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2010年4月13日 (火)

終わりよければ

   ちょっと必要があってオペラの筋やら解説やらをネットで調べておったら。
   あれですね、今どきの小説や漫画がドラマ化される、アニメになるというと、ファンは必ずしも嬉しくない。「映像化の難しい部分は改変されるのではないか?」「より大衆的にされてしまうのではないか」、その他、解りやすいところでキャストが気に入らないとか、あの監督はかなり独自解釈を入れるきらいがあるから要注意とか。

   そんなのマニアまで逝っちゃった困ったファンの証かと思ってたんですが。いえ、わたくしだって、ただいまNHKBS2で始まったというジャイアント・キリングのアニメの出来には戦々恐々です。いまのうちはBSアンテナが付いてないので見られないのが幸い。

   

オペラも、結構もともとの原作から改変されてますな。
   「××の原作では~のところ、オペラ版では以下のように改編されている」って記述があっちにもこっちにも。おいおいそんなに勝手に原作いじってイイのかいと声を掛けたくなります。昔の作曲家って、純粋に美しいメロディを作るだけじゃなくて、かなり総合的に作品を差配できたんですね。宗教曲なんて、歌詞は教会で使ってるものを万(キリスト教)国共通で使い回すことになっているのに、それをつぎはぎしてるやつがいて、大丈夫か、そんな裁量あるのかとか昔から思ってましたが、歌詞やシーンの解釈・取捨選択の自由が作曲者にあるという伝統だったんですねえ。なるほど。

   じゃあ、18、9世紀の文学ファンの間でも、もしかして、
   「ボーマルシェのアレ、パート2はモーツァルトが曲を付けるらしい」
   「大丈夫か? あれ結構やばいぞ」
   「政治的にやばい部分はカットでおちゃらけた感じでまとめるってよ」
   「楽しみ~」
   「いーやッ! 『フィガロ三部作』はあの階級間闘争っていう裏テーマがいーんだッ! 上演のために余計な改変をするぐらいならオペラ化なんぞせんでイイッ!」 
   ……なんて会話がなされてたかと思うとちょっと楽しいですね。

   そして今までのドラマ化・アニメ化された作品のように、原作とは違う形で皆さんの心に残るわけだ。ま、しょうがないか。まったく知られないで消えてゆくより、ほんのエッセンスだけでも作品が世の中に知って貰えて、伝えたいことが(ほぼ正しくという一定レヴェルは保っていてもらいたいものだけど)伝わったらいいと思いましょうか。かえって、もう1段階表現者のフィルターを通すと言うことで、作品の主題とかが洗練されて、その結果、時の試練に耐えて作品が現代まで残ったという考え方もできるわけですね。

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コメント

オペラ以外でもシラーの詩にひとこと書き加えちゃったり,あの時代の作曲家はそういうことをかなり自由にやっていたのでしょうね.
漫画の映像化では「のだめ」で「もやしもん」が引用されているところが改変されていてかなりがっかり.映画にはもやしもんのキャラたちが登場しない.

投稿: 三ねんせい | 2010年4月13日 (火) 16時45分

 ああそうか! 第九の4楽章冒頭のバリトン・ソロの部分はベートーヴェンのつけたフレーズでしたね! 
 のだめに「もやしもん」が乱入してたのは、当時講談社系の漫画で「もやしもん」を宣伝するためにいろいろやってた企画のひとつでした。ほんと、掲載誌「イブニング」に連載中の漫画に限らずいろいろ出張していたみたいですが……わたしはああいうのは好きじゃないので、カットしてくれて構わなかったです。まあ、カットの具合にもよりますが。とりあえずカレーが悪くなっていたというエピソードじたいは残ったのかな?
 どうも、あの「もやしもん」の担当編集さんは売りかたというか力のいれどころをまちがえてるんじゃないかという感じが連載当初からしてます。今はどうなったんでしょうか。

投稿: まいね | 2010年4月14日 (水) 01時00分

なるほど,もやしもんの宣伝と言うことだったのですね.それはちょっとがっかり.二宮さんが好きで引用したのだと思ってました.
映画ではもやしもんキャラの代わりに,鍋ぶたをあけると「毒」等々のゴシック体の漢字がいっぱい舞い上がります.

投稿: 三ねんせい | 2010年4月14日 (水) 11時17分

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