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2009年4月24日 (金)

クラッシックはホールで聴こう

   ユーチューブで公開されていた映像付「カルミナ・ブラーナ」、しばらく別の曲に浮気をしていて、この前見に行ってみたら「著作権者からの訴えにより削除されました」って、やっぱなあ。いずれ名のある監督の撮った音楽映画だったのであろう。こちとらキャストには興味なく、歌のうまいアンちゃんだなあと思ってたら、シモヤナギ先生も引っかけたらしく、
   「あれはヘルマン・プライです。演じているひとは別人、口パクで、アフレコですがね。皆さんも見るといいですよ」とこの前の練習でご推薦してくれてました。もう遅かったけど。

   それで、他に全曲通しでやってくれてる映像はないかとあれこれ探してたら、UCDavis って、カリフォルニア大学デーヴィス校? そこが2002年に演奏会用ホールを寄付してもらったとかで、そこで学内オケと合唱団とでやった2007年の映像が上がってました。ここはそういうコンサート映像を大学としていろいろ上げてるみたい。感謝・感謝。

   アメリカの大学らしく、スネアドラムを叩いておるのは絶対日本人! ないがぐり君だったり、ファゴットにも日系人らしきのび太くんぽいお兄さんが見えたり、ドレッドなお兄さんがテューバを抱えていたりと人種もさまざまなところが興味深かったですね。

   ソプラノ・ソロは黒いおねえさんで、これがまた絶品。空間を切り裂く美声。ピアニシモなのになんでこんなに良く通るの!? そんなに「クラシックですぅ」って口の開け方をしてないように見受けられるのに、ほんとに良く響く。うらやましい。これも持って生まれた体格、身体能力ですか。じゃあ、黒いひとには絶対勝てないんじゃない。くやしい。

   バリトン・ソロはシュワルツェネッガー州知事を少し恰幅良くしたようなチャーミングなおじさん。茶目っ気ある人で、Ⅱ In taberna 初っぱなの聞かせどころ、最後、「トーゥイス!」と上がって終わるところを失敗して裏返ってしまったら、ホントに目を点にして、そのあとにやっと笑って席に着いてました。
   「おまえそこ一番の聞かせどころだろう!」 と見てるこっちはすかさずちょっと怒りをもって突っ込んじゃいましたけど。
   ソロの後ろに立ってる合唱の男声が、にんまり笑ってるのまで映ってました。その右側のひとは端整で、衣装のせいかレストランのヴェテラン給仕みたいで良かったです(そんなとこまで良く見る!)。
   次の「おれは修道院長様だぞ」では、楽譜から眼を離して、カメラ目線で、指を指してみたり、ウインクしたり、演技力も見せてました。これはその場だったら絶対気がつかない! 遠くって! ユーチューブ様々。ソロと男声合唱の掛け合いの後で「ハハ!」と合唱が締めるところでは、わざと背後の叫びにびっくりして見せて、外連味たっぷり。客席からは失笑。

   こーゆーのがあるからlive画像は楽しいですね(悪魔?)
   学生時代に、後輩の行ってる合唱団のヴェルディのレクィエムを聞きに行ったときのこと。
   (調子悪いんだな、テノール、この先聞かせどころあるのに大丈夫か?)と思ってたら、長い2曲目、Sequenza の途中で声が出なくなって、とうとう曲が止まってしまいました! 指揮者とテノールが舞台袖に引っ込んでひそひそ。ややあって、当夜(昼のプログラムだったかな?)のステージ・マネージャーとおぼしき男性が出てきて、
   「テノール歌手の××さん、来ていらっしゃいますか?」
   飛行機コントで良くある、「お客様の中でお医者様はいらっしゃいますか?」のシチュエーションですよ!
   友人繋がりでご招待されていたらしく、無事名乗り出られて、その方と交代、プログラムはやや戻った曲のきりのいいところから、その平服(といってもスーツ)をお召しの××氏を代役に立てて再開されました。もちろん、その後のテノールの聞かせどころ、Ingemisco もつつがなく乗り切って、きりのいいところでお召し物も盛装に替えて、無事その曲は最後まで演奏されたかと。最後の拍手はもちろんその代役テノール氏に注がれました。

   いろんなコンサート聞きにいって(っていってもたいしたことないけど)一番凄い経験はこれでした。

   どれくらい凄いって、その次の週、なんとなくうちで「徹子の部屋」見てたら、佐藤しのぶが出てて、オペラ歌手は体調管理が大変、舞台の前にはプレッシャーもかかる、どうしてもだめなときは直前でも代役を立ててもらうことがある、この前も途中で歌えなくなったひとがいて代役が立ったことがあるようだが、本当に大変なことなのだと番組内で言及があったくらい。(録画放送なのに。もしかして別のひとのことをしゃべっていたのか?)

   ま、一人で何百人を背負って歌うんですからそれぐらい大変な仕事なんだなあと、簡単になれる職業ではないと実感しました。

   と、こういうハプニングもありますって、人の失敗を期待するのもなんですが。

   わたくしは貧乏学生ノリで、
   「同じ曲をそんな、指揮者や演奏者を替えて何枚もレコード集めて聞き比べて蘊蓄垂れるほどのクラッシック・オタクじゃーねーよ」と、小遣いはたいて買った一枚きりのCDをすり切れるまで聴き込んでおりますが、それは正しいクラシックの楽しみ方じゃないなと最近になって思い至った次第。

   やっぱり、いろいろ聞かなくちゃ。

   この前取り上げたシューベルトのミサでも、同じくユーチューブで拾ったトルコのオケがやってたアイーダの凱旋行進曲でも、
   「おいおいそれどういう解釈!? 頼むよ、この演奏だけ聴いてこの曲こういう曲だと思われたら泣くよ!」という演奏があったりします。やっぱり、いろいろ足を運んで、いろんなひとの演奏を聴いてみるもんだなと齢40すぎにして思った次第。

   ……でもやっぱ敷居高いよね。チケットもね。

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コメント

 ゲネプロ(総合リハーサル)の前に、パートのマネジャーさんからメイルを貰って。
「まいこさんは楽しく歌っていらっしゃいますが、かなり身体が動きすぎのようです。とくに、ソロや他パートの曲の間は眼に余るようなので、控えるようにしてください。曲想は声にだけ出すように心がけるようシモヤナギ先生の指示があったかと思います」云々。
 赤面。
 2日ぐらい落ち込んだけど、なんとかゲネプロは身体を動かさずにやりすごして、当日を迎えましたことよ。

 やっぱり、いい曲を聴いた喜びを身体で表現したり、一緒になって歌ったり、「ここのティンパニ神!」とか叫んだりするためには、うちでCDかけて楽しんでた方がいいのかな?

投稿: まいね | 2009年6月27日 (土) 22時40分

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