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2009年1月 7日 (水)

縁の下の力持ち - 箱根駅伝観戦記 -

   早乙女家では毎年箱根駅伝だけは見ます。抜群の地頭力(「地頭(じあたま)力」という書名についての突っ込みは後日。それとは別の我儘パワーのことと思し召せ)を発揮する虎ちゃんもこの日ばかりはチャンネル権を発揮できずお座敷をウロウロ。

   今年は団子状態からはじまったというのに2区で既に、
   「日大が21位!? ナニをやっとんじゃ!? 去年15人抜きをやったダニエルちゃん投入の激戦区を日陰で過ごすつもりか!?」
   いえいえ、それは深謀遠慮の上のことだったみたいよ。

   ええと、わたくしもお嫁に来て以来のニワカファンなんですいませんが、箱根駅伝というのは東京・大手町から神奈川は箱根のあの芦ノ湖までをマラソンでリレーしていくという粋でかつハードな競技なのであります。旅程は約20キロ強ずつの5区に分かれ、それを、往路1月2日には東京から箱根へ上り、復路1月3日には逆に箱根から駆け下りて大手町へ戻るわけです。それで5×2の全10区間。それを、20キロって言ったらハーフマラソンくらいありますよ! 速さのレヴェルもそのくらい。結局、ガチのオリンピック級マラソンランナー10人揃えられる関東強豪校の争いというわけです。
   これが、歴史のあるレースらしくって、毎年、戦前からやっとったとかいって白黒の粗い画像を出してきてはレースの合間に賑やかしをやっております。田舎もののわたくし(東京六大学が全部言えない!) など、毎年ここでしか聞いたことのない校名もあったりするのですが(そんなことで子供の受験はどうする!) 、
   「ああ、ここは大学のご近所さんだから応援してる」
   「この大学は東武東上線沿線だから心理的に近い」という大学も。
   早乙女おとうさんは出身校の水色のユニフォームが躍進すると喜んでたりしますから、もしかして各人ごひいきがこっそりあったりするのかも知れません。

   それで、比較的平坦でスピードの出やすい区間は「花の2区」とかいって、各校エースを投入、スピード争いになるらしいのですが、去年? ここにケニアからの留学生のダニエル君投入したところが走りに走って、15人抜きの快挙(歴代タイ記録)を成し遂げたそうで。ところが、この何人抜きってのは、条件が揃わないと出来ない記録です。
   1) まず、その記録を成し遂げるべきAくん自身が足が速くないといけない
   2) そのAくんの前に、抜かれるべき多数の選手がいなくてはいけない

   というわけで、一度そのチームは、ビリとは言わないが下位に沈んでないといけませんね。ついでに、

   3) それでかつ、状況に負けずにAくんが自分の実力を発揮しなくてはならない。

   天候や前の状況にブルってしまうようではだめなのです。

   去年は、ダニちゃんやる気も元気もあって、たぶん区間賞(その区間での純粋な記録。実際の道でやってるレースなので、区間ごとの距離や傾斜などの条件には若干の違いがあるため、違う区間同士を比較することはやらない)の新記録も取れたんじゃないかと思いますけど、彼の前には15人しかいなかったので、いくらもう1人抜けば歴代1位だったとしても、「何人抜きの新記録」は作れなかったのです。イヤ普通、だいたい15~20チームでやる競技で15位以下だったら心が折れてるだろうよ。

   それで、今年は監督、英断でやっちゃったんでしょうね。

   日大が21位って、2区に入って聞いたときは冗談で言ってたんですが。

   

ダニちゃんに記録を取らせるために、わざと1区の走りは控えさせたんだ?

   たすき(駅伝のバトンは、邪魔にならないよう、身体に掛けるあの「職場の花!」とか「一日署長」とかの斜めのわっかの形態をしております。それを「たすき」と申します。長い紐でお袖をからげる訳じゃないです。もちろん、走るときに邪魔にならないよう、さらに短くしてひとによってはパンツのおへそのとこに挟んだりもしてます)を受け取って5メートルぐらいであれよと前の大学を抜いちゃって。もう、ダニちゃん激走でした。

   あれよと15人ぐらい抜いちゃって、まああとひとり二人も抜けば新記録ね、とお座敷で豹太の勉強みてやって、戻ってきて、
   「ダニちゃんどうなりました?」って聞いたら、
   「2位よ」って、21から2を引いたら幾つよ!?

   「ほんとにやっちゃったんですかぁ~!?

   大胆な作戦を打ち出した監督も偉かった、それに応えたダニちゃんも偉かった、しかし、

   檜舞台を作ってあげた、1 区 の ラ ン ナ ー が 一 番 偉 か っ た。

   だって、箱根って、毎年ご招待されるんじゃないんだもん。
   往復の総合10位までに入ればシード権をもらえるけど、それに漏れたら、甲子園で言う地方大会から始めて、勝って、その年によって猫の目のように変わる「予選会枠」に入らないと出られないんだもん(ま~だいたい例年多くて10校ぐらい?)。学内でも合計10人しか出られないし。

   その貴重な1回を、ペースを落として20位目標で走ったんだよ?

   甲子園で、何十点差をひっくり返す勝利を演出するために、初回にわざと相手に10点取られてやってこいって言われたようなもんだって! もし逆転できなかったら、敗因はおまえだって言われるの確実なのに!

   ○○選手、お疲れ様でした(というなら名前を調べて顕彰しろ!)

   来年には、将来には、ご自身が勝利の栄冠を手に脚光を浴びられますように

   いやでもダニエルくんも偉大だわ。

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コメント

今年の箱根駅伝2区のゴボウ抜きはすごかったですね。来年から20チームに戻るそうなので,19人抜きが最大。
新聞捨ててしまったので定かではないが,15人よりももっと抜いたような気がします。

投稿: 5513 | 2009年1月 8日 (木) 15時19分

 は~い、調べてきましたぁ!
 ダニエルくん、22位でたすきを受け取って、2位まで上げた、正真正銘20人抜きだそうです。
 来年はまた出場チームが減るってことは、ほんとに瞬間最大風速的記録ですね。今年24チームってのは去年の時点で決まってたのかしら? ダニちゃんが惜しかったからと急に増やしたとなるとなんだか箱根駅伝全体がうさんくさいレースになりますけど、さすがにそれはないだろう。もともと猫の目だし。
 それより、最後になって12位から3人も抜いた学連選抜の選手はホントに空気読め! だった。
 (予選会で敗れてチームとして参加できない大学から、ベストメンバーを選んで「学連選抜」チームが組まれ、経験を積ませてもらえる。彼らは混成チームなので、総合順位にはカウントされない。総合10位以内に入ると与えられる来年のシード権も、彼らには与えられない。シード権をめぐって中位チームは中位で必死に頑張っているのに、シードに関係ない選抜の選手に9位を取られたら、ひとつシード権枠が減ってしまう! まあ、今年は「学連が10位以内に入ったら来年の出場枠を増やす」というボーナスが指示されていたらしいけど)
 誰とは言いません。彼も彼なりにいい成績出してたしなあ。

投稿: まいね | 2009年1月 8日 (木) 16時22分

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