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2012年1月19日 (木)

日本人って奴は

   人参を目の前に、ラストスパートの虎美です。その日もしんけんゼミの問題集と格闘中。
   「これはけっこうできた」と、古文の問題を見せてきました。大意はこんなところ:

   ××という書の名人の僧が鎌倉へやってきたので、頼朝がなにか書いてくれと言ったところが、ちょっとさらさらしたところで、
   「墨のノリが悪い。関東の水はダメだね」と宣う。
   このクソ坊主、一流ぶりやがってと思ったか(←原文には書いてありません!)
   「御坊は常々いずこの水をお使いか?」と聞いてやると、
   「京は二条柳の水が一番」なんて言う。そこで頼朝
   「おまえちょっと行って取ってこいや」と家来に言って汲んでこさせて、何気ない顔で、
   「鎌倉の水も試してくださいよ」って、その坊主にリターン・マッチ。
   「おっ、いいじゃんこれマジ二条柳の水みたいよ、良く書けるよ!」って、その書道坊主言ったんだとか。

   って話。中学生坊主の古文なので、問題としては、「水を取りに行ったのは誰?」「この水は良く書けると言ったのは誰?」などと、省略されている動作の主語は誰よ? という問題だったかな。内容的にはやっぱ名人ってのは凄いって話だと思いますが、虎美面白がってました。
   「ああ、まあ、鎌倉以降こういう説話集? ちょっといい話アンソロジー増えるね。ココンチョモンジュウとかシャセキシュウとか。江戸時代になると怪談オンリーのも……」と国文科が語りはじめると、
   「2ちゃんのまとめみたい」
   ……ああ、そうですね。そう来るか。ネットでも、ちょっといい話、泣ける話、猫のカワイイ話、ジャンル別にいろいろまとまっていて、虎美はパソコンにかじりついて読んでいて、わたくしがちょっとそういうところで拾った話をしようとすると、冒頭を言っただけで
   「あ、それ読んだ」って言うんですよ、もう。最近だと、実家のママから上海蟹を送って来たところが、「紐はほどいてはいけません。あなたの思う以上の速度で蟹は逃げます」って書いてあったとか言う話まで!(どうもママ実体験して念入りな注意書きになったようだ、という話)
   「……鎌倉どころか平安ぐらいから、日本人はそういうことが好きなんだな」
   「面白いね」

   ただ問題を問題として解くだけじゃなく、そういうことも考えているんだなあと少しホットしました。

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2012年1月16日 (月)

「平清盛」#2 武士とはなにか

   高平太なる通称は史実に乗っ取ったものだそうで。こりゃ脚本家さんには失礼しました。まあ、姓+産まれ順てのはふつうだな、中国でも元二なんてのが漢詩のタイトルに残ってるし。源九郎ってのもすぐ後に出てくるし。

   てなわけで、王家に禍を成す子で犬の子の平太くん、やんちゃ不良少年的に育って第2回が始まりました。やっぱあれですかね、最近の若い人の流行を取り入れていますか、すっきり清げにしないのがお洒落? まじめないいこちゃんは自然じゃないってのかしら。自分は実の父に捨てられ平家に拾われた子と思って育つと魂の軸がすっきり決まらないから風体も汚らしくなるとでも言いたいのかしら。

   一昔前なら、そういう心に鬱屈を抱えた少年なら、なおのこと周囲のものに愛されようと優等生的に育つもんだと思ったけどなあ。内面の葛藤は出さないのが美学。まあ、それも昭和の美学かもしれません、平安末期ぐらい世が混沌としておると、心の持ちようもいろいろ歪んでくるのかな。

   歪んでる人代表:伊東院。

   漁網を燃やすって、どんな呪(まじな)いかと思ったら殺生を禁ずるためにその手段であるところの網を燃やして消してしまうという論理のようで。おまえは綱吉か。生活の手段を禁じて取り上げてしまうとは綱吉より酷いか? 生類憐れみの令のときは築地はどうだったんでしょうね、お魚は対象外?

