« 2008年4月27日 - 2008年5月3日 | トップページ | 2008年5月11日 - 2008年5月17日 »

2008年5月10日 (土)

「十字屋敷のピエロ」ネタバレ感想

   ゴメンやっぱり書きたいの~~~!

   これは「五辯の椿」で「ジョロウグモの理」な話なワケで(うわ~二重のネタバレ! おかあさん最低!)。

   何が怖いって、真犯人は、第1の殺人のトリックも犯人も全て解っていて、彼らの手で自分たちを始末させることを画策しておるわけです。
   さらに、自分にとって不愉快な人間を殺させて、そのために犯罪が発覚するように追い込むと。
   殺されるべき人間Aは、真実に気づいて、それ故殺されるのですが、それも、真犯人の誘導によるんですよね。
   その重要なヒントは偶然、その仮の探偵役Aの手に渡るんですが。
   じゃ、当初の流れでそのヒントが別の登場人物Bの手に渡っていたら、犠牲者はそちらになっていたわけ?
   Bはとくに真犯人に対して悪意を持っていなさそうでした。
   むしろ、唯一心を開ける存在であるように描いてあったけど。
   内心複雑なものがあったとでも言うのでしょうか?

   

真犯人が、仇討ちのために全ての犯罪を計画したとか、第1の犯罪のトリックを見抜いていたとか、そんなん軽い! 軽い! そのくらい、今となってはごく当たり前のミステリです。たぶん九分九厘そのヒントがAに渡るであろうところまで計算して持ち出していたとしたら。いや、それとも、Bに渡って、Bが真実に迫って危機に陥っても、真犯人にとっては大して痛痒を感じていないのかも知れず。
   どっちだろう? どっちでもいいのかな?
   怖い! 怖い! これは犯人が解ってから読み返すべきとか聞いたけど、怖くってもう読めないかも!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「塩の街」 恋は地球を救う?

   脇カラムでも書いてますが、あそこじゃとっても感想書ききれない!
   また、脇は「リスト」形式なので、月が変わってレイアウトを変えるともう閲覧では見られなくなるんですね。わたしは管理者画面から過去のデータも(時間かかるけど)検索できるけど。書評がメインのサイトじゃないけど、ちょっと構成考え直そうかしら。

   「図書館戦争」ではまった有川浩さんは自衛隊三部作というのがあるミリタリー系な方なんだそうで。とりあえず、デビュー作でもある「塩の街」を買ってみました。これ、学生が選ぶ大賞の候補作にも選ばれたそうです。

   で、自衛隊三部作としては「陸」にあたるそうで。こんな話。
   群馬から歩いて東京に出てきた遼一は、行きだおれる寸前に高校生ぐらいの少女、真奈に拾われます。東京湾の埋め立て地にある日塩の結晶のようなものが落下してから、人間が塩になってしまう奇病が発生、もう日本だけで600万人も死んでいて、社会はまともに機能していないのでした。
   主人公は遼一だと思ってましたが、拾った真奈ちゃんと、「あたしの大家さん」秋庭さんの方だったのでした。
   「大家さん」って、偏屈なじじいだと思ってました。
   じゃなきゃ、同じくバイオハザードで世界滅亡する「BH85」みたいに訳知りなおばあさんとか。
   そうじゃなくて、秋庭さん、ちょっと不器用な、でも優しいお兄さんでした。「引き出しは多い」そうです。

   とってもくたびれながら、とっても無謀な旅をしながら、でも目は据わっちゃってる遼一君、人が殺せるぐらい重いリュックの中身を、「きれいで温かい海に返してあげる」ことが目的だそうで。
   それってさ、いわゆるドラえもん映画でいうところの敵UMA(ネッシーとか、未確認生命体)とほぼ同じ種族のUMAで、でものび太にはなついてて、クライマックスで敵UMAに特攻・相討ちで世界を救って涙のお別れという役回りのアレなんじゃないかと思うわけだ。

   真奈ちゃんのお節介に秋庭さんが呆れながら力を貸してくれて、遼一くんはなんとか海にたどり着きます。そこで開けるリュックの中身は。
   UMAなんかじゃなかったのでした。

   泣いた泣いた。

   これは中高生にはわかんないでしょう、ってゆーか、判って欲しくない。もっと上の年齢対象だな、たしかに。

   人間が、突如、塩の柱となってしまう奇病に取り付かれた社会の話です(ギリギリネタバレ)。

   いやもう、この第1章だけで爆泣短編として最高な所へ。

   帰りは秋庭さんと真奈ちゃんの哀しい2人旅です。
   そこで出会った脱獄囚のトモヤくん、自分は人体実験されて「発病した」と語ります……。この病気はあの「隕石」のせいじゃないの?

