« ちょっといじわる? | トップページ | こびとさんが揃って賑やかに? »

2009年2月17日 (火)

蜃気楼の心地

   ぷはあ。いい気が吐けた

   「雨柳堂夢咄」波津彬子。骨董に憑いた物の怪のたぐい、幽霊や妖怪のたぐいと話すことのできる少年、蓮を狂言回しに、古き良き日本の物の世界を紹介する雅な短編シリーズです。

   それの、蜃気楼のエピソードが面白かったです。
   その回の主人公は、良家の跡取りなのですが、正妻である母が彼を産んで早世してしまったことで心を病んだその母により、母の代わりに娘として育てられていました。しかし、いつまでも性を偽っているわけにもいかず、思春期を迎え、自立したい、男の格好に戻りたいと悩み始めるところで蓮と出会うのです。
   事情を察した蓮が紹介した蜃気楼の根付けにより、彼は白昼夢に浸るようになり……。
   危ういところで蓮が事態を察して登場、根付けに憑いた蜃の精霊を制して事なきを得ますが。
   その時に、その蜃の精が言うんですよ。

   「久し振りに、いい気が吐けたと思ったのに」

   蜃気楼というのは、蜃(オオハマグリだそうです)の精が吐いた煙かなにかの中の幻影、とする中国の伝説に拠っているみたい。
   現実から逃避したいと願う人間の心に応じて、その人のこころを慰める白昼夢を創り出す(……きっとそのあと虜にして食らうんだろうなあ)そうなんです。
   必要なひともいるけど、あなたはまだ若い、自分で現実にぶつかってごらんなさいといったような落ちだったと思いますが。

   わたしは白昼夢が欲しいひとでしょうか。

   自分が読みたい話を、自分で書いて自分で楽しんでいるのだから、いいじゃない。純粋に、わたしにとっては書くことが第1級の娯楽です。自分の思いついたネタを、もっともらしく文にするために、調べる、調べる、書いて書いて、自分ではまりこんで泣いて。大きなウソの世界を作って遊びました。
   とっても楽しかった
   登場人物の手配などとくに考えず、こういうことをする人間が必要と頭の端で考えたらすぐに出し、気に入ったら後付でどんどん肉付けをして、重要な役どころにしたりして。ひとに見せようとか投稿しようとか賞を取ろうとか思わないとこんなに筆が軽く動くものか。
   1日1本ペースで書いてました(長編は2日)。
   小説を書き始めてから、文章を入れておくフォルダを年ごとに用意して、だいたいタイトルを付けてその中に放り込んでいくことにしてたんですが、去年は本当になにも書かなくて、一覧をスクロールせずに全文書名が見える状態で、11月の段階で、いくら何でもこれはまずいんじゃないかと思い始めていたら。

   大きな波が来たわけで。

   とりあえず、この波に乗っておこうかと。
   結局はアマチュアどまりだけど、趣味として自分で認めれば辛くないのかも。

|

« ちょっといじわる? | トップページ | こびとさんが揃って賑やかに? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/44095720

この記事へのトラックバック一覧です: 蜃気楼の心地:

« ちょっといじわる? | トップページ | こびとさんが揃って賑やかに? »