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2012年11月17日 (土)

オーケストラがやってきた!

   日本全国ゲイジュツの秋でございます。虎美は今週芸術鑑賞教室とやらでおでかけ。といっても駅前の麻生区民館ですが。
   1,2時間はちゃんと普通の授業を受けて、そこから徒歩でおのおの移動だそうで、高校生も大変。
   「甘木高校の周辺は高級住宅街だから(!)、学校指定以外の裏道から登校すると怒られる」ってなによ。その日も案内のプリントには通るべきルートとチェックポイントが設けられ、辻辻には先生が立って生徒の脱落を細かくチェックしていたそうなのでした。へー高級住宅街、へー。今時は煙草を吸ったりもしないでしょうが、庭先にガッコさぼった高校生が入り込んでたりしたらいやよねやっぱり。高級って言うか、成熟した住宅街だから住人の平均年齢高いし(70代という噂もある)、体力に勝る高校生と争いになるのはちょっとコワイとお思いなのでしょうか。

   とりあえず頑張って駅前まで歩くと、麻生区民館ホールにはなんとかアンサンブルというプロの管弦楽団が待っていたのだそうです。
   ありがちに、ジブリの映画のテーマとか柔らかいクラシック小曲数曲、楽器の紹介、目玉の「オーケストラ伴奏による本校校歌全員合唱!」、あとは休憩を挟んで、甘木高校吹奏楽部の皆さんとオケの皆さんによる合奏、また小曲を少し。

   という感じに楽しいクラシック鑑賞の日だったらしいのですが。ほら、甘木はゲージュツ系らしいから。
   「この麻生区民館って信じらんない、音響悪い! なんでこんなところでやるの!?」
   「このオケって下手じゃなかった? なんか音が良くない」
   ……レヴェルの高い虎美のご学友はけなしまくってたそうです。おいおい。すごいな首都圏のJK(女子高校生)は。

   打楽器奏者の方がお茶目な方で、いろいろ楽器紹介で楽器を叩いて見せながら客席を沸かせてくれたそうです。あ、そうそう、曲目には「シンコぺーテッド・クロック」があったらしいですね、あの時計をモチーフにした曲。
   「カッコンカッコンいうやつがイントロだったろ?」なんて言うんでしたかね、ど忘れ。
   「そうそう!」
   「目覚まし時計が鳴って」
   「そうそう!」
   アンダーソン? さん21世紀でも通用しているようです。

   それにしても贅沢だな、オケ伴(奏)で校歌か、と言いかけて、おかあさんの記憶をかすめたのは……。

   ええと、大学時代のサークルの、30回記念定期演奏会で、ちょうど回りが良くってね、入学したときは40周年でした(回数で言うと26回)。おかあさんサークルを留年したから(大学は4年で出ました!)、ええここまで来たら30回も参加してやろうと思って残ったんですけど。その30回記念定期演奏会は、オーケストラを(といっても大学のオケですが)付けてやったんです。全曲オケ付きの大きなやつじゃなく、第1ステージに日本人作曲家の、日本の詩人の詩に曲を付けたやつをやって、第2ステージは、オペラの合唱曲をいろいろ、カルメンとか、タンホイザーとか、ナブッコとか有名どころをやって(これはピアノ伴奏)、最終ステージにブルックナーをオーケストラ伴奏付きでババーンとやりました。

   さて、問題はアンコール。
   アンコールは、ステージの出来をみながら演奏会直前に、「じゃあ、ステージ構成からいって今年はこんな感じで」と指揮者の先生が持ってきた曲をやるんですが。フランスの曲をやったときにはやっぱりその作曲家の小さな曲をちょっとやって、最後、愛唱歌にしている日本語の作品をやって終わったり。あ、インカレサークルなので大学の校歌(もしくは応援歌)はないです。
   その年は、もう、大曲をやってみんなへとへとで。でも、30回だぞ、頑張ったぞ、オケも付いてるぞ、ということで、(まだバブルだったのでなんか時代がイケイケだった)、せっかくだからオーケストラ伴奏のアンコール! 一生一度だ! と選曲を任された幹部は盛り上がったのでした。

   でも、いまさらそんな新しい曲やる体力残ってないし。

   「『大地讃頌』やらないか? あれ、たしかもとはカンタータだからオーケストラ伴奏で作曲してるだろ」

   どこから出たんだこんな智恵。「大地讃頌」は、昭和の合唱曲のスタンダード。高校で音楽を選択したような子だとだいたい歌った覚えはありました。サークルに入ってからも、初心者を中心にちゃんと音取りはきっちりやって、ちょっとした集まりでみんな盛り上がって歌うときは歌ってたと思います。音取りは要らない、どんなに疲れた演奏会の後でも楽譜なしでみんな歌える。聞きに来るような団員のお友だち連中も、合唱団の横のつながりの皆さんも知ってる大メジャー曲。

   「はァ!?」

   選曲委員会(団員の幹部連中。わたしもオブザーヴァー参加してた)の連中はもう魂を飛ばしてましたね。わたしは自分がもう卒業してたから無責任にノリノリだったんだけど。

   「なんで!? 30回の記念ですよ!? 顧問も知り合いの合唱団の連中も、指揮者の先生のお友だちも来てるのに!? メイン曲でブルックナーやっといて締めが『大地讃頌』!? 笑われますよ!?」佐藤先生(作曲者)ごめんなさい。

   「だからいいんじゃないか。オケ伴で『大地讃頌』なんて、一生の記念になるな。友達にも自慢できる。それに、今年は駒場の新勧合唱祭でもやったから、『大地讃頌』にはじまり『大地讃頌』に終わる。美しいじゃないか。嫌なら代案、出してみろ」

   「……ばっかじゃないですか!」

   結局幹部言い負かされて、楽譜手配しましたけどね。高かったらしいですよ。でも、
   「これが『大地讃頌』のスコア(総譜)か……」マネージャー君は感慨に耽ってましたね。

   うん、音楽のわかった観客にはあとで笑われたらしいですけど、とくにクラシック・ファンでもない友達に「どうだった?」と感想を聞くと、
   「最後の歌が一番良かった!」と返ってきたそうで。

   ああ、うん。半年掛けて歌い込んだ大曲よりも、そっちが良いのね。そういうもんよね。まあ、高い金払った甲斐があったわよ。一生の記念になったし。ブログのネタにもなったしね。

   というわけで、オーケストラ伴奏で歌を歌う機会というのは逃さないでのっておくのが一番ですね。

   しかし、虎美は公立の学校やっといてよかったなあ、ほんと、いろんな趣味のお友だちがいて親も刺激になる……。
   そのオケが下手だったかどうか家族で論争になって、あたしはトモダチの関係で管楽器は聞き慣れているとかいうもんだから、そのミキちゃんの行ったという県立湘南ヶ丘(仮名)のマーチングバンドの演奏をユーチューブで検索して、確かにこれは凄い云々と盛り上がったのでした。金管だけで100人以上っておい……。イナバ物置も潰れます。
   「部活がハードでミキからだが締まってた」
   「ミキちゃんはわりと豊満なタイプではなかったか……?」それは大変ですね……。

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