   「引き出しの多い」秋庭さん、また特技を披露してくれて、そして、妙に顔の広さを覗かせます。人質にされてしまった真奈ちゃんに、「もう他人だなんて言わない」と誓う秋庭さん、2人の関係が変わりだそうとする第2章。

   そして、トモヤくんのせいで旧友に探し出されてしまった秋庭さんが「ちょっとした大規模テロ行為」の片棒を担がされてしまう物語後半へ……。そう、これは「自衛隊三部作の『陸』」なのです。

   危機に乗じて自衛隊の立川駐屯地に潜り込んでニセ司令になってしまう入江さんがスゴイです。某所で有川作品のそれぞれでコワイ人を挙げて、誰が一番コワイかという話で、「塩~」の入江が最強ということになってました。ナルホド。「図書館」からは小牧2正が挙がってましたが、入江に対するには小牧2正では黒さと影響力が足りません。手塚兄ぐらいじゃないと。状況の違いはありますが、それでもその名の下に死へ追いやった人間の数では入江ニセ司令に勝るものはいないんじゃないかと。「空」と「海」は未読ですが。

   「見ると死んでしまう何か」といい、「最後には戦闘機」といい、藤田和日郎の「邪眼は月輪に翔ぶ」みたいな話でした。もう、あのミネルヴァと同じくらい理不尽な致死性ね。この辺、科学的考証を望みすぎると野暮らしいです。ホラーなんだから、「考えるな、感じろ」ということで。ま、「塩~」の方はナトリウムがどうとか、科学的根拠を入江ニセ司令が一応説明してました。

   「世界が滅びるその日まで人間は恋をしていた」ということで、美しい話なんじゃないでしょうか。わたしは楽しかったな。後日談の、真奈ちゃんに親身になってあげてた女性自衛官の恋とか、入江ニセ司令が死に追いやった人の遺族から逆恨みの復讐を企てられる(?)話とか、どれも後日談としてきれいに過不足なくまとまっていて。

   

買ってよかったと思いました。

   いやしかし、自衛隊というのは「アレが飛来してからコレが起きたんだから、とりあえずアレを除いてみたらどうでしょう」という具申も却下されるぐらい硬直化しておるのでしょうか。問題ですな。怪獣映画には疎いのでその様式とかはよう知らんけど。

   あと、社会が機能しなくなって2週間で日本が無法地帯になったって……信じたくないな、フィクションの世界でも、日本だけは大丈夫だと思っていたかった。阪神・淡路大震災を経験された方、どうでしょう? 略奪はなかったというふうに聞いてますが。


| | コメント (0) | トラックバック (1)

今週のジャイキリ #65

   盛り上がっております「ジャイアント・キリング」大阪ガンナーズ戦でございます。

   例によって気合い十分、敵FWに食いついて行ってるDF黒田ですが……。
   「釣られんな 黒田(クロ)!」
   「ハウアー見てろ!!」
   珍しくまなじりを決して叫んだ達海監督の声は届かず、切り込んだ片山に注意を取られた瞬間、190㎝超のハウアーの空中殺法が炸裂、豪快なワンバン・ヘッドを決められてしまったのでありました。
   これはクロちゃんだめでしょう。
   唖然とするちびっ子サポーター、ブラン代表監督、フロントオジサントリオ、「ちっ」と吐き捨てる達海監督、そして目を見開くダルファー監督と続けざまにアップになって、タイトルページ。

   「ゴォォォォール!!」
   「大阪ガンナーズ先制ーーー!!

