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2009年12月13日 (日)

おかあさんの舌

   英語でマザー・タンと言えば母国語のことだそうですが。
   本日虎美を連れてお買い物に行ってきてしみじみ思い至ったのは、わたくしが気を抜いてしゃべっておるときは、
   「あら、可愛いハンカチ
   「おいしそうやねえ」などと、無意識に語尾に金沢訛りが出るのですが、仙台で育って、ただいま首都圏の学校に行っておる虎美はそのようなことが絶えてありません。金沢弁で申しますと、
   「も~う、ないげんわ」
   この「も~う」は女性が怒りや不快を表わすところの「うんもう!」じゃなくって、英語で言うところの「never」、文語で言うところの「絶えて(○○せず)」の副詞です。たぶん金沢ではまだ生きていると思いますが……21世紀にもなって使ってるのはわたしだけかなあ?
   虎美の方は気取ってこころがけておるのではなく、おかあさんはそのようにしゃべる、それはこういう意味だとわかっているが、お外でそんな言葉を使ってはならない、自分は使わない、とちゃんと認識されておるようです。

   さすが、と旦那様に話していて、
   「じゃあ、『ダメやがいね』なんて言わないの?」と旦那様がお尋ねに。
   「言いませんねえ、そういえば」
   「それじゃあ金沢では会話ができないね」
   「そうそう、『ダメやがいね』『やめまっし』」
   「それがなくては!」
   「『ダメやがいね』『やめまっし』『このダラブチが!』」
   (それぞれ、「ダメじゃないの」「やめなさい」「このおばかさん!」)
   「そうそう!」
   笑ってもらったところで、ふと疑問を思い出して。
   「ちなみに、とっても固いときはなんて言いますか?」
   「固いって?」
   「お餅が固くって歯が立たないときとか……?」
   「かちんかちんでは?」
   「…………こんこらこんって、言いませんよね?」
   「言いません」
   「それは活田語でしょうか? うち以外で聞いたことがないんですが」
   「それを言うのはおとうさん? おかあさん?」
   「母ですね」
   「……おかあさん語でしょう」
   「……母語ですね」
   母は女長嶋茂雄なので、わたしがルール! なところが多分にあります。
   「じゃあ、○○が××なときに**っていうのは……!?」
   あんまり深く追求したくないので、今日はこの辺で。

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コメント

失礼ながら,違います.Mother tongue は Muttersprache を訳して作られた語で,日本語にすれば「母語」であり決して「母国語」ではありません.つまり,そこには国家の概念がまったく含まれていません.
スイスのドイツ語圏に育った人にとって母語はドイツ語でも母国はスイスでしょう.母語がクルド語という人は大勢いますけど,誰にとってもクルド語が母国語ということはあり得ません.
ところで私の母語はというと,父母の東京山の手方言を受け継いでいるものの長野県北部方言も混じった半端バイリンガルです.さらに母の父方から福井県方言も少し.

投稿: 三ねんせい | 2009年12月14日 (月) 10時07分

 ありゃあ、やっちゃった。
 すいません。全くもってお説の通り。指が滑ったとしか言えません。
 最近ネタの精度が落ちてきているのはやっぱり睡眠が足りないせいでしょうか。もっと落ち着いてゆったりとした気持ちで書くようにいたします。ご指摘ありがとうございました。
 それにしても、ドイツ語の概念が元だったとは。それは、提唱された学者さんがドイツ語使用者で?
 確かにスイスとかベルギーとか、国とその国民の使用言語が1対1対応でなく込み入ってるところ、ありますもんね。
 逆に、オーストリアで育って「ドイツ語」をずっとしゃべってるひとは自分のしゃべってる言葉を何語だと思ってるんでしょう?
 東京の山の手方言といいますと、こちらからはたいそう優しい言葉である印象があります。受験で東京に来て、中央線にはるばる乗っていたら、電車に乗り合わせた若い男性が「~しちゃったんだよね」と言ったのでこのひとはオカマさんかとびっくりした覚えが。
 つい先だっても、家の前で工事をしていた高所作業員のお兄さんが、「ちょっとそれ頂戴」と言うのを聞いて、流石首都圏は高所作業員も言葉が優しい、と夫婦して感動したことがあります。
「金沢じゃあ言わないですよね」
「『たいま!』だよな」
「旦那様。平成にもなって「たい(頂戴)は使わないでしょう。『くれま!』」
 強調の「ま」は必須と言うことにご注意くださいま。

投稿: まいね | 2009年12月14日 (月) 13時28分

Mutterspracheという概念を言い出したのが誰だったか思い出せず,資料を見ようと思ったけれど埋もれたまま(^_^;
尤も,古くラテン語に lingua materna という表現があったともいわれてるらしいです.
ドイツ語のことはオーストリア,スイス,リヒテンシュタインでもDeutschと呼んでるそうでドイツ国家とは切り離された概念のようですがややこしいのはアルザスの言葉.言語学的に見たらドイツ語アルザス方言 Elsassisch ですけど,フランスではアルザス語と呼んでドイツ語とは別の言語とみなしてます.政治が絡むと厄介です.
朝鮮語という一つの言語は南北で方言の違いはあるにせよ南のは「韓国語」と呼ばれたりします.NHKの語学講座では「ハングル」というインチキな逃げ.
琉球語か日本語沖縄方言か政治問題であって言語学の問題じゃないです.

投稿: 三ねんせい | 2009年12月14日 (月) 16時08分

金沢の「ま」って知らなかったけれど,良い響きですね.
山の手方言はほんとに「~ちゃう」を多用します.完了を表現する手段が他にないからかな.

投稿: 三ねんせい | 2009年12月15日 (火) 23時48分

 思い出したァーッ!
 ナニかがとっても固く凍っている場合、早乙女おかあさんは
「かんかちかん」と仰るんですよッ!
「どうです? 覚えがあるでしょうッ!?」
「……ああ、そうですね」
 勝ったッ! ってナニに?
 ということで、微妙なところの擬態語は各家庭オリジナルの母(はは)語ということで。 

投稿: まいね | 2010年2月20日 (土) 23時40分

私のハハ語.「じゃみじゃみ」は前に書きましたよね,砂だらけという意味で,越前出身の祖父から受け継いだらしく,母以外から直接聞いたことないけれどググると「じゃみじゃみ」はあります.
もう一つは「じもくた」.これは母以外から聞いたことなくググっても一つも出て来ない.でたらめとかめちゃくちゃというような意味です.

投稿: 三ねんせい | 2010年2月22日 (月) 17時59分

 「じゃみじゃみ」は金沢でも使いますよー。やっぱり北陸が黄砂の本場だから? 母以外からは聞いたことないかもですが。多分高度成長期以降は「自分では使わない世代」なんじゃないでしょうかね? わたしは使いますけど。「じもくた」は残念! 聞いたことないです。
 実は金沢弁ばかりを集めたかるたというのを地元のTV局が出してまして、買いました(物好き!)。やっぱり地元のアクセントじゃないとと朗詠CDが付いてましたが、そのアナウンサー詠み上げの金沢弁は……微妙。今時アナウンサーも地元の人を採用してないから。「ちごーよねー」と突っ込みながら楽しく遊びました。

投稿: まいね | 2010年2月22日 (月) 19時20分

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