« とんとんとんからりと 堪忍ならん | トップページ | 本日の王さまの耳はロバの耳 その差はどこに? »

2013年8月24日 (土)

骨までしゃぶり尽くすハーレクィン 「恋するクィーン」シリーズ

   今度はシリーズものを両面しゃぶりつくすということで。

   「別れは朝まで待って」と「シークの拒絶」、2つで「恋するクィーン」シリーズになります。原作はジェイン・ポーター。ヒットしたら、この2人の血縁(ネタバレ禁止!)としてスピンアウトでジャクリーヌ王女の恋も描かれるのでしょうか。要は「クィーン」ちゃうやん、「プリンセス」やんという話。

   アメリカ人秘書のハンナと、架空の国ブラバントのエメリーヌ王女、なぜかうり二つの2人が出会ったとき、絶体絶命だったエメリーヌ王女に妙案が! という入れ替わりもの。
   「あなた、わたしと入れ替わって頂戴! ほんの2時間だから!
   エメリーヌちゃん箱入りだったので、そんなもん巧く行くわけがありません。2時間の筈が10日になって、ハンナは大変、エメちゃんも大変なことになるお話でした。

   「別れは朝まで待って」というのはハンナ側。エメちゃんお輿入れ10日前で、そのまま行方不明になったエメちゃんの替わりにハンナは婚約者のゼイル王のもとに出発してしまったのでした。そんなん困るよ! おまけに、絶体絶命! のエメちゃんは婚約者がいるのに有名選手のおっかけをやってたらしく、ゼイル王の目は氷点下。自分のせいで結婚が破談になっては大変と、持ち前のほっとけない精神を発揮して友好的にしようと苦心するハンナ、いろいろ粘り強く会話をしてるうちに、ゼイル王が誠実ないいやつであることを知っていくのです。やばい、惚れそう! (これ入れ替わりの王道)てかなんでエメちゃんはこんないいひとがいるのに追っかけなんかやってたのよ!? 説明責任を果たさずに「ちょっと待って」と逃げ回るエメちゃんにイライラさせられつつ見捨てられないハンナはいい子。
   けれど、ハンナ的に身を引く決意をして、なんとか綱渡りのまま結婚式まで持ちこたえた筈なのに、とうとうボロが出て結婚式前日に入れかわりを告白するハメに……。ゼイル怒ったー! 鬼の国外退去命令。それが「別れは明日まで待って」なのですが……。

   やや苦しいどんでん返しでしたがまあいいか。エメちゃんが最後出てきて両方に謝らなかったのは枚数の関係でしょうか、ちょっと人としてどうよと思いました。

   「シークの拒絶」というのはエメちゃん側。シークというのはハンナの上司なんです。ハンナ有能でした。とある産油国のシークの個人秘書だったんだ。すげーな。それが、イヴェントの出先だってのにもう5日も病気で有給取ったきり顔見せない、ボスややご機嫌斜めなところにゴージャスに着飾ったその秘書が、チャラ男で有名な選手に必死に声かけてるからびっくり。
   「ハンナ、病気で有給中の身でなにやってんのきみ」
   いえそれ髪を染めてハンナになりすましたエメちゃんですから。政略結婚直前にチャラ男の子供を妊娠しちゃって絶体絶命のエメちゃんがお願い責任取って! って直談判するための入れ替わりだったんですが、みごとにバックレられました。しかも、
   「知らないのか? やつは既婚者だ。子供もいる」と、シークは情報通。
   だめじゃん、エメちゃん箱入りで。
   箱入り言うなー! エメちゃんは出生の秘密があって、多感な頃に両親と信じてた相手から王室の汚点呼ばわりされて自己評価が低いのです。そういう子ってしょーもない男に引っかかったりするよね。
   シークはそれが自分の秘書だと思いこんでるので、いつもちがってなんか感情的……と変に侠気を出して(もとから好意を持ってたかどうかは不明)、いろいろ気配りしつつ5日も休んで仕事溜まってるんだぞオラ、と次の仕事場まで連れてっちゃう。1の方でエメちゃんが行方不明なのはこのせい。
   そんなところへ諸悪の根源、チャラ男が事故にあったとの知らせに、もうエメちゃん限界。またシークは侠気出しちゃって、ボロボロのエメちゃんはシークに惚れそう。シークもなんかこう落ち着かないので、セクハラとか言われる前に配置換えしちゃう。ハンナ本人のせいじゃないのに! 困るんですけど! ってなふうにエメちゃんはエメちゃんなりに大変だったんです。

   とうとうシークもこれがハンナじゃなく、チャラ男の追っかけをやってたことで有名なエメリーヌ王女と知って、いろいろ口げんかしつつうちに送っていったところが、
   「結婚はできません! わたし妊娠してるの!」とエメちゃん一生一度の勇気を振り絞ったのに、
   「このあばずれがー! 母親と一緒ね!」ってこの王妃人間じゃねえ。
   「ちょっと待ったー! 父親はぼくです」と、そこへまた侠気。カダール国の主要産品は原油ちゃうで、侠気やで。
   シークには一身上の秘密があって、そのシークにとっては妊娠してる女性は宝石より貴重だったのでした。そして見事な手のひらがえし。ほんとこの王室の人間はクソ
   かくて絶体絶命から急転直下の大団円を迎えたエメちゃんには、最後に大きなプレゼントが。しかし、「拒絶」しとらんやん、受け入れっぱなし。毎度ハーレクィンの翻訳タイトルは能がない。おれにやらせろ(あ、本音出た)。
   こちらはちゃんとハンナが駆けつけて、2人があれからちゃんと仲良しになれたことがわかったのでよかったです。

   ネタバレになりますが、「周産期の女性に必要な処置を取らないのは虐待」。いくら望まれない妊娠だったからってアレは、妊娠初期からずっと必要な健診とか受けてきてなかったからの事態だと思いますね。全ての悲劇の元凶はそれだ。エメちゃんはこれから幸せになると良いよ。でも、パパに愛情をたっぷり注いでもらってそして自分も愛情を回りに注いであげられるようにそだったハンナは偉かった。ハンナも幸せになって下さい。
   それにしても、妊娠初期であんなにあっちこっち飛行機乗ったりストレスにさらされたエメちゃんは大変でした。髪も短期間に何度も染め直しとかしてたし。よく流産しなかったもんだ。

   できすぎなストーリーですが、絵は2の方の藤田和子さんの方が好きかな(1は小林博美さん)。話は、レンタルのところのレヴューにもありましたが、1のヒロインがしっかりしてるのもあって1の方がハラハラドキドキで面白かったかな。母の形見のネックレスとか伏線もしっかりしてたしね。

|

« とんとんとんからりと 堪忍ならん | トップページ | 本日の王さまの耳はロバの耳 その差はどこに? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/58050480

この記事へのトラックバック一覧です: 骨までしゃぶり尽くすハーレクィン 「恋するクィーン」シリーズ:

« とんとんとんからりと 堪忍ならん | トップページ | 本日の王さまの耳はロバの耳 その差はどこに? »