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2012年6月 5日 (火)

「流血女神伝」 喪の女王まで読了

   とりあえず結末だけ知りたかったので(極悪)、ザカール関連すっ飛ばして、最終シリーズ「喪の女王」を読みました。

   

これはひどい。

   ええと、作品としての質についてではありません。

   主人公が運命に抗いきれずアンハッピーエンドというわけでもない。

   でも、端的にネタバレすると、デミトリアス皇帝退位、帝国滅亡、皇后グラーシカ戦死。

   このコンボはきつかったです。途中、ミュカ皇子(今は辺境伯)が公共工事に駆り出された平民たちと交流し、これはV字回復もありかと思わせておいて、彼ら革命家に取り込まれ、ありがちな専制国家末期の泥沼に突入……。
   前回の感想で手違いで消えてしまった文で、「ちょっと民衆が強かで弱肉強食に書きすぎていて、お人好しなわたしには辛い」というのがあったのですが、これはほんと書いておくべきでした。「世の中そんなに甘くない」を活写しています。やっぱ史学科だとそんなに甘く理想的に描くことはできないのでしょうか。

   あんなに輝いていた2人が、現実の厳しさに打ちのめされ、子供にも恵まれず、離婚を検討するほどにまでなるなんて! 少女向けですよ! ファンタジーですよ! 麗しの男装の軍人皇后はバンバンきれいで優秀な子供一個小隊作れるぐらい生んじゃってもう豪華絢爛な皇室予想するでしょ!(号泣)

   女神の娘たる主人公カリエは運命に翻弄されるようで最後の土壇場で逆らい、苦悩の末に女神は復活したような、でも、彼らが思ったいたのと違っていたような。そして、世界は人間に返され、混沌だけれどそれでいいんだというカンジでしょうが。

   物語としてはこれで良いんだろうけど、国境で玉砕、軍人として立派な最期とはいえ死に顔を皇帝に見てももらえないってのはあんまりな終わり方ではないですか。いや、そこらへんが、激しい生き方を選んだがための帰結か。ほんと甘くない。でも楽しかった。

   それじゃあ、カリエがなんで砂漠の国から男と逃げて指名手配の悪女なんてことになってるか、知らん間に不義の子を身ごもっているのか、ガチガチの哲人皇帝が愛妾に娘生ませてることになってるかを間のザカール篇で確認することにしましょうか。

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