« 切れる脳  - 漫画の中で描かれる天才 - | トップページ | 杞憂な話 - 通販のアレは危なくないのか? - »

2009年1月19日 (月)

示準化石なわたし

   ええと、じまんに聞こえるかもですが。

   とある集団の中では、わたくしの名前は、示準化石になっておるそうです。

   示準化石てぇのは、三葉虫のように、その時代のどこにでもふつうにおって、化石化しておる生物で、それでいてその時代を外すと同じものはないという、これの化石が出たらまずそこはなに時代、と一対一対応で時代を決定しちゃって構わないようなかたい化石のことだそうです。

   大学の合唱団には、NHKの後援で有志の親睦団体がありまして、シーズン中、毎週日曜にはNHKに集まってヴォイス・トレーニングをつけてもらったり、オーケストラ伴奏の付く大曲をみんなでやったりしておったのですが、そこにもわたくしは顔を出しておりましたので。そこで知り合いました、よその女子大のお嬢さん(仮に真由ちゃんとする)が、彼女は合唱を愛しておって、就職も結婚も首都圏でしたので、ずっと合唱を続けておりましたそうで。彼女が語るには、
   「いろんな団体に歌いに行って、昭和60年度入学っていうと解らなくても、『合唱団花束(仮名)のまいこさんと同学年』というと解って貰えるの」
   オイオイ。

   そんなに有名人ですか?

   わたしはそんなに合唱団の渡り鳥はしてませんよ。大学を卒業してからは、そのNHKの方と、会社と銀行の合唱部ぐらいで。

   まあたしかにやんちゃな性格で、その名だたるメンバーの揃ったNHKのアンサンブル中に、
   「どぉ~してそこはアルトとテノール揃わないのかなァ」という指揮者の嘆息に、往年の江本孟紀のように
   「こっちはその気なんだけど、テノールがバカ(でこちらの音を聞かない)だからハーモニーにならねェ」と啖呵を切ったりとかしてましたからねぇ。

   まあ、それも田舎へ引っ込んだ人間へのうれしがらせだと思ってたんですが。

   その真由ちゃんからの年賀状に「今年はカルミナ・ブラーナをやります。参加しませんか? 新年最初の練習は1月19日、池尻大橋にて」と書いてあったのを見たのがうちに帰りついた1月5日。この曲との因縁はまた「メイ曲アルバム」の項にでも。

   「聞き捨てならん! わたしも混ぜろ!」と、ご挨拶状用の絵はがき(拝啓、春の訪れの待たれる今日この頃……とかくだくだしく書かなくていいよう季節の花の絵が大きめに入っている)に書き殴って、こちらの住所氏名からケイタイの電話番号、パソコンの電子メイルアドレスまでしっかり書いてその足で出しに行きました。

   「まいこさん、変わってないのね」と嬉しげなメイルがその後届き、そう言うわけで昨日、某合唱団の練習に参加してきました。

   「まいこさんが参加してくれるってうちにマネジャーに言ったら、それは喜んでくれて。知ってる? ××さん……NHKの方で総務をやってらした」え~と、すいません記憶が飛んでます。
   「もりちゃん(仮名)からはもう歓迎のメイルがきてたわ。彼女、うちのアルトの総務なの」ああ、一学年下の。おとなしい、ユニークな子でしたね。

   そして、練習会場の受付で、詳しいコンサートやスタッフの情報を見れば、
   「なんと、本番はコバケン指揮!? すげえ! それで練習はシモヤナギ先生だとぉ~?」
   曲目と、真由ちゃんが入っているという情報だけで信頼してしまって、どういう団体かも全然聞かずにほいほい出てきちゃったんですよね。いくらなんでも、学生時代でもしない腰の軽さ。よっぽど合唱に飢えてたんでしょうか。
   シモヤナギ先生というのは、仮名。そのNHKの団体の時に指導をしてくださってたかたです(てことはそのしょうもない啖呵も聞いてるわけだな)。ややハンサムで蘊蓄とアイロニーに溢れた指導が堪らなかった憧れの指揮者なんですが……。
   「そこにもういらっしゃるわよ」
   「やあ、懐かしい方が。いくぶんふくよかになったようですね」って、先生まで覚えてるなんて!!
   そりゃあ、おたふくが4年間、毎週、指揮台の真ん前に席取って、後輩とどつき漫才しながら満面の笑みを浮かべて歌ってりゃいやでも覚えるだろう。
   イヤ先生、でも15年経ってますから!

   それからも、大塚大心理学科の誇る才媛、恵先輩(仮名)が
   「なんだか見た顔があると思ったわ」なんて変わらずエレガントに近づいてきてくださるは、
   「まいこさんじゃないですかー!」と、はるばる西荻から本郷に練習に来ていた華子ちゃんが昔と同じナイスバディを揺らして寄ってくるは。

   ほんとに、あの時代にNHKに集まってたみんながそこにいたのでした。

   アンサンブルが始まってみれば、それは中世っぽいシンプルなハーモニーが売りの曲なので、音は取りやすく、勝手知ったる仲間、先生が1を言えば10……まあ、8,9ぐらいは解ってるんじゃないかな、すぐさま音の世界が広がって、久々にハーモニーに身体を溶かしきる境地になったのでした。

   きもちよかった。

   耳を閉じ 肌を圧する歌声に

      我が声乗せて 今 ergo sum            舞音

   cogito (我 思う) は 毎日いいだけやってるんですけど。どうもそれだけじゃ足りないみたい。 canto(我 歌う) 故に 我在り じゃないと。

   というわけで、今年はしばらく頑張ってみます。

   4時間練習するのは昔からの習慣で何ともなかったんだけど、行き帰りに乗り換え2回でそれぞれ1時間かかるのがつらいな、この年になると。

   体力付けましょう。

|

« 切れる脳  - 漫画の中で描かれる天才 - | トップページ | 杞憂な話 - 通販のアレは危なくないのか? - »

コメント

 ちょっとこれは我ながら吹いたかな? と思ってたんですけど。
 演奏会が終わって、ホールを出るところで同期の友達に捕まって、
「まいこちゃんがこの演奏会に参加してるなんて!」と盛り上がってたら、
「まいこせんぱーい!」と、また懐かしい顔に声をかけられて。
「ゆうこです! 覚えてらっしゃらない? まいこ先輩が6年のときの1年です」
「……まいちゃん、小学校の時の後輩なの?」友達の方が怪訝そうになっちゃって。
「ちげーよ。あたし卒業してからも顔出してたから」
 うちの合唱団は上下の交流が活発で、かなりな年の差カップルもいるので(その子もわたしの一年先輩と結婚したと教えてくれた)、知名度のある誰それのいくつ下(上)という数え方がふつうに通用するみたいです。

投稿: まいね | 2009年6月 8日 (月) 03時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/138427/43789323

この記事へのトラックバック一覧です: 示準化石なわたし:

« 切れる脳  - 漫画の中で描かれる天才 - | トップページ | 杞憂な話 - 通販のアレは危なくないのか? - »