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2010年10月11日 (月)

バレエ見に行ってきました

   芸術の秋だから。
   去年もご案内を貰って、虎美連れで行ったのですが、今回虎美は用事があって、一人で宮前区の文化センターへ。ああ、ここも川崎市だったんだ。Yahoo!の経路検索では35分少々って出て、まさか! って思ったけど。東京近郊は私鉄が蜘蛛の巣になってますので、沿線が違うと所々の結節点で会社を乗り換えないといけないのがめんどう。今はスイカちゃんやパスモ(敬称略)があるからいいけど、昔は大変だったでしょうねえ(昔は遠出しなかった。西武は練馬文化センターまで、東急は人見記念講堂までしか乗ったことなかったですね)。
   今回はノイエ・リリエンベルク(小田急)登戸→登戸(JRにゃんぶ線)武蔵溝ノ口→溝ノ口(東急田園都市線)宮前平と、距離はたいしたことないのに階段の乗り換えが大変だったかなあ。にゃんぶ線はそういう蜘蛛の巣の横糸として乗り換えで重要なのにどうして登戸も溝の口もエスカレーターがないのかしら、エレヴェーターはあったから若い人はガンバレってことかしら。
   やっと涼しくなってからのお出かけ、なに着ていこう、まだツィードのスカート出すまでもないけど、そろそろちゃんと秋って格好がしたいわ、と洋服ダンスを開けまして。一番手前にあったピンクのスーツ、ジャケットの裾が短めで、ウェストをちょっと絞り込んだところから金魚みたいにひらひらさせて、スカートはタイトにまとめた形、ペプラムって言うんだったかしらバブルの頃のデザインかな、今はママの入学式スーツも結構スカートはフレアでひらひら足捌きラクになってますよね(写真撮ったり子供の世話でかがんだり大変だからだろうか)。昔はママに限らず結構この形のスーツあったんだけど……ええ、豹太の入園式に早乙女おかあさんにつくってもらったスーツです。……てことは10年は経過しておるな。待て、虎美の小学校の謝恩会に着た覚えがあるぞ、虎美結局出ないで帰ったから30分で脱いだけど。
   髪をキッチリまとめ、ネックレスもちゃんとパールのやつ出してきて(いやそれマンマ入学式だから!)香水まで振って、今日はお出かけだぞー! と気合いを入れてみました。うん、ちゃんとヒールのパンプスはいて。もう、歩き方からビシーっと。卒業したあとも未練たらしく行ってた合唱団、その年の演奏会はオペラステージがあって、ただ演奏会形式でやったんじゃ間が持たないので多少動いたんですよ。演技って程でもなかったんだけど、舞台の上を歩くってんで、ウォーキングの練習させられました。モデル程じゃないけど。腰から前に出して、滑るように歩くって。先生二期会の準会員で。あんまりオペラー! ってカンジの先生じゃなかったんだけど、やっぱり基本は押さえてたんですね。ま、とりあえず、そういう昔取った杵柄。背筋も伸びて。たまに正装するのもいいですね。
   って、今バスがターミナルに着たところだから、転回して、出てくるまであと3分あるな、蒸すみたいだからお茶買っとこ、って、角のスーパー入ったら週末の昼下がり、みんな買い出しに来ててレジ込んでて、うわーん早くしてーって支払い済ませて出たら、バス停は空っぽ。

