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2009年3月10日 (火)

メイ曲アルバム 「カルミナ・ブラーナ」 7 Floret, silva nobilis -チャンポンなのは仕様です-

   それでは一番「カルミナ」っぽいところを。

   いろんなCMとかTVのBGMに使用されている冒頭「O Fortuna」とか、大好きな男声合唱の「In taberna」じゃなくてここを持ってくるのはなぜかというと。

   

歌詞がラテン語とドイツ語のチャンポンなんですここ
   全25曲のうち、第1曲のようにラテン語のものもあれば第10曲「イギリスの女王様が」みたいにドイツ語のものもあります、てんじゃなく、この第7曲の中でチャンポンなんですよ!!

   最初、イントロなしぶっつけ本番で「Floret,Floret,Floret, silva nobilis」と華々しく始まってシモヤナギ先生ったら、「爆発するように花咲くんだそうです。我々には解かんないですけどね」なんて仰って。解るよ、東北もそうだもん。桜もこぶしもマンサクもレンギョウも、どっかんどっかん咲いていくんだ……って、東北に15年引っ込んでいたのはわたしだけでした。ちょっと寂しくなったりして。
   ということで、歌詞の意味は「森は見事に花咲き」です。その後Bメロで女声パートがが「花よ、花よ、花よ♪」と繰り返し、そのあと「葉っぱ、葉っぱ、葉っぱ♪」と追っかけます。可愛い。
   ちょっと休憩のあとは、本題。「それで、彼はいったいどこなのよ?」いや知りません。
「彼はどこ? 彼はどこ? 彼はどこ?」春はほら、恋の季節だから。冬の間は、おうちに閉じこめられてるし。中世は基本、逢い引きはお外だし(西洋史概説の山本先生ありがとう! 20年経って役に立ったよ!)春になったらデート! デート! 
   「ああ、彼ね、馬に乗ってどっか行っちゃたよ」と弾むテノールが答えます。いけず! なんてこったい! と「ああ……」と女声の溜め息。
   もういっぺん負けずに同じメロディで「Floret, silva undique」と始まります。あれ、歌詞違うぞ。undique って「そこら中」ですか。やっぱり花咲いてます。ところが、「nah mime gesellen ist」って。いつの間にかドイツ語なんですけど? 

   歌いながら巻き戻して考えます(音楽は4次元の芸術です。時間軸を越えられます)。 floret は 花なんだからラテン語で確かでしょ!? silva だってシルバニア・ファミリーのシルバだから森を表わしてていいはずだ。 ここまではラテン語! でも、nah はたぶん nach として、 gesellen はドイツ語っぽいよ?  ist は (英語における) be 動詞、
ich bin / du bist / es ist の ist だよね? どこからドイツ語に化けたの???

   とやっているうちに曲はどんどん進んで、わたしは曲を見失っておるのでした。

   何回繰り返してもそこで落ちます。考えるな! 感じろ! 

   今は、「チャンポンなのは仕様!」と楽譜の余白に書いて、ここからドイツ語ですと区切れ線まで引いて、頭を切り換えるようにしております。 
   そこから先は、同内容、「彼はどこに行ったのよ?」 「馬に乗って行っちゃったよ」「じゃあ誰があたしのこと愛してくれるのよ?」となって終わり。

   なんでラテン語とドイツ語がチャンポンなのよって、そこがミソです。

   作ったおにいさんたちがバイリンガルなんだな。
   教養はあるんだ。親が頑張って大学行かせてくれたから。でも、仕事がない。真面目に坊さんやるには楽しいことを知りすぎた。今更家には帰れない、どうしよう、適当に楽しく暮らせるし、よくないけどこのままいたい……おとうさんごめんなさい。

   あ、やばい、解りすぎる
   学生の頃やったら解りすぎて大変だったかも(いや、仕事はあった。バブルありがとう)。
   酔っぱらってイイ気持ちになったら、ほとばしる真情は、そんなもんドイツ語もラテン語も一緒くたになって、勢いに任せて表わしちゃおう。それが出てるんじゃないかと。

   ホント困るんですけど、作品世界を良く表わしてると思います。
   そう考えると、前回、第2曲「運命の女神の傷を」で、トロイの王妃ヘクバが出てきたのを「韻を踏むだけに出した」と言っちゃいましたが、彼らは解ってて、そんで、この作品の中は運命の女神とか、愛の女神ヴィーナスとか、トロイにさらわれたスパルタの美女ヘレンとか、ドイツの伝説の美女ブランシュフロールとかそういう異教の(しかも大方は滅びの)美女のイメージに満たされておるので、解ってて滅びる美女の代表として出したのかも知れません。中華文化圏における楊貴妃とか西施とかのノリで。教養人怖いぜ。

   ドイツ語に限らず、バリトンソロの曲には一行おきにラテン語とフランス語で歌ってるところがあって、別にどっちが建前でどっちが本音とかそういう技巧でもなさそうで、ほんと、単にラリッてるのかなと、あんまり自分が歌うパートじゃないから聞き込んでないなりに解釈してますが、どうかな?

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コメント

すごいチャンポンなのですねえ,びっくりしました.尤も,普通のミサ曲の歌詞でもラテン語の中にギリシャ語やヘブライ語が結構混じってますよね.初っぱなからKyrie (主格はKyrios) とギリシャ語,これってラテン語でDomine (主格はDominus) って言えるじゃんかと思ってると,あとの方で実際にDomineが出て来たり(笑)

投稿: 三ねんせい | 2009年3月10日 (火) 10時54分

 あーはいはい、キリエ エレイソンはお祈りの言葉だからアリかな~と思ってました。南無阿弥陀仏♪ ミサ曲だとサンクトゥスやベネディクトゥスに出てくる「ホザナ」も、バンザイとかの意味だったと思うんですが、これがヘブライ語?
 大学も上の学年になって、NHKに歌いに行って、気合い入れて巻き舌にRを言うと、「そこ、ギリシャ語だからRは巻かないんです」とれいのシモヤナギ先生に言われてシオシオ……となった覚えがあります。J-POPのサビとかに印象的に英単語が入るようなものと思えばいいのかな。

投稿: まいね | 2009年3月10日 (火) 15時00分

そうですね,hosanna とか halleluja とか,それから sabbaoth だったか sabaoth だったか,ラテン語らしからぬ語形だなと感じられるのの多くははヘブライですね.
ギリシャ語の r は巻かないって知りませんでした.おかげさまで知識が一つ増えました.

投稿: 三ねんせい | 2009年3月10日 (火) 16時42分

 なるほど、ハレルヤ(アレルヤ)。万軍のヌシでしたっけ、sabaoth。どんな言語も外来語とは無縁ではいられないんですねえ。

投稿: まいね | 2009年3月12日 (木) 01時09分

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