« 2012年12月16日 - 2012年12月22日 | トップページ | 2012年12月30日 - 2013年1月5日 »

2012年12月29日 (土)

「暗殺教室」 殺せないよ……

   同じく週刊少年ジャンプから最近のヒット作を。

   「ある進学校のおちこぼればかりを集めた特殊クラスでは、担任を暗殺するための特殊な任務を課せられていて、生徒達は賞金目当てに毎日勉強しながら先生を暗殺すべく腕を磨いている……」設定を聞いたときにはどんな殺伐とした話かと思いましたが。

   どんな悪の象徴なんだその担任はと思ってページを開いたら、かわいい丸顔の、タコのような生物でした。月を吹っ飛ばして三日月状態にしてしまったというおそるべき力を持っていて、「1年後には地球も同様に吹っ飛ばします。イヤなら私を殺してみなさい」と人類に挑戦してきたという防衛省から派遣されてきた担当者は語ります。この学校の3年E組の担任を1年間やりますから、その間に生徒達に挑戦を許します、とその生命体は余裕余裕。マッハ20であらゆる物理攻撃を避けまくり、喰らった鉛玉も体内で溶かしてしまうという無敵さ。当然その筋の訓練を受けているはずの担当者(=烏間)が接近戦に持ち込んでもかすりもしないので、名門校とはいえ落ちこぼれクラスの中学三年生が「先生」を仕留めるのはどうかんがえても無理……。
   それでも、賞金100億と、どうやら死にゆく教師に託されたらしく「このクラスの担任をやる」ことに誠実な「先生」の真実生きていくために必要なことを教えようとする熱意に打たれて、E組のみんなは熱心に勉強と暗殺のスキルを磨くのでした……。その「先生」、なんともユーモラスで「人間味」にあふれていることだし。

   名門校がモチヴェーションを保つために成績下位のクラスの待遇に差をつける、というのは「バカとテストと召喚獣」の文月学園を想起させますが、あれは最後のクラス以外にも、AとB、それ以下同士でも差をつけていたし、A組の秀才でもそれ以外は残念(ストーカー気質とか、妄想ホモとか、裏表の激しい見栄っ張りとか)、というガス抜き要素はあったと思います。ここまで、成績の振るわないものは差別対象と打ちだした設定は独特で過激です。みていて息苦しいです。現実にそういう年頃の読者はよりそう思うでしょう。だからこそ、個々人によりそって個性に合わせた指導をしてくれる、そして、難しい年頃で多分に攻撃的な生徒のおいたや反抗も受け止めてくれる「殺(ころ)せんせー」(殺せない先生ということからのあだ名)の包容力を得難いと思ってしまいます。間違っているのは、この人間じゃない恐ろしい生命体のほうじゃなく、世間で高評価を受けている学校(とくに運営している理事長)のほうなんじゃないか、と誰にも思わせます。

   物語は学校生活をゆっくり季節を追って描きながら、リミットの学年末へと進んでいきます(今日発売の単行本2巻で修学旅行)。3月が来たとき、E組の「劣等生」達はみごと「人類の敵」を葬って英雄としての人生を勝ち取るのでしょうか、それとも、この先生を殺せないと心を1つにして、間違っている学校を、社会を壊す方に動くのでしょうか。

   期限が切ってあるので無駄に話が引き延ばされる恐れもなく楽しめそうな佳作であります。E組のみんなでは倒せそうにないということが判明して次々投入される新勢力がいちいち楽しい(停学中だった頭が切れすぎて教師不信のイケメンとか美人殺し屋とか、AI搭載の自律型砲台とか)ので、当分楽しめそうです。絵も可愛いしね。狂言回し(?)役の渚君がかわいいです。今男の子のツインテイル(2つ結び)って流行ってるのかしら。側頭部上がったとこあたりの髪がちょっと房のようになっていて独特です。そういえば、イナズマイレブンGOの主役、松風天馬もあのへんに巻き毛があるよなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月28日 (金)

