« ハッピーエンド原理主義 ―ゲームの楽しみ方―  | トップページ | Tom & Jerry »

2010年6月 9日 (水)

ここまできたかと

   その昔の週刊少年ジャンプの新年企画に、「愛読者賞」ってのがあって。
   ジャンプの人気連載漫画家が10人、連載を継続しつつ、期間中に順番に読み切りを描いてくれるというもの。ええ、「リンかけ」の車田正美も、「ドーベルマン刑事」の平松伸二も、「こち亀」の秋本治も、たしか「キャプ翼」の高橋陽一も、「キャッツ」の北条司も描いてくれましたとも(挙げる「代表作」が古い!)。そのあと人気投票があって、好評だったものはその後連載になったりもしたような(えーと、金井たつおの「いずみちゃんグラフィティ」)70~80年代の話よ。
   今となっては、週刊連載をこなしながら短編も描くってどんだけ過酷なことを要求するんじゃと思うのですが、その頃は単純にすごいなーって思ってましたね。

   本宮ひろ志って、ほら、「サラリーマン金太郎」のひと。当時ジャンプで何やってたかって……覚えてないや。ジャンプを読み始めの頃は「さわやか万太郎」でした。大金持ちのお坊ちゃんでやや硬派な主人公がいろんなスポーツに挑戦する話だったと。もうあんまり喧嘩をしたりするヒーローはジャンプでは浮いてきてた頃だと思ったんですが。
   彼の愛読者賞挑戦作品は異色作でした。
   政治の世界が解りにくい、漫画でやってくれたらいいのに、という発想から、自ら当時あった参議院全国区に出馬し、国会議員になってレポート漫画を発表しようというものでした。当然、編集長は大反対、それでも、いろいろなヒット作を描いてきた実績をもって押して、とりあえず愛読者賞で1位を取ったらという条件を付けて、「読者の皆さん、応援お願いします」というオチに持って行ってました。
   当時、小学校高学年だったのですが、大丈夫なんだろうかこのひと、と思ってたら、とりあず愛読者賞では1位はとれなくて。まあそうだ、今とは違って週刊少年ジャンプはやっぱり少年のものだったし。普通に解りやすい漫画の方に得票が行くでしょう。
   それでも、政治家に会いに行ってそれをレポートするという漫画として連載はありましたけど。それが「やぶれかぶれ」という作品。その年の夏頃だったでしょうか。
   昔あった参議院全国区というのは知名度の高いタレント議員枠のような制度で、全国的に名の知れた有識者を想定した枠だったと思うんですが、当時で既にNHKの名司会者とか、石原都知事みたいなブームを作った作家とか、既にわたしも売れていた頃を知らない芸能人とか、そういうタレントばっかりになってたようです。そこを、ジャンプの知名度で狙っていこうという作戦だったようですが、なんと、ここでカンナオトという若手政治家(まだ市民運動家だった頃かな?)が登場するんですね。
   「本宮さん、よく決意してくれました。でも」って。
   参議院全国区はもうなくなって、比例代表制というものに変わる、だから本宮さん、選挙は難しいですよと教えてくれるのです。
   そこで、比例代表のお勉強のようなものを少しして、統一会派でやっていきませんかなんて誘われて、結局断って。
   とりあえず、政党の代表からはじまって、ついには田中角栄にまで会いに行くという(マキコさんもちゃんと出た! あの頃はふつうのおばさんに見えた!)ところで人気がなくって終わったんじゃないかな。残念だったですね。
   新自由クラブの田川代表が、実に真面目でいいオジサンで、「読者の方もどうぞお手紙をください」なんていって、ホントに来た手紙全部に返事を書いたとかで、「ジャンプ読者と田川先生との文通」なんていってあとで本になってました。当時はロッキードの後で、政治家なんかみんなウソツキと思ってたのに、政治家にもちゃんと信義のあるひとがいるんだと思いましたよ。まあ、懐かしい。

   ってことで、議員のひともジャンプ読んでるんだなあと思ってたら、例の新党ブームのときに、「さきがけのカンナオト」って、出てきたじゃないですか。
   このひとまだ地道に政治家を目指してたんだなーって思ってたら、連立政権で大臣になって。ちょっと肩入れして見てて。
   愛人スキャンダルの時には、こりゃあただのスケベじゃない、婚外関係のある人に党の金を流してたんだからさらに国を謀る悪だな、と切った訳なんですが。
   でも、オデコにほくろがあるからそのうち天下は取るのかななんて思ってたら。

   ここへきて、来ましたね。総理になっちゃった。

   おめでとうって言っちゃっていいんでしょうか。

   まあ、二世じゃないし。よくここまで来たものよ。

   

お手並み拝見。

|

« ハッピーエンド原理主義 ―ゲームの楽しみ方―  | トップページ | Tom & Jerry »

コメント

「今度、高校の同級生が立候補するの!!菅って書いてカンて読むのよ〜。姫ちゃんの住んでる所が選挙区だから、応援してあげて!お友達にも宣伝してね!」
そう近所のオバサマにお願いされたのは、四半世紀も前でしょうか…。
カン君は頭が良くてカッコ良くて憧れだったそうです。

私としては、取り敢えず配偶者控除を無くさないでいただきたい。

投稿: 姫 | 2010年6月10日 (木) 02時02分

 おやおや、世間はホント狭い。
 そういうふうに、ひとりひとり動いて支持者を広めてくれたひとのことを考えたら、悪いことなんてできないでしょうに。自分のためにもみんなのためにも、がんばって貰いたいものですね。

投稿: まいね | 2010年6月11日 (金) 09時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/48583715

この記事へのトラックバック一覧です: ここまできたかと:

« ハッピーエンド原理主義 ―ゲームの楽しみ方―  | トップページ | Tom & Jerry »