三人娘
大方の予測を裏切って(おい)マジメに学校に行っているアルティメット虎美ですが、
「8時ぐらいにノイエ・リリエンベルクにいるとだいたいミキちゃんに会うんだよね」
「ミキちゃんは塾の帰りか?」
「ううん、学校、部活」
「ミキちゃんは優等生だからな、さぞ遠くの名門校に行ったのであろう」
なにしろ、顔立ちが凛々しくて眼鏡を掛けていて態度が大きいだけで「委員長」のあだ名をもらったアル虎とは違って、毎年学年初めには、
「学級委員は?」
「安藤さん(仮名)で」と男子から声が上がって即決するぐらいの頭も気だてもÅな優等生。
「ううーん。部活の強いところで決めたから、勉強がイマイチで、いまさらbe動詞のおさらいから英語始まって呆れたって言ってた」
「そ、そうか。なんかもったいない気がするのはおかあさんが根っから学歴バカだからだな……
翔子さんはどうした?」と、同じく小学校以来のお友だち(超優秀)について尋ねると、
「翔子は……サードライヒ」
えーと、そこは甲子園にも行くようなスポーツ校? 有名なライヒ大学の系列校で。
「ハマーとかイクターアじゃなくてか!? 受験失敗したのか?」
「うん……」と、アル虎も不審げ。
「ま、まあ、野球の推薦ならともかく、サードライヒも受験ではいると偏差値高いからな、きっと進学コースだな……」
「それでか! 解った! 翔子の彼野球やってるひと!」
「そういえば、翔子さんリアル充実してたんだったな」
「うん……春ぐらいからめっちゃデートしてるの目撃されてる」
「あの3人娘がなんでそんなばらばらになるんだ、ミキさんと翔子さんとくっついていればハマーは無理でもイクターアは固いと思っていたのに……」ああそれはおかあさんのとらタヌ算。
「そういえば、漫画とか読んでても一番ラヴコメ~なやつ好きだったの翔子さんじゃなかったか? 映画でも、若いおねえさんとかがきゃーきゃーはまる奴みんなで見に行ったとか言ったじゃん」と、来し方を思い起こして尋ねると、
「うん……確かに。ミキとかあたしとかめっさ引いた」と、少女漫画のタイトルも具体的に挙げてきて。
「やっぱ、三つ子の魂だなー小学校の頃からそういう傾向ってあったんだな」
そんで部活命だったミキさんは部活で学校を選ぶと。
……そして残るひとりは腐りきった漫画オタクになってしまったのよね。おかあさんのせいかしら、ごめんね。
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コメント
それどころか、虎美の甘木高校のおともだちは「最寄り駅にアニメイトがあるから甘木にした。イクターアも考えたんだけど」って! 3年後を考えろよ! イクターアの方が何倍も良い進路開けてるよ!
……でも、この書店が絶滅危惧種なご時世で漫画読みをしてると、学校の行き帰りに大きな書店に寄れるかどうかはクオリティ オヴ ライフに関わるな……正しい選択なのかも知れない。虎美は聞くなりぐっと肩を組んだそうです。
投稿: まいね | 2012年10月 9日 (火) 03時03分