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2008年12月12日 (金)

ジョジョOVA見たよ vol.7

   ジョジョ3部OVAの前半を締めくくる7巻です。
   霧の町に誘い込まれたジョースターご一行、ポルナレフがバーで女性を引っかけようとしたところで操られた死者たちが彼を襲う……というところから続き。

   原作通り辛くも逃げるもののトイレに追い込まれ、おれってこんなのばかりと愚痴るシーンはありましたが、なんか、軽みが足りないというか。見せ場だけあって、原作では涙を零して抵抗しながらも綺麗だったんだけどなあ。ここのところの荒木画伯のバランス感覚は素晴らしい。OVAの方の凄いところは、ポルナレフが本当にナニモノカを舐めている!!(可哀相に!) そして、窮地に追い込まれたところで場面は客室へ。6巻では窓越しに霧に閉ざされた町を透かし見る花京院のカットがありましたから、また花京院かなと思うと、今度は承太郎。降りてきて、ポルナレフを探してくれます。
   原作と違うのは、エンヤが若いヴァージョンなのでチェックインの記帳ネタじゃないところです(花京院は読みを変え、承太郎はあからさまに偽名を書いている。細かいサイトによると、ジョセフは綴り字を変え、ポルナレフはイニシャルを使うことで各人それぞれ用心していたらしい)。原作のここんところはバレバレながらもハラハラしたんですけどね。OVAでも、腹の探り合いはしてました。
   結局疑いは攻撃でうやむやになり、数で襲い来る死者、オラオララッシュの一周乱れ打ちで吹っ飛ばすスタープラチナ。この動きはスカッとします。しかし、死者は倒れても倒れてもまた襲ってきて、謎の美女エンヤは全然ダメージを受けず、高笑い。
   「おまえの仲間達はどうだろうね」承太郎を捜して花京院の部屋のドアを叩いたジョセフも、襲われていたのです!
   たまらず建物の外へ逃げ出す二人、フロントに、うずくまるひとが見えます。婆さんの方のエンヤ。お年寄りに優しいところをすかさず見せる花京院、ジョセフに、
   「先に行っててください」と言うなり、エンヤ婆を負ぶうのです。
   そりゃ無防備だろうよ。
   戸外に追い出された形で集合してしまうジョースターご一行。迫り来る死者達。空の上には不気味に渦巻く霧のスタンド。
   どうするよ?

   というときに、怪鳥の叫び声! 吹き上がるオレンジの炎。これはもしかして!?
   いっとき吹き飛ぶ敵スタンド、舞い散る炎。高い塔の上に姿を現すは炎の魔術師! 

   

モ ハ メ ド ・ ア ヴ ド ゥ ル 華 麗 に 復 活 ! 「YES, I AM!」(無かったですこの名台詞)

   千両役者! しぶ~く決めてくれました。まだ戦いの最中なので、ポルナレフとの感動の再会シーンはあとで。でも、驚きに震えるポルの顔は長く映ってます……これがまた不細工で。

   該当の原作19巻は、わたくしがこれだけは手元に持っていようと思ったぐらい絵の美しい巻なのに(れいのコーラン騒動で出荷停止になり果たせませんでした)。アヴドゥルの遺族に会うことになり、真面目に反省しているポルナレフが麗しく(夢を叶えるといって深層心理に潜むそのひとの弱点を突くスタンドのせいで、再生される妹がまた美人だったり、その復活をしみじみ喜ぶポルナレフが男前だったり)、そしてまた再生を願ったそのアヴドゥルに命を狙われて苦悩する姿もまたよく、最後に実際生きてた当の本人に救われて涙を流して喜ぶシーンも渾身の力作だったと信じています。

   それがこれかよ。

   いえ、細かい炎の舞い散る効果は幻想的で美しかったんですけれども。さすがはアニメ。

   しかし、時間をおくと復活するスタンドと死者達に、対抗手段はないのかとおののくジョースター一行……ところが、主人公は違う! 黙って、煙草を箱から振り出して。
   「アヴドゥル、火をくれ」って。
   原作のここではもちろん無いし、他でも、煙草の火をアヴドゥルに点けてもらってるシーンはなかったと思いますけど。
   この危機的状況に、煙草。
   一度は聞き流したアヴドゥルさん、再度催促されて、チッと指を鳴らす、と、手元と、離れた塔の上に一人で立つ承太郎の煙草に火が点きます。
   一口ふかすと、煙が立ち上って、帽子のつばに当たって揺らめきます。

   

カ ッ コ イ イ !

