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2011年12月27日 (火)

 「それでも世界は美しい」 由緒正しい「花とゆめ」の正統

   虎美が煩悩を絶つためにとかいって提出してきました。
   「ああ、『不思議のマリア君』のひとか」
   作者椎名橙は花とゆめの若手さんですね。これがコミックス4冊目。
   「……絵ヘタじゃん」と言って猫パンチを食らいましたが。

   とあるファンタジー世界のお城の門を、一人の少女が叩きます。名乗るには、アメフラシ公国のニケ姫。世界を手に入れた「太陽の国の世界王」が、弱小公国を見逃す代わりにほんの気まぐれで注文を付けたとか。
   「雨を降らせる術者であるという姫君を妃として差し出せ」
   公明正大な(?)じゃんけん大会の結果、末っ子の4女ニケがひとり太陽の国にやってきたというわけ。
   きっと恐ろしいヒヒ爺ぃ! それでも国を、民を守るために自分の役目を果たす、どんな相手でも愛してみせる……と気負ったニケの前に現れたのは、なんと据わった目をしたがきんちょであったのでした。

   来たよー!

   「花とゆめ」の伝統ヒロインと言ったら、一般的な女らしさはないかも知れないけど、心も体もたくましくって、人として大切な物がなにかと言うことをちゃんと知っている賢い乙女達でした。スケバンサキも、広岡監督も、エヴァンジェリン姫も木蓮も、そうしてストレスに潰されそうな男の子たちを支え、導いて皆に慕われたんじゃないですか。「ジャンプ」のヒーローが、熱血で正義でややおばかなのと同じくらい、「花ゆめ」ヒロインは強く賢いのです!

   そして……気のせいかなあ、そういうヒロインの相手役はぼうやだったりするんだよなあ。
   ショタコン。……ええと、女のロリコン。半ズボンを穿いてるような年頃の男の子に萌える嗜好です。
   現実の同世代:中高生男子みたいにフケツで野蛮でイヤらしくない、男としての凜とした精神は既に目覚めているけれど、身体的にはまだまだ乙女を圧倒するまでは行かないから怖くない、それでいてなんだかどきどきするきれいさは持っている、そして年相応に精神に未発達なところもちょっとあってこっちが守って上げたいと思いすらする……今となってみたらこれはこれでアリだな。

   そういうザ・花とゆめ! な設定で来ました。
   ハーレクィンだとここはもちろん美マッチョでパーフェクトなワンマンなんだけど、そうじゃなく、生意気なクソガキ(能力はある)王を持ってくるところがいいんじゃない!

   国力があるので灌漑設備なども完備され、水には困っていないが、個人としては雨を見たことがないので雨を降らせてみろという王、リヴィウスⅠ世をニケははり倒します(そして投獄される! そんでもって兵糧攻め! コドモだ。政略結婚で所望された姫だというのにエロス的側面を排除できるのがショタのいいところだな)。雨を呼ぶには、雨を乞うものに術者を共感させること、そして、術者にこの世の美しさを実感させることが必要とニケは王に説き、「まずお前がここの世界の美しさを私に提示しろ」と言ってみせて、ぎこちないながらも2人は心を通わせていきます……。

   王の孤独、周囲の人の思いを知って、ニケは城になじみ、王の暗殺を防ぐにまで至ります。そして、反逆者狩りを前にニケは母国に返されます。守りたいからこそ遠ざけたということを知り、ニケが城に戻ろうとしたとき、城に火の手が! 王が炎の中で孤立したその時に、ニケの歌声が響き、雨は降るのです。

   

王道だ。素晴らしい。

   正しき「花とゆめ」の少女漫画の後継作品と言えるでしょう。

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