   一枚絵のタイトルページ、ゴール方面からの絵で、真ん中に立ちつくす杉江(お耳が目立つ!)、身を起こす失意の緑川、尻餅ついて、まだちょっと呆然? の黒田をはじめ、動きの止まったETUのイレヴンに対し、ゴールを決めたハウアーを祝福して手を挙げたり、もう駆けだしているガンナーズイレヴンが対照的です。

   めくると、両手を広げ、感無量のハウアー、そこに、パスを出した片山が駆けつけ、
   「今のパスは貸しやぞ!!」と実にオーサカらしいノリ。さらに、
   「なんやねんハウアー! 俺にももっとパスよこさんかい!」と畑。この2人が頭をぐしゃぐしゃと荒っぽい祝福を致しますと当然、
   「ボクの頭に触るなあ!!」とハウアーが怒るわけだ。

   ベタベタな展開です。笑ったけど。

   そしてさらに。

   「自己陶酔型の陽気なオランダ人」と欄外紹介文を更新されてしまったダルファー監督が、
   「ああ!! なんて美しい ゴールなんだ!」
   「ボクは 感動の余り 涙してしまい そうだよ!」とやると、すかさず、ソノダくんが、
   「ハンカチなら 用意してますよ ダルファー監督」と、こちらもベタベタ。

   なんて名コンビ。
   次のページに行ってもまだ漫才やってるし。

   達海監督! こいつらこれ以上調子に乗せちゃダメですよ!

   で、ETUはどうかというと、監督の直接の指示は要(カナメ)の杉江へ。
   「すまねえ」という黒田には、緑川が、
   「お前はしっかりやれてるよ」フォロー。
   「俺が片山さんに抜かれたから……」と下を向く清川には(こういうときにも石浜と2人で映る清川、仲良しさんね)、赤崎が、
   「ホラ… だから 言ったじゃ ないスか」と神経逆撫で

   ヤバイよ、ザッキー!

   「別に 絶対1対1で 勝てって言ってるじゃ ないっスよ」
   「ただ 足止める くらいは できるでしょ?」
   「そしたら 俺達だって フォローに 行けるんだ」
   「死にものぐるいで やれって話っスよ」

   FW生き残りが一段落つき、SB開眼がこの試合でなされるとしたら、次はザッキーの浮き上がりエピソードになるんじゃないかと心配!

   村越の場合、今までの期待と実績がプラスの状態からゼロに落ちて、そこからの這い上がりでした。椿はゼロがマイナスに落ちて、かな?
   ザッキーの場合、マイナス5くらい(元々生意気)がマイナス10(最近思い上がってないか、対して活躍してないのに!)にまで落ちてからのはい上がりっぽくって。周りも、今までの例だと好意的に引いてるか、心配してるぐらいだったのに、もう嫌われかけてるカンジがします。
   心配よ、心配だわ~~~~!

   と、おかあさんの余計な心配を余所に、村越キャプテンは、
   「そのくらいに しとけ」と場を収拾するのですが。

   「圧倒的に 攻められて 失点なんて」
   「去年 何度となく あったじゃないか」
   10番の大きな背中が映ります。

   「今さら 気に病むほどの ことじゃないよ」
   「さあ 攻めよう」と、吉田のアップ。力を入れて美形に描いてます。

   

かあ~~~~~~っこええ
   え~っと、往年のモーニング看板漫画、「蒼天航路」、官渡大戦で膠着状態を打破するために夏侯惇さま(他曹操下の諸将軍)が一兵卒として前線に出たエピソードを思いだしますね。まさか、あの偉大な将軍が俺達の前に下りてくるとは、と一兵卒の山ちゃんが半信半疑でいるのに、夏侯惇さまは自然体で一兵卒をやっている(マジメなんです)。ところが戦闘にはいると、さすが、凡人とは格が違う、100人力で雑兵を蹴散らしてくれる、それを見た山ちゃんの感想が、「かあ~~~~~っこええ」。
   凡人が、明らかに自分たちとは格の違う戦士を見たときの心からの感想ということで。
   いやでも、言ってることは、「ワンピース」の弱虫凡人代表、ウソップと同じくらい情けない内容なんですけど。

