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2011年6月11日 (土)

命の恩人の有効期限?

   ちょっとそこで引っかけた話。→http://iiwarui.blog90.fc2.com/blog-category-704.html

   その昔、日本がバリバリに唐や新羅と外交していた奈良朝のこと。大化元年、新羅の賊が西海を脅かしたと言って、ナントカ親王が先陣切って出て行ったと思し召せ。丹後あたりから船を出しての海戦でございます。ところが敵も然る者、なかなか成敗されてくれない。危うし親王様! とその時、親王様の守り神正一位十二侯粟鹿大明神(すいませんこのカミサマわたくし存じ上げません)が顕現され、海神皆々勢い立ちアワビに姿を変えて新羅の賊に襲いかかったとか。これで親王の軍も勢いを吹き返して攻め立て、なんとか賊を打ち破ったのだとか。
   戦い果てて親王の御座船に残ったアワビはご神体となり、親王の子孫日下部一族は以後アワビを食べることを忌むことになったとか。めでたしめでたし。

   時は流れ、昭和において北陸は朝倉氏の一乗谷館の発掘調査が行われることになって。戦国とか江戸時代のお屋敷の発掘って、たいしたもの出ないんじゃ、お手討ちになったお女中の亡骸ぐらい? いや、結構お台所のゴミなんかが何食べてたか解って面白いらしいです。その16世紀の貝塚を分析してみたらば、海の近いところで、イルカからサメからタイにフグに、魚だけじゃなく鹿に狸に鶏に……なかなか動物性タンパク質摂ってたらしかったです。貝殻も結構出たらしいですが(蟹は出なかったの?)、

   ……アワビだけはほんの2枚しかなかったそうです。

   朝倉さんちって、その日下部一族の傍流だったんだって。
   900年の後までご先祖の命の恩人(神)に報いるか。凄いな。

   ……と思ったんですが。逆に2回は助けてくれなかったと思うと微妙ですね。アワビも、これだけ誠を示してくれたんやから、もう一回救ったれやと。そう思うと、アワビは大根以下か? ほら、徒然草で、大根を毎日2本食べてた長者がピンチの時に大根のスピリットが助けてくれたって言う。あれは、逆に食べられてたのに助けてくれたのよ? あ、でも1回だけか。なんか悩ましいですね。とりあえず、命の恩人の賞味期限は900年と。いや賞味期限ちゃう。有効期限?

   ……いや、もしかして禁を犯して喰っちゃったから滅んだの!?

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2011年6月 9日 (木)

「王子と魔女と姫君と」 ― 時空を越えるは黄金の心 ―

   虎美も漫画好きということが周囲に知れ渡ってきて、どんどん相乗効果でいろんな漫画を紹介して貰えるようになってきてます。こっちも、
   「『聖☆おにいさん』は?」
   「つばさちゃんのところ」
   「ジャイキリ……」
   「ミキのとこ」
   「おお振りを最近見ないようだが」
   「翔子」
   ……いいけど、最近までモーニングを講読してたせいか、こっちから回してるのって青年漫画ばっかだよなあ。そして少女漫画成分はバーターでお友達から吸収しとるわけやね。

   今回部活のお友達から回ってきたのは「王子と魔女と姫君と」松月滉。背が高くスタイルが良い大路昴ちゃんはおうちの都合で全寮制の女子校で育って、男前な性格もあって「みんなの王子様(ハァト)」だったのですが、海外赴任だったパパが日本に帰ってきたことから、転校して実家に戻ることになります。お隣の幼なじみ、イケメンなのに超めんどくさがりやで引っ込み思案……というか心に傷を持っていて人との関わりを避けまくる仁をはじめ、久々の共学校で出会うイケメンがみんな彼女に対してヘンに積極的にアプローチをしてくるのでたじろぎます。   

   「おれ達は前世のせいで魔女の呪いにかかっているのだ」

   前世でお伽噺のお姫様達を口説きまくった女たらしの王子が魔女の怒りを買い、現世において誠意を持って一人の姫に愛を誓うべしといって王子は女の子の昴に、姫君達はみんな男子に生まれ変わってしまったというのです! 選ばれた姫君は現世では超! 幸運がついてくるといった特典も用意されていて、元姫君でその記憶を持ち、現世の境遇もそれを踏襲しているという哀しいイケメン達(現世ではもてもて)が、心の痛みを癒やしてとばかりに昴ちゃんの愛を求めて群がってくるという逆ハーレムものなのでした。

