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2013年3月26日 (火)

「ワンパンマン」 繋がれば安心

   村田版ワンパンマン、3月14日更新予定が遅れに遅れてこの週末更新で。まずはおめでとう。今回も総天然色♪

   巨大隕石篇(いやその前のオリジナル部分もか?)からじらしに入って、画力がすごいのは解ったから、話を進めて~という読者の魂の叫びをまるっと無視して、すんごい描き込みのジェノスくんの新兵器アタッチメントやら、カラー見開きでのメタルナイト:ボフォイ参戦やらを描いてくれていて、本人も解っているのか扉絵で「俺の出番まだ?」と主人公サイタマ氏に語らせるくらいにサイタマ氏の活躍はお預けだったのですが。

   来たよー! 今回は、その出撃シーンの凛々しさから頼もしいと思わせといたメタルナイトがS級ヒーローにあるまじき利己的なやつと判明するところから。こいつは目的は人助けではなく、結果からヒーローと認定されているのであろうというヒーロー。心は英雄なのに身体能力が追いつかないC級無免ライダーとは真逆な存在です。原作ONE版の描写で、他のヒーローが彼を真の敵とジェノスに忠告したこともあって、もしかして、ジェノスの怨敵はじつはこいつなのではとわたしは推測しています(あくまで個人の意見)。
   壊滅の危機にあるZ市のこの事態を「実験」と言い放つ様にジェノスは怒りを見せます。このコはそういうアツさのあるヒーロー。とりあえず視野は狭いけど心でヒーローの資格はあるかな。いや、復讐が主目的というならとりあえずサイタマに逢うまではやはりヒーローの心の資格はなかったのかな?

   そのジェノスが、メタルナイトの利己的な×ヒーロー活動○隕石破壊活動に反感を抱き、それが効果の無かったことを見て、次に、及ばずながら全力を尽くそうとします。ここのところのメカ描写がまたお素敵。それでも、目の前で見たメタルナイトのおおがかりなミサイルでもなんの打撃を与えることができなかったことから、自分が最善を尽くしても無理なのではないかと脳内検討し、やや短絡的にまた視野狭窄でパニック寸前になるところを、「まあ落ち着け」「適当がベスト」と、武道家らしいアドヴァイスを与えるシルバーファング:バングがまたナイスジジイ。本年度のナイスジジイはこのひとが持っていきました
   適当という言葉で心の師サイタマ氏を連想(それってどうよw)、一息ついたところで、「この一撃に今の俺を捧げる」と焼却砲をぶっ放すジェノスくんです。

   まあ、当然への突っ張りにもならんわけですが(隕石巨大すぎ)。

   「駄目だ! 破壊できるようなものじゃない!」
   「いや! だが気のせいか隕石が勢いを落としている様に見えるぞ」
   「本当か!?」
   「あ、気のせいじゃった!」
   「糞ジジィめ!」
   ここの掛け合い、原作でも笑ったわ。

   手を腰の後ろに組んで、姿勢まで好々爺のバング、実に飄々と見届けてくれています。ちょっとは優しいよね。気休め言ってくれて。ジェノスくんお年寄りには敬意を払おう。

   「残り9秒」「逃げるんだバングさん」あ、払ってるよ敬意。
   ジェノスくんがサイボーグなところはこれだけ死力を尽くして、一瞬だけど脳内検討段階でパニくってもいたというのに秒読みを継続していたところね。普通の人間だと、感覚が早回しになっていて、あ、走馬燈状態? 正しい時間の認識ができてないでしょうこういうとき。映像作品とかだと、スローモーションになってるよねきっと。情報量の多い、濃い時間です。

   そこへ現われる主役。真打ちは最後に登場するのです。

   「じいさん、こいつ任せるぞ」

   後ろ姿の上に、吹き出しでその頭部も隠れているのです。でも、読者はそれを見誤ることはありません。

   「だ、誰じゃね、キミは?」

   驚くのはバングさんだけ。

   「俺はヒーローをやっているものだ」

   キャー! 千両役者! カッコイイ! 顔はあのてるてる坊主顔だけど。
   そんでもって、やっぱり一撃でおわり。

   ジェノスくんが脳内検討したとおり、隕石は砕けたけれど、破片が雨あられと降り注ぎます。

   「ジェノスくん、動くな」中略。
   「守っちゃる」
   はーいおじいちゃんの出番はここ。見事に破片をたたき落としてくれました。ビルが倒壊してもジェノスくんひっ抱えて見事に避難、避難。やっぱりS級は伊達じゃない。
   サイタマ氏は華麗に着地を決めて、「一件落着だな」って、いや、街全体に破壊の波が広がってくらしいですけど。そのへんのアバウトさがサイタマ氏の持ち味かしらね。

   という感じで、あーんもうスッキリ! 待たされた甲斐があった、もう一生着いていきます状態なんですが。

   ピクシヴなんかでファンの感想を探しますと、ここんところ、ややジェノスくんが師匠を度を超して慕っているという見方のひととはいえ、絶体絶命のときにサイタマ氏が現われたときのジェノスくんの表情に安心感が見える、おかあさんを見つけたときのような、なんて表現もありました。ああ、なるほどそうかも。あと、そもそもの登場時のモスキート娘戦のときには、彼我の能力の差を痛感し、勝利の目がなくなってしまったときには自爆をすぐに考えていたジェノスが、周囲への影響を考えて煮詰まっていたあたりにさいたま氏と出会った影響を見たようでした。うぅ~ん、そうかぁ。でも毎度後先考えないフルパワー1択なところは変わってないと思うけどな。

   モーニング講読中、毎週2ちゃんねるの当該雑誌スレッドで感想を読んだり、歴史もの等のときには、こういう史実があって云々とお詳しい方の解説を読んだりしてた時にも感じてたんですが、今時は、漫画を読んでも、深い漫画読みの人に細かいところを解説してもらえるのが楽しみです。解説ってほどでなくても、「絶対可憐チルドレン」とか、「Q.E.D.」とか、作品内に小ネタを入れてくる作者の時には、「ここんとこにこうこう!」と指摘しといてくれると、見逃していた自分もそれを発見してとても楽しくなります。このワンパンマンも、単行本の時には、ここのところにこういうネタがあって、表紙はこういうふうに見るとこうなっていると誰かが解説してくれていて、もう、一粒が2度3度おいしい! グリコもびっくり!
  ややいけない掘り下げ方をする方もいるとしても、それはそれでれーせーに割り切って排除して。ネットで読者が繋がれるようになった今の漫画の鑑賞はそれはそれで豊かだと思いますよ。ジェノスくんがサイタマ氏と出会って心にゆとりが生まれ、サイタマ氏がジェノスくんにと出会ってヒーロー同士横のつながりを得たのとはまた別の次元のこととしても。

   それにしてもけっこうえ~かげんなヒーロー協会のヒーロー認定基準。一度も姿を現さない、けれどランキング一位のヒーローってのは実は世に知られていない、評価されていないと腐ってたサイタマ本人のことなんじゃ、って指摘、どっかで見ましたけど、納得だわあ。

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