   一瞬魂を抜かれたETUのみんなも、ハッと我に返って、
   「そんなんでモチベーション上がるかー!!」と叫んでます。

   ああ、これだ、吉田のトラブル解決能力。初登場時の黒田と赤崎の乱闘をなし崩しにしちゃったやつ。
   別に本人も誰をかばおうとか考えてる訳じゃないだろうけど。
   いやな雰囲気はとりあえず消えたな。
   村越が正論で押さえ、吉田が不思議パワーで強制的にガス抜きする。ETUが去年2部落ちしなかったのはこういうメンタル面の調整をしてたからでしょうか?
   吉田、意外な使いでのある選手であります。

   さて、「これで 勝った気に なってんなら」
   「笑うぜ ダルファー」達海監督の顔も全然追い込まれた感じじゃないですよ。

   ここで視点の転換。シーズン開幕からETUを追うことにした女性記者、藤澤さんへ。ETU番としては先輩の山井記者から話を振られます。
   「さすがに あんたでも 知ってるだろ?」
   「ETUが 相手に先制される ことの意味」

   そうか、藤澤さんはサッカーに興味がなかった読者へのサーヴィス、「初心者代表」なんだ。(デリカシーがないのよっ!)と内心どつき回しつつも、藤澤さん(と読者)は大きなお世話な解説をしてもらえるんですね。

   いわく、「上手くいった 経験が乏しいから 正解のビジョンが イメージできない」。

   ナルホド。負け癖ついちゃってる上に、「ガッチリ固めてカウンター」戦術しか採ってこなかったから、劣勢を吹き飛ばす大攻勢をどうやってかけたらいいか判らないんだ。

   ヴィクトリーとのプレシーズン・マッチでも、2点まで取られちゃったら終わった気になってましたもんね。綱本さん(原作者)、考えて物語作ってあるなあ。
   あのときは、村越の奮起で何とかなってましたけど。
   さあ、どうなるんだろう?
   「だから 期待 するんじゃない」
   「 監 督 の 力 ってものに……」さすが、藤澤さんは読者代表だ!

   吉田がはじめます。
   「さっ」
   「そろそろ いくよ ナッツ」

   試合前から異様なテンションだった夏木の出番です。

   なにを指示されてるんだろう? ってとこで以下次号!?

                                 ……脚本上手すぎ。

   * * * < 今週のザッキー >  * * *

   前述の通り。アップで出てうれしいけど、これじゃ悪役です。試合に勝てたとしても、この先が心配。黒田ほど単純じゃないからチームにちゃんと戻ってこられるか。黒田みたいに、ちゃんと判ってくれてる相棒もいないみたいだし……。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月 9日 (金)

「図書館戦争」 #4

   仕事にも慣れ、司令を守ってちゃんと任務で活躍もできた郁ちゃんですが、その図書隊配属を内緒にしてる父母に突撃されることに!

   オープニングで毎回「……その世界に飛び込んだ一人の少女がいた!」ってやってるんですが、そんな、4大出た立派な成人女性(芳紀22!) を「少女」ってどうよ? いや、心は乙女だからいいのか?

   週刊誌に載った写真は、稲嶺司令を見送って、
   「約束通りちゃんと仕事をしたって証言しますよ」って言ってもらってた救急車前のシーンのものでした。これでタスクフォース配属って判るかなあ? でも、郁がちゃんと仕事をしてることが判るシーンとなるとここになるのもしょうがないかな? あっちを削るとこっちもいじらないと、と、一つのつながりあった世界を刈り込むのは大変。

   

お父さんがなんだか伊東四朗でした。もうちょっとマッチョぎみかと思ってた。お母さんに恐ろしいトラウマを植えるほどの無茶をやってくれる人だから。(言ってもいいかな)でもお父さん県庁づとめなんだよね。普通に「公務員」って言ってて、3巻後半のいいところにどーんと出て、「うをっ、すごい伏線!」って無駄に驚いた覚えがあります。

   郁がまっさきに教官に助けを求めるシーン、レファレンスでお父さんに試されるシーン、みんな拾ってあってほっとしました。郁が「活躍」するシーンは……あったっけ、原作に。この辺忘れてて素直に楽しめました。「でかした!」と教官2人が駆け寄って、「ハッ」と気づいて振り返るシーンは笑ったな。