   とりあえず、第1話で親指姫、シンデレラ、白雪姫がそれぞれ出てきてます。親指姫は小柄でパワフル、でも親戚をたらい回しにされた寂しがりや、シンデレラは家事が得意な毒舌優等生、白雪姫は虚弱でリンゴ好きとそれぞれ個性的です……。しばらく彼らで話を回していって、その後、人魚姫、眠り姫、赤頭巾(口説かれなかったということで彼女だけは女子として転生)とどんどん百花繚乱。

   設定がどうよ、というのと、絵柄が、みんな当世風美形で髪が黒ベタでなくて見分けがつきにくいのに、おふざけシーンになるとデフォルメして棒人間的省略したデザインになるので、誰が誰だかわかんなくなってとても読むのが大変だったのですが、ストーリーがいいので既刊3冊楽しく読ませてもらいました。

   王子と呼ばれていただけのことはある、昴ちゃんが黄金の心を持っているので。

   (自分とは違う)カワイイ女の子が好きだと言うだけあって、単純に女子に親切なのもありますが、もと姫君たちの現世での家庭の事情などを聞いたり内心を吐露される度に、その言葉の裏の深層まで深く理解し、明るい方へ解釈し、尊敬を露わにする、そして心からの輝く笑顔でその黄金の言葉を惜しまずに照れずに本人に向けて出すところが素晴らしいのです。毎度作者さんも力を入れて描いているなと思わせるので、感じ入ってしまいます。

   自分を哀しい過去から解放してくれる相手を待っていたイケメンくんたちが、運命からではなく、心から昴ちゃんに心引かれ、その心を得ようと行動を起こしていく様が瑞々しくて心躍ります。若いって良いですね。

   そういう黄金の心というのはどうやって育んだらいいのでしょう。彼女が王子の生まれ変わりだから、だけではなく、出産の時に命を落とした妻(昴ちゃんの母)を運命の相手と照れずに言い、愛し続けているパパの存在も大きいと物語では設定しているようです。そういう、大柄で整った肢体を与えるだけでなく、男女を越えて魅了する黄金の心を育んであげたことが彼の親として最大の、ひいては人類に対しての大きな貢献であったとわたしは思いますね。

   子供達が大きくなってきますと、彼らが世の中に与える影響なんてものも出てきまして。親として、自分の身のうちから育んで社会に出す生産物に対する責任について深く思いを致すようになって参ります。芸術とか、スポーツとか、学問や科学技術で人類に深く貢献をできるような人材を出すと言うことはちょっと無理かなーとは思っているのですが、人を殺めたり、いるだけで周りを嫌な気持ちにさせる毒のような人間になっても困るし。ほんの少しでも、周囲の人を和ます、楽しい気持ちにさせる、せめてそんな人間であって欲しいと
……そういうのも日頃の親の教育なのかしら。どうしたらそう言う子に育つんだろう。ああ、もう手遅れかしら。

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2011年6月 6日 (月)

溺れゆく虎

   虎美ちゃんこの度の試験は最後の追い込みをする積りが爆睡してしまってしょっぱい結果だったようです。

   「ナツメソーセキのソーの時がどうしても思い出せなかったから夏目キンノスケって書いちゃった!
   おまえそういう小細工をどこで覚えてくるんだ。
   「ドラえもんズで本人に会いに行く話があったの~」ああそうですか。
   「瀬石」と書くくらいなら「金之助」の方がましだろうか、いやそれでも作家としては漱石じゃないとまずいだろう……
   「瀬戸内海の瀬の頁(おおがい)のかわりに欠(あくび)」
   「うんそうなんだけどねー」

   その答案本日返ってきて、
   「たとえ金之助と正しく書けてても、国語の時間はペンネームを答えて欲しいので×! って」
   「スケの字を間違えたんだな?」
   「芥川龍之介の介書いちゃった」
   「問題外だ」

   藁をも掴むって、ダメだったんじゃん。虎ちゃんどんどん溺れて行ってますよーみんな頑張ってるんだからいつもと同じペースじゃ置いてかれるのよー!

