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2009年6月15日 (月)

歌風をさがして

   腰折れは 転がり続けてゆく我の
        苔に餓(かつ)ゑる存在証明     舞音

   結構頭韻とか気を遣う方なので、

    コしおれは
    コろがり続けてゆく我の
    コけに
    カつゑる存在証明   

   と、カ行の音が並ぶのは意図的なものです。って、これもできたときからあんまりいじってない歌ですね(平成6年の作)。わりと、あまり悩まずに言葉を揃えて作ってます。

   腰折れというのは、毎度申しますが、上の句と下の句の融合が上手くいってないへたっぴな和歌のことです。「転石苔生さず」、これは苔をよいものと捉える東洋的価値観の解釈で。なにかじっくり取り組んでものになる人生、努力というものをわたしは軽んじているようでじつは自分と無縁な尊いものと思っております。

   で。

   後輩に「和歌はもうやらないの」と問われて、
   「今も詠むは詠んでいる」と、こちらでも披露した
      吾子が着ればむさ苦しかるジャージ・スーツも 
          清らに見する乙女の細腰
   をそらんじて見せますと、
   「……まいこさんの歌風じゃないですね」っって。

   おいおい、君の思う舞音風というのはどういう歌風なんだ?

   ちょっと、嬉しかったですけどね。
   たしかに、多分に浪漫的なのを意図的に出してましたから。解ってくれるひともいたのかと。
        夜桜のおぼろの影を焼きつけて 
            散りてのよすがに見むこの白壁

        陽は落ちぬ 照れる真昼に識らざりし 
            香をきく刻(とき)ぞ くちなしは夜

        冴え返る瑠璃の撥もて氷柱を 
            うち鳴らさんや木琴のごと

   四十路を迎えてまだこんな歌風だとちょっと恥ずかしいかな。

   木琴のようにつららを叩いてみたいというのは北国に住んでいたからこそのイメージなんですが、曲はやっぱりグリーグのあの有名なピアノコンチェルトでしょうね。チャーン! チャララン、チャララン……と始まるやつ。これは南の国でのんびり育ったやつの曲じゃないと思いました。

   ピアノはあれで打楽器のうちにはいるので(鍵盤楽器という範疇もありますが)、叩いて出す音が神経に障るときもあります。ヴァイオリンなんて最悪、あれ、引っ掻いて出す音ですもん、黒板に爪が触れたってのと原理は違いませんよ?(弦楽器の好きな方ゴメンなさい)
   どういう楽器がいいかというと、やっぱ、木管が、息の使いとかが声楽に通じるものがあるので好きですね。ああ、この前の「カルミナ・ブラーナ」フルート・ソロよかったぁ(ピピピッ! と高音を短く鳴らされるとそれはそれで神経に障るときもあるだろうけど)。
   じゃあ、フルートを詠んでみると。

   紡がれる吐息のリボンたなびきて
       ホールに広がるフルートのソロ     舞音

   これも、PTAの用事で今朝学校に向かいながらほんの1ブロックで詠んだんだけど、帰ってきてノートに書こうとしたら突っ込みどころが2,3見つかって、今直したところです。
   「紡ぐ」から縁語で「糸」だったんだけど、何度もここで言っているように、新体操のリボンの演技のように、フレーズがふんわりと宙に広がってたなびくイメージがあったので、糸じゃなくリボンに変えたりとか。「風に漂う」って、ホールの中に風が吹くかいって、実際は空調が効いてますから少しは空気の流れもありましょうが、やはりちょっとヘンかなととりあえず「風」は削ってみたりとか。実際作歌にはいってからは1ブロックだけど、「フルートのフレーズが新体操のリボンのようだった」というイメージはここで何度も披露してるようにもとから持っていたので、歌に組み立てるのが素早かったというだけかもしれません。

   まあ、後輩に限らず、こういう傾向の歌を毎号当てにして読んでくださるひとがいたのなら、和歌も続けていくといいかも知れません。

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コメント

つららの歌が好きです.あの響きは寒い国に暮らしたことがないと分からないでしょうね.

投稿: 三ねんせい | 2009年6月15日 (月) 18時44分

 あ、どうも気を遣っていただいて。
 でも、そんなすごい撥で叩いたら、つららならすぐにすこんと折れて落ちてきますけどね。まあほんとすごいのも仙台じゃ見たから。そういう直径7~8㎝クラスのやつということで。

投稿: まいね | 2009年6月16日 (火) 23時19分

別に気を遣ってるわけじゃなくて,雪国では軒先につららがいっぱいできて叩くといろんな音程のがあって,共感できるんです.すぐ折れちゃうのも分かってるけど,楽器にしたいという想像もすごく分かる.

投稿: 三ねんせい | 2009年6月19日 (金) 00時45分

まいねさんの和歌素敵ですよ。好きです。
「絵」が浮かびますね。絵と言っても静止画じゃなくて、動きのある絵で、音や香、触感までありそうな。
フルートだったら、フルートの音、リボンから織られた音のイメージ、ホールの拡がり(空間性)、拡がり進む音、奏者の唇のちょいと官能的なイメージ、同じく吐息からイメージされる官能性……etc

投稿: とむ影 | 2009年6月19日 (金) 16時54分

 ううむ、なんでも言ってみるもんだ。そうそうお褒めいただくと照れますね。視覚イメージについては、そういう傾向は強いかも知れません。と、そっちを強化していくか、別な方向もチャレンジしてみるか、いろいろこの先の方向性も見えてきます。
 じゃあ、またぼちぼち詠んでみましょうか……。

投稿: まいね | 2009年6月21日 (日) 02時26分

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