   最後のシーン、フローリングに横向きに掃除機を掛けてるのは誰だよ、と思ったら堂上教官でした。箒だったら絶対NGだけど。フローリングは目に添って掃除機掛けなくていいのかな? ぜったい目に添うに越したことないと思うけど。
   その後の、お父さんが残していった週刊誌、郁のところが折ってあるってのは、アニメだけの人は意味が分かったのかな? もう一言説明あってもよかったんじゃないかな。

   2巻の内容、忘れちゃった。この後は何が続くんでしょう。毬江ちゃんの出番は大人の事情でカットになった模様。じゃあえっと……ああそうだ、朝比奈氏と手塚兄登場だ!(たしかキャストも発表されてました)

   3巻内容までで終わりだとすると、手塚兄はあんまり活躍なしかな? そして、手塚兄への工作担当となる柴崎と手塚の絡みが丸ごとカットでおかあさん悲しい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

「篤姫」 17 親の因果が

   えーと。どんな話だったっけ。

   篤姫ちゃんを大奥に入れるのは水戸派工作員としての役割がありました。ソレは何でかというと、れいのバカとの家定くんには子どもがおらんのです。病弱だし。バカだし。これは次のことを考えておかないと、というのが幕閣の皆さんのお悩み。で、将軍候補最右翼は江守斉昭くんの子で、一橋家に養子に行ってる慶喜くんなわけよ。
   太平の世も250年続くと、どこもひ弱になっちゃって、この時代の大名は養子のやりとりで家系図が入り組んじゃってます。また、あの家斉くんが何十人と子供を作っちゃったんで。その昔の嵯峨天皇も、多すぎる皇子皇女を源氏に下すことで乗り切ったんですが(この時はやっぱり荘園とかつけてやったんですかね? 当時はまだ朝廷にも財産があった)、徳川家も10代になるともう新しく家を興したりする余裕がなくって。もうそこら中の大名家に押しつけまくったと。ちゃんと嫡男のいるような所にまで。そんでそのうちを乗っ取ったようなところもあって。……そういう恨みも実は倒幕運動には影響してるなきっと。
   ええと、そういうわけで、「水戸家から将軍が出たら徳川家は終わる」とか不吉な予言をされてるという噂もある水戸家ですが、幕末(当人達はまだそう思ってない)には将軍を出す気満々なわけです。ひょっとして悲願? 幸か不幸か慶喜は相当頭も切れる若殿だそうで。

   とーこーろーがー。

   不吉な噂より慶喜くんのお世継ぎレースへの大きな障害がありました。それは

      

大   奥   。

   慶喜くんじたいが悪いというのではないのです。パパが悪い。あの江守斉昭くんが大奥から総スカンを食っておるのであります。

   それはなぜかというと、端的に言うと、エモリンが悪いです(江守ちゃう)。

   

徳川斉昭はセクハラ大王だったのです。
   ただ大奥のお女中達にえっちなことを言いかけるだけでなく、斉昭の兄嫁はその家斉の姫なんですが、そのお姫様についてきた上臈を

   

犯 し て 身 ご も ら せ た
                                 ……んだそうな。三田村鳶魚が言ってました。エンギョしか言ってませんが。って、江戸学の権威の著作の史料としての信憑性疑ったらなんもできませんか、そうですか。一応名前も残ってますけどね。唐橋さんだそうです。

   これは、ふつうにお殿様がそこら辺の町娘をピックアップしてヤリ捨てしたのとは違うみたいですね、大奥的に。

   何度も申しますが、大奥ではキャリア組とお色気組はきっちり分かれてます。お色気組は、ちょっとした簡易オーディションがあり(庭を順番に歩かされてそれを陰から見てるとか)、お目に留まるとお呼び出しがあって、その後の気に入られ方とか具体的戦果とかで出世していくわけですね。キャリア組は、はじめからその気で入ってきたひともいるみたい、女の園で、事務方、人事、渉外方面で働くある意味女性官吏として出世を目指すのであります。それが「お年寄」とか、「お客あしらい」とかいう職名だったと思いますよ。そして、キャリア組を夜にご指名するのは将軍さまといえども御法度だった筈。その権勢は、老中なんかが「もうちょっと支出控えてよ」と言ってきてもなんだかんだと上手いこと言って突っぱね、それが武勇伝として残ってるぐらい(色の方面を我慢してるんだから食欲その他ぐらい好きなコトさせろとか、女房の他に妾囲ってるやつに指図されたくないとか言ったらしゅうございますよ)。ちょっとした旗本ぐらいの収入があったそうな。それで、ついてる親分の名代として、お寺参りとかもやってたみたいですね(=江戸城から外出も可能)。御休息用のお屋敷も持ってたとか。お色気組にはチョットムリかな?

