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2010年8月 4日 (水)

歌のTPO

   幼小中とPTA活動にバリバリ参加してきて、時代に応じてPTA行事はリストラすべきだという確固たる信念を育ててしまったわたくしが申しますが。

   

いい講演会もあります。奇跡的に。
   わりに、しゃべり慣れた演者を用意してくれてますんで、行ったら行ったで、
   「いいお話だったじゃないの」とけっこうほくほくして帰ったっけ。

   そういうお話をここで。
   アメリカがえりの心理学者……なのかなあ、ややウサンクサイ肩書きのオジサマ。
   「大宇宙が我々に赤ちゃんを与えてくれる理由について考えたことがありますか!?」
   なんてぶちかまして。いきなり度肝を抜かれちゃう、そういう洋行帰りな巧い講演ね。
   今、我々の周囲には、ああすればこうなる、ボタンを押せば結果がすぐ出る、そういう意のままになるものばかりが集まっている、その中で、子供というものは意のままにならぬものの代表、どんな理屈も泣く子には通用しない。自然を克服し、万物の霊長とイイキになってる現代人が、ままならぬものに出逢っておろおろし、心の底から無力を感じる、そういう機会を与えるために、幼子は遣わされているのだというもうすごい理屈。

   すっこ~んと目からウロコを落とされましたね。
   イヤホントそうだし。
   やっぱ、育児はほんといちど経験しないとねー。

   てな講演でしたが。

   で、その演者センセイ、アメリカでなんか一分野で成功を収めた結果、とあるミスコンの審査員に選ばれたとか。そして、そのコンテストでは、各審査員がひとりにひとつ、オリジナル審査を課す資格があったそうで。
   へえ。
   ある人は水着審査を課し、とある人はスピーチを、またある人はダンスを……って、よく知りませんけど。その中で、そのセンセイが課したのは、子守歌審査

   「あなたがおかあさんに歌ってもらった子守歌を歌って見せてください」

   「楽しかったですよ。みんな、嬉しそうに、晴れ晴れとしたいい顔で歌うんだ。フィリピンの娘さんも、ロシアの娘さんも、南米ヴェネズエラの娘さんも。ああ、こんな曲が歌われてるんだといい経験をしました」
   へえ。
   「ところが、日本の代表のコはいけない。はっと、いきなり途方に暮れて、誰もちゃんと歌わない。歌えない。ひとり、『ふるさと』を歌ったコがいたかなあ? 『ふるさと』は子守歌じゃないでしょう!? どうしたんだ、ニッポン、子守歌歌ってもらってないのかって、心配になりました」って。
   これは判るなあ。
   歌ってもらったことないとはないと思うけど。いやどうよ? わたしは歌ったけど。
   ミス・ユニヴァース(かなんだかしらないけど)の国際大会で、国の代表として歌うにはみすぼらしいと思っちゃったんじゃないかなあ。
   わたしは「ねんねんころりよおころりよ」ですもん。
   歌ってもらったのはそれ。
   でも、あんまり田舎くさいかなあ と思って。
   豹太や虎美のときには、五木の子守歌とか、歌ったかも。
   「♪おどま盆限(ぎ)り盆限り~」
   いや、これ子守娘の立場で歌う歌だから。おかあさんが盆限りで帰っちゃダメでしょ。曲調も哀しいし。
   「ねんねんころりよ」も、日本音階だからなんか西洋音楽に慣れた耳では終わった感じがしなくて自分が歌っててすっきり感ないし。
   いやそこは、子供を寝かしつける歌だから、ジャンと終わるんじゃなくてフェイドアウトするのが目的に合ってるのかもだけど。
   とにかく、お外で「子守歌を歌って」と言われると、「ねんねんころりよ」は避けますね。無意識に。
   でも、さすがにブラームスの子守歌とか、「ねーむれーねーむれ、母の胸ーに」は、シューベルトだそうです、今調べた、日本人がそれ歌うのってどうよ、そんなお上品なお育ちしてません、見栄っ張りっぽくてイヤ。
   解るなあ、ホント、なに歌おうか悩むネ、ホント。
   ベッドの上に掛けておくとおもちゃが回転して情操にいいというオルゴールは、「ゆりかご」だったので、それは永遠にオルゴールに合わせて歌ったかなあ。あとは、ええと、「荒城の月」とか、「花」とか、文部省唱歌を延々……。

