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2011年9月10日 (土)

昔を今になすよしもがな

   この3月を期に更新のなくなったブロガーさんがけっこういらして、密かに気になっていると書いたのは「せめて烽火を」の項だったと思いますが。
   そろそろまた趣味のイヴェントの季節になって(このイヴェントは平板アクセントすなわち一般の辞書的意味とは違うある一定の意味合いを持っています。つまり、同人誌即売会のこと)、さて今回は誰がどんな新しい本を出展するのかなといろいろ調べておりましたら。

   この春頃、いろんなリンクをたどって、あ、この方絵がシャープで、原作のこういうところを活かして独自の展開で世界を創ってらして面白い! としばらく見に行っていた方、そういえば最近活動が停滞してるのね、と絵だけじゃなく、管理人さんの近況欄を見に行ったら。

   「被災しました。実家は原発の近く、もう家へは帰れず今は友人宅に身を寄せています」って。

   ああいう活動をされている方でほんとにそのレヴェルで被災された方を初めて知りました(おかあさん世界が狭すぎ)。

   やっと手に入れたパソコンも、いつも使っていたマシンとは違うので今まで通りのクオリティの絵を発表することはできないとか、更新もそう度々はできない云々綴ってありました。そりゃあ、生きていくのがぎりぎりの状態では、趣味とか言ってられないでしょうしねえ。1時間が限度、自家用車に積めるだけ、とかでうちから持ち出すなら、ふつう衣類や身の回りのもの、思い出の写真や金目のもので、幾ら愛していてもワンピース全巻とか、ベルばら愛蔵版(おかあさんたとえが古い!)とか、置いてけっておとうさんに言われちゃうよね。

   不景気とかなんとか言ってますが、日本って豊かだったんですねえ。物質的なことじゃなく(いや、パソコン上で一定のクオリティの絵を描いてそれをネット上で発表するだけのインフラをふつうのお嬢さんが持ってるってのは豊かでしょうよ)、ちょっと漫画を深く愛した素人のファンが、自分たちで絵や小説を書いて発表してそれがメディアや市場として成立するんだから。

   そういう草の根の芸術というかB級の芸術の層が厚かったのだと今更に思い知らされています。うん、物質文明だけとはちがうよ。

   これから、そういうことも許されない生活が待っているのでしょうか。その管理人さんには、広く公開することはなくても、どうか少しでも絵を描いて気散じになりますよう、絵を描く術や時間がなくても、自分で物語を思い描いて、心の慰めになりますよう祈ってやみません。そして、できうることなら彼女の作品に、またどこかで出会えますように

   そして、そういう遠くの、見も知らないお嬢さんと、ひとときある作品を通じて繋がっていられたということに儚い幸せを感じずにいられないのでした。原作者の荒木飛呂彦先生、ありがとうございました。これからも偉大な作品を描き続けてください。

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