「黒子のバスケ」 実際に読んでみた

   「そんなに黒子黒子いうならいちど母にもみせるがよい」と常々せっついていたのですが、この暮れも押し迫った時期に借りてきやがりました。あ、みくさんありがとうございます。いつも豚娘がお世話になっています。
   明日(もう今朝)は今年最後のごみ収集日だというのに大掃除は手つかず、しかも最大級のポリュムニアー様(ミューズの一員、物語を司る女神)が降りてきている真っ最中というのに!!
   3時間で「全部一気だと重いからとりあえず切りのいいところまで」という6巻まで取り急ぎ読みました。

   「面白いじゃないか!」

   ええと、帰国子女で、本場のバスケを仕込まれてきた体格もよく才能もある火神大我くんは、日本の中学バスケのへろさに失望していたのですが、高校ならそこそこ楽しめるだろうかと、今年2年目の新設校ながら、先輩達はそれでも去年都の高校決勝リーグまで行ったという誠凜高校に入学し、バスケ部に入ります。そこで出会ったのが、みょ~に影の薄い黒子くん。聞くと、10年に1人の逸材を5人も揃えて中学バスケ界をリードしたあの帝光中のバスケ部出身。しかも、伝説の6人目の男だったという。とくに体格がよくもなく、体力もスキルもなさそうな彼の特殊能力とは、もともと目立たない特性を活かしたボールを奪い、パスを回す役目だったのです。勝利だけを目指す帝光中のバスケに疑問を感じてバスケをやめた黒子くんは、バスケを楽しもうとする火神くんの姿に心を動かされます。活かすべき「光」を得た「影」の存在は高校バスケでまた輝き出す……。といったお話。

   その「キセキの世代」が高校では全員バラバラの学校へ進学したという設定なので、昔のチームメイトがかわるがわる敵として立ちふさがります。そんで、当然偵察とかいってまだ試合で当たらないうちに接触してきて、どんどん因縁というか関わりができてくるし、それぞれの個性をあらかじめ出しておいてくれるので、ファンは勝手に盛り上がれるというやりかた。うまいですよ。みんなそれぞれイケメンだしね。なるほど、乙女達が盛り上がるわけだなー。

   女の子のキャラクターもそれぞれ元気です。主人公のチームはスポーツインストラクターの親を持つという2年生の女子が監督をやってます。理論派です。情熱をもってよく働いていて、ああ、時代だなーというのを感じさせます。それで、ええと、やっぱり理不尽というかムチャクチャなところはあります。イマドキの人気作品のカワイコちゃんです(いや、あまりルックスがいいという設定ではないようだ)。どっちにしろ、昔の、大人しくてけなげで尽くしてくれる美少女というのはもう出てきません
   もう1人、黒子くんの才能を理解して熱烈アタックをしてくれる他校のマネジャちゃんも、彼のライヴァル(キセキの世代の我が儘天才選手)の幼なじみですが、関係は甘くない。彼女も抜群の諜報、情報収集・分析能力で貢献します。これだな。
   時代はITなので、録画機器やコンピュータは活用して当たり前です。それをどう使うかが近年のスポーツものの肝になってきます。これから対戦する相手の試合映像や細かい記録、データが手にはいるのは当たり前、それをどう解析し、相手の過去を理解するだけではなく、それを踏まえつつ、どのような進化をしてくるかを予期してどう対応するかが求められてくる、それができるから強い、という持ってきかたは新しくそして説得力があると思いました。そんでもって、それを学校側指導者のスタンスにするのではなく、かれらを助けるしかし試合に直接出てこられない女子マネジャの能力としたところが配慮が行き届いているところです。「銀オフ」もそうですが、プレイヤーは未成年とはいえ大人の駒じゃないよ。とくに、青少年向けでそれはやってはいけないと思います。