   講演会からモヤモヤしながら帰って、猫科の人たちに、
   「おかあさんが歌ってやった子守歌覚えてるか」と聞いてみましたが、たしか覚えてなかったんじゃないかなあ。ああやっぱり。

   それはそれでどうよ。

   「まいこさん、オリジナルの子守歌を作ってあげたら」といわれて、作ったような気もしますが、「ねんねねんねねんねー」と付点のメロディで、作ったわたしがこれは眠れないだろうと思いましたです。ま、ベッドへ誘う歌かな。
   虎美がもしかしてミス・ユニヴァース世界大会で子守歌審査を課されたときに、見事思い出して歌えましたらどうぞご喝采(いろいろ無理だ!)。

   てなカンジで、日本で教わった曲、耳に慣れた曲は、西洋音楽の晴れ舞台ではなんかそぐわない、恥ずかしいものってイメージが無意識にあるんじゃないかなあと愚考いたしますが。

   って、カン首相が君が代って陰気だからなんか嫌いと言ったとか言わなかったとか報道を聞いて思いますのさ。
   気持ちは分かるな(ええ、正直に申します)。
   わたしは歌っちゃいますけどね、空気読まずに。入学式も卒業式も、こないだの高校野球の開会式も歌っちゃった。楽しかった。
   雅楽のニュアンスが入ってるそうで、やっぱ、メロディはクラッシック本道からは離れてるじゃん? 今時のポップスとも違うし。
   若い人が聞いて勇ましい、意気軒昂となる曲ではないですな、確かに。
   若い頃はホントになんでこんななんだろうって 恥ずかしい気持ち を持ってました。
   でも、1000年前のアンソロジーから取った歌詞で、国の伝統音楽を取り入れたメロディでって、希少価値でいいじゃんと思うようになりましたのよ。オトナになったからね。

   いや、「神は女王を救い給う(英国国歌)」だって、賛美歌のお作法で書いてあるから、荘厳ではあるがノリいい曲じゃないよ、アレンジされてりゃともかく。
   フランスの、「ラ・マルセイエーズ」は、もともと敵をやっつける戦意高揚曲ですから。
   そんな、時々「もうこんな血なまぐさい曲やめようぜ」なんて提案されてるのと一緒にされてもねえ(やっぱり、逆に血の気の多いオッサンに猛反対されて立ち消えになるらしい)。
   ドイツはあからさまに歌詞の3番がやばいそうで、でも、この曲以外に考えられない! とかで、公式の場では3番封印でいってるんじゃなかったかな?

   いろいろ各国では密かに問題を抱えていて、それでも、公式の場では敬意を表し、歌うんじゃない。カンちゃんも、なんでも噛みついてりゃいい市民運動家の頃ならまだしも、総理大臣になったんなら嫌いでも胸張って歌わなきゃ。天皇陛下に認証受けたんでしょ? お目にかからなかったわけ? そんなバカな。
   で。総理大臣でも、心の奥底で「……もっと明るい曲がイイナァ」と思う権利はあると思うの。そこは民主国家だし。

   そして、そんなしょうもないことよりもっと大きい総理・政権与党としての瑕疵を見つけて正々堂々攻撃しろよ自民党。ほんと、焼きが回っとる。

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コメント

 ごめん、ドイツ国歌は1番が「千島の奥も樺太も」的もはや領土にない地を挙げているのでアウト、2番はドイツの女性、忠誠、ワインと詩はいいヨ! って歌詞がフェミニズム的にやばいのでアウト。3番だけが演奏可、でした。いっぺんブログでも書いた気がしたんだ。

投稿: まいね | 2010年8月 4日 (水) 23時30分

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