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2010年1月15日 (金)

評価は歴史がくだす

   水曜のNHK歴史秘話ヒストリアは、歴女を当て込んだ話題先行な作りを感じてしまうものの、結構楽しみに見てます。
   今週はバウムクーヘンを日本で初めて作ったというあの有名な菓子店の創業者のお話でした。たしか大学の図書館に、その会社が出した社史っぽい本が入ってて、当時読んだ覚えがありましたが、ヒストリアの方は創業者の波瀾万丈な人生に着目してました。
   れいの、第1次世界大戦でのドイツ軍捕虜だったそうで、兄弟が多かったことからアジアで一旗揚げよう(「一発当てよう」という表現はNHKで女子アナが言うべき言葉遣いじゃないと思いました!)と青島にやってきたところが現地召集されてのことだとか。やっぱり末っ子は冒険心があるなあ。
   捕虜の作品の展示即売会が行われると言うことで、菓子職人としての血が騒いで本場のバウムクーヘンを出したところが即日完売! 美味しいものは国境を越えるとばかりに自信を取り戻して戦後、銀座の洋食店に招かれ、独立して横浜に店を出すは、震災で全てを失っても疎開先の神戸で再起するは、非常にたくましいと見ました。
   再現ドラマの役者さんはまあおいといて、でも、今となっては一流企業の創業者ですから、写真も多く残っていて、つくづく見たらまあなんて端正なお顔。やっぱドイツ系いいなあ。なんて娘ときゃーきゃー言って見てましたが。

   いや、ユーハイム氏に限らない。

   「プロジェクトX」の時も、昭和30年代とかの技術者のお写真が映ってましたが、やっぱり、別に高貴な血筋というわけでもない、そこら辺の工場の技術者の方でも、そういうひとつのことを成し遂げた方はお顔が凛々しかったですね。パーツで見るとやっぱり、30年代なので和風の一重まぶたとか、お口元が残念だったりもしたかもですが、全体の雰囲気がやっぱり端正でしたとも(その時代の記念のお写真だから写真館が手を加えていたんでしょうか?)。

   

覚悟がひとの顔を磨き上げるのではないかと。

   ひとつのことを成し遂げようという意志の力、全身に漲る使命感のようなものが、ひとを大きく、美しく見せていたのではないかと思うわけです。
   戦国時代に日本に来た宣教師達は、日本人を黄色人種だと思ってなかったとかいう話どっかで聞きましたもん。戦乱の時代、日夜身体を酷使していて、身体も(日本史を通じてみると比較的)大柄で彫りも深くなっていたのでそう見えたのであろうとかいうお話。とりあえず、全身覚悟が漲っていて、とても未開で身体的に劣ったカンジはしてなかったでしょうね。

   翻ってみると、今の連中は、生活にゆとりがあるから身なりは構って、文化も洗練されてきてますから様々工夫を凝らしているかもですが。
   おおもとの心持ちがのほほんとしてしまってるから、もしかして誰も彼も、時代を超えて感動を呼ぶほどの美形はいないかもよ?

   そういえば、大学生にもなって簡単な計算ができない、国語や英語の初歩も身についてない、と最近の学生の学力低下が言われてますが、学力を追求されない分、今の若い人は、その他の方法で自己を表現する能力が付いてきたわけでしょ? わたしらの世代でさえ、「近頃の新入社員は自己紹介をさせてもみんなみんなうまくしゃべるものだ」云々言われてましたもの。
   漫画やアニメのレヴェルの高さは世界じゅうの国のひとを魅了しているわけだし、クラッシックに限らず、音楽もどんどん海外に通用するものになっているらしゅうございます。スポーツも、スケートや新体操、シンクロなど芸術系の強いことと言ったら。ファッションも、階級がないぶんフリーダムな感じで日本の普通のひとがお召しになる服のレヴェルの高さは注目されているんだとか。
   ネットの掲示板もそうそう捨てたもんじゃなく、ちょっとした豆知識やらを披露しあったり、気の利いたことを言って盛り上がったりするところのレヴェルの高さはちょっと凄いものがあります。「胸とあそこを隠して恥ずかしそうに立ってる女の子の絵を見たい!」と書いてあったら、ほんの2分後に「ほらよ」とボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」が貼ってあってもう笑いました(確かにそうだ!)。全然学校の授業とは関係ない鋭い頭の使い方です。

   意外や、そういう今時の「カッコイイ日本」の担い手は、ゆとり世代だったりして。とりあえず、新人類とか言われて、旧来のちゃんとした日本人とは感覚が違う、どうしようこんなの!? といわれたわたしどもの世代以降だと思いますね。だったら、ゆとり世代も意味があったりして。といっても頭の固いもと優等生としては、四則演算もできない大学生なんて認めたくないですけど。ほんと、江戸時代の町人文化の隆盛の再来みたいな感じで。

   「国内では50年を超える戦争のない平和で豊かな時代を反映し、豊かな物質文明を反映した平和で華やかな、多彩な大衆文化が花開いた」なんて、100年もしたら教科書に載ってたりして。ほんと、何がよく働くか解らない。「軍事的・科学的分野で才能を発揮した人物を輩出し史上最大の版図を達成したが、国民生活は窮乏を極めた」よりどんだけいいことか。

   まあ、ローマ帝国の落日とかを思って、こちらはわたしたちが日本が豊かだった最後の世代だろうなーと日々寒い気持ちになっておるのですが。

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