   あとは、やっぱね、女性の読者のことを考えると。
   じっさいきゃーきゃー言って支持してくれるのはたぶんいけない趣味(?)の女の子で、かえって女の子の登場人物は必要なかったりもするんですが、だからって、メインターゲットの男子中高生には、可愛い女の子が出てこない話は魅力がないでしょう。
   「イナズマイレブン」も、そういう側面もあって、可愛い女子マネジャは複数用意されていて、誰と主人公が恋に落ちて、将来恋人同士になるかを期待しながらゲームを進めていたファンもいたように聞き及んでいますし。
   それとは別に、「イナイレ」では女の子のプレイヤーもゲーム内には存在して、彼女たちをスカウトして選手として使うこともできるようでしたが、実際の大会じゃ、女子選手は一緒じゃないわけでしょ? サッカーしたい女の子には、女の子のリーグができて、ワールドカップも開けちゃうわけだし。だいたい、女の子の競技に男の子が混じってたら筋力の差が違いすぎるからヒキョウで、そのためにセックス・チェックはあるんでしょ? 一般的にみて筋力の劣る女子も混ぜろってのはハイ・レヴェルの舞台で現実味に乏しいですわ。「アイシールド」の帝黒戦で、敵のQBが女の子だったときのあのガッカリ感! ありえねえ感! やっぱ、男の世界に無理に割り込まなくていいです
   というわけで、スポ根ものにおけるフェミニズムへの対応は、女性でも卓越した指導力、情報処理能力で勝利に貢献できることもあると表現する、のが現時点では正解なんじゃないでしょうか。「おお振り」だってそうだ。

   さて、決勝リーグで敗退した誠凜高校ですが、夏合宿を経てまた一回り強くなって現われる模様。明日みくさんとお勉強会をして本を返しにいく虎美が続きを借りてきてくれることを母は首をブラキオザウルスにして待つことにしましょう。そして早乙女家(おれたち)の大掃除(たたかい)は……これからだ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月25日 (火)

年賀状書き終了!

   今年はがんばった!
   諸般の事情により、今年はオール手書きになりました。一部市販の絵入りを使わせていただいた方もいらっしゃいます、すいません。ほんとこ汚い字だけで、多少新年ぽいシールだけの彩りで。
   でも、ここにもガマンして未公開の和歌が書いてありますから勘弁してください。いやそんなん誰がありがたがるというのだ、ほんと、文学ぐらい他人に迷惑な趣味があろうか。

   毎日仕事で多少なりとも字を書くようになったからか、30枚内外の少ない年賀状、表も裏も手書きしてもそんなに手がだるいと言うことがなくなりました(ここ数年は表書きだけで手がだるくて休み休み4,5日もかかってた)。これはこの一年の成果だな。

   そういうわけで、ご新規さまもいらして今年も無事年賀状を差し上げることができます。ありがたやありがたや。来年もよろしくお願いしますって、まだ6日ある!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年12月23日 (日)

ま男はつらいよ

   なんだっけ、ネットで最近よく出回っている話、「フランスでは白アスパラガスのことをマドモアゼルの指というらしい」というネタから。

   パーティ・シーズンだからでしょうか、白アスパラガスを水煮して瓶詰めにしたものもお取り扱いが始まっています。もしかして、紀伊国屋とか、麓のオサレスーパーでは通年お取り扱いがあるのかも知れませんが、当店では最近お見かけするようになったので。原産地はあに図らんや、スペインだった気がするけどなあ。紫外線カットのため(?)色のついた瓶の向こう側に長い穂先が揺れています。

   それにしても、アスパラガスで指ときたら、阿刀田高先生のあの短編でしょう。

   主人公は、とある人妻と不倫をしている、指のきれいな可憐な女性。彼女の夫は缶詰工場を経営していてええと、今で言うDVの気もあったんだったかな。とうとう2人、駆け落ちの約束をして、主人公は待った、が、その夜彼女は来なかった。さもあらん、縁あって一緒になった2人だもの、土壇場で夫を取ったのかも知れない、もう連絡の取れなくなった彼女を思い、身を引く決意をする主人公。けれど、彼は考える。駆け落ちを思ったのは、2人の仲が夫の知ることになったから。もしや、彼女は夫を取ったのではなくて……。
   ある日、彼の元に、その夫から小包が届く。内容は、アスパラガスの缶詰と表に書いてはある。開けて、彼は驚愕する。いや、納得する。指のきれいな女(ひと)だった。中身は……。

   アトーダ先生はちょっと怪奇趣味もあって、神経が弱ってるときにはキツイ時もありますね。今になって解る、これは、「マドモアゼルの指」からアイディアを持ってきて、1つのネタでばーっと駆け抜ける短編ですね。それにしてもきっついわ。いや、された側からしてみれば姦夫姦婦は重ねて4つ、か?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年12月16日 - 2012年12月22日 | トップページ | 2012年12月30日 - 2013年1月5日 »