   そういう変な制度も、女の園を平和に保つための知恵だったのですね。天下第一の人に寵愛されるという特権を持つのだから、表に通じる権威は持つな、女性としての喜びの一切を放棄する代わりに男並みの出世を。誰だっけ、春日局の発案ですか? それをまあ200年もよく頑張ったこと。

   それはまた、大奥から他家へ嫁入りする姫君に従うお女中達にも言えたことだったのでしょう。天下一の権威を持って嫁入りする姫君は、迎える側には大いなる脅威で。それに、天下一の女性集団から選び抜かれた美貌と教養を備えた侍女達が従ってくるのですから。
   迎える大名家の奥向きも圧倒されます。大奥に乗っ取られるような気もするでしょう。将軍家という紐のついた女性が藩主の子を身ごもったりしたら、なんかむつかしいことになりそうだし。それに対し、「この人達はオンナじゃないですから。わたしの召使いで、そういう役目じゃないですよ」という建前でついてってるんでしょ? 上臈とか、年寄とかって。

   それに手を付けちゃだめじゃん。

   女性達の200年かけた融和工作を土足で踏みにじってるわけです。
   そりゃ怒るよ。
   なんでも、大奥側の抗議に、唐橋君は堕胎させられ、故郷に帰ったことになってたそうですが、真っ赤な嘘、水戸の方にコッソリ囲ってたって。
   そりゃ怒るよ。

   さらに、慶喜君の兄、水戸藩の跡取りくんには奥方(御簾中と呼ぶ)がおったのですが、なぜか自害を遂げております。このお嫁さんも、斉昭の毒牙にかかってのことと言われてます(相当な言われようだな)。

   とりあえず言えることは、慶喜くん、ママが37のときの子で。当時の大奥では30才を過ぎると、高齢出産を避けるために女性は夜は現役引退なんですよ。他の大名家もだいたいそうしてるはずですが、それなのに、慶喜くんは高齢出産の子なわけで。同じママから産まれたお兄ちゃんもいるし、別に斉昭パパはママ一筋だったわけでもないのに。
   要するに斉昭は30過ぎの奥方と、ルール違反をしてまで子作りをしておったと。

   

俺のうちで好きにして何が悪いというカンジが透けて見えませんか?

   やだなあ、そういうオヤジ。いくら頭が切れて教養があっても。エモリン酒乱の気があるそうで、またそういう役が似合わないとも言いきれないのが情けない。

   ええと、そういうわけで、水戸斉昭公は大奥で蛇蝎の如くに嫌われておって、その子である一橋慶喜公を将軍世子に据えるには若干の裏工作が必要と思われていたわけです。

   そのエージェントたる篤姫です、もう、金に糸目は付けない嫁入り支度をと言われ、田舎ものの無骨者の西郷どん、目を白黒。いろんないいものを見て鑑定眼を養ってました。
   そこでマスクド貴婦人が自分の嫁入り道具を持ってきてくれて、これを使えと言った?  それに、「お下がりなんて最低!」とうちの虎美と幾島が一緒になって憤慨してましたね。でも、当の篤姫は「お礼をいっといて」とスルー。最後うどんが「これは素晴らしい!」とかいってひとりで感動して見てて。
  「お礼を言われましたけど」と、マスクド貴婦人づきの滝山くんの報告を受けて「あの姫らしい」とうなずく貴婦人も意図が知れません。とりあえずこのレヴェルは押さえておけ、という親切心だったのでしょうか。
  結局GOサインが出たからには金に糸目は付けないということになり、もっと凄いお支度を作れということになったのですが。安政の大地震に被災、最後うどんが頑張ってそろえた嫁入り道具は灰燼に帰してしまったのでありました。

