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2013年2月 7日 (木)

「メイド イン ジャパン」 立ち上がれ!

   最初流し見のつもりが、1月の第1回放送があまりにも良い出来でつり込まれるように視て、先週の第2回はTVの前に陣取ってまともに視て(!)。

   

   今週末最終回です! NHKドラマ「メイド イン ジャパン」! 見逃すな!

   高度成長期から日本の家電業界を引っ張ってきたタクミ電機ははもう実は瀕死、創業者会長の岸部一徳に呼び出されたもとやりての営業マン今は落ち目、の唐沢寿明は会社がもうメインバンクにも切られ、倒産間際であることを知らされます。期限はあと3ヶ月。特命で各部署から能力はあるがはみ出している人材を引っ張ってきて、会社再建の極秘プロジェクトがはじまります。
   そもそも会社が落ち目になったのは、当節のキラーアイテム、リチウムイオン電池の開発で後塵を拝してしまったこと。そのために長年の顧客の自動車メイカー(こっちもハイブリッド化のために必死)から切られてしまったからで、リチウムイオン電池の契約を取り返せればきっと失地回復、会社も生き延びられる……調べていくと、との契約を取られた中国の新興電気メイカーの当該商品の技術は、どうやらタクミが開発していた技術の盗用らしいと判ります。交渉に勇躍中国に飛んだ唐沢他プロジェクトチームの皆は、それがタクミをリストラされた技術者(高橋克実)がもたらした技術と知るのです。裏切り者と詰め寄る唐沢に、彼はタクミからは一切設計図などは持ち出していない、頭の中にあったノウハウから作り上げたものだと言いつのります! 
   リチウムイオン電池の開発は、あの失われた10年の苦労してきた家電メイカーには負担だった、生き残りのために不採算部門のそれを切ったのは他ならぬ唐沢寿明本人だった! 
   中国の会社は当然うちの技術だと言い張る。外国企業との合併での生き残り策も行き詰まり、最後の手段として高橋克実を訴えることで電池の技術が会社にあることを示し、自動車メイカーとの契約を取り返すことになります。自分が切った技術者に復讐される唐沢(=日本企業)! 唐沢の家庭では自らも、ないがしろにしていた妻に離婚を切り出され、二重写しのスタンスに唐沢は苦悩するのでした!

   会社は生き残れるのか、家族は再び1つにまとまることができるのか、リストラした技術者に報いることはもうできないのか。

   物語の行く先がこんなに気に掛るドラマは珍しいですよ。

   2年前から準備していたとかで、もう今の社会をこんなにハッキリ描き出している作品はないでしょうというできばえ。それがまた、れいの不具合ばっかりという新しい旅客機のボーイング787ちゃんのこないだやばかったところがメイド・イン・ジャパンのリチウムイオン電池だったとかで、もう図ったようにタイムリー。脚本の井上由美子は神か。

   その高橋克実は拾ってもらった中国のメイカーと蜜月かというと、また違って。根っから技術者な高橋は、その電池に不具合があることを知り、会社がそれを隠して対応をしようとしないことに苛立っていた描写があるので、どうも、最後にはやっぱりメイド・イン・ジャパンの良心がどうとかいって帰ってきてくれるんじゃないかと甘い期待をしてしまいますが、現実はもっと厳しい、持ち出した技術を吸い尽くされた日本人技術者は中国や韓国からは使い捨てにされて漂流しているという話なんかも仄聞しますんで、さあ、どうなるのか。

   見逃せないぞ、最終回!

   まあ、出来は良いんですが、開局60周年記念とかでNHKが力入れすぎで、番組の宣伝がもうイヤ! と言うほどはいるので、ちょっといや~んな気持ちにもなるんですよね。まあ、ドラマには罪はない。最終回は2月9日(土)21:00~22:13 NHK総合です。第2回の再放送は9日の午後、各地それぞれの時間帯にやりますんでご確認の上お試しあれ。

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コメント

 岸部一徳の会長がまた飄々としたカンジでいいわーと思えば、ぼんぼんの及川光博の若社長がまたおステキ!
 吉岡秀隆の財務課長が中途入社であることをあげつらわれて飛び出していくところはもう心臓を鷲掴みにされるし、その妻は病身で身重と聞くともう可哀相で。
 國村準の工場長がまた、高橋克実の気持ちも解るっていう辛い立場を表現していて、もう、キャスティングも神。
 企業弁護士のおねえちゃんのマイコが、頭に血が上って吉岡に八つ当たりしてしまった前述の唐沢の醜態にみんなが彼を見放してアジトを出て行ったあと1人残って、でも、優しい言葉を掛けてあげることもできず、「(差し入れの)天丼に罪はありませんから」と、わたし料理できないんでとか言い訳しながら唐沢が人数分差し入れた天丼をぶっきらぼうに掻き込むシーンはしみじみしましたよ!
 ほんと、NHKのドラマは優れていると実感する今日この頃でした。ただし、朝ドラ! おまえは例外だ!

投稿: まいね | 2013年2月 7日 (木) 00時58分

やっぱよかった! 高橋克実が緊急帰国して記者会見を行うというので、タクミ側は翌日に詳しい事情を説明する会見をぶつけることにします。リハーサルもやっとこう、と、まだ対策室のメンバーしかいない会場で予定原稿を読み始める唐沢。よどみない強気な論理展開に、リストラ司令官(今は疲れて総務気付)の平田満が突っ込みます。ここで、高橋克実が何をやったかを挙げた方が良いと。できますか? と。彼は、リストラの第一人者として、首を斬る相手には中途半端な情けは掛けない、その方が良いと言ってました。
 即時に対応して、高橋が、開発凍結されたリチウムイオン電池の技術を持ち出した、と冷静に言葉を継ぐ唐沢。弁護士のおねえちゃん、対外交渉のスペシャリスト、皆から次々に想定問題集のようなツッコミが浴びせられる。それに冷静に適切に答えていく唐沢。流石です……? でもちょっとひどくない? と思いはじめると。 
「彼は、裏切り者です……」決めつけた声が潤んでいます。ツッコミの声がやみます。
 ああ、リハーサルしといて良かった。これを会社としての説明会の席上でやらなくてよかった。こちらもすっかり目が潤んでいました。
 高橋の会見は最初圧倒的で、タクミに付けいる隙はなかったのですが、そこに、高橋の息子の新聞記者が立ちふさがります。「タクミへの復讐ではないのか?」と。そこで他の記者からタクミ沿いの質問が浴びせられ、答える必要はないという中国側の指示に反して、高橋は答えます。「この技術は自分の子供のような物だ!」
 そして、事故が報告されていることを暴露してしまうのです!
 土壇場からの逆転ホームラン。いや逆か、大暴投。タクミ側は三振振り逃げでなんとか危機を凌いだ感じ……。
 中国側にも裏切り者になってしまった感じの高橋、「工場でだれも奴の言うことを聞くものはいないよ」という社長の言葉に、唐沢は高橋を訪ねますが……。
 やっっぱり、ものづくりの良心は最後のところでひとを裏切らない、いい結末だと思いました。
 太田宏美のエンディングテーマ「タクミ電機の歌」がよくてね。「♪明るいナショナル」や「♪光る東芝」をもっと癒し系にしたカンジで。ほんと、未来を信じられる家電メイカーらしい歌でした。

投稿: まいね | 2013年2月15日 (金) 12時17分

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