   ああほんとに、桜咲け(来年3月の話)。

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2011年6月 5日 (日)

「狼陛下の花嫁」 ― これは「ジャンル」です ―

   めでたく中間試験が終わった虎美がお友達から借りてきました。
   「えっと、最初の方『彩雲国~』とちょっと似てるけど……」紹介する虎美は恐る恐る。
   「狼陛下の花嫁」可歌まと。ページを開いておかあさんの第1声は、
   「パクリじゃん」
    中華な世界観で、ヒロインは宮中で割の良いバイトと言われて行ってみると、王に降ってくる縁談をかわすためのニセ妃として振る舞って欲しいということだったのでした!
   「ああーッそこで捨てないで!」
    虎美の懇願に負けて読み進めますと、これはいい。

    若くして登極した国王珀黎翔は狼陛下とあだ名される辣腕・非情の王……ところがそれは臣下の専横を排し、国をまとめ上げるための対外的なイメージ戦略で、素顔の王はのんびりおっとりさん。しかしその秘密は側近李順(めがねハンサム)にしか知られておらず、自分の娘を妃を迎えて政治権力への手づるを与えよという大貴族からの圧力に抗し、ついでに仮面生活で溜まるストレスを発散するために、ヒロイン汀夕鈴はニセ妃に採用されてしまったのです! 夕鈴は「狼陛下」が仮面であることを知りつつ、国のために大きな嘘を吐く、というところに絆されて仕事を引き受けてしまうのですが……王の「狼」ぶりは案外演技でもなく、場にに応じてモードが切り替わるようなもので、庶民感覚で素直に心を開いてくれる夕鈴を愛してしまうと、「狙った獲物は逃さない」とばかりに、夕鈴が壊した備品の借金で縛り付けてニセ妃アルバイトをやめさせないのでした……。

   「なにこれかわいい」

   絵は「彩雲国~」の絢爛豪華さに負ける感じですが、かえって見やすい感じもします。
   主要登場人物が、夕鈴と陛下とメガネにーさんに絞ってあるので読みやすいです。ホラ、「彩雲国~」は、王の他にもあにきに方向音痴にプレイボーイにパパと豪華絢爛で煩い感じもしましたもんね。どんどん登場人物増えちゃって、もう、最近はおかあさん最初の登場人物ページ見ながらじゃないとわかんなくなってきたわー(あれはあれで凄い。最新刊はもう魂を抜かれたと虎美談、おかあさんまだ読んでないの)。
   あ、2巻には「赤崎」が出ますし(そのあだ名はないと娘に怒られた)。「彩雲国~」がみんなしてヒロインを持ち上げるのに比べて、メガネにーさんは姑スタンスでガミガミいうし、「赤崎」(正しい名前は柳方淵)は名門出のエリートで、有能な狼陛下のファンなのでなんで陛下ったらこんな女に引っかかってと(嫉妬もあり?)正論でびしばし夕鈴をいたぶって(でも姑息なイヤガラセとか毒盛ったりという犯罪行為には結びつかない)、なかなか痛快です。
   王のキャラクターもいいです。
   「(「彩雲国~」の)劉輝はなんもしないけどこっちの陛下は有能だし!」虎美言い切りました。
   人前での「狼陛下」モードと、気を抜いた「仔犬」モードのギャップも面白いし。その気になったときに「狼陛下」モードを出してしまっていて、夕鈴が自分の恋心を自覚せず怯えて逃げるのにしゅんとする様がかわいい。こっちも本性だとばれたら逃げられるのかなあと寂しげにしているさまも愛おしい。
   こちらはヒロインに官僚としての出世願望とか家柄に付随する貴族勢力との戦いがないので、ややこしいことにはならずハッピーエンドが期待できそうでそこもいいです。

   ええと、これはもうあれだ、「ジャンル」ですね。
   「後宮潜入」もの。
   庶民感覚のあるヒロインが、本来の目的とは違った理由で後宮に入り、その庶民感覚が愛されて王と恋をする。
   「後宮小説」は、大昔だったので覚えてないですけど、銀河は後宮を官営女子校だと思って入ったんじゃなかったでしたっけ? 「彩雲国~」は当然。「篤姫」もこのジャンルに入りません? 一応篤子ちゃんは本来の目的で大奥に入ったんだけどね。まあ、島津パパとかは跡取りはあんまり期待せずに、時期将軍は水戸へとの運動のエージェントとして派遣されたって言ってたじゃん。

   やっぱり東洋のシンデレラはこういうアプローチで王に近づくという物語の一形態なのだわ。

  「この話の続きはないのか? なぜ全部一気に貸さぬのか、不届きな」
  「知らないって!」
  虎美も続きを自分で買いに行ってまで読むべきか昨夜来悶えております。
  ここはジョジョ8部連載開始を記念して、4部名台詞で締めてみますか。

  「どおーーーーーしてぇ2巻までなのよぉぉぉぉッ!?」

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