   あーあ。

   ま、そういうこともあるさ。

   あ、お国元の方で小松先生が亡くなって、尚五郎ちゃんが婿養子になる話がでてたんだっけ。せっかく上京して篤姫に再会して喜んでたのに、急転直下。でも、尚五郎ちゃんも腹を決めてまた薩摩に戻ることにしたのでした。

   斉彬パパは優しいですね。篤姫の成長を待ち、その気がないことを理解してちゃんと「友人の」尚五郎ちゃんに対面させてやり、聞き分けのない尚五郎ちゃんを優しく叱って現実に向き合わせて。ホント、史実の斉昭くんとドラマの斉彬くんとを一緒くたにして比べちゃイカンのだけど、パパになって欲しいのは即決で斉彬くんだな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年5月 7日 (水)

永遠の和久井映見

   「ちりとてちん」の総集編、絶対見るって言ってたのに、結局尻尾だけしか見られなくて。まあ、夏休みにもう一回あることを期待しましょう。

   裏ヒロイン天然の糸子ママこと和久井映見がきれいで。
   田舎のおかあちゃん役だから、そんなに美々しく着飾ってなくて、お化粧も控えめだったんだけれど、それでも光る清楚な美貌とお肌のきれいさ
   本放送中からしみじみうっとりとしておったのですが。

   和久井映見って、そんなにオバサンじゃないよね?

   たしかわたくしがお勤めしておった頃、三和銀行のCMキャラクターをやっておったとお思います。バブル期で規制緩和が進み、銀行もCMをやってよくなった頃で、各行満を持して人気のある女優さんを投入しておったのです。DKB(第一勧業銀行)はさすが、キョンキョンこと小林今日子、富士銀行は逆を行ってモックンこと本木雅弘であったと記憶してます。三和銀行は、初代があの三浦カズの奥さんの設楽りさ子でした。うーん、ツウ好みすぎなセレクト。それが、CMを担当中にカズとの結婚話が出て、それってどうよ? といわれてたのを、「おめでたい話だからおとがめなし」とかそういう話まで週刊誌でチェックしてました。それで、早々に和久井映見に交代したんだわ。それで、和久井映見も、ドラマで競演した萩原聖人と結婚したんだっけ。……三和銀行のCMキャラクターをやるとすぐ結婚するんだろうかと妙に勘ぐってしまったり。また、その頃カズがセリエAに行くとか、イマイチ活躍できなくてさらに余所の国のリーグに行ったり、その留守に浮気疑惑とかいろいろ騒がれて、萩原聖人も見かけによらず破滅型で和久井映見も苦労してるとか噂になって、……三和銀行のCMキャラクターをやると不幸になる??? とさらに悩んだり。折しも3代目は松たか子で、スキャンダルはないものの、一時期の人気が一段落してバッシングとかされてる頃でした。今はもう、バブルを経て金融再編、有名女性タレントを使ったCMなんて流してる余裕があるのは……JAバンクぐらいですか。

   というわけで、和久井映見はわたしと同じ年とまでは行かないけど、だいたい同じ世代じゃないですか。まだまだ朝ドラのヒロインのおかあさんなんて役が回ってくる年じゃないですよ!(調べたら、’70年生まれ。ほら。まだ四十路には間があります!)30代で「天花」でヒロインのパパ役をやった香川輝之と同じぐらい可哀相!
   って、38かあ。
   もしかして、はたちぐらいでヒロインを産んでたら、ぎりぎりアリかも知れませんね。最初は小学校から始まってるし(それこそ学生時代の回想シーンもあったことだし)。たしか、デビュー10周年で子どもを授かって終わりでしたから、ヒロインの喜代美ちゃんは最終回で28ぐらいだし。

   でも、わたしとしてはいつまでも「お嫁さんにしたいタレント№1」をやってたと思った竹下景子がCMでおかあさん役で出た時ぐらいのショックだわ。

   ま、和久井映見にはそのそこはかとない薄幸そうなところを失わないで、でも強く生きてほしいものです。地味に応援してます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2008年4月27日 - 2008年5月3日 | トップページ | 2008年5月11日 - 2008年5月17日 »