   祗園女御聖子が歌ってました。……なんか初回に聞いたときニューミュージックというかJ-POPふうのメロディだと感じたのはこのひとに歌わせるためだったのかなあ。和風の音階という感じがしなかったです。歌詞の切れ目の、「あそびをー、せん、とやーうまれーけむ~」という「せん」で一度切る感じが、今の、歌詞がとんでもねえところでフレージングするJ-POPを思わせたのかな、と。どっちにせよ、流行らせようとしても絶対歌ってやるものかと心に固く……誓ったけど、もしかしたら来週辺りには口ずさんでるかも。終わりそうで終わってない曲の締め方はまあ日本の歌っぽかったかな。

   当然あるべき家督相続への疑念は出てましたね。平家の血は一滴も流れてないのに嫡男として元服させるの? って。その辺は貴一パパ、キッチリと平家の子と明言してくれてました。平家の支配下の海の民の子ども達と仲良く育ったようでなにより。

   実の父が身近な人々:平家の郎党を苦しめる悪政を布いている院と知り、会いに行く平太。この辺最近のどの大河もフラットですよね。お千代もおかつもお江もすんなりVIPに会いに行って真意を確かめられるんだなあ。うらやましいよ。そこで、伊東院からおまえは王家に害をなす子と言われたので流せと命じた、それなのに母が勝手に産んだ子と断言されちゃうんだ。「それ、同じその場で我が殺せと命じ、殺した」云々。ここ、先週のあの事件と同じ場所だよねと娘と話し合ってたら、ちょうどそのための場面設定だったのでした。平伏して地面に付いた手がぎゅううっと握られて……でも、そこで堪えない、吼える吼える。

   最近の大河って主人公が良く泣きますよねえ。いや、昔からかなあ。ケンワタナベも目を剥いて叫んでたかもなあ。

   「泣かせないと主人公の気持ちが表現できないなら脚本家やめろ!」

   ……わたしじゃないです。虎美(芳紀15)の言葉。いやー演劇部副部長は言うねえ。

   そんで、なんだかかぶいた(時代錯誤!)恰好のママ元服して、伊東院や宮中の方々の前で青海波を舞うというのでしっかりTVの前に腰を落ち着けてみたら。薄化粧して現れた平清盛は美々しい公達! やった! でも、あれれ……?

   ……青海波ならあの同心円の模様出してくれないとなあ。

   ……あれって剣舞なんだっけ? 一人で舞うの?

   なけなしの平安の知識を総動員してブツブツ言ってるおかあさんです。

   やや心許ない感じで舞い始めた平太あらため清盛、舞ってる間に怒りがこみ上げてきて、剣を取り落としてしまう、そしたら、どこからか(なんか屋根の上にひとがいた模様。テロリストですか?)剣が投げ込まれ、これは先週から出てきた中国伝来の剣。両刃で、あからさまに日本の太刀とは違った拵え。

   その剣を使って舞いを再開……したところが、とうとう怒りを抑えかねて振りを逸脱、激しい剣舞になってゆくのでした。そして、ついには舞台を飛び降り伊東院に駆け寄り剣を一閃! ……欄干で止めましたけど。

   おまえ、それは制止されるだろうよふつう。SPはなにやっとる(いませんから)。

   「ハガレン(鋼の錬金術師)の、ブラッドレイ大総統に斬りかかるところ思い出すよねー」
   「うん」

   「面白き趣向であった」云々、顔色も変えずに院は言って退出。大ごとにならなかったのでした。

   屋根の上で見ていたのはライヴァル源氏の御曹司のちの義家。剣を投げ入れたのは彼ではないはずですが……

   「面白い」と、笑ってました。これから彼との御曹司の友情を育んでいくのでしょうか。

   昭和の時代だと平清盛について印象って、武士ながら藤原氏の真似をして、外戚政治を真似ようとして院政期になんとか貴族の末席に入り込み、後鳥羽院をうまく利用し、利用されて栄華を極め……たところが本分を忘れて貴族、藤原氏に成り代わろうとしたところで世の人々の反感を買い、源氏に滅ぼされたというイメージ。勝者によって書かれた歴史に拠っておりますから、負けた平家はどこかが悪かったわけよね。そこが、「驕(おご)る平家は久しからず」の名コピー。平家は驕ったのだ、驕ってはいけなかったのに。なぜ驕ったのか、驕るとはなにか。武士だったのに藤原氏と同じことを図ったから。武士ってなによ? それはもとは平安初期の子だくさん天皇の子孫が皇籍を離れて家臣となったもの、地方に下り、武力をもつ勢力の旗頭になった……って、それ国司任官ですから、表向き公務員、ちゃんとした下級貴族の枠じゃないの?