   「だめやーん、いってもうたがな!」

   おかあさん、正装して大きな声でそれはないでしょ(しかも買ったのはCGCプライヴェイトブランドのやっすいウーロン茶だ)。
   「ローエングリン」のオペラ、本番で、じぶんが退場するまえに大道具の手違いで白鳥の曳く船が先に行って、とりのこされてしまったという白鳥の騎士の故事を思い出しました。騎士ローエングリン慌てずに美しい声で
   「次の白鳥は何時に出ますか?」と聞いたそうな。こういう人にわたしはなりたい。
   もう一方向のバス停が脇にあって結構時間は近くって、こちらに乗り遅れたときはそっちに行くと間に合ったりするので見に行ってみたら、オッケーお年寄りが数人待ってました。今来そうねって、来なーい!
   日曜お昼だからこんなものかと思ったら、やはり直前のバスが来なかったようで、先に乗ったお年寄りが14分なのに遅すぎじゃないか! と怒ってました。いいえ、20分、定時ですよ、そんなわけがあるか、ずっと待ってたのにと少し言い争いになってました。
   そう、なんかもうこの辺でぐだぐだで。
   ノイエ・リリエンベルクに着いたら、本日東北沢で信号故障のためロマンスカー・快速急行・千代田線直通は運休って大丈夫!? よくよく考えたら、自分が乗るのは登戸まででした。慌てず騒がず各駅停車に乗って待ちました。
   たぶんこの時点で時間くったんだと思うの。
   にゃんぶ線に乗り換えようとしたら、スイカちゃんの残金が足りないと足止めを喰らい、チャージして戻ればさっきの時点で入構情報がついてしまったので二度入り扱いになり、駅員のいる窓口にいってと言われ、そこでは忘れ物をしたやら男性が延々書類を書きながら窓口を塞いでおって、その後ろに立つ偉そうな肩章のついたひとは困るこっちに気がついたけど、そのふたりの真ん中割るように手をさしのべてスイカを受け取り、今対応中の駅員さんに顎でこれやったげて、と言わんばかりの指図で。おじさん気がついてくれたのはいいいけどその態度はちょっとどうよ。
   てなわけで乗り換えにも手間取って。
   にゃんぶ線のホームに下りたときには5時のミュージック・サイレンが鳴ってました。
   おーい、5時開演なんだって!
   もう泣きそう。
   その後の乗り換えはうまく行ったんですが、宮前平駅に着いたらもう辺りはかなり暗くなっていて、5時20分でした。
   姫ちゃんの出番が終わっちゃう!
   この前は暗いのに知らないところを歩いて迷って(あとで聞くと大して違ってはいなかったようだが。一応開演に間に合ったし)ひどい目にあったので、今回はバスに乗っちゃうことにしました。1区間らしいし(いや、歩け)。ところが、ちゃんと見つけた文化センター前を通るバスが、30分発のところ、こなーい! 後ろにどんどん行列ができるから遅れているのは明らか。どんどん暮れてゆくしバスは来ないし。38分の時点でタクシープールに走りました。
   「ごめんなさい! 近いけど文化センターまでお願い! 50分に出番なの!」
   おにいさんの運転手さん、少し焦った感じでした。
   「無理かしら?」
   「いえ、すぐ上がったとこですから間に合いますけど」って、ほんと、すぐ上がったこだったんだけど……。
   なんとか第2部には間に合って、姫ちゃんのショパンの曲に合わせた麗しい舞いを見ることができましたとさ。

   ほんと、それまでのあくせくした苦労を忘れるひとときでした。
   手の振り、足の捌きが本当にたおやかで、エレガント、ナルホド、スケート、新体操、シンクロ、全ての芸術系競技の選手がバレエを修める意味が解ります。あと、4,5人から10数人で踊る群舞でも、そんなにたいした動きではなさそうと(失敬)思われる、ちょっと手を上に上げながらくるんと一回りして、片足を折ってナナメ前に出して逆足を後ろにきれいに出して停まる、あのバレエのキメポーズが、……あんなもんでも揃わないんだ。ちょっと早いとか、回り過ぎちゃって角度がヘンとか、手の角度ちょっとおかしいよとか。じゃあ、何十人みんな同じように見せるには大変な努力が必要なんですねえ。オペラのバレエシーンって好きでよく探してみるんですが(要するに「アイーダ」の凱旋行進曲のよく省略されるところ)、あれも結構揃ってなくて、まあその方がらしいかなあと思って見てたんですが、なかなか全員揃えるのってむつかしいんですね、と、こんなところでもやっぱり生を見るのは勉強になる。

   こちらはクラシック・バレエの団体なので、おちびちゃんもおねえさまコースもほとんどクラシック・バレエのきれいな衣装を着ての演目なんですが。

   先生と、男性(たしか去年のパンフレットのプロフィールでは留学経験もある若手)が中心の創作ダンスのステージもありました。

   ……わたし、親戚にバレエ団をやってるのがいまして、モダンで、チケット貰って結構つきあいで見たり、大学がダンス学科のあるところで(創作ダンスの課題に悩む女子中高生諸君! すまない、それはうちの卒業生達のせいだ!)、チケットのバーター取引で発表会とか割と見たんですが。
   モダン・ダンスはついていけない んですよ。なにやってるのか理解できない。一度後輩と見に行ったら、彼女は「あそこでこう集まってたのが砂の塊を意味していて、風があっちからきて、だんだん削られてバラの形になっていって……」と解釈したのでドギモを抜かれました。解るものなんだ!(一生懸命考えた方すいません)

