« 車中は暇なようだ | トップページ | 同窓会も回を重ねて »

2009年9月26日 (土)

「メジャー」 ヴィットーリオがいないので

   2,3年前この作品をここでご紹介したときも書いたと思うけど、

   

アニメ「メジャー」のファンのひとはドMなんじゃないかしらッ!?

   少年サンデーの大河野球マンガのアニメ化作品なんですが、いとけない幼稚園の頃から語り起こして、野球一筋の本田(後に親の再婚で茂野姓に)五郎少年が、艱難辛苦の果てにメジャーリーガーを目指すお話。

   NHKアニメの常で、何度も何度も何度も何度も再放送されておって、今は日曜の朝、少女向けの「今日からマ王」の前にやっておるので娘が当該番組を待つ間付けっぱなしにしてなんとなく復習しております。

   この「メジャー」、スポーツ根性ものの常として、たいへん苦戦いたします。そして、五郎少年は野球に全てを注力するあまりに社会性に乏しい少年で……ウザイというか、暑苦しいというか、わたくしは現実にいたらお付き合いしたくないタイプですが、現代の山中鹿之助、野球の名門ナントカ学園に推薦されず(たしか苦学している旧友に枠を譲った? スカウト氏が陰湿なので自ら蹴った?)、プロ野球でいうところのテスト生のような過酷な選抜を受けて入り、実力主義の野球部で2軍以下の扱いを受け(文科省が知ったら問題にするレヴェル!)、それでも1軍に這い上がったと思ったら
   「気にくわねーやめてやる」って、せっかく入った高校やめるんですよこの人!
   それで、野球部のない高校に入り直してなんとか大会を勝ち進めるだけのチームに育てていって、2年の夏、その宿敵ナントカ学園に当たったと思ったら、怪我して、満身の力を振り絞った挙げ句が、負けちゃう。

   ライヴァル雑誌「少年ジャンプ」のマンガの柱は「友情・努力・勝利」だそうで、「おバカかも知れないけれど気のいい仲間が持てる力を振り絞ってみんな力を合わせて勝利をつかむ!」というパターンが少年の心を掴んでおる筈で、これは現在の人気作、「ワンピース」どころか、異色作の「バクマン。」でさえこの筋は外してないんですよね。
   絶対勝てっこない所から始まって、負けそう、負けそう、ああ、痛そう、痛いよね、ガンバレ、ガンバレと溜めて、溜めて、溜めて、勝利! だから、 カタルシスが大きいんですが。

   勝たないメジャーにはカタルシスがない

   勝つと、それこそメジャー(一流、有名人)になっちゃって、それ以降の新しい世界での苦難や勝利へのレヴェルが上がっちゃうんですよね。それがジャンプマンガにおける強さのインフレ化(どんどん強い敵を出さざるを得なくなって、物語が空洞化する)の元凶でもあるんですが、確かに、そこで故障したり、力投及ばず負ければ、また主人公は地道なところから苦労を始められますけど。

   リトルリーグではいいところで転校しちゃったり、投げすぎで肩を壊しちゃったり。中学でも野球に戻ってくるまで時間がかかったり。高校では向こうッ気の強さが災いして遠回りしたりで、五郎少年は全然メジャーじゃないです! 活躍しないです! それは、野球エリートはプロにはいるまでに使い潰されるという現代の少年野球に対するアンチテーゼかも知れず、大人の言うこと聞かないと試合に出して貰えないという鬱屈する球児の憧れなのかも知れず、甲子園で有名になってしまっては国内プロ野球に眼を付けられて、結果、高校卒業時点でのメジャー挑戦ができなくなる(長期連載ですから。連載開始当時は日本プロ野球を経由しないメジャー挑戦は夢物語でした)という深謀遠慮もあるでしょう。

   でも、単行本で50巻まで行って、メジャーに単身挑戦するも門前払いだったり、3Aになんとか潜り込んでも全然上からお呼びがかからなかったり、また、チームへの思い入れで昇格機会を自らふいにしたりで長い長い遠回り人生をやっております。あまりの無名さにWBCには呼んでもらえず、義父のコネで押しかけバッティング・ピッチャーをして鼻であしらわれたり。

   ……おかあさんも見てないといいながら結構ストーリー把握してますね。その辺がNHKの再放送ループの怖さよ。

   あまりにも努力が報われなさすぎで、見ていて辛くなるのでメジャーはもう見ないことにしたんですよ、ええホント。直前の文は無視、無視。

   友情と努力ばかりが溢れていて、あまりにも勝利のカタルシスが足りない

   ヴィットーリオ(「勝利」を意味する男性名、イタリア語)がいないのでさみしい、と思うのでした。

   「メジャー」今日の放送分は高校生篇、ライヴァルナントカ学園との死闘の末、最終回、四球、四球で満塁の末、ライヴァルの打者としても優れている投手眉村を討ち取ったところで力尽きて、次打者のところでマウンドで投球姿勢に入ったところで失神、ボークの宣告を受け、サヨナラ負けという劇的な幕切れでした。

   劇的よ、劇的ではあるけど、納得いかん

|

« 車中は暇なようだ | トップページ | 同窓会も回を重ねて »

コメント

 娘から突っ込みが入りました。主人公ゴロー君は「吾郎」くんだそうです。失敬、失敬。

投稿: まいね | 2009年9月26日 (土) 19時00分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/46315863

この記事へのトラックバック一覧です: 「メジャー」 ヴィットーリオがいないので:

« 車中は暇なようだ | トップページ | 同窓会も回を重ねて »