   高校ぐらいで詳しく歴史をやりますと、平家にも血まみれ平家とお歯黒平家がおりまして。ちゃんと貴族っぽく、地方には代理人をやって京都を死んでも離れなかった(かは知らないが)平家もいて、そういうお歯黒平家も(光源氏とかから見れば)下の下ながらちゃんと平安末期まで生き延びていたと習います。「平家にあらずんば人に非ず」ってい言っちゃったのはこっちの方。奥さん、時子さんやその妹、滋子ちゃんの家はこういうお歯黒平家。それが、院の妃、ひいてはその産み参らせた帝の妃もうちから出して、また国母になった、太政大臣も出したってならそりゃ我が世の春だよなあ。道長じゃないが、欠けたとこないフルムーン。ずっと京都にいて摂関家ってものを身近に感じてきたお歯黒平家こそそう思ったことでしょう。

   でも、清盛はちがうんでしょ?

   保元平治の乱を生き抜いて、親子兄弟も血で血を洗う戦で失ってきた血まみれ平家の方です、彼は。地盤である西国の海の民とも仲良くしていて、やっぱり大陸との交易が国を富ませると解ってる。そのために、今まで誰もやってこなかった事業を興して成功させる……。

   この物語では、「王家の犬」というキーワードを初回から繰り返すことによって、そういう血まみれ平家、武士というものの地位向上を成し遂げたのが清盛だと持っていきたいようですが……。

   清盛=伊東院の落とし胤だし。

   平安貴族の雅の象徴のような、「青海波を舞う」なんてことやっちゃう、できちゃう公達だし。

   なんか違うんだよなあ。
   いやいいのか、院の隠し子だけど、貴族の論理で生きる子ではない、そのための「王家に仇なす子」宣言。薄化粧してちんたら舞うなんてことできない、やっぱり親の敵を目の前にしては心穏やかではおれない武士のプリンスということだったのか。

   そういう少年/青年時代を経て、血まみれ平家から、院の寵愛(多分にギヴ&テイクの合理的結びつきであろう)と経済・軍事力を武器に貴族と肩を並べられるように雅方面/政治家としての立ち回り方の知識も吸収して台頭した、と持っていきたいのでしょうか。

   平家=京都に残る=腐った貴族と馴れ合って台頭=貴族化→没落

   源氏=東国で強固な武士団を形成=支持基盤を固める→台頭

   という対になった図式をかつては覚えさせられたような。

   でも、この作品ではそうではなく、清盛も血まみれ平家で、西国で精神的紐帯に結ばれた仲間を持っておって、院の政治に批判的な目を持っておるというふうに描いてゆくのでしょう?

   それゆえのこ汚い御曹司姿なのだなあと、なんとか理性をなだめております。

 

   ……ってところ。それにしてもなんか最近の大河になってきたよう。おいおいおいおいと突っ込みたくなる細かい逸脱。そこが、どうもこちらの好みとずれていて、わくわくしない、冷や汗出ちゃう。腹を落ち着けて考えないと、物語の言いたいことが解らない(すいません、お昼にここにアップした原稿随分修正しました)。さあ、来週はどうしよう……。

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2012年1月15日 (日)

「ポケモン + ノブナガの野望」 ~ 攻撃は最大の防御 ~ その2 

   なんか凄いものを見てしまいました。
   「ポケモン+ノブナガの野望」って、ちょっと前からネットで広告が出てるナーと思ってて、今日虎美に話題を振ったら、
   「オイチがカワイイらしいよ」
   「(お市の方のことか?)そういうのはカワイイのが当たり前だから」

   ゲームの世界では、ファミコン以前のパソコンゲームの頃から、自分が織田信長や戦国武将を動かして天下統一を目指すゲームのジャンルがありましたから。日本の戦国だけじゃなく、三国志とかもね。学生時代にサークルの男の子がやっていて、
   「美女を献上/下賜すると忠誠度が上がるんだよ」
   「なんだそれはけしからん」なんて会話を交わした覚えがあります。
   いちばん有名なゲームの名前は「信長の野望」って言ったかと思います。