   なんかわからんなりに、このお兄ちゃんは孤独に悩んでおって、先生(女神?)が現れて救いの手をさしのべてくれて、いろいろ一緒に踊って、先生は去ったがお兄ちゃんは生きる望みを取り戻したんだなーと思いました。最後、横たわって動かなくなった先生はお兄ちゃんに生きる望みを与えることによって自分の力を使い果たして死んだんだと思ってたから、彼が去ったあと起き上がって踊りながら去ったのには「?」でしたけど。

   最後の幕で、「くるみ割り人形から」になったときはホッとしました。

   去年も「くるみ割り」のステージはあったんですが、これはおさらい会向きですね。数人ずつ可愛い衣装を着けたいろんな踊りが出るし、曲もチャイコフスキーで耳になれているし。アラビアの踊り、ロシアの踊り、中国の踊り、スペインの踊り、フランスの踊り、みんなそれっぽくてきれいでした。ロシアの踊りは民族衣装っぽい、カフタンって言うんでしたっけ、前開きの長いヴェストのようなものが膝までで、踊りの後半くるくるまわるところではその下のいくえもの白いスカートが民族舞踊そのままにふんわり広がって、ああ、やっぱりロシアはこうよね! と思いました。チャイナはぴったりしたハーフパンツでロボットのようなパキパキしたうごきが曲に合ってたし、スペインの踊りはあんまりフラメンコ的にしなくても、ところどころの手をタテに挙げるキメポーズ、「マツケンサンバ」の「スパニッシュ!」ってやつだ、あれがとってもらしく決まってました。どれも、ああ、聞いたことあるよ、という曲にきれいな振りがついていて、もううっとり。

   去年いた「清四郎ちゃん」(仮名)、今年もいました。星の踊りの中に、ひとり白いタイツで混ざってました。でも、……男の子はトウで立っては踊らないのかな。お姉ちゃん達が小さいながらもトウで立ってくるんと回るときに清四郎君だけはつま先立ててやや地味な男の子ヴァージョンで回るので、どうにも「無理矢理混ざってまーす」感が否めないというか。花のワルツにもおにいさんが一人混ざってましたが、やはりなんというか、クラシックバレエでの男性は「ぼく王子です」って感じで、振りが違うにしてもオーラを出してないときついというか。ぼくが一番高く飛べる、ぼくが一番たくさん回れるっていうお山の大将的ものを持ってないと熊哲への道は険しいんですね。ここを抜けると貴重な王子様として引っ張りだこの持て人生(人生ちゃう)が待ってるのかなあ。豹太はその入り口で、
   「男の子のくせにどうして混ざってるの!」と言われて挫折しました。可哀相なコトしたよなあ。

   楽屋に姫ちゃんを尋ねて、少しお話しして帰りました。……昂奮してイイ気持ちで道を下ってたら、左折のポイントを見落としてずっと過ぎちゃって、こりゃやばいと適当なと頃でまがったら、やはりそこは住宅街、どんどん寂しくなっていって、泣きながら旦那様にメイルしたら「どこで迷ったの」とすぐにお返事が来たので、地図サイトでも開けて脱出方法を教えてくれるのかと思いきや、
   「気をつけて帰ってきなさい」って、だーりん!!!

   ここは豹太に掛けて、パソコンでグーグルマップを開けてもらって現在位置を送って指示を貰うべきだったかも知れない、
   「OK、ママ! 現在位置の情報を携帯で送って! 調べてすぐに合流ポイントまでの最短ルートをおくるよ!」ってサヴァイヴァルものSFごっこができるかと思ったのに。
   実際は、中華料理店のおかみさん(柴田理恵を美人にしたカンジ)に恥を忍んで道を聞きました。宮前平どころが次の駅近くまで来てたそうです。5分で着きました、ええ。
   いや、最近は方向音痴のくせに注意が足りなくなってますね。前は、迷ってはならん、コレはここで合っているか、と住宅表示図や電柱の住居表示などこまめにチェックして道を逸れないようにしてたのに、最近はほんとおおざっぱになって。いかんよ。

   てなわけで汗かいちゃいましたけど、とっても楽しかったです。下心なしでもいろいろ勉強になるし、オジサンもオバサンもたまにはバレエ見よう!

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