をして現われて王妃様を踊りに誘って、王妃様は王様じゃないと解ってるんだけど、それでも憧れのひとと踊れた、一夜の夢を見させてくれてありがとうってとってもきれいに泣いて微笑んでくれて……」と渾身のシーンについて語ると、
   「その話どこを面白がれればいいの?」と素で聞かれてしまいました。

   面白くないかなあ?

   「これはフツメンの王子が周囲の女の子に助けてもらって王様になる話で、めがねっこの幼なじみは知略で勝利させてくれて、体育会系のお嬢様は実家の兵隊を引き連れて囲みを破って参戦してくれて、王妃様は実家と連絡取って外交で助けてくれて、癒し系の未亡人は人脈で情報収集と兵糧集めしてくれて……」

   「今の若い人が見たいのは魔法で派手にやりあう戦争物だから!」

   そこを、魔法とか必殺技が出てこない地味に裏工作とか権謀術数な話にしたかったのよ。「アルスラーン戦記」よりは「マヴァール年代記」、「デルフィニア」よりは「流血女神伝」……いやスケールちがうけど。それ「Fate」の読者が喜んで読むはなしじゃあないな。持ってくなら中公か講談社だ。そんでもってずいぶん女の子向けだ。ラノベってことでどんな挿絵がつくかなって考えてみたけど、どう考えても宮城とおこかさちみりほだ(敬称略)。

   「もっと今のラノベを研究して書いたら!?

   そんな、アラフィフのおばさんが今どきのラノベを研究して書いてみましたってまんまなハーレム物出す方がよっぽど恥ずかしいわ! って、全然明後日の方向の作品を出してくる方が恥ずかしいかなあ、そこんところはわたしオジサン(活田光矢氏)と一緒?

   これは純粋に自分が楽しむために書いたのもありますが、未来を担う若い人にはこういう物を読んでもらいたい、なんだかんだいって運命の女神は最後まで諦めない正直なやつが好きだと語りたい! 女神ならぬ人間はもっといいやつが好きですとも! あきらめるな、ふて腐れるな、正直で、目の前の自分に出来ることを地味にこなしてる奴のことはみんな好きだからと伝えたい! いろいろ書いてきても、わたしの書く物は結局そうなるんだもの。大人むけ文学だからと世の中を解ったように書いてみても、じぶんが面白くない、書いてて苦しい。完全じゃあない人間が、それでも美しいところを一つは持っていて、それを認められてほんの少し幸せになる話の方が好き。たとえ漫画の本編で主人公であろうと、自分の野心のために見ず知らずの人を踏みつけにしてしゃあしゃあと笑ってるような奴が途中死にかけたりとか苦しんだといっても最後にいい目をみるのはどうもしっくりしない! 好きじゃない! ジャンプのヒーローなんだから少しワルなほうがカッコイイのかもしれないけど、さんざん二次小説書いといてあの作品は自分で許容できない(いや書いたからこそ出る本音?)。それを、リズムよく崩すにしてもあんまり砕けすぎない日本語で。あんまりヨコモジ入れすぎない感じで。

   あれだ、読むスローフード。こんなものを押しつけて、まあ、勘違いしたオバチャンだこと。痛いわ~。でも、わたしはこの時こう思った、こう動くべきだと思った。本当に勘違いしていて自己満足かも知れないだろうけど、わたしはこういう作品を今世に問うべきだと思った。そういう証拠として記念参加してきましょう。

   ま、痛い目にあってきます。

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