   原作は、途中で荒木画伯じしんが「煙草の煙がイヤになっちゃったので、登場人物達にも順次禁煙させちゃった」とコミックスのコメント欄に書いてましたけど、途中までは承太郎をはじめ未成年も煙草吸いまくりの作品でした。時代がだんだん、喫煙に厳しいものになっていったんでしょうね。もう、不良が煙草を吸うことは少年誌では描けなくなりました(去年ドラマ化された「有閑倶楽部」も、原作は’80年代だったので、魅録や可憐は煙草をふかして粋がってました。今ではとても許されず、キャンディをくわえたドラマ版ジャニーズ魅録にが~っかりした覚えが)。大人の煙草でも、子供向け作品ではあんまり格好良いものとして描くことはできないんじゃないかしら。おとなの文化が消えてゆく。喫煙具メーカーは断腸の思いでしょうね。でも、わたし個人としては煙草の匂いは嫌い

   とりあえず、現実の煙草とは切り離して、男のかっこよさの象徴としてこの喫煙シーンを見ました。

   ……でも、承太郎はこの時点で17才の高校生なんですけどね。あの体格といい、顔の渋さと言い、あり得ない(精神性も)。

   とにかく、ひとり余裕の承太郎でした。

   「スタンド使いは近くにいる」と、ひょいと飛んで花京院の立つ塔へ渡ります。顔がすれすれに近づくのがもうどきどき。目的は、花京院(との相談)ではなくて、その背のエンヤ婆。ここで、序盤でカットされた対ダーク ブル ームーン戦のエピソードを使うかぁ!
   「スタンド使いは煙草の煙を吸うと鼻の頭に血管が浮き出る」と渋く決めつけるのです。やっぱり煙草ってスタンド使いの皆様にも悪影響を及ぼすのね(違います)。
   「え?」「そんな」「何を」と、それぞれ鼻に手をやるジョースターご一行。そして、花京院の背の「ホテルの女将であるところの一般人のおばあちゃん」エンヤ婆も。
   「嘘だろう」とポルナレフ、
   「ああ。だが、間抜けは見つかったようだぜ」
   エンヤ婆がスタンド本体であることがばれてしまったのです。

   

超クール!!!

   原作でもスッキリ! のエピソードをここへ持ってくる! GJGJGJ!!

   で、このままでは終わらず、原作でのスタープラチナが霧のスタンドを全部吸い込んで無力化するという結末へ。
   ……煙草を常用してると肺活量が落ちるって聞いたんですけど。承太郎さん、あの煙草の量でスタンドを吸い尽くす肺活量って……ハーフとはいえ、すごい。納得の胸囲でした(いやフィクションだから!!)。

   感動の再会に、「ポルナレフは口が軽いから内緒にしてたんだよ」とジョセフの種明かし。堤案は花京院。あんたら芝居巧すぎ。原作ではショックを受けるポルナレフが軽く明るく描かれていて、笑いながらも同情したんですけどね。まあ、少なくともエルボーの辺りではまだ花京院も、自分たちはアヴドゥルの遺骸を捨てて逃げたと思ってたと思いますよ。

   エンヤ婆が気絶して(これは、やっぱり小さくて年寄りで女性のエンヤ婆を主人公達が殴ったり蹴ったりするのは体裁が悪いというのもあったんだろうな)、スタンドが消えると町の姿が一変します。小さいけれど町並みの整っていた町は、なんと廃墟。これいはアニメならではの美しさを感じました。

   しかし、ここで事件。まだ生きていたエンヤは、DIOによる口封じ、花京院の額に植わっていたような肉の芽が急激に発達して……。

   無念のジョセフ。「DIOは誰も信じない……」と、自分もいつかはああなっていた運命、とDIOへの闘志をたぎらせる花京院でした。

   ここで第3部の前半アジア編はおしまい。先に作られていたという後半エジプト編と繋がります。

   う~む、7巻だけの評価でいくと、絵はもう慣れたし、動きは滑らか、アニメならではの表現もこなれていて美しかったし、脚本演出などは申し分なく、非常に楽しめました

   前半7本全体の評価というと……

   キャラクターの解釈の違いに大いなる忍耐力を持って見るなら、スタンド戦のイメージや音楽・効果などは非常に原作の理解度が高く作ってあると見ました。6巻に音響スタッフのコメントが付いていたのを見て感心したからほだされてるかも。

   総じて、大人(というか、中学生坊主以下は見るなという感じ)のアクション好きを想定して作ってある感じで、キャラの外見を目当てにミーハーなノリで見るものではないということかな。想定外客層で失礼しましたね。

   ということで、ほとぼりが冷めた頃また後半を借りてみるつもり。

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