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2011年5月15日 (日)

「完全犯罪に猫は何匹必要か?」 ― 柳の下にドジョウは何匹存在しうるか ―

   「おかーさん、とうとう30万部越えたって」
   「母が見たのは駅の本屋のポスターだが、43万部になっていたぞ」
   この春から一気にブレイクした毒舌執事ミステリの「謎解きはディナーのあとで」(東川篤哉)、小学館がTVCMを打ったとかで売れまくって、とうとう本屋大賞も取って100万部突破だそうな。タイトルも似た感じで被せてきた鯉ヶ窪学園シリーズの短編集「放課後はミステリとともに」も順調に版を重ねておるそうで、虎美のお友達のつばさちゃんの所にも回っていますが、
   「霧ヶ峰っていうエアコン、あるんだー?」っていうお友達にはちょっとギャグが通用しない部分もあるみたい。それでもミステリに目覚めた虎美は頑張って読み進めて、「殺意は必ず3度ある」はカヴァーが萌えデザインになる前のをゲットして読了(軽いノリに騙されぎみで読み進めたがこれはすんごいトリックだったんじゃ?)、どんどん東川ワールドにはまっていっております。
   2ちゃんのミステリ板にも情報を得に行って、「猫好きなら次はこれでも読んどけ」との助言に「完全犯罪に猫は何匹必要か?」を本日ゲットして参りました。おかあさん、そんなことより仕事探そうよ。

   これは鯉ヶ窪学園も執事も登場しないシリーズで、文豪の名前をもじった鵜飼杜夫探偵たちが活躍する別シリーズものらしいです。招き猫マニアの社長が殺されていた事件に鵜飼探偵が巻き込まれて、あんまり有能ではない警察のひとと丁々発止のやりとりをしながらなんとか事件を解決するというユーモア推理と見ました。
   ええ、うん、地の文なんかはややギャグが苦しかったり昭和臭がするかもの柔らかいカンジですが、トリック部分とかはちゃんとしてるんじゃないかな。壁本ではない。そんでもって、招き猫なんかの蘊蓄部分はお得だし。お値段分損はないと思いますけど。行方不明の猫探しに120万ぽんと出したり、招き猫が左右&表裏4匹いたり、棺にマタタビやら鰹節やら入れちゃうしというふうに、さら~っと猫マニア描写の中に伏線が紛れさせてあってもうフェアプレイ賞あげちゃうッ! 全ての謎が明らかになる終盤のカタルシスは凄いものがありました。いやそれにしてもはまるにも程があるだろう。「ナポレオン狂」(阿刀田高)に通じるものがあったな。

   アマゾンなんかでは、「謎解き~」があんまり売れたもんだから今はバッシング的レヴューが主流になってるみたいですが、そこまで真剣にけなすほどのもんじゃないと思いますよ。

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コメント

 さらっと動機のネタバレをしたようだが気にしない。
 「学ばない探偵達の学園」もゲット。こちらは鯉ヶ窪学園のシリーズ。鯉ヶ窪はパラレルになっていて、探偵部3馬鹿の活躍(?)する長編と、霧ヶ峰涼ちゃんの活躍する短編があるようですが、これは3馬鹿の方(「殺意は必ず三度ある」と同じ)。真の探偵役は顧問の石崎先生だ。三文字の名字じゃないのはいいんですかぁ?(バカ)
 学園内で行われた密室殺人、続く第2の殺人も密室で、これはすごいぞ、でも話の流れはユーモアだぞ。「どのように殺人を犯したか」のあたりの論理の美しさに唸らされます。そして、最初にその謎を解いたひとは、なぜそれに気づいたかというそのひとだけの「感覚」の違いがスマート!
 娘はキャラに肩入れして、「3羽かの中では誰が好き?」なんて言っていますが、そこまで強く訴えてくるものはなかったなあ。キャラが立ちすぎると執事のアレにいってしまうし。ミステリを書くのは難しいんですね。
 しかし、こういう人にかかると、「ドイツの陸軍のお偉いさん(男性!) がバレエのチュチュを着て心臓発作で死んでた」という困った死の状況(どっかで拾った実話)でもそれらしいミステリに仕立ててくれそうだ。

投稿: まいね | 2011年5月27日 (金) 05時06分

 「密室の鍵貸します」も読了。虎ちゃんの方がはまって、次々買って来ちゃうんです。ユーモア推理の利点はココ! 
 ええとこれはアヤツジの○○館だなーってまたおかあさん極悪。
「これは殺人の動機が意外だった」って虎美。
「うーん、でもおかあさんこの人どうでもいいけどヤバイって思ってたよ?」
 そこら辺がほら、アレをお話の中だけの存在と思ってるから……。

投稿: まいね | 2011年6月22日 (水) 21時40分

 「密室に向かって撃て」はさらっと読んだかな。烏賊川市もの。
 「交換殺人には向かない夜」は烏賊川市シリーズで、たしかに大ネタ! 怒濤のピー♪! 思い出すのは「月館の殺人」(おかあさんの極悪人)。ここの描写凝ってるなと思ったらそれはトリックだった……。これは追っかけ甲斐のある作者さんですよ。

投稿: まいね | 2011年8月17日 (水) 13時32分

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