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2013年6月 2日 (日)

「マダム・ジョーカー」 女性は解放されたか

   新刊が出たというのに買いに行けなくて、昨日レンタルの方にもう落ちていたので悩んだ挙げ句、駅前の有隣堂さんに見に行ったらあったので買っちゃいました。やっぱり読み返したりすること考えると紙の本で欲しいです。諦めてレンタルした9巻は、藤原さんの失踪したダーリンの事情が載っていて実は大事な巻だったことともあって。

   さて12巻。無敵の主婦蘭子さんももう仲人とかお願いされちゃうお年頃。前の巻で、仲人を引き受けたところ、いろいろ訳ありのところに例によって首を突っ込んで例によってお金と合理的な性格(?)ですっぱり解決して、「月光寺様にお仲人をしていただくといい結婚ができる」と評判になってしまって、また仲人のお願いが来るという話……。
   これは時々ある、ジョーリューのご家庭では世間体とかを気にして女性が思うとおり生きられないとかいうお話。同時収録の話もそうだったし。名香智子ミステリにお決まりのすっこーんという一本背負いのようなどんでん返しが決まって爽快です。淑やかで上品な女性が心に冷たいものを隠して生きていたっての、あるある。確かにこんなひどい目に遭わされて耐えてきたんだから、このぐらいされて当然なのかも知れないけど……と思っていると、次の回でちゃんとフォローがあるから甘ちゃんなこちらはホッとする。もとヤンキーで離婚歴があって子連れの嫁の方が傲慢不遜なオッサンに優しく手をさしのべてくれる(家事もできるし)ってのはありがちかもだけど心が和みました。
   「そんな男は捨てちゃえば?」という単純明快な蘭子さんに、お姑さんやゲストの奥様は、「世代が違うのよね」と哀しそうに笑うのが今回のテーマでしょう。昔の日本はよかった、床しいものがあった、ひとの関わりが温かかった、そういう懐古調もそれはアリで、正しいのでしょうが、訳の解らない論理が罷り通って、心優しい女性……に限らないか、が辛い思いをしていたのもある意味確かなのですから。そこんとこは、時代が変わってよかったと思いましょうよ。ヴェテランの描く物語には、そういう視点もあるように思います。

   巻末のもう一話の結末で、「祖父の初恋の人が晴れてここで弔ってもらえることになって、盆に皆この家に戻ってくることになったら、祖母と喧嘩になったりはしないのだろうか」と危ぶんでみせる蘭子さんの息子に、「あの世ではそんなこと思いやしない、楽しいことだけが残ってるのがあの世さ」と軽やかに笑ってみせるお姑さん、このひとも昔気質で辛いことも笑って乗り越えてきたひとですからこう言えるのでしょうが、こういうお年寄りを尊敬したいです。この大奥様の余生が楽しくながからんことをお祈りしたいです。

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