   それで、現在に至るまでいろいろな会社がいろんな戦国もののゲームを出していて、……その時々の人気の漫画とかドラマと相乗効果で特定の武将がクローズアップされたりしていくんだよな。前田利益どのがイケメンになったり、織部重然どのが文化人としてランクが上がったり。そんで、歴史に(ややミーハー的)興味がある若い女性が出てきたんだと思いますが。

   ポケモンも長いよなーお兄ちゃんが幼稚園の頃からだからもういい加減10年くらいアニメもやってないかと思ってたら、とうとうそういう戦国時代物とコラボのようで。それが「ポケモン+ノブナガの野望」。ポケモンは、小さな架空の生き物を捕まえてそれを一定のルールのもとに闘わせて大会で優勝して称号を得たり、野良のポケモンを図鑑に載ってる全部集めたりするのが目的のゲームですが、「信長の野望」的戦略ゲームで合戦を行うべき所がポケモンによるバトルであるという趣向のよう。ポケモンにおける各地のジムリーダーが、それぞれ戦国武将になってるのでしょうか。
   公式サイトに行くと、有名どころはもうデザインが公表されています。ノブナガ、ヒデヨシ、シンゲン、ケンシン……。
   「やっぱりヒデヨシのパートナーは猿なのか? ええと……エイパム?」と、母もおぼつかないなりにお猿ポケモンの名を挙げると(ポケモンは、実在の動物を元にしたものもかなり存在します。ピカチュウは電気ネズミといいつつあんまりネズミっぽくないですが、犬や猫、キツネ形は結構もとの動物そっくりなのがいます)、
   「モウカザル」と、ヒデヨシの絵をクリックしつつ虎美が答えます。
   「猿じゃん」
   ノブナガのはおかあさんのあんまり知らない新しいポケモンのようですが(そりゃそうか、営業的に)、ミツヒデはフリーザ(伝説の鳥形ポケモン、氷を操る)、ケンシンはミュウツー(映画にもなった遺伝子操作で作られた超能力ポケモン)と、最初の151匹からも出ていて、セレクトも何となく武将の性格に合ってるようで唸らされます。ゲームをする本人を投影する主人公は男の子または女の子はイーブイという、後々なんにでも進化できるポケモンを持っていて、これもむべなるかなという感じ。

   肝腎の(?)そのブショー(ポケモン世界のようにカタカナ書き)のヴィジュアルは、
   「うわーノブナガがイケメン!
   これで興味を持って公式サイト見に行ったんですもん。
   その他の武将も、今流行っているそういう戦国絵巻ゲームほどキラキラしくなく、けれどあのポケモンの丸顔とは違ったカンジで、ポケモンをやってきた少年少女が最初にであう戦国武将のヴィジュアルとして、ほどほどであるように見ました。でも、ノブナガとミツヒデは力を入れてイケメンに描いてあったと思いますよ。逆に、ケンシンは、あまり中性的美形にしすぎない感じ。史実を元にした年齢関係を考えると、あんまりお若い姿もまずいしね。ケンシンやシンゲンはおじさま的年頃を意識してると思いますよ。いや、でもモトナリも「自分は旧世代」と言いつつ(公式に吹き出し付きの画像があった)壮年のお顔立ちになってましたけど。

   さすがだ、コーエー&株式会社ポケモン(いつの間に会社の名前までポケモンになったの!?)

   ゲームの動画も上がっていましたが、いわゆるポケモンの、昔ながらの点で描いたような小さい姿で闘っている絵と、そのバトルの前後の、今時のソフトの、アニメにも匹敵する滑らかな描線の華麗なブショーの絵の落差がちょっとオドロキでした。

   「……受験が終わったらやってみるか?」と虎美に聞いてみましたところ、
   「うん……」と、まんざらでもない感じ。
   「DSで出来るのか? 3000円くらいなのであろう」
   「これはゲームだから5000円くらいかなあ」
   商品情報の頁に飛ぶと、希望小売価格5800円でした。
   「任天堂凄いな」
   「すぐ下がるよきっと」

   さあ、虎ちゃんこれでやる気を出しておくれ。
   そして、ここから戦国時代ものにはまる少